健やかな心身を保つために欠かせない「良質な睡眠」
睡眠は、私たちの健康に深く関与しています。睡眠不足で「日中のパフォーマンスが落ちる」と感じた経験のある方は多いでしょう。ところが、睡眠不足は身体だけでなく、心にも大きな影響をあたえています。
慢性的なストレスや怒りっぽさを感じているときは、睡眠不足が関係しているかもしれません。
良質な睡眠は厚生労働省も重要視しており、「良い睡眠で、からだもこころも健康に。」を掲げて国民の健康づくり運動を促進しています。
「身体の疲れがとれない」「心が最近落ち着かない」と悩んでいる方は、睡眠を見直してみましょう。
参考:厚生労働省 健康寿命を延ばそう SMART LIFE PEOJECT|良い睡眠で、からだもこころも健康に。
睡眠が私たちの身体にもたらす5つの効果
睡眠が健康に欠かせないものだとお伝えしました。では、実際に睡眠が私たちにもたらしてくれる効果には、どのようなものがあるのでしょうか?睡眠が大切な理由について、もう少し詳しくみていきましょう。
疲労回復効果
睡眠のもっとも大きな効果は、疲労回復です。疲労回復のポイントは、睡眠中に多く分泌される成長ホルモン。成長ホルモンは成長を促すだけでなく、身体の疲れを回復したり、傷んだ部分を補修したりする役割があるのです。
睡眠中は筋肉の緊張が解放され、脈拍や呼吸がゆっくりになり、体温や血圧が下がります。全身に指令を送る「中枢神経」も休養状態です。
つまり、全身がリラックスしています。一日働いた全身を労わる睡眠は、翌日のイキイキとした活動には欠かせない習慣なのです。
十分な睡眠をとっても疲れがとれないときは過労の疑いあり
「いっぱい寝たのに疲れがとれない」と感じたことはありませんか?しっかり寝たはずなのに寝起きが悪かったり、調子が悪かったりするときは過労かもしれません。睡眠だけでなく、あらゆる方法で身体を労わりましょう。
たとえば、栄養ドリンクを飲む、甘いものを食べる、運動をおこなう、半身浴をおこなう、遠方へ足をのばしてみる、など、今までと少し違う方法でのアプローチが身体と心のリフレッシュに有効です。
心のメンテナンス効果
睡眠には、心を整える効果があります。そもそも、人の脳は眠っている間に情報を整理しています。
たとえば、嫌な記憶や不要な情報は消去し、大切な情報のみを記憶として保存するのです。「憂鬱な気分だったのが、ぐっすり眠ったら解消した」と感じるのも、睡眠時の脳が情報を整理整頓しているためです。
また、ストレスに対応する「コルチゾール」というホルモンは、睡眠中に分泌されると分かっています。ストレスに強い身体作りにも睡眠が重要なのです。
生活習慣病の予防効果
睡眠時間が不足している人は、生活習慣病になるリスクが高いと分かっています。たとえば、睡眠不足・不眠の状態だと交感神経が高ぶってしまうため、夜間の血圧が下がらず翌日に影響して「高血圧」を引き起こします。
睡眠時無呼吸症候群も注意が必要です。睡眠中の呼吸が一時的に止まると酸素不足になり、血圧が上昇します。
また、脳が目覚めて深い眠りを妨げ、血糖値の上昇を引き起こす場合があります。良質な睡眠は、生活習慣病を予防するうえで欠かせないものなのです。
免疫力を維持する効果
免疫力と睡眠も深い関係があります。免疫機能は、成長ホルモンが疲労を回復し、傷んだ細胞の修復によって維持されています。
成長ホルモンは寝ている間に多く分泌されるため、十分な睡眠をとれていれば免疫力の維持が叶い、風邪や病気を予防する効果が期待できるのです。
免疫力の低下は、長期にわたると重大な病気につながる可能性もあります。質のよい睡眠は「健康な身体の維持」につながっているといっても過言ではないでしょう。
記憶を定着させる効果
睡眠には、記憶を定着させる効果もあります。記憶は脳の「海馬」で一時的に保管された後、重要な情報だけが「大脳皮質」に送られて記憶として定着します。この工程がおこなわれているのが睡眠中です。
「睡眠学習」と聞いたことはありませんか?一説によれば、寝る前の30分に暗記をして寝ると、効率よく暗記ができるといわれています。睡眠の効果を勉強に取り入れてみてもいいかもしれません。
良質な睡眠には思いがけないメリットも
「寝る子は育つ」「眠り美人」「睡眠ダイエット」…このような言葉を聞いたことはありませんか?なぜそういわれるのか、理由と睡眠の体への働きかけについて追求します。
寝る子は育つ?
「寝る子は育つ」は本当です。身長を伸ばしたり丈夫な骨を作ったりするためには、成長ホルモンが欠かせません。成長ホルモンは、睡眠中に最も多く分泌されます。睡眠は子供が大きく成長するための重要な役割を担っているのです。
素肌美人の秘密は睡眠にあり
成長や免疫力に深く関与している成長ホルモンですが、実はキレイな肌作りにもひと役買っています。成長ホルモンは、肌の水分量を増やしたり、皮膚のターンオーバーを促す効果があるのです。
また、睡眠ホルモンと呼ばれている「メラトニン」も美肌に欠かせないホルモンです。メラトニンには抗酸化作用があるため、肌細胞の修復や、肌の老化を遅らせるエイジングケア効果が期待できます。
理想の体型をキープできる
質のよい睡眠は、ダイエットにもよい影響をあたえてくれます。良質な睡眠をとると「レプチン」が分泌されます。レプチンは満腹中枢を刺激して、食欲を抑制する作用があるホルモン。つまり、食べすぎを防ぐホルモンなのです。
また、睡眠中に多く分泌される成長ホルモンは代謝にも関与しており、脂肪の燃焼を促進する作用があります。十分な睡眠は、太りにくく痩せやすい身体作りにつながっているのです。
睡眠効果を得るために知っておきたい「睡眠のメカニズム」
睡眠にはさまざまな効果があるとお伝えしました。しかし、睡眠による効果を得るためには、質のよい睡眠をとるのが大前提です。
「そうはいっても、質のよい睡眠って結局何?」と思ってしまいますよね。質のよい睡眠をとるためには「睡眠のメカニズム」への理解が近道です。睡眠の基礎をふり返ってみましょう。
睡眠は「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の2種類の睡眠状態で構成されている
睡眠は、深い眠りの「ノンレム睡眠」と、眠りの浅い「レム睡眠」の2種類の睡眠状態からなっています。最初に始まるのはノンレム睡眠です。
ノンレム睡眠で一気に深い眠りについた後、1時間で徐々にレム睡眠へと移行します。その後は、約90分周期でノンレム睡眠、レム睡眠を繰り返します。
ノンレム睡眠は「脳の眠り」といわれており、脳の活動が低下しています。また、ホルモンの分泌を促す睡眠期でもあります。特に、眠りについてから180分間は最も成長ホルモンを分泌する時間帯です。
子供の成長や、免疫機能、美肌などにとって、寝始めが非常に重要な時間帯なのです。
レム睡眠は「からだの眠り」といわれています。脳は活動していますが、筋肉は弛緩している睡眠期です。夢をみるのはレム睡眠のときで、記憶の定着もこのときにおこなわれています。
睡眠時間が長いほど良質な睡眠というわけではない
良質な睡眠=長い睡眠時間と考えるのは少々違うようです。日本人を対象とした大規模コホート研究では、男女ともに睡眠時間が8時間以上の人は、7時間の人に比べて全死亡リスクが高かった、との結果がでています。
良質な睡眠ができているかどうかは、以下のチェックリストで確認してみてください。
- ● スムーズに眠りにつける
- ● 睡眠の前半2時間弱は、ぐっすり眠れている
- ● 睡眠の後半は、うつらうつらとした感じがあってもよい
- ● 中途覚醒が少ない、または途中で目がさめてもすぐに再入眠できる
- ● 目覚めがスッキリしている(熟眠感がある)
- ● 昼食後以外は日中に眠気がつきまとわない
すべてに当てはまっている方は、質のよい睡眠がとれているでしょう。
参考:公益社団法人 大阪府保健医療財団 大阪がん循環器病予防センター|睡眠
適切な睡眠時間は、人や年齢によって異なります。自分にとってのベストな睡眠時間を見つけていくのが大切です。
睡眠がもたらす効果で健やかな心身に整えよう
睡眠は、私たちが毎日を健やかに過ごすために欠かせない生活習慣です。良質な睡眠をとると、以下のような効果を得られます。
- ● 疲労を回復する効果
- ● 心を整える効果
- ● 生活習慣病を予防する効果
- ● 免疫機能を維持する効果
- ● 記憶を定着させる効果
- ● 子供の成長
- ● 美肌づくり
- ● スタイルの維持
「たかが睡眠」とあなどってはいけません。睡眠のもたらす効果を上手く生活に取り入れれば、毎日ハツラツと過ごせるはずです。この機会に睡眠を見つめなおしてみませんか?
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