血圧が高めになる主な原因7つ

血圧が高めになる原因は、塩分の摂りすぎや運動不足、お酒の飲みすぎ、喫煙などです。複数の原因が複雑に絡み合い、血圧に影響を与えます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

【1】塩分の摂りすぎ

塩分を摂りすぎると、体内の塩分濃度が高くなります。すると、塩分濃度を下げるために血管内の水分が増加。体内の血流量や一回の心拍で送り出される血液量が増え、血圧が上がりやすくなります。

【2】運動不足

適度な運動は、体内の余分な塩分排泄を促します。しかし、運動不足になると塩分をため込みやすくなり、血液量の増加によって血圧が上昇。また、運動不足は肥満の原因にもなり、間接的な血圧上昇の要因となるケースもあります。

【3】お酒の飲みすぎ

お酒は適量であれば楽しい気持ちを増加させたり、緊張を和らげたりするのに有効ですが、飲みすぎには注意が必要です。過度な飲酒は交感神経を刺激し、血圧に悪影響を与えます。さらに、飲酒の際には、塩分の多いおつまみを食べる場合が多く、血圧が変動しやすくなるでしょう。

【4】喫煙

タバコは、健康にさまざまな悪影響をもたらします。吸った直後の一時的な変動だけでなく、血圧を慢性的に高くする要因となるのです。タバコに含まれるニコチンは交感神経を刺激し、血管を収縮させ、血圧に影響を与えます。

【5】肥満

肥満は、血圧が高めになる大きな要因です。とくに内臓脂肪が多いタイプは、血液を全身に送り出すための血液量が増加するため、体への負担が増え、血圧が上がりやすくなります。
令和5年の国民健康・栄養調査結果による肥満者（BMI※≧25kg/m2）の割合は、男性31.5％、女性21.1％でした。平成25年から令和元年の間において、女性では有意な増減が見られないのに対し、男性では有意に増加したとの報告もあります。近年、男性では肥満で血圧高めの方が増加傾向にあるため、食事や運動を意識しましょう。

※BMI：肥満度を判定するための指標。体重と身長から算出され、18.5以上25未満が「普通体重」となる。25以上は肥満と判定される。

【6】ストレス

ストレスを感じると、私たちの体はストレスホルモンを分泌します。ストレスホルモンには、血管を収縮させたり、心拍数を増加させたりする働きがあるため、血圧が変動しやすくなるのです。また、自律神経のバランスにも影響を与え、交感神経が優位になり、血圧が高めになります。仕事のプレッシャーや人間関係といった慢性的なストレスには注意しましょう。

【7】加齢

年齢を重ねて血管が弾力性を失い硬くなると、血流が悪化して血液を送り出す強い力が必要となるため、血圧が変動しやすくなります。遺伝的な体質も血圧と関係するとされており、ご家族に血圧が高めの方がいる場合は注意が必要です。

下（拡張期）の血圧が高めになるのはなぜ？

下の血圧が高くなる理由は、末梢血管（手足の先にある細い血管）が硬くなるためとされています。末梢血管が硬くなると、血液が流れにくくなり、血管内の圧力が高めになりやすいのです。下の血圧が高めの方の特徴は以下のとおりです。

いつもより血圧が高めになる原因

血圧は常に一定ではなく、排尿や排便時、姿勢の変化、寒暖差によって変動します。急激な変動は、体に悪影響を及ぼすため注意しなければなりません

排尿・排便時のいきみ

トイレでいきむと、お腹に力が入り、腹圧が上がります。心臓に負担がかかり、血圧が急上昇するケースも少なくありません。とくに高齢の方では、血圧の変動によって失神につながる場合もあります。無理にいきまないためには、普段から食物繊維や水分摂取を心がける、毎日決まった時間にトイレに行く、定期的に運動をするといった対策が大切です。

急な姿勢の変化

急な姿勢の変化によって、血圧の調整機能が一時的に追いつかなくなり、血圧が大きく変動するときもあります。急に立ち上がったときに立ちくらみを感じる方は、注意が必要です。ゆっくり立ち上がったり、かがんだりする動作を意識しましょう。

急激な寒暖差

暖かい場所から寒い場所に移動したり、浴室から脱衣所に出たりすると、血管が急激に収縮し、血圧が上昇しやすくなります。すると「ヒートショック」を招く可能性があるため、注意しなければなりません。ヒートショックとは、急激な温度の変化により血圧が大きく変動し、めまいや失神などを引き起こす現象です。冬期間は脱衣所や浴室を温めたり、入浴時間を短めにしたりするといった対策を取りましょう。

50代女性の血圧が高めになる背景

血圧は年齢とともに徐々に上昇する傾向にありますが、とくに50代女性では、ホルモンバランスの変化が原因で、血圧が高くなるケースも見られます。
日本人の平均閉経年齢は、50.5歳です。女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が急激に減少するため、40代後半からさまざまな不調が現れ始めます。エストロゲンには、血管を広げて血圧の上昇を抑える働きがあり、分泌量が減ると血圧が上がりやすくなるのです。
また、ホルモンバランスの乱れは、不眠やイライラといった更年期特有の症状を引き起こします。今まで健康診断で問題がなかったとしても、50代以降は体調変化に注意しましょう。

参照：働く女性の心とからだの応援サイト「更年期」／厚生労働省

高めの血圧が気になるときに行いたい対処法5つ

【1】生活習慣を整える

1日3回のバランスのよい食事、適切な睡眠、適度な運動を心がけましょう。それぞれのポイントは以下のとおりです。

バランスのよい食事

バランスのよい食事とは、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事です。野菜や果物をたっぷり摂り、ビタミンやミネラル、食物繊維を補いましょう。牛乳や乳製品、小魚でカルシウムも加えてみてください。コンビニ食が多い方は、おにぎりやパンだけで済ませるのではなく、野菜ジュースや牛乳、ヨーグルトをプラスしてみましょう。

参照：ちょうどよいバランスの食生活／農林水産省

適切な睡眠

睡眠不足は、眠気や意欲の低下、ホルモン分泌や自律神経の機能に影響を及ぼすとされています。睡眠不足のときは、本来なら夜間に低下する血圧が、高めのままとなる可能性も。適正な睡眠時間には個人差がありますが、6～8時間を目安とし、睡眠時間を確保しましょう。質のよい睡眠を取るため、日中にできるだけ日光を浴びる、寝室はできるだけ暗くするといった工夫を取り入れてみてください。

参照：健康づくりのための睡眠ガイド2023／厚生労働省

適度な運動

適度な運動は、健康的な血圧の維持に役立つとされています。早歩きやジョギング、ランニングといった有酸素運動、筋トレやストレッチを行いましょう。毎日30分、または週180分以上を目安にしてみてください。1回で30分の時間がとれないときは、1回10分以上、合計して1日40分行ってもかまいません。家事動作をテキパキとこなす、会社内では階段を使って移動するといった工夫もおすすめです。

【2】減塩を心がける

血圧が高めの方に推奨される減塩目標は、1日あたり食塩6g未満です。減塩のコツは以下のとおり。ひとつからでも始めてみましょう。

【3】禁煙する

タバコは血圧だけでなく、健康へさまざまな悪影響を及ぼします。できるだけ早めの禁煙を心がけましょう。まずは、本数を減らす、回数を減らすなどから始めてみてください。自分だけで禁煙が難しいときは、病院の禁煙外来に相談してみましょう。

【4】GABAを含有する機能性表示食品を活用する

食事や運動といった対策に加え、GABA（ギャバ）を含有する機能性表示食品を取り入れるのも一つの選択肢です。GABAはトマトや西洋かぼちゃなどにも含まれる成分で、血圧が高めの方の健やかな毎日に役立つとされています。
機能性表示食品は、事業者の責任において特定の保健の目的が期待できる旨を科学的根拠に基づいて表示する商品で、消費者庁長官に届け出されたものです。ただし、特定保健用食品とは異なり、国による個別の評価を受けたものではありません。

【5】1日2回の血圧測定を習慣にする

血圧を定期的に測定し、自分の傾向を把握しましょう。「135/85mmHg」以上の状態が1週間以上続くときは、医療機関の受診が推奨されます。ただし、「160/100mmHg」前後になる際や、何らかの症状を伴う際は、すみやかに医療機関を受診しましょう。

サプリメントシリーズ「プレミアムクラス」で生活習慣をサポート