監修医師木村眞樹子
東京女子医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学病院循環器内科入局。
現在も東京女子医科大学病院、および関連病院で内科、循環器科、睡眠科として診療にあたるほか、嘱託産業医として企業の健康経営にも携わっている。
年齢とともに健康診断の結果で気になるのが「中性脂肪」の数値。重要なエネルギー源のひとつですが、中性脂肪は増えすぎると健康への影響もあり、加齢によって増加する傾向があるため注意が必要でしょう。
中性脂肪を下げるには、生活習慣と食生活を整えるところから始まります。中性脂肪を下げる機能が報告されているDHA・EPAを含む魚の摂取が好ましいですが、食生活だけで補えない分はサプリメントを上手に使用しましょう。
中性脂肪(トリグリセライド)とは、食用油・肉・魚に含まれる脂質や、人間の体脂肪の大部分を占める物質です。
単に脂肪とも呼ばれ悪者に思われがちですが、実は私たちのエネルギー源として重要な役割を担っています。
油に溶ける性質のあるビタミン(A・D・E・K)と一緒にとることで、これらビタミンの効率的な吸収に役立ち、体内ではつくり出せない脂肪酸(必須脂肪酸)の補給源としても欠かせません。
また、生命を維持するためのエネルギーとして主にブドウ糖が使われますが、中性脂肪はブドウ糖の不足を補う形で利用されます。
しかし、過剰に摂取すると、エネルギーとして使われなかった中性脂肪がそのまま体脂肪として体に蓄えられ、肥満の原因となり体調に影響を及ぼす可能性があるのです。
中性脂肪は食後に増加するため、健康診断の検査では空腹時(10時間以上の絶食)に採血を行います。採血の結果が「中性脂肪 30~150mg/dL未満」が正常な基準値です。
150mg/dL以上の場合は「要注意」に分類され、基準値から外れた脂質異常状態といわれているため、健康状態に影響がないか気を付けましょう。
また、過剰な500mg/dL以上の方だけでなく、過度なダイエットなどにより極端に少ない29mg/dL以下の方も「異常」に分類されるので、中性脂肪は少なければいいわけではありません。
中性脂肪の検査結果が高値になる主な原因は、「エネルギーの過剰摂取」です。とくに以下の食品の摂り過ぎには注意しましょう。
ストレスが増えると、甘い食べ物をたくさん取ってしまったり、ストレスから逃れるため過食に走ってしまいがちです。
さらに睡眠不足が続くと満腹感に繋がるホルモンが減少するのに対し、食欲を増進させるホルモンが増えるため、エネルギーの過剰摂取による中性脂肪の増加に繋がってしまうでしょう。
また、年齢を重ねるにつれ、基礎代謝が下がります。基礎代謝は生命を維持するために必要なエネルギーのため、呼吸や心拍といった何もしなくても消費されるエネルギーです。
本来食事から摂取したエネルギーは、基礎代謝などの活動のために消費されますが、加齢に伴い基礎代謝が下がると、エネルギーが消費できず中性脂肪が蓄積されてしまいます。
中性脂肪を下げる食べ物として、もっとも効率的なのはDHAやEPAを含む青魚の摂取です。
中性脂肪を下げるのに役立つとされている食べ物もありますので、以下の食べ物を意識して取り入れましょう。
中性脂肪を下げる働きがある成分として「n-3系脂肪酸(オメガ3)」があります。
n-3系脂肪酸には、魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタ塩酸)と、植物油に含まれるα-リノレン酸があり、α-リノレン酸は体内でEPAさらにDHAへと変化するのです。
n-3系脂肪酸は体内で作り出せない必須脂肪酸のため、外から補給する必要があります。n-3系脂肪酸が豊富な食べ物は以下のとおりです。
また、DHA・EPAは酸化しやすく、加熱料理ではDHA・EPAを含む油が流れ落ちてしまうため、刺身といった生で食べる料理に向いています。
ビタミンCやビタミンEといった、抗酸化作用のある成分が豊富な食品(レモン・柑橘類など)と組み合わせて食べるとよいでしょう。レモンを使った魚のカルパッチョなどがおすすめです。
切り干し大根・ごぼう・納豆といった水溶性食物繊維が豊富な食べ物も積極的に摂取しましょう。基本的には洋食よりも、伝統的な和食中心の食事を心がけるとよいとされています。
また、ポリフェノールにも中性脂肪を減らす働きが知られているため、緑茶・紅茶・コーヒーといった飲み物も大切です。
健康によいとされるヨーグルトや果物。中性脂肪を気にする中で健康的だからと摂取しがちですが、気を付ける点もあります。
中性脂肪を気にする場合は、糖分の摂りすぎにも注意です。ヨーグルトを摂取するときは無糖を選びましょう。
果物は「果糖」により甘さを感じるため、過剰な摂取は避けるのがよいです。バナナなら2個、りんごなら1個と、適切な摂取量を把握しましょう。
缶詰のシロップ漬けやドライフルーツは糖分が多いため注意が必要です。
また、お酒の過剰摂取も中性脂肪の増加に繋がります。お酒と合わせてついつい食べがちな、おつまみや揚げ物も大きな影響の一つです。
中性脂肪の検査値が高い場合は、善玉コレステロール(HDL)が低いケースが多く見られます。その要因は、運動不足・肥満・喫煙です。
善玉コレステロール値を上げるには、以下の3つが有効とされます。
「運動」
「減量」
「禁煙」
また、アルコールの摂取によっても善玉コレステロール(HDL)値は高くなりますが、お酒は1合からでも肝臓や血圧に悪影響を与えるので、善玉コレステロール(HDL)値を上げる目的で飲酒するのはおすすめできません。
ウォーキング・ジョギング・水泳といった有酸素運動が効率的に中性脂肪を下げれるでしょう。慣れないうちは10~15分から始め、徐々に30分程度の運動を週に数回行い、習慣にしていくのが大切です。
なかなか時間が取れない場合には、エレベーターをやめて階段を使用したり、隣の駅まで歩くといったできるところから始めてみましょう。
また、有酸素運動と合わせて筋トレを行うと、基礎代謝が上がりより効果的に中性脂肪を燃焼します。
サプリメントを選ぶときに、参考になるのが「機能性表示」です。
ドラックストアなど店頭でサプリメントを選ぶ際は、商品パッケージに注目してみてください。ぜひ、「中性脂肪を低下させる」という機能性 が記載されているサプリメントを選びましょう。
現在、日本で機能性を表示できるのは「特定保健用食品(トクホ)」・「栄養機能食品」・「機能性表示食品」の3つがあります。
これらは、科学的な根拠に基づいて機能性が表示されている商品なのです。この3つの分類は以下のように定められています。
■ 特定保健用食品(トクホ)
食品に表示されている安全性や効果について、食品ごとに国が審査を行い消費者長官によって許可された食品です。科学的根拠に基づいて、健康の維持・増進に役立つことが証明されています。
■ 栄養機能食品
不足しがちなビタミンやミネラルなどの栄養成分を補給するために利用できる食品です。科学的根拠が確認されている栄養成分を一定の基準量含んでいる場合に、国が定めた表現によって機能性の記載が認められています。また、表示するに当たっては特に国への届出をする必要はありません。
■ 機能性表示食品
事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。特定保健用食品とは違って、消費者庁長官による個別の認可を受けた食品ではありません。しかし、販売前に安全性と機能性について、根拠に関する情報などが消費者庁長官に届け出されています。
中性脂肪を下げる機能が報告されているDHA・EPAは、日々の生活の中で、とくに摂取したい成分です。
DHA・EPAは青魚に豊富ですが、酸化も早く、調理法によっては成分が流れ落ちるため、刺身やカルパッチョといった生で食べる必要があります。
DHA・EPAは量をたくさん摂ればいいわけではなく、実は「質」を意識するのも大切です。酸化する前の質のいいDHA・EPAを生魚で毎日食べるのは、現実的に難しいかもしれません。
毎日の食生活だけで十分なDHA・EPAを摂取するのが難しい場合は、不足分を補うようにサプリメントを使用するのがよいでしょう。
選ぶ際のポイントとして、DHA・EPAの含有量や酸化防止成分(ビタミンE・アスタキサンチンなど)の有無を確認して、自分にあったアイテムを選んでみてください。
私たちの体を構成する細胞膜には脂質が必要なため、良質な油を選ぶ意識が大切です。体型の変化や健康が気になり始める40代からは、自身の目的に沿った油の摂取を心がける必要があります。まずは油の役割や種類ごとの特徴を理解しておきましょう。
外食や加工食品の利用が増え、脂質を摂取する機会が増えた結果、体脂肪や血中脂質のバランスが乱れやすくなりました。しかし、油はエネルギー源として欠かせない栄養素です。肥満につながるイメージがあり避ける方もいますが、細胞膜の材料として関与しているため、健康維持に脂質は欠かせません。そこで、中性脂肪や悪玉コレステロール値が気になる方に利用されるケースの多い、良質な油に注目が高まっています。
油は構成する脂肪酸によって性質が異なり、体への影響も変化します。それぞれの特徴を理解して使い分けましょう。
トランス脂肪酸は健康リスクが高いため、摂取は控えめに。飽和脂肪酸は大切なエネルギー源ですが、摂りすぎは禁物です。反対に積極的に摂りたいのは、効率的にエネルギーに変換される中鎖脂肪酸。また悪玉コレステロール値を下げる機能が期待できるオメガ3系脂肪酸、オメガ9系脂肪酸もおすすめです。オメガ6系脂肪酸は必須脂肪酸ですが、摂りすぎると健康を損なう原因にもなるので適量を心がけましょう。
機能性表示食品として販売されている主な油は、中鎖脂肪酸、EPA・DHA、α-リノレン酸などです。体脂肪や悪玉コレステロール値の低下など、種類によって役割が異なります。自身の悩みに合わせて使い分け、健康維持に役立てていきましょう。
中鎖脂肪酸は、体脂肪や内臓脂肪が気になる方に利用されることが多い油です。摂取した際の分解スピードが速く、短時間でエネルギーに変わる性質を持ちます。また、体脂肪や内臓脂肪、皮下脂肪を減らす、体脂肪率を低下させる機能が報告されています。
無味無臭で料理の味を邪魔せず、使いやすいのも嬉しいポイント。ただし、加熱すると煙が出やすいため、飲み物やサラダに混ぜて使いましょう。
EPAやDHAは、血中の中性脂肪値を低下させる機能が報告されているため、健康診断の結果が気になる方に向いています。体の中では十分に作り出せないため、意識して摂取しましょう。
EPAやDHAは青魚に多く含まれますが、魚が苦手な人は、精製されたオイルやサプリメントといった機能性表示食品で取り入れる選択肢もあります。ただし、酸化しやすい性質があるため、空気に触れにくい工夫がされた製品を選ぶとよいでしょう。
悪玉(LDL)コレステロール値の低下をサポートしたい場合、α-リノレン酸を含むアマニ油の摂取を意識する方もいます。α-リノレン酸は体内で合成できない必須脂肪酸であるため、食事から積極的に摂取しましょう。
ただし、熱を加えると栄養素が損なわれてしまいます。サラダや納豆などに直接かけて食べるとよいでしょう。毎日小さじ1杯程度を目安に取り入れ、健康習慣のきっかけにしてみてください。なお、酸化が進むと品質が劣化しやすいため、酸化を防げるシームレスカプセルなどを選びましょう。
油の酸化を抑えながら、場所を問わず摂取できる点がシームレスカプセルの利点です。アマニ油や魚油に含まれる栄養素は酸化に弱いですが、継ぎ目のないカプセル構造なら空気との接触を抑えられます。
利便性の高さも魅力であり、個包装のためカバンに入れて外出先へ自由に持ち運べます。飲みやすい小粒で計量の手間もなく、水でサッと飲むだけで済むため、忙しい毎日でも負担になりません。また液状の油にありがちな味や香りを感じにくく、油が苦手な人でも無理なく続けられるでしょう。
健康状態によって、人それぞれ適した油が異なります。内臓脂肪や悪玉コレステロール値など、悩みに合わせた選択が大切です。複数を併用する際は脂質の摂りすぎに注意してください。
機能性表示食品には、中性脂肪やコレステロール、体脂肪への機能が科学的に報告されたシームレスカプセルのアイテムがあります。成分ごとに期待できる機能が異なるため、まずは特徴を把握してみてください。
| 商品名 | 商品 | 分類 | 主成分と期待できる機能 | おすすめの人 | 内容量 | 1日摂取目安量 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| EPA・DHAシームレスカプセル |
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機能性表示食品 | EPA・DHA:血中の中性脂肪値を低下させる | 魚を食べる機会が少なく、血中脂質が気になり始めた人 | 111.0g(1包3.7g×30包) | 1包(3.7g) |
| アマニ油(α-リノレン酸)シームレスカプセル |
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機能性表示食品 | α-リノレン酸:血中の悪玉(LDL)コレステロール値を低下させる | お肉や揚げ物が好きで、悪玉コレステロール値が気になる人 | 78g(1包2.6g×30包) | 2包(5.2g) |
| MCTシームレスカプセル |
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機能性表示食品 | 中鎖脂肪酸(オクタン酸、デカン酸):BMIが高めの方の体脂肪や内臓脂肪や皮下脂肪を減らす、体脂肪率を低下させる | 健康診断の数値が気になり、体型を整えたい人 | 93g(1袋3.1g×30袋) | 1袋(3.1g) |
※本品は、事業者の責任において特定の保健の目的が期待できる旨を表示するものとして、消費者庁長官に届出されたものです。ただし、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。
※本品は、疾病の診断、治療、予防を目的にしたものではありません。
※食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
EPA・DHAやアマニ油といったオメガ3系脂肪酸と中鎖脂肪酸(MCTオイル)は、併用可能です。目的に応じた栄養補給の選択肢として利用されています。
ただし、脂質の過剰摂取には十分な注意が必要です。一度に多くの量を摂ると、お腹の不快感やお腹がゆるくなる場合があります。体調に合わせて日替わりで使い分けるなど、工夫して取り入れましょう。
機能性表示食品は医薬品とは異なり、「食品」に分類されます。健康サポートに役立ちますが、病気の治療を目的に使う薬ではありません。広告の断定的な表現を鵜呑みにせず、正しい知識を持って、日々の生活を整える補助として活用しましょう。
機能性表示食品は病気を治す医薬品とは異なり、あくまで健康を維持するための「食品」です。医薬品は病気の治療や予防を目的に用いられ、国の厳しい審査を経て承認されます。一方、機能性表示食品は事業者の責任において、科学的根拠を届け出た製品です。日常生活における健康の維持や増進を助ける役割を担います。
機能の内容は、パッケージを確認してみましょう。中性脂肪やコレステロールなど、気になる指標がある場合は、目的に合う製品を選ぶと健康管理により役に立ちます。正しい知識を持ち、バランスのよい食事にプラスする形で活用しましょう。
※参照:健康食品と医薬品の違い ~効果や品質の違い/消費者庁
健康食品を選ぶ際は、「安心・安全」といった広告表現に惑わされないようにしましょう。含まれている成分や摂取の仕方、体質によっては、思わぬ健康被害が起こる可能性もあります。キャッチコピーだけで判断せず、成分量や摂取目安、注意事項をよく確認しましょう。
とくに、持病のある方やアレルギーを持つ方は注意が必要です。「健康に良さそうだし、食品だから問題ない」と安易に判断せず、きちんと医師に相談しましょう。
機能性表示食品の油を生活に取り入れる際は、摂取するタイミングや日頃の習慣も意識しましょう。ちょっとした心がけで、健康を保ちやすくなります。
機能性表示食品は食品であるため、医薬品のように摂取するタイミングが定められているわけではありません。一般的には、食事中または食後の摂取が取り入れやすいとされています。脂溶性食品の場合は、油に溶けやすい性質を持つため、食事に含まれる脂質と一緒に取り入れるとよいでしょう。
健康的な体づくりには、機能性表示食品に頼り切るのではなく、栄養バランスの取れた食事と適度な運動が不可欠です。とくに食生活は、主食・主菜・副菜を基本に、食事のバランスを。適切なエネルギー量の摂取に加え、意識的に体を動かしてこそ、健康維持につながります。不足しがちな成分を補う補助的な位置づけとして活用しましょう。安易に機能性表示食品へ依存せず、ライフスタイル全体を整える意識が大切です。
10年後の自分を健やかに保つには、目的に合わせた油選びが大切です。「とりあえず」や「なんとなく」で選ぶのではなく、自身の健康管理の目的に合っているかを検討しましょう。食事バランスと運動を基本に、機能性表示食品を上手に活用すれば、無理のない健康管理を意識するきっかけになります。食事に良質な脂質を取り入れる習慣を続け、毎日を元気に過ごしましょう。
中性脂肪が気になり始めたら、自分の食事や生活習慣について振り返ってみて下さい。
カロリーの高い食事・甘い飲み物の摂取・運動不足・喫煙の習慣がある人は、食事や生活習慣を見直すと検査値の低下が期待できます。
食事面では、DHA・EPAといったn-3系脂肪酸の多い青魚を毎日の食事で上手にとり入れていくのが必要です。DHA・EPAは酸化しやすいため、新鮮なうちに生で食べましょう。
しかし、毎日新鮮な生魚を食べるのは、ハードルが高いと感じる人も多いのではないでしょうか。
サプリメントであれば、手軽に効率よくDHA・EPAを含むn-3系脂肪酸が摂取できます。ぜひ、自分に合ったサプリメントを見つけて、次回の検査に備えましょう。
中性脂肪を下げるためには、まず食生活を見直してみてください。
食後に採血すると中性脂肪値が高く表示されるため、健康診断では空腹時採血が推奨されているくらい、食事は中性脂肪を大きく左右します。
食生活と併せて運動習慣を心がければ、中性脂肪値を下げる効果が期待できるでしょう。
生活習慣を見直した後も数値に変化が得られない場合には、遺伝的な要因が関係しているかもしれません。その際には、医療機関を受診するようにしてください。
※中性脂肪に関して正しい情報発信を行うために、専門家に監修を依頼しておりますEPA/DHAの商品(サービス)について専門家が推薦を行うものではありません。
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