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【どこよりも詳しい精油の話・3】ローズマリーの歴史と魅力<魅力編>

2023/07/10

ローズマリーは料理や薬用に古くから使われ、力強く刺激的な香りで何世紀にもわたり人々を魅了し続けているハーブです。ローズマリー精油は古くからさまざまな研究により、化粧水の材料や育毛、フケ予防に古くから使われています。
<魅力編>では、ローズマリーの基本的な情報・精油の楽しみ方・ローズマリーに関する最近の世界中の研究について、ご紹介します。

 

ローズマリーの産地

フランス・スペイン・イギリスなどのヨーロッパ、メキシコ、アメリカ(とくにカリフォルニア)が主な生産地です。また、地中海・ポルトガル・スペイン北西部など、ヨーロッパの多くの地域に自生しています。温暖な気候を好み、気候さえ合えばどこでも育つほど丈夫で、よく増えるため、キューバでは侵略的雑草と言われています。

 

ローズマリーの生物学的な情報

シソ科サルビア属の常緑低木で、和名はマンネンロウ(迷迭香)。学名はSalvia rosmarinus(サルビア・ロスマリヌス)ですが、2017年までの学名はRosmarinus officinalis(ロスマリヌス・オフィシナリス)でした。葉は細くて光沢があり、小さな松の葉に似ています。高さは通常約1mほどですが、品種や環境によっては2mまで成長。寿命は20年以上あり、時には30年枯れずに育ちます。

温暖な気候で育つ

ローズマリーは、温暖な気候と十分な日光、適度に乾燥した土壌を好みます。日本を含む温帯の地域でよく育ち、害虫がつきにくく増えやすい、寒さや干ばつに比較的強いといった特徴があるため、ガーデニング初心者でも育てやすい植物です。また、「海の聞こえる場所」に育つという古代の伝説があり、実際にローズマリーは海のそばや砂質の土壌でよく育ちます。

1年で何度も収穫できる

春と夏には、白やピンク、紫、または濃い青色の小さな花を咲かせ、とくに温暖な気候の場合には絶え間なく開花します。初春に咲く花の蜜と花粉は、ミツバチにとって重要な食料源です。花からは種子が取れるものの、発芽率が低く、発芽するまでに時間がかかります。発芽してから大きくなるまでに3年ほどかかるので、挿し木で増やすのが一般的です。枝を水や培養土に挿して、水を切らさないようにしておけば根が出ます。
ローズマリー精油は、葉や小枝、頂花から水蒸気蒸留で抽出して作ります。1年のうちに何度も剪定して収穫でき、料理や手作り化粧品に活用できるので、庭で栽培するのにおすすめです。

 

ローズマリーの種類

ローズマリーには多くの園芸品種があり、大きく分けると、枝が上に伸びる直立型と、枝が地面を這うほふく型の2種類あります。園芸品種は学名の下位分類になるため、直立型でもほふく型でもSalvia rosmarinusです。また、スペイン・モロッコ・アルジェリア・リビアで主に育つローズマリーの学名はSalvia jordanii(古くはRosmarinus eriocalyx)。Salvia rosmarinusと近縁ですが、別の植物になります。

ローズマリー精油には、いくつかのケモタイプがあります。ケモタイプとは、精油採取に使う植物の種類は同じであるものの、産地や気候の違いにより成分が微妙に異なる精油です。ローズマリー精油のケモタイプはすべてSalvia rosmarinusから作られていますが、産地などが異なるため、成分が微妙に異なります。

ローズマリー・カンファー

樟脳の香りが強く、刺激も強い精油です。筋肉痛を抑えたいときや、覚醒したいときに向いています。ローズマリー・カンファーとレモンを2:1でブレンドして日中に嗅ぐと、認知症が改善されるとする研究報告があります。

参照:アルツハイマー病患者に対するアロマセラピーの有用性
アロマセラピーの快眠・認知機能改善効果への期待

ローズマリー・シネオール

鼻にすーっと抜ける爽やかな香りが特徴です。集中したいときに向いていおり、呼吸器のケアにも使われます。

ローズマリー・ベルベノン

青っぽくフレッシュな香りが特徴です。ヘアケアやスキンケアに向いており、肝臓の強壮にも使われます。市販されているローズマリー精油の多くは、カンファーもしくはシネオールタイプです。

 

ローズマリー精油の魅力

ローズマリー精油は心身に活力を与え、活動的にします。頑張りたいときだけでなく、髪や肌のケアにもおすすめです。心や体へのローズマリー精油の働きかけを紹介します。

心への働きかけ

記憶力・集中力の低下の改善や、気力を出したい時、落ち込んだ気持ちをやわらげ元気を取り戻したいときに使ってみましょう。だるくてやる気がでないとき、少し落ち込んでいるとき、しゃっきりさせてくれる香りです。

体への働きかけ

疲労感の改善や、体のこりや違和感をサポートするのによく使われます。冷えを感じる際に温めたいときにもおすすめです。また、食欲を出したいときや、しゃきっとせずボーッとする場合にも使われます。逆に、高血圧の人は使用を避けたほうがいい場合も。

肌への働きかけ

肌のの疲れやくすみが気になるとき。さらに、傷跡のケアにも使われます。エイジングケアに使われる場合が多いです。
頭皮を温めケアしたい際にもよく選ばれる精油です。
肌や髪に使うなら、次に説明するローズマリー・シネオールかローズマリー・ベルベノンを使うのがおすすめです。

 

ローズマリー精油のおすすめの使い方

ローズマリーは仕事や勉強に役立つ精油です。また、体のこり・冷え性に使えます。髪や肌のケアにもよい精油です。おすすめの使い方を紹介します。ローズマリーは単体でも役立つ精油ですが、キャリアオイル(精油を薄めるための植物油)・エタノール・アロマペンダント・スプレー容器等があるとさらに使い道が広がります。

集中したいときに

ティッシュやコットンにローズマリー精油を数滴垂らして近くに置きましょう。精油を染み込ませて香りを持ち運べる、アロマペンダントを使うのもよいです。目が覚めなくて集中できない時はローズマリー・カンファー、気持ちが散って集中できない時はローズマリー・シネオールがおすすめです。
ローズマリーは、レモンペパーミントティートゥリーなどすっきりした香りと相性がよいので、好みでブレンドするとよいでしょう。また、精油数滴をエタノール10mlに溶かして水20mlで薄めれば、アロマスプレーとして服や部屋にまく使い方ができます。
気のめぐりをよくしたいなら、グレープフルーツやレモンとブレンドするのがおすすめです。ローズマリー1~2滴をキャリアオイルか乳液10mlで薄めて身体に塗ってもよいです。

肩に違和感や不安をおぼえるときに

ローズマリー3滴を、キャリアオイルもしくは乳液20mlにブレンドして肩に塗りましょう。マジョラム3滴を足すと体を温めつつ血行を促すブレンドになります。さらに、ペパーミント3滴を足すと程よい清涼感で肩の違和感がやわらきせます。

冷えを感じるときに

ロ心も体もむしばんでいく「冷え」。ローズマリーはさまざまな体の部位を温めたいときに使うと、その香りで心身を癒してくれます。

足湯

ローズマリー1滴と大さじ1の天然塩を熱いお湯とともにバケツに入れ、足を浸しましょう。パイン(オウシュウアカマツ)2滴とオレンジ3滴を足すと、さらに温まります。

アロマバス

ローズマリー2滴をエタノール5mlに溶かし、天然塩20gとともに湯船に入れましょう。血行をよくしつつ体を温めたいならレモンユズ2滴を足します。とにかく体を温めるならジンジャー2滴を足します。むくみが気になるならジュニパー2滴を足すのがおすすめです。

手足のマッサージ

血行が悪くて手足がこわばるときは、ローズマリー2滴をキャリアオイルもしくは乳液10mlにブレンドし、手足をよくマッサージしましょう。冷えが強い場合はマジョラムを1滴足すのがおすすめです。

全身のマッサージ

ローズマリー2滴をキャリアオイルか乳液30mlに溶かし、冷えが気になる部分をマッサージしましょう。パイン4滴とオレンジ3滴を足すと、血行をさらに促しつつ体を温めます。

足の冷えに

ローズマリー6滴をキャリアオイル30mlに溶かし、足をマッサージしましょう。レモン6滴、ゼラニウム3滴を足すと血行によくなり、さらにジンジャー3滴を足すと温めるのによくなります。

筋肉の違和感や不安に

ローズマリー3滴をキャリアオイル30mlに溶かし、筋肉痛がある部分に塗りましょう。炎症を鎮めるレモングラス3滴と循環をよくするジュニパー3滴を足すとさらによいでしょう。痛みや熱感がある時はペパーミント2滴を加えるのがおすすめです。

食べたい気持ちを抑えたいときに

ローズマリー10滴とグレープフルーツピンク10滴をキャリアオイル50mlで溶かし、気になる部分に塗り込んで温まるようマッサージしましょう。
フェンネル5滴とジンジャー5滴を足すと、体を温めるのでさらに効果的。ローズマリーとグレープフルーツのブレンドは、だるさにもよいです。

ヘアケアに

頭皮に優しさやハリをもたらす精油としてヘアケアや頭皮ケアに積極的に利用してみましょう。

アロマシャンプー

ローズマリー1滴を無香料シャンプー10mlに溶かして頭を洗いましょう。ヒバを1滴足すと、頭皮を清潔に保ちつつ血行を促すのでさらにヘアケアによくなります。

ヘアスプレー

ローズマリー3滴をエタノール10mlに溶かし、水90mlで薄めた液体を髪にスプレーすると櫛通りがよくなります。ゼラニウム2滴を足すと、さらに髪に優しくなります。水をローズマリーの芳香蒸留水にして、エタノールにはゼラニウム2滴レモングラス1滴を溶かすのもおすすめです。

スキンケアに

爽快な香りが肌を包み込み、毎日のお手入れが楽しくなります。

目の下にあらわれる変化に

ローズマリー(ベルベノンが最適)3滴をキャリアオイル30mlに溶かし、顔に塗ってマッサージしましょう。ローズ2滴を加えるとさらに温まります。

肌の気になる部分に

ローズマリー(ベルベノンが最適)7滴をキャリアオイル30mlに溶かして気になる場所に塗ります。 ヘリクリサム6滴、エレミ5滴を加えるとなおよいです。キャリアオイルは、肌ケアによく使われるローズヒップオイルがおすすめです。

年齢に応じた肌のお手入れ

肌年齢が気になる方に、取り入れていただきたい方法をお伝えします。

顔のケア

ローズマリー3滴をキャリアオイル(アルガンオイルが最適)30mlに溶かし、顔をマッサージしましょう。イランイラン4滴とローズ2滴を足すと、よりエイジングケア向きになり、女性に優しい香りになります。

体のケア

ローズマリー8滴をキャリアオイル(アルガンオイルが最適)50mlに溶かして体をマッサージすると、血行をよくして老廃物を流します。ゼラニウム4滴とレモン4滴を足すと、さらに肌によく、血行を促します。

ハンガリーウォーター風化粧水

ローズマリー2滴(シネオールかベルベノン)とラベンダー1滴、ゼラニウム1滴、あればネロリ1滴をエタノール5mlに溶かし、水40mlとグリセリン5mlで薄めます。水の代わりにローズマリーの芳香蒸留水を使うのもおすすめです。芳香蒸留水を使う場合は、ローズマリー精油は1滴で大丈夫です。

 

ローズマリー精油を用いる際の禁忌事項

精油には使用してはいけない場合、つまり禁忌があります。精油の種類によって禁忌事項は異なり、ローズマリー精油にもいくつか禁忌があります。禁忌事項に当てはまらない場合でも、精油の使用を迷う場合は医師や専門家に相談しましょう。

飲用する

日本で売られている精油は、ほとんどが食品の基準で審査されていません。飲食に使うのは禁忌です。海外では飲食に使える精油が売られているので、精油の飲用を勧める文献もありますが、日本では精油を飲食に使わないようにしましょう。

薄めずに肌に塗る

精油は植物の成分が凝縮されています。作用が強いので、薄めずに肌に塗るのは基本的に禁忌です。肌に塗る時は1~3%(顔に塗るなら0.1~1%)に薄めましょう。精油1滴が約0.05mlなので、参考にしてください。ローズマリー精油は、ケモタイプにもよりますが刺激が強い精油なので、低濃度で使うのが無難です。

高血圧の人への使用

ローズマリー精油は血圧を上げます。高血圧の人への使用は禁忌です。

てんかんがある場合の使用

ローズマリー精油は神経を興奮させます。てんかんがある人への使用は禁忌です。

妊娠中・授乳中の使用

妊娠中・授乳中のローズマリー精油の使用は伝統的に禁忌とされています。

乳幼児への使用

乳幼児へのローズマリー精油使用は伝統的に禁忌とされています。

 

近年の研究でわかったローズマリー精油の働き

ローズマリーは広く研究されていて、天然の抗酸化剤として食品などに広く使われています。また、認知力や記憶力、ストレスや血圧に対しての影響も研究されているハーブです。ローズマリーとローズマリー精油の研究について、一部を紹介します。研究や論文の※原文はすべて英語です。

認知能力の向上

ボランティア144人を3グループに分け、ローズマリー精油を嗅ぐグループ、ラベンダー精油を嗅ぐグループ、何も嗅がないグループに分けて認知能力と気分をテストしたところ、ローズマリーのグループは記憶の全体的な質と記憶を思い出す能力が大幅に向上しました。また、ラベンダーのグループより覚醒度が高くなりました。

参照:ローズマリーとラベンダーのエッセンシャル
(国際的な神経科学の研究誌に掲載された論文)


また、高齢者28人にローズマリーの量を変えて使用し、認知能力をテストしたところ、多すぎる使用量では記憶速度が下がりましたが、少ない使用量ではっきりと記憶速度が増加しました。少ない使用量は、ローズマリーを料理に使用する際の量に近いです。ローズマリーを適量使用するのが認知能力を上げるのに役立つ可能性があります。

参照:高齢者集団の認知機能に対するローズマリーの効果に関する短期研究
(食品素材の薬効と生物医学的効果に関する研究誌に掲載された論文)


さらに、9~11歳の子ども40人にローズマリー精油を嗅がせて作業記憶をテストしたところ、短期記憶、リーディングスパン(いくつかの文章を覚えて繰り返す能力)、カウントティングスパン(ランダムな点を連続して数えさせ、点の個数を記憶する能力)が大幅に向上しました。ローズマリー精油は子どもの勉強に役立つ可能性があります。

参照:教室の香りに意味はありますか? ローズマリーエッセンシャル オイルの香りは、幼児の認知力を大幅に改善
(科学と化学工学の国際的研究誌に掲載された論文)


他の研究では、ローズマリー精油に含まれる成分の1,8-シネオールが認知能力や気分に関わっているのではないかとされています。ローズマリー精油を嗅いだ人の血液中の1,8-シネオールの濃度と認知課題の成績を調べたところ、1,8-シネオールの濃度が高いほどよい成績だったためです。同じ研究では、認知課題の速度と精度も1,8-シネオールの濃度に比例して高まるとわかりました。

血漿1,8-シネオールと認知能力の相関 (精神薬理学の研究誌に掲載された論文)

記憶力の向上

23~17歳の男女79人を3グループに分け、ローズマリー精油を嗅ぐグループ、ラベンダー精油を嗅ぐグループ、何も嗅がないグループに分けて記憶力を調べたところ、どの精油を嗅いでもイメージ記憶(画像や映像を思い出す能力)がはっきりと増え、ローズマリーのグループでは数字に関する記憶力が増加しました。逆に、ラベンダーのグループでは数字に関する記憶力が弱まりました。

参照:ラベンダーとローズマリーの精油が人間の短期記憶に及ぼす影響
(エジプトのアレクサンドリア大学医学部の研究誌に掲載された論文)

また、マウスを使ってローズマリーの水アルコール抽出物(精油を含む抽出物)の作用を調べたところ、社会的な事柄に関する記憶力(社会的認識)と抑制的回避課題(電気ショックを受ける場所を覚えて回避する)の成績が上がりました。ローズマリーで学習力と記憶力が向上したと言えます。

参照:記憶の動物モデルにおけるローズマリー (Rosmarinus officinalis L.) (シソ科) の水性アルコール抽出物の急性投与の効果(ブラジルの薬学研究誌に掲載された論文)

抗ストレス作用

看護師試験を控えた学生でストレスや不安の度合いを調べたところ、ラベンダーとローズマリー精油のサシェ(匂い袋)を使用すると試験への不安が下がり、個人的な発言の頻度が改善し、脈拍数が減少しました。試験へのストレスが減少したと言えます。

参照:大学院看護学生の受験不安に対するラベンダーとローズマリーのエッセンシャルオイルの影響(看護の実践を探究する研究誌に掲載された論文)

また、ラベンダーもしくはローズマリーの香りを嗅がせた人のコルチゾール量(ストレスホルモンの一種)を調べたところ、どちらでもコルチゾールが低下しました。同じ研究では、体を酸化ストレスで傷つけるフリーラジカルについて、ローズマリー精油もしくはラベンダー精油を嗅ぐとフリーラジカルの消去活性が高まるとわかりました。

参照:大学院参照:ラベンダーとローズマリーの香りが活性酸素・フリーラジカルの消去をうながし唾液中のコルチゾールレベルを低下させる
(精神医学の研究誌に掲載された論文)

記憶力向上と不安・抑うつの軽減

大学生を、ローズマリーを1日2回1ヶ月間使うグループと使わないグループで分けて調べたところ、ローズマリーのグループでは記憶力が高まり、不安と抑うつが減りました。また、睡眠の質が改善しました。

参照:Rosmarinus officinalis L. による大学生の記憶力、不安、抑うつ、睡眠の質に及ぼす影響:無作為化臨床試験
(臨床診療における補完療法の国際的研究誌に掲載された論文)

自発運動の増加

マウスにローズマリー精油を嗅がせたり投与したりして調べたところ、マウスの自発運動が増加しました。マウスの血液中の1,8-シネオール濃度と自発運動量が比例していたので、1,8-シネオールが関わっている可能性が高いと考えられています。

参照:ローズマリー油の吸入および経口投与後のマウスの1,8-シネオールの血中濃度および自発運動 (天然物や薬用植物の国際的研究誌に掲載された論文)

筋肉痛の改善

普段運動をしない女性について、14日間ローズマリー精油もしくはプラセボを使った後、レッグカール(太もものウェイトトレーニング)をさせ、レッグカール後も3日間ローズマリーもしくはプラセボを使いました。運動前、運動後24時間、48時間、72時間で女性たちの血液を調べたところ、ローズマリーグループでクレアチンキナーゼ(筋肉損傷指標になる成分)がはっきり減っていました。ローズマリーは遅発性筋肉痛を和らげる可能性があります。

参照:非活動的な女性のエキセントリックな運動によって誘発された遅発性筋肉痛に対するローズマリーのエッセンシャルオイルの効果(比較運動生理学の国際的研究誌に掲載された論文)

低血圧およびメンタルの改善

原発性低血圧(病気や怪我に起因しない低血圧)患者に対して、ローズマリー精油の作用を72週間かけて調べたところ、ローズマリー精油を使うと収縮期血圧が平均で約15上がり、拡張期血圧は平均で約6ほど上がりました。また、ローズマリー精油を使うと低血圧患者の生活の質が向上し、特にメンタルヘルスのスコアと情緒のスコアが上がりました。

参照:Rosmarinus officinaliエッセンシャル オイルの原発性低血圧患者における降圧剤としての有効性と健康関連の生活の質への影響
(国際民族薬理学会の公式研究誌に掲載された論文)

また、健康な人の肌にローズマリー精油を使うと、ローズマリー精油を経皮吸収し、呼吸数、収縮期血圧、拡張期血圧がはっきりと増加しました。さらに、ローズマリー精油を使った人は注意力・機敏さ・活力が増し、陽気さを感じると判明しました。ローズマリー精油は自律神経も覚醒させている可能性があります。

参照:人間へのローズマリーオイルによる同時アロマセラピーマッサージ
(オーストリアの製薬協会による薬学の国際的研究誌に掲載された論文)

抗酸化作用

ローズマリー精油やローズマリー抽出物は食品から取れる抗酸化剤として注目されています。植物油を使ってローズマリー抽出物(ローズマリー精油を含む抽出物)の抗酸化作用を調べたところ、市販の合成酸化防止剤より高い抗酸化作用が確認されました。

参照:ローズマリー抽出物は、植物油の酸化安定性を改善するための抗酸化剤として使用できます(産業に関する作物の国際的研究誌に掲載された論文)

また、アロキサンと言う物質で人工的に糖尿病にしたラットでローズマリー精油の作用を調べたところ、ローズマリー精油は肝臓と腎臓を酸化ストレスから保護しただけでなく、高血糖と高脂血症による体のダメージを改善するとわかりました。

参照:ローズマリー ( Rosmarinus officinalis ) のエッセンシャル オイル成分は、実験的糖尿病において抗高血糖、抗高脂血症および抗酸化効果を示します(病態生理学の国際的研究誌に掲載された論文)

抗菌作用

ローズマリー精油とクローブ精油の抗菌作用を調べたところ、どちらも3種類のグラム陽性菌、3種類のグラム陰性菌、2つの真菌に対して抗菌作用を示しました。2つの精油は皮膚のブドウ球菌、大腸菌、カンジダ菌にも抗菌作用を示し、菌によっては、ローズマリーとクローブを組み合わせると抗菌作用の相乗効果がありました。

参照:クローブとローズマリーのエッセンシャル オイル単独および組み合わせの抗菌活性(薬用植物の国際的研究誌に掲載された論文)

ローズマリー精油は、いくつかの酵母や黄色ブドウ球菌、緑膿菌に対しても抗菌作用を持つとわかっています。

参照:純粋なオキシベネート化モノテルペン 1.8-シネオール、α-テルピネオール、テルピネン-4-オール、樟脳、およびマツ (Pinus pinaster)、ローズマリー (Rosmarinus officinalis)、ティー ツリー (Melaleuca) のエッセンシャル オイル中の標的化合物の抗菌試験およびガスクロマトグラフィー分析アルテルニフォリア
(オーストリアの製薬協会による薬学の国際的研究誌に掲載された論文)

防虫・殺虫

ローズマリー精油はネッタイシマカに対して、幼虫駆除活性、産卵抑止活性、忌避作用を持ちます。

参照:黄熱病蚊ネッタイシマカ(双翅目: Culicidae)に対するモノテルペノイド、 trans-アニトールおよびローズマリー油の幼虫駆除および産卵変更活性
(作物保護と害虫駆除の研究開発に関する国際的研究誌に掲載された論文)

また、スズメバチの一種Vespula pensylvanicaとアシナガバチについてローズマリー精油を試験したところ、顕著な忌避作用を示しました。ローズマリー精油の香りがあると、ハチは餌があっても誘引されませんでした。

参照:有害な社会性バチの空間忌避剤としてのエッセンシャルオイルとその組成
(作物保護と害虫駆除の研究開発に関する国際的研究誌に掲載された論文)

さらに、モモアカアブラムシに対してローズマリー精油を試したところ、やはり忌避作用を示しました。ローズマリー精油の香りがあると、モモアカアブラムシは餌になる植物であってもなかなか寄り付こうとしませんでした。

参照:実験室およびスクリーンハウスにおけるマイズー・ペルシカに対するローズマリー油の忌避性
(化学生態学の国際的研究誌に掲載された論文)

ローズマリー精油は、植物の汁を吸うハダニを寄せ付けない作用とハダニへの殺虫作用が確認されています。ローズマリー精油をつかった駆除剤はハダニを食べるダニ(益虫)には害が少なく、また、作物に害を与えません。

参照:温室トマトのツマミハダニ (ダニ科: Tetranychidae) に対する殺ダニ剤としてのローズマリー油の有効性と持続性
(昆虫の生態と行動に関する国際的研究誌に掲載された論文)

育毛

ジェルの種類によってやや作用は変わりますが、ローズマリー精油10%を含むジェルは、市販の育毛剤(ミノキシジル2%)と同等の発毛促進効果を示しました。

参照:ローズマリーとシダーの木の油から作られたオレオゲルの処方と育毛効果の評価(アフリカの科学研究誌に掲載された論文)
 

ローズマリーの歴史と働きから長く使われる理由を知ろう

ローズマリーは食用・薬用に古代から使われてきたハーブです。ローズマリー精油は心身をしゃっきりさせ、集中させます。血行をよくし循環を促すので、スキンケアやエイジングケア、冷え性の改善におすすめです。ヘアケアや虫よけにも役立つ精油です。だるさが抜けない時、気合を入れたい時、ローズマリー精油の力を借りてみませんか?