医療ライター・薬剤師藤野紗衣
ドラッグストアや精神病院、一般病院に薬剤師として勤務。2022年よりフリーライターとして活動。専門知識を一般の方に分かりやすく伝える、薬剤師をはじめ働く人を支えることを念頭に、医療関連のコラムや解説記事、取材記事の制作に携わっている。
介護支援専門員、福祉住環境コーディネーター1級。マクロビオティック料理とウォーキングを欠かさない生活を心がけている。
中性脂肪とコレステロールの大きな違いは、体内での役割です。中性脂肪はエネルギー源となり、コレステロールは細胞やホルモンの材料となります。血液検査で数値が高めだった場合、生活習慣の乱れが原因であるケースがほとんどです。悪化を防ぐには青魚や食物繊維の摂取、有酸素運動の習慣化が欠かせません。健康維持をサポートするEPA・DHAといった成分を含む機能性表示食品も上手に活用し、健やかな毎日を目指しましょう。
健康診断の血液検査で、中性脂肪やコレステロールの数値が高めと指摘され、ドキッとした経験はありませんか。どちらも血液中に存在する脂質の仲間ですが、体内での役割は全く異なります。それぞれの性質や違いを正しく理解し、毎日の健康管理に役立てましょう。
中性脂肪とコレステロールのもっとも大きな違いは、体内での使われ方です。中性脂肪が主に「体を動かすためのエネルギー源」として使われるのに対し、コレステロールは「細胞やホルモンを作る材料」として働きます。
中性脂肪は、食事から摂取した脂質や糖質を原料に生合成され、私たちの生命活動を維持するための重要なエネルギー源となります。また、ビタミンの吸収をサポートしたり、体内で合成できない必須脂肪酸を取り込んだりするためにも不可欠な存在です。
コレステロールも人間の体に存在する脂質の一つで、細胞膜・ホルモン・胆汁酸を作る材料となる体に必要な物質です。全体の2~3割が食事のときに体外から取り込まれ、残りの7~8割は糖や脂肪を使って肝臓などで生合成されます。コレステロールにはLDL(悪玉)とHDL(善玉)の2種類があり、役割が異なるのが特徴です。LDL(悪玉)は肝臓のコレステロールを全身に運び、HDL(善玉)は血管壁にたまったコレステロールを回収して肝臓に戻します。
参照:健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~「中性脂肪 / トリグリセリド」中性脂肪・内臓脂肪・コレステロールはすべて血液中や体内に存在する脂質ですが、それぞれ役割や蓄えられる場所が異なります。3者は互いに密接に関係しているため、健康管理にはバランスを保つ意識が大切です。
主に肝臓で合成される中性脂肪は、血液中を流れて全身のエネルギー源となります。しかし、消費されずに余ってしまうと、お腹周りなどの脂肪細胞に蓄えられてしまうのです。蓄積された脂質は、内臓周りにつけば内臓脂肪、皮膚の下につけば皮下脂肪と呼ばれます。つまり、内臓脂肪は、血液中の余分なエネルギーが形を変えて体に蓄えられた状態です。
血液中の中性脂肪が増えすぎると、脂質のバランスが崩れてしまいます。バランスが崩れた結果、余分なコレステロールを回収する善玉(HDL)コレステロールが減少。悪玉(LDL)コレステロールが血液中に留まりやすくなり、健康に悪影響が出やすくなります。
参照:健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~「脂質異常症」中性脂肪やコレステロールの数値が高めになってしまう大きな原因は、日々の食生活や運動不足といった生活習慣の乱れにあります。数値が高めの状態をそのまま放置していると、将来的に動脈硬化といった深刻なリスクを引き起こす要因にもなりかねません。毎日の健やかなサイクルのためにも、まずは数値が高くなる主な原因を知り、自身の生活習慣を振り返ってみましょう。
ご飯・パン・甘いお菓子・お酒といった糖質や脂質の摂りすぎは、中性脂肪やコレステロールを増やす大きな原因となります。コレステロールの7~8割は、糖や脂肪を原料に肝臓などで合成されるためです。
残りの2~3割は食事から小腸で吸収されます。とくに、脂身の多い肉やバターといった飽和脂肪酸や、マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸の過度な摂取は控えましょう。LDL(悪玉)コレステロールを増やしてしまう原因となります。
運動によって消費されるエネルギーが少ないと、食事から摂取したエネルギーが余り、中性脂肪が蓄積されやすくなります。さらに、運動不足や加齢による筋肉量の減少も原因の一つです。脂肪を燃焼するための基礎代謝が低下し、より中性脂肪が増加しやすくなる悪循環に陥ってしまいます。
健康診断で数値が高めと指摘されたら、まずは毎日の生活習慣を見直しましょう。特別な対策を始める必要はありません。日々の食事や適度な運動を少し意識するだけで、健康的な体を保つための第一歩となります。
サバやイワシといった青魚や、海藻類・きのこ類を日々の食事に積極的に取り入れましょう。青魚に含まれるDHA・EPAは、血中の中性脂肪値を低下させる機能があると報告されている成分です。また、海藻類やきのこ類から食物繊維を摂ると、コレステロールの吸収を穏やかにする働きが期待できます。
ウォーキングやジョギングといった有酸素運動を定期的にする習慣をつけましょう。週3回、1日30分程度を目安に、うっすら汗ばむくらいの運動が理想です。まとまった時間が取れない場合は、1日10分のながら運動でも十分効果的な対策になります。座ったまま腹筋を引き締める・通勤時に階段を使う・洗濯物を干しながらスクワットをするなど、無理なく続けられる運動を取り入れましょう。
食事や運動といった基本の生活習慣の見直しに加えて、機能性表示食品を活用するのも一つの選択肢です。将来の健康リスクに備えるために、毎日の手軽なサポートアイテムとして取り入れると、より効率的な健康管理に役立ちます。ご自身の悩みに合った成分を選び、健やかな生活に取り入れてみてください。
EPA・DHAは、健康維持に欠かせない必須脂肪酸です。魚を食べる機会が減っている現代の食生活では、食事だけでは不足しがちな成分でもあります。EPA・DHAには血中の中性脂肪値を低下させる機能が報告されているため、生活習慣の乱れが気になる方は、健康維持のために積極的に摂取しましょう。
植物由来のオメガ3系脂肪酸であるアマニ油には、α-リノレン酸が含まれています。α-リノレン酸は、血中の悪玉(LDL)コレステロール値を低下させる機能が報告されている成分です。体内ではほとんど生成されないため、食事やサプリメントで摂取する必要があります。
また、ココナッツなどに含まれるMCT(中鎖脂肪酸)は、効率よくエネルギーに変換される成分です。BMIが高めの方の体脂肪や内臓脂肪を減らす機能が報告されており、お腹周りの脂肪が気になる方の健康的な体づくりをサポートします。
私たちの体を構成する細胞膜には脂質が必要なため、良質な油を選ぶ意識が大切です。体型の変化や健康が気になり始める40代からは、自身の目的に沿った油の摂取を心がける必要があります。まずは油の役割や種類ごとの特徴を理解しておきましょう。
外食や加工食品の利用が増え、脂質を摂取する機会が増えた結果、体脂肪や血中脂質のバランスが乱れやすくなりました。しかし、油はエネルギー源として欠かせない栄養素です。肥満につながるイメージがあり避ける方もいますが、細胞膜の材料として関与しているため、健康維持に脂質は欠かせません。そこで、中性脂肪や悪玉コレステロール値が気になる方に利用されるケースの多い、良質な油に注目が高まっています。
油は構成する脂肪酸によって性質が異なり、体への影響も変化します。それぞれの特徴を理解して使い分けましょう。
トランス脂肪酸は健康リスクが高いため、摂取は控えめに。飽和脂肪酸は大切なエネルギー源ですが、摂りすぎは禁物です。反対に積極的に摂りたいのは、効率的にエネルギーに変換される中鎖脂肪酸。また悪玉コレステロール値を下げる機能が期待できるオメガ3系脂肪酸、オメガ9系脂肪酸もおすすめです。オメガ6系脂肪酸は必須脂肪酸ですが、摂りすぎると健康を損なう原因にもなるので適量を心がけましょう。
機能性表示食品として販売されている主な油は、中鎖脂肪酸、EPA・DHA、α-リノレン酸などです。体脂肪や悪玉コレステロール値の低下など、種類によって役割が異なります。自身の悩みに合わせて使い分け、健康維持に役立てていきましょう。
中鎖脂肪酸は、体脂肪や内臓脂肪が気になる方に利用されることが多い油です。摂取した際の分解スピードが速く、短時間でエネルギーに変わる性質を持ちます。また、体脂肪や内臓脂肪、皮下脂肪を減らす、体脂肪率を低下させる機能が報告されています。
無味無臭で料理の味を邪魔せず、使いやすいのも嬉しいポイント。ただし、加熱すると煙が出やすいため、飲み物やサラダに混ぜて使いましょう。
EPAやDHAは、血中の中性脂肪値を低下させる機能が報告されているため、健康診断の結果が気になる方に向いています。体の中では十分に作り出せないため、意識して摂取しましょう。
EPAやDHAは青魚に多く含まれますが、魚が苦手な人は、精製されたオイルやサプリメントといった機能性表示食品で取り入れる選択肢もあります。ただし、酸化しやすい性質があるため、空気に触れにくい工夫がされた製品を選ぶとよいでしょう。
悪玉(LDL)コレステロール値の低下をサポートしたい場合、α-リノレン酸を含むアマニ油の摂取を意識する方もいます。α-リノレン酸は体内で合成できない必須脂肪酸であるため、食事から積極的に摂取しましょう。
ただし、熱を加えると栄養素が損なわれてしまいます。サラダや納豆などに直接かけて食べるとよいでしょう。毎日小さじ1杯程度を目安に取り入れ、健康習慣のきっかけにしてみてください。なお、酸化が進むと品質が劣化しやすいため、酸化を防げるシームレスカプセルなどを選びましょう。
油の酸化を抑えながら、場所を問わず摂取できる点がシームレスカプセルの利点です。アマニ油や魚油に含まれる栄養素は酸化に弱いですが、継ぎ目のないカプセル構造なら空気との接触を抑えられます。
利便性の高さも魅力であり、個包装のためカバンに入れて外出先へ自由に持ち運べます。飲みやすい小粒で計量の手間もなく、水でサッと飲むだけで済むため、忙しい毎日でも負担になりません。また液状の油にありがちな味や香りを感じにくく、油が苦手な人でも無理なく続けられるでしょう。
健康状態によって、人それぞれ適した油が異なります。内臓脂肪や悪玉コレステロール値など、悩みに合わせた選択が大切です。複数を併用する際は脂質の摂りすぎに注意してください。
機能性表示食品には、中性脂肪やコレステロール、体脂肪への機能が科学的に報告されたシームレスカプセルのアイテムがあります。成分ごとに期待できる機能が異なるため、まずは特徴を把握してみてください。
| 商品名 | 商品 | 分類 | 主成分と期待できる機能 | おすすめの人 | 内容量 | 1日摂取目安量 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| EPA・DHAシームレスカプセル |
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機能性表示食品 | EPA・DHA:血中の中性脂肪値を低下させる | 魚を食べる機会が少なく、血中脂質が気になり始めた人 | 111.0g(1包3.7g×30包) | 1包(3.7g) |
| アマニ油(α-リノレン酸)シームレスカプセル |
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機能性表示食品 | α-リノレン酸:血中の悪玉(LDL)コレステロール値を低下させる | お肉や揚げ物が好きで、悪玉コレステロール値が気になる人 | 78g(1包2.6g×30包) | 2包(5.2g) |
| MCTシームレスカプセル |
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機能性表示食品 | 中鎖脂肪酸(オクタン酸、デカン酸):BMIが高めの方の体脂肪や内臓脂肪や皮下脂肪を減らす、体脂肪率を低下させる | 健康診断の数値が気になり、体型を整えたい人 | 93g(1袋3.1g×30袋) | 1袋(3.1g) |
※本品は、事業者の責任において特定の保健の目的が期待できる旨を表示するものとして、消費者庁長官に届出されたものです。ただし、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。
※本品は、疾病の診断、治療、予防を目的にしたものではありません。
※食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
EPA・DHAやアマニ油といったオメガ3系脂肪酸と中鎖脂肪酸(MCTオイル)は、併用可能です。目的に応じた栄養補給の選択肢として利用されています。
ただし、脂質の過剰摂取には十分な注意が必要です。一度に多くの量を摂ると、お腹の不快感やお腹がゆるくなる場合があります。体調に合わせて日替わりで使い分けるなど、工夫して取り入れましょう。
機能性表示食品は医薬品とは異なり、「食品」に分類されます。健康サポートに役立ちますが、病気の治療を目的に使う薬ではありません。広告の断定的な表現を鵜呑みにせず、正しい知識を持って、日々の生活を整える補助として活用しましょう。
機能性表示食品は病気を治す医薬品とは異なり、あくまで健康を維持するための「食品」です。医薬品は病気の治療や予防を目的に用いられ、国の厳しい審査を経て承認されます。一方、機能性表示食品は事業者の責任において、科学的根拠を届け出た製品です。日常生活における健康の維持や増進を助ける役割を担います。
機能の内容は、パッケージを確認してみましょう。中性脂肪やコレステロールなど、気になる指標がある場合は、目的に合う製品を選ぶと健康管理により役に立ちます。正しい知識を持ち、バランスのよい食事にプラスする形で活用しましょう。
※参照:健康食品と医薬品の違い ~効果や品質の違い/消費者庁
健康食品を選ぶ際は、「安心・安全」といった広告表現に惑わされないようにしましょう。含まれている成分や摂取の仕方、体質によっては、思わぬ健康被害が起こる可能性もあります。キャッチコピーだけで判断せず、成分量や摂取目安、注意事項をよく確認しましょう。
とくに、持病のある方やアレルギーを持つ方は注意が必要です。「健康に良さそうだし、食品だから問題ない」と安易に判断せず、きちんと医師に相談しましょう。
機能性表示食品の油を生活に取り入れる際は、摂取するタイミングや日頃の習慣も意識しましょう。ちょっとした心がけで、健康を保ちやすくなります。
機能性表示食品は食品であるため、医薬品のように摂取するタイミングが定められているわけではありません。一般的には、食事中または食後の摂取が取り入れやすいとされています。脂溶性食品の場合は、油に溶けやすい性質を持つため、食事に含まれる脂質と一緒に取り入れるとよいでしょう。
健康的な体づくりには、機能性表示食品に頼り切るのではなく、栄養バランスの取れた食事と適度な運動が不可欠です。とくに食生活は、主食・主菜・副菜を基本に、食事のバランスを。適切なエネルギー量の摂取に加え、意識的に体を動かしてこそ、健康維持につながります。不足しがちな成分を補う補助的な位置づけとして活用しましょう。安易に機能性表示食品へ依存せず、ライフスタイル全体を整える意識が大切です。
10年後の自分を健やかに保つには、目的に合わせた油選びが大切です。「とりあえず」や「なんとなく」で選ぶのではなく、自身の健康管理の目的に合っているかを検討しましょう。食事バランスと運動を基本に、機能性表示食品を上手に活用すれば、無理のない健康管理を意識するきっかけになります。食事に良質な脂質を取り入れる習慣を続け、毎日を元気に過ごしましょう。
※機能性表示食品は事業者の責任において特定の保健の目的が期待できる旨を表示するものとして、消費者庁長官に届出されたものです。ただし、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。
・食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
・本品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。
・本品は、疾病に罹患している者、未成年者、妊産婦(妊娠を計画している者を含む。)及び授乳婦を対象に開発された食品ではありません。
中性脂肪やコレステロールの数値対策には、食べ方も重要です。1日3食を規則正しく摂る習慣を心がけましょう。食事の際は野菜を先に食べると、糖質や脂質の吸収を穏やかにする働きが期待できます。また、テレビを見ながらのながら食いはやめ、食事に集中するのも大切です。脳が満腹感を感じるまでには、食事を始めてから約20分かかると言われています。食べ過ぎを防ぐためにも、20分以上かけてゆっくり食べましょう。
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