そもそも風邪とは?主な原因や症状は?
鼻水・鼻づまり・咳・たん・のどの痛み・熱などの症状をまとめて「風邪」と呼びます。
多くの人が罹患する身近な風邪について、詳しくみていきましょう。
風邪の正式名称は「風邪症候群」
風邪はもっとも身近な病気だと思われていますが、実は風邪という病気はありません。正確な病名は「風邪症候群」や「感冒」で、鼻水・くしゃみ・咳・たん・のどの痛み・発熱など命にかかわるものではない場合が多く、数日で治る症状全般を指します。
風邪は、体内に侵入してきたウイルスと戦う「防衛反応」で起こります。そのため、基本的に治療薬はありません。一般的な「風邪薬」は、風邪の症状の緩和の薬なのです。
風邪の原因
ほとんどの風邪は、ウイルス感染によって起こります。ウイルスの数は200種類以上にものぼるといわれているため、原因であるウイルスの特定は非常に困難です。また、通常ウイルスに感染すると体に抗体ができますが、風邪を引き起こすウイルスはいくつもの型があり、年々変化するため繰り返し風邪をひいてしまうのです。
出典:コーワが考える 感染症の予防と対策/KOWA
ウイルスの感染経路は主に2つあります。1つは、風邪をひいている人のくしゃみや咳などが鼻や口から入る飛沫感染。もう1つは、ウイルスが付着した手で鼻や目、口などに触って引き起こされる接触感染です。ウイルスは石けんやアルコールで破壊できるため、風邪予防には手洗いやアルコール消毒が有効です。
風邪の症状
風邪の主な症状には、鼻水・鼻づまり・咳・たん・のどの痛み・熱などがあります。中でも、風邪のひき始めに多い症状は、鼻水やのどの痛みです。ウイルスが最初に付着するのが、鼻やのどの粘膜だからです。
ウイルスが気道にまで広がると、咳やたんが出始めます。さらにウイルスが増え続けると、体がウイルスと戦おうと「プロスタグランジン」という物質が分泌され、発熱や頭痛を引き起こします。
風邪が治るまでの過程と対策
風邪が治るまでの過程は人やウイルスにより千差万別ですが、一般的には、ピークまでに2~3日、完治までには7~10日程度かかるとされています。
また、子どもや赤ちゃんの風邪もおおむね同様です。ただし、免疫力が低い小さな子どもや高齢者、妊婦は、重症化しないか注意深く経過を観察する必要があります。
風邪を悪化させないためには、風邪のタイミングに合わせた適切な対策が重要です。風邪のひき始め・ピーク・治りかけの各症状に合わせた対策方法をみていきましょう。
風邪のひき始めの症状と対策
風邪のひき始めでは、次の症状がよくみられます。
ウイルスが体内に入ると、体はウイルスを排除するために体温を上げようと働きます。この働きが、寒気やだるさを感じる原因です。また、鼻やのどの粘膜にウイルスが付着すると炎症を起こし、イガイガ、ムズムズとした不快感があらわれます。
風邪のひき始めの対策で、風邪を早く治せるかどうかが決まります。なるべく無理をせず、体を冷やさないよう注意しながら、消化のよいものを食べてゆっくりと過ごしましょう。
風邪がピークのときの症状と対策
風邪のピークは、多くの場合2~3日目におとずれます。風邪のピーク時には、主に次の症状があらわれます。
- ・のどの痛みや鼻水の悪化
- ・たんが絡む咳
- ・発熱
- ・頭痛
- ・関節痛
咳やたんがひどくて眠れないときは、横向きに寝たり、上半身を高くしたりして休んでみてください。気道が確保されて、いくらか楽になるかもしれません。鼻やのどの粘膜を潤すために、濡れマスクを使用するのも効果的です。
また、ピーク時には風邪が重症化しやすく、発熱する可能性が高まります。熱が出てきているときは、むやみに下げようとせず、体をあたためるように意識しましょう。
ただし、38度以上の高熱が出ているときや、熱が下がらないときは、ほかの病気が隠れている可能性があるため、なるべく早めに医療機関を受診しましょう。
風邪が治りかけているときの症状と対策
風邪をひいてから1週間ほど経つと、治りかけの段階に入り、以下の症状がみられるようになります。
- ・ドロッとした鼻水がでる
- ・咳が長引く
- ・疲れやすい
鼻水は、ウイルスと戦って死滅した白血球が含まれているため黄色や緑色になります。さらに、ドロッとしているのが特徴です。咳が残る、疲れやすいなどの症状もよくみられます。
また、風邪が治りかけているときは、体力を回復させるために、消化のよい食事で栄養をとりましょう。早めの就寝や部屋の加湿、水分補給も引き続き意識してください。体内にはまだウイルスが残っているため、人にうつさない配慮も大切です。
風邪のときのOK・NG行為
風邪をひいているときは、食事やお風呂など、いつもと同じでよいのか不安になってしまうものです。間違った行動で風邪を悪化させないために、風邪のときのOK・NG行為を押さえておきましょう。
風邪をひいているときは無理をしてでも食事をとるべき?
風邪をひいているときは、自分でも気づかないうちに体力を消耗しているものです。消耗した体力を補うためには、できるだけ食事を摂った方がよいでしょう。ただし、お肉や高カロリーな食べ物を無理して食べてしまうと、消化器官に負担がかかり、かえって体力を消耗してしまう場合があるので注意が必要です。
風邪をひいているときの食事は、なるべく消化のよいものを選びましょう。野菜たっぷりの鍋や味噌汁、卵でとじたうどんなどがベストです。また、食欲がないときはフルーツやヨーグルトなど、負担なく食べられるものを選ぶとよいでしょう。
また、こまめな水分補給も大切です。脱水予防のために、スポーツドリンクを用意しておくとよいでしょう。
風邪のときにお風呂に入ってもよい?
風邪をひいていても、お風呂に入って大丈夫です。ただし、高熱があるときは体力の消耗が激しいので避けましょう。医師からの指示があるときは、そちらに従ってください。
入浴の際は、前後の水分補給や湯冷めに注意しましょう。また、体をあたためようと高温のお湯に長時間入るのはNGです。40℃以下のぬるめのお湯で、長くつかりすぎないように注意してください。
風邪薬は完治するまで飲んだ方がよい?
解熱剤や風邪の諸症状を緩和する薬は、症状がよくなってきたら服用を止めても大丈夫です。市販の風邪薬では「5日以上の服用は避ける」と注意書きされている場合もあります。
基本的には、市販の風邪薬を2~3日飲んでみて、症状がよくならないときは、医師や薬剤師に相談するのがベターです。自己判断で薬の服用を続けないようにしましょう。
風邪をひいたら早めの対策を
一般的に、風邪は1週間から10日ほどで治ります。しかし、以下の症状があらわれたときは、ほかの病気が隠れているかもしれません。
・38℃以上の熱がでている
・熱が3日以上下がらない
・3週間以上咳が長引く
・濃い鼻水と鼻づまりが続き、頭痛や発熱を伴う
・皮膚に水疱(みずぶくれ)があらわれる
・微熱や倦怠感が続く
「普通の風邪とはちょっと違う」と感じる症状がみられたら、なるべく早めに医療機関を受診しましょう。
風邪を早く治すには、"まだ体力があるうち”の行動が肝心です。体力が低下すると免疫力も低下するので、風邪が長引いたり悪化したりするリスクが高まります。
風邪かな?と思ったら、消化のよいもので栄養をとり、あたたかくしてたっぷり休息をとるように意識してみてください。なるべく早めに薬を飲むのも効果的です。
「たかが風邪」と思わず、早めの対策を心がけましょう。
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