セラピストライター白井未奈子
サービス業を10年経験するなかで、リラクゼーション業務に出会い「人を癒す」ことに目覚める。
フリーランスに転向して以降は、ボディートリートメントとフェイシャルエステの知識を活かし、美容・健康系の記事執筆を中心に担当。今は手ではなく、文章で読者にくつろぎとすこやかさを届けることを目指している。
洗濯表示には洗濯洗剤選びのヒントが隠れています。桶マークに手が描かれていれば「手洗いが可能で、おしゃれ着用洗剤を使用するのがベター」などです。韓国をはじめとする海外からの衣類流通が盛んになり、2016年に表示が国際規格(ISO)へと統一されました。最新のタグに対応するためには、正しい読み取りが欠かせません。マークの見方や意味を確認できるアプリも活用しながら、大切な衣類を末永くキレイに保ちましょう。
JIS規格の洗濯表示マークは、5つの基本記号と、4つの付加記号で構成されています。基本記号が表すのは「処理の種類(洗いや乾燥)」、付加記号は「処理の度合い(適温や可不可)」です。それぞれ詳しくチェックしていきましょう。
上記のうち、桶型の洗濯処理記号は洗い方を表す記号です。また、乾燥処理記号は乾燥機でのタンブル乾燥と自然乾燥の2種類があり、正方形のデザインが異なります。
実際のタグには左から右に向かって、洗濯→漂白→乾燥→アイロン→商業クリーニングの順で並んでいるので、あわせて覚えておきましょう。
処理記号には弱い「‐」、さらに弱い「=」に加え、通常の強さで扱える「線なし」もあります。マークに線がついていない場合、特段やさしく扱う必要はありません。
また、処理温度を表す「・」は、ドットの数が増えるごとに、高い温度設定が可能です。(処理可能温度:低「・」<「・・」<「・・・」高)
JIS改定が行われた令和6年8月20日以降の、新しい洗濯表示マーク一覧は以下のとおりです。洗濯・漂白・乾燥・アイロン・商業クリーニング処理(ドライ・ウエットクリーニング)の基本記号ごとに、マークの詳細と意味をチェックしてみましょう。
現在使われている新マークと、平成28年11月30日まで使われていた旧マークの違いは、デザインと各処理の表示方法にあります。新マークは旧マークに比べ、よりシンプルに記号化されているのが特徴です。各マークの変更点は以下をチェックしてみてください。
洗濯表示マークを読み取るときに勘違いしやすいのが、処理の適温と自宅で洗える・洗えない、漂白剤の使える・使えないです。大切な衣類を間違った方法で傷つけないよう、あわせて知っておきましょう。
洗濯処理を表す桶マークに書かれる数字は、水温の上限を表します。たとえば、「40」の意味は、「40℃を超えない水温で洗える」です。旧・洗濯表示マークでは、上限ではなく推奨表示でした。同じ「40」なら、意味は「40℃で洗うのが推奨される」です。上限表示は、衣類を長持ちさせるため、適切なケアを行うために設定されています。新マークの方が、より細かく表示を守る必要があるとわかるでしょう。
円形の商業ドライマーク処理表示は、プロによるクリーニングを意味するため、基本的には自宅の洗濯機で洗えません。ただし、手洗いの桶マークが一緒に表示されていれば、セルフでのお手入れが可能です。おしゃれ着洗いコースといったやさしく洗ってくれるモードを選択しましょう。
新・洗濯表示のうち、わかりづらいといわれるのが漂白処理マークです。三角形があれば、すべての漂白剤が使えるわけではありません。斜線なしは「塩素系・酸素系ともに使用可」、2本の斜線入りは「酸素系漂白剤のみ使用可」です。三角形があるからといって、塩素系の漂白剤が使えると早とちりしないように気をつけましょう。
洗濯表示マークと一緒に知っておきたいのが、洗濯洗剤の種類と用途です。衣類の扱い方がわかっても、使う洗剤次第では台無しになってしまうかもしれません。各マークへの適性も確認しておきましょう。
普段着洗いに活用できるのが、液体もしくは粉末状の洗濯洗剤です。
液体タイプは水に溶けやすく、衣類へのダメージを抑えながら、食べこぼしやシミに効果を発揮します。一方、粉末タイプは、洗剤が残りやすいため、しっかりとしたすすぎが欠かせません。ですが、洗浄力が高い傾向にあり、しつこい黄ばみや泥汚れを除去できます。
どちらも使用量を調整できるため、日々変わる洗濯量に細かく対応できるのが強みです。
デリケートな衣類に適しているのが、中性の液性を持つおしゃれ着用洗剤です。やさしく洗う目的のため、洗浄力は比較的穏やかですが、衣類への負担を抑えられる作りになっています。洗うときの摩擦や色あせ、型崩れに配慮しながら、本来の風合いを保てるでしょう。
液体、粉末に次ぐ「第3の洗剤」と呼ばれているのがジェルボールです。1回分の洗剤がボールに凝縮されており、使用量の微調整はできません。しかし、計量の手間がかからず、洗浄成分が高配合のため、洗浄力が高い傾向にあります。1つで洗浄・消臭・香りづけ・柔軟剤の4役をこなすタイプもあるので、チェックしてみるとよいでしょう。
洗濯洗剤ではありませんが、洗い上がりの衣類を柔らかく、いい香りに仕上げるのが柔軟剤です。静電気や花粉の付着を防止する働きもあるため、とくに冬から春にかけて活躍します。柔軟性を保ちたいセーターやカーディガン、静電気や花粉の付着を防ぎたいアウター類の洗濯にプラスしましょう。
また、液体・粉末・ジェルボールタイプの柔軟剤入り洗濯洗剤もあります。衣類の洗浄と柔らか仕上げ、香りづけを1度でこなせるため便利です。
漂白剤も洗濯洗剤ではないですが、シミ汚れを白くするのに重宝します。塩素系と酸素系の2種類があり、効果の度合いは「塩素系>酸素系」です。塩素系は高い漂白力がある一方、色柄物への使用には向きません。衣類や汚れに応じた使い分けが必要です。
洗濯表示マークの読み取り方と、対応する洗濯洗剤がわかったら、あとは衣類をチェックして洗うのみです。マークの例をあげるので、読み方と処理の方法を確認してみましょう。
洗濯処理マークのうち、代表的なのが、桶マークに40の数字が書かれているタイプです。40℃までの水温で、洗濯機洗いができる意味を持ちます。綿やポリエステル、ナイロンといった素材に表示される傾向にあるため、目にする機会も多いでしょう。桶の下に「‐」もしくは「=」がついている場合、通常よりやさしいモードで洗ってください。
桶マークに手が差し込まれていれば、洗濯機洗いはむずかしいけれど、手洗いができる意味を持ちます。手洗いマークがつくのは、ウールやシルクなどのデリケートな素材です。「‐」がついていない場合の水温は40℃以下で、ついていれば30℃以下と読み取れます。
乾燥処理を表す四角形マークに、「×」が書かれていれば、乾燥機によるタンブル乾燥はできません。コインランドリーの使用も同様です。上記のケースでは、つり干しによる自然乾燥を行いましょう。
アイロン型マークに「・」が入っているのは、120℃以下の温度でアイロンがけができる表示です。160℃になると熱すぎて生地が傷むおそれもあるため、ドットの数を読み違えたり、認識が混同したりしないようにしましょう。
洗い方に迷うぬいぐるみやリュックには、洗濯表示なしとありの2タイプあります。洗濯表示なしの場合、手洗いするのがおすすめです。ありの場合はマークをよく確認し、水温と干し方を読み取ってみましょう。
型崩れや色落ちが気になるぬいぐるみは、おしゃれ着洗い用の中性洗剤でやさしく洗いましょう。リボンといった装飾品はすべて外しておくのが基本です。洗濯後は風通しのよい場所に陰干しし、しっかりと詰め物まで乾かしましょう。
リュックもぬいぐるみと同様、おしゃれ着用洗剤で丁寧に洗うのがおすすめです。ポケットに物が入ったままになりやすいため、空になったのを確認してから洗いましょう。干すときは、チャックを開けた状態で逆さにし、陰干しするのが基本です。
大切な衣類を洗濯するときにおすすめの、ハピネスダイレクトの洗濯洗剤を集めました。手間を省ける柔軟剤入り洗濯洗剤から、襟元の気になる汚れを落とせる部分用まで幅広い商品があります。洗濯表示に応じたひとつを探してみましょう。
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部屋干しでも、気になるニオイを徹底ブロックするアイテムです。煮沸レベルの抗菌力を持ち、洗濯前にひとさじ加えるだけで、部屋干し特有のイヤなニオイもすっきり。爽やかな花とおひさまの香りに包まれながら、心地よい毎日を過ごしましょう。
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頑固な汚れもすっきり落とす酸素系漂白剤。酸素のチカラでやさしく汚れを浮かせて、素材を傷めずしっかり洗浄します。衣類のシミや黄ばみはもちろん、キッチンやお風呂の掃除にも大活躍。洗濯や掃除が楽しくなる、頼れるクリーナーです。
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「洗濯表示を読むのが苦手…」「いちいち確認するのがめんどくさい」といった方におすすめなのが、マークを読み取ってくれるアプリやネットのサービスです。数ある選択肢を提示してくれるタイプや、タグをカメラで読み取れるタイプのほか、一度検索した衣類をお気に入り登録して随時確認できるタイプもあります。
いくら頭に叩き込んでいても、表示が複雑だったり、あまり見かけないマークだったりすると、とっさの判断がむずかしいでしょう。間違って扱って、衣類を傷つけてしまうかもしれません。便利なアプリも活用しつつ、大切な衣類を手軽に、適切に洗いましょう。
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