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【医師監修】MCTオイルとはどんなオイル?いつ摂る?1日に摂りたい量は?味は?オメガ3との違いまでまとめて解説

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2023/9/22

「MCTオイルとは?いつ飲む?摂取量は?」と疑問を持つ方も多いでしょう。MCTオイルはココナッツオイルと同じく、飽和脂肪酸のうち中鎖脂肪酸を主成分とする食用油です。
継続しやすい日中に、小さじ1杯程度を目安に摂ってみてください。無味無臭に近いため、コーヒーに加えても味を邪魔しません。
オメガ3系脂肪酸を含む、亜麻仁油との併用もおすすめです。新生児も口にできるMCTの魅力を覗いてみましょう。

 

MCTオイルって何ですか?特性や脂肪酸の違いを徹底解説

MCTオイルとは、飽和脂肪酸のうち中鎖脂肪酸(MCT)を主成分とする食用油です。
中鎖脂肪酸は、ココナッツやパームフルーツに含まれています。他に母乳や牛乳にも含まれるため、実は新生児も自然と口にしています。
中鎖脂肪酸は脂肪酸の一つでありながら、油特有の味やにおいがほぼありません。味を邪魔しにくいため、さまざまな食べ物や飲み物に加えられます。
ほかにどのような特性があるのか、詳しくチェックしてみましょう。

ココナッツオイルと違って中鎖脂肪酸のみ!

中鎖脂肪酸を含むほかの食用油としては、ココナッツオイルやパームオイルがあげられます。決定的な違いは、MCTオイルは“中鎖脂肪酸のみ“で構成されているところです。
ココナッツオイルは健康によいといわれる代表的な食用油ですが、中鎖脂肪酸だけでなく、長鎖脂肪酸も含まれる違いがあります。

MCTオイルのエネルギー変換速度は通常の約4倍

中鎖脂肪酸のみで構成されるMCTオイルは、一般的な油と比べ、分解・消化・吸収スピードが速く、エネルギー変換速度が約4倍といわれています。
食べ物の分解速度に関わる中鎖脂肪酸の分子の鎖の長さが、長鎖脂肪酸の約半分のためです。
MCTオイルは長鎖脂肪酸が主成分のキャノーラ油やラード、また長期脂肪酸を少しでも含むココナッツオイルより分解されやすく、体にとどまりにくいと考えられるでしょう。
さらに、分子の鎖が短い中鎖脂肪酸は水になじみやすく、摂取すると糖分などと一緒に直接肝臓へ運ばれます。
対して長期脂肪酸は、摂取後は全身に運ばれ、必要に応じて貯蔵・分解されます。中鎖脂肪酸は寄り道しないぶん、より素早くエネルギーに変換されるのです。

健康によいといわれる「オメガ3」との両立もおすすめ

健康によいといわれる脂肪酸の一つに、不飽和脂肪酸のオメガ3系脂肪酸があります。MCTオイルを検討するなかで、オイルの主成分となる脂肪酸の違いが気になる方は多いかもしれません。
オメガ3脂肪酸は、青魚のほか、オイルでいうと大豆油やなたね油、亜麻仁油などに含まれています。オメガ3脂肪酸が属する多価不飽和脂肪酸は、生命維持に不可欠でありながら体内で合成できません。
食事からの摂取を必要とする必須脂肪酸で、なかでも大豆油やコーン油に含まれるαリノレン酸は、健康や美容にうれしい働きを持っています。
消化、吸収されやすく、効率的にエネルギーを生み出せる中鎖脂肪酸とは違った特徴ですが、どちらも健康のために役立つといえます。
イキイキとした毎日を過ごしたいなら、MCTオイルとオメガ3脂肪酸を含むオイルとの併用も検討してみましょう。

 

MCTオイルの働きをチェック!日常生活・スポーツなどシーン別に紹介

分解・吸収・消化がスピーディーなMCTオイルは、長年にわたって医療や介護の現場を支えてきました。エネルギーになりやすいところも、切羽詰まった状況下でのエネルギーチャージに役立つと考えられます。
医療や介護現場で愛用されるMCTオイルは、私たちを取り囲む日常生活やスポーツシーン、シニアライフにも貢献しているのです。シーン別の働きを確認してみましょう。

日常生活で体脂肪の燃えやすさを後押し

MCTオイルを食事に取り入れると、日常のなかでの“燃えやすさ”を助けてくれるのが利点です。
通常、身体を動かすときには糖質と脂質のいずれかがエネルギー源となり、高強度の運動では糖質を利用する割合が高いと報告されています。
しかし、運動習慣のない中高年を対象とした検証では、MCT習慣化後は低強度の運動で脂肪が燃えやすくなるとわかっています。
ちなみに、運動といっても散歩や家の片付け、子どもと遊ぶ…といった、ちょっとした活動から対象となります。
燃えやすい状態を作りたいなら、MCTオイルを日常的に取り入れつつ、いつもより少し活動的な行動を心がけてみてください。

長く運動するスポーツシーンにも貢献

MCTオイルは日常生活のみならず、スポーツシーンにもプラスとなる働きをしてくれます。通常であれば、高強度の運動には糖質が消費されやすいとお伝えしました。
ですが例えば、フルマラソンをするには体内に備えられている糖質量だけではエネルギー不足を起こしかねません。
MCTオイルを習慣化すると脂質が利用されやすくなるとはいえ、より長く運動するためには、脂質をエネルギー源にまわす身体づくりが有効といえます。
エネルギー切れを起こさず走り切るためには、MCTオイルを摂る食事による糖質の温存がカギなのです。

低栄養になりやすいシニアライフの味方

MCTオイルは、加齢に伴う食の細さや飲み込みにくさによる低栄養にも、力を添えてくれます。
厚生労働省による平成29年度の「国民健康・栄養調査」によると、低栄養の傾向にある65歳以上の男性は12.5%、女性は19.6%(※)存在します。
低栄養になると気力や筋力の低下のみならず、さまざまな不調を引き起こしかねません。健康な身体の維持にはタンパク質の摂取が欠かせず、タンパク質を分解するにはエネルギーが必要です。
十分なタンパク質とエネルギーに変わりやすいMCTオイルを盛り込んだ食事は、シニアライフの味方になってくれるでしょう。

※参照「国民健康・栄養調査について/厚生労働省」
 

MCTオイルはいつ飲むのがおすすめ?摂取目安量は?

MCTオイルは医薬品ではないため、基本的にはいつ飲んでも構いません。摂取量の規定もありませんが、おすすめのタイミングや目安量があります。
分解・消化・吸収されやすく、エネルギーに変わりやすい特性を十分に活かしたいなら、ぜひ参考にしてみてください。

おすすめの摂取タイミングは「継続しやすい日中」

MCTオイルを摂取するおすすめのタイミングは、寝る直前を除く日中です。規定はないため、継続のしやすさを重視してください。
朝食時や昼食後のコーヒーブレイクの時間など、継続しやすいと思うタイミングでの摂取がおすすめです。
ただし、寝る直前はおすすめできません。分解・吸収されやすいとはいえ、寝るまでに完全に吸収されるとはいえないためです。
エネルギー消費の少ない夜はなるべく避け、一定の活動量が見込める日中での摂取を習慣化しましょう。

摂取目安量は「小さじ1杯程度」からはじめて

MCTオイルの摂取目安量は、小さじ1杯から大さじ1杯程度です。過度な摂取はおなかがゆるくなるおそれがあるため、最初は少量から試してみてください。
また、摂取目安量は各MCTオイルに記載されています。使用前に確認しましょう。

おすすめの摂り方は「コーヒーにちょい足し」

味を邪魔しにくいMCTオイルは、基本的にどんな食べ物や飲み物にも加えられます。
MCTオイルのおすすめの摂り方は、以下のとおりです。

  • ● 朝食時に…サラダor味噌汁orヨーグルト+MCTオイル
  • ● 昼食時に…ごはん(炊き込み時に)or卵+MCTオイル
  • ● ブレイクタイムに…コーヒー+MCTオイル

MCTオイルは、加熱は厳禁です。揚げ油や炒め油として使用すると、煙が出るリスクを伴います。
また、そのまま飲むのも身体への負担が大きいため避けましょう。熱い食べ物や飲み物に加えるのは問題ありません。

 
MCTオイルの活用で健康への意識を底上げしましょう

高機能なMCTオイルですが、健康に役立てるには「バランスのよい食事」の前提があってこそ。主食と主菜、副菜を含む食事をベースに、うまくMCTオイルを取り入れましょう。
MCTオイルには、おなかまわりが気になる方にむけた中鎖脂肪酸100%の機能性表示食品もあります。
中鎖脂肪酸のうち、BMIが高めの方のウエスト周囲径および体脂肪や内臓脂肪を減少させる報告を受けた機能性関与成分を含むアイテムです。
より健康に配慮したい方は、MCTオイル個々の機能性にもぜひ注目してみてください。

監修医師からのアドバイス

MCTオイルは安全なオイルですが、カロリーが高いので、取りすぎはよくありません。また、多量のオイル摂取によって腹痛をきたす場合もあります。
バランスの良い食事に適量を少し付け足すような気持で使用するといいと思います。

  • 齋藤幹

    監修医師齋藤幹

    さいとう内科・循環器クリニック院長
    公式HP:https://saito-heart.com/
    1996年北海道大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院にて内科研修。
    その後東京大学医学部付属病院(循環器内科)や専門病院での経験を経て、2019年に「さいとう内科・循環器クリニック」を開業。
    医学博士、内科認定医、総合内科専門医、循環器専門医・指導医、臨床研修指導医