そもそも酵素とは?
酵素とは「生物が生きていくうえで欠かせない化学反応」に関連するタンパク質の一種です。
例えば、タンパク質や脂質、炭水化物をはじめとする5大栄養素は、生命を維持するためには欠かせない存在です。しかし、せっかく摂取してもそのままでは役に立ちません。
そこで「酵素」が働きます。酵素がタンパク質や脂質を分解して、はじめて体内に栄養が取り込まれるのです。吸収された栄養素は、さらに酵素によってエネルギーへと変えられます。
ほかにも、免疫力や体温調整、不要なものを処理して排出する反応など、多くの反応に酵素が関与しています。酵素は、健やかな身体を維持するために欠かせないものなのです。
酵素の性質|酵素についてもっと詳しく知る
酵素はおもしろい性質をもっています。酵素について、もっと詳しくみていきましょう。
酵素はひとつの働きに特化したスペシャリスト
人の体内には、3,000種類以上の酵素が存在しているといわれています。多くの酵素が存在している理由は「ひとつの酵素はひとつの働きしかできない」からです。
酵素は基質(酵素と結びついて変化する物質)と化学反応を起こして、消化・吸収・代謝の一連の流れをおこないます。しかし、酵素は「基質特異性」と呼ばれる特性をもっており、特定の基質にしか作用しません。
例えば、リパーゼという酵素は脂質を加水分解します。しかし、タンパク質や糖の分解はできません。タンパク質や糖を分解するためには、別の酵素の働きが必要になります。酵素はひとつの働きに特化したスペシャリストなのです。
人や動物の体内と同じ環境で活発に働く
酵素は体内で力を十分に発揮するために「体内に近い環境で活発に働く」特性をもっています。例えば、酵素は体温に近い37度前後で最も活動的に働きます。
また、ほとんどの酵素は人の体液に近いpH7(中性)で力を発揮するのも特徴です。なお、胃で働く消化酵素・ペプシンは、pH2の強酸性の環境でよく働く特性があります。
一方で、熱に弱い特性ももっています。酵素のほとんどは、タンパク質です。生卵に火を通すと固まってしまうように、酵素も熱を加えると変形してしまい、酵素の働きが失われしまうのです。
酵素の種類と働き
酵素は、体内で作用している「消化酵素」「代謝酵素」と、体外から摂取する「食物酵素」に大きく分けられます。
どの酵素も身体にとって欠かせないものであり、それぞれ異なる働きをしています。酵素の種類と働きについて、詳しくみていきましょう。
消化酵素
消化酵素とは、食べ物から摂取した栄養素を、吸収しやすい状態まで分解する働きを担う酵素です。消化酵素は唾液・胃液・小腸液などの消化液に存在しています。
主な消化酵素と働きは以下の通りです。
代謝酵素
代謝酵素とは、消化酵素によって体内に吸収された栄養素を、身体の細胞へ送り届ける役割を担う酵素です。消化酵素以外の酵素全般を指しており、新陳代謝のサポートや血流の促進、免疫力の向上、老廃物の排出など主な生命活動に関与しています。
食物酵素
食物酵素とは、名前の通り食べ物に含まれている酵素です。食物酵素は、体内で作用している酵素の働きをサポートします。
例えば、食物酵素が不足していると、消化酵素の力のみで食べ物の分解・吸収をおこなわなければなりません。一方、食物酵素を積極的に摂取していると、食物酵素が食べ物の消化を助けてくれるため、消化酵素の浪費を防げます。
食物酵素は代謝酵素には作用しません。しかし、消化酵素と代謝酵素は過不足を補う相互関係にあります。
したがって、消化酵素が節約できると、代謝酵素に余裕が生まれます。食物酵素は、体内で作用している酵素をサポートする大切な酵素なのです。
酵素を増やすためにはどうすればいい?
どれだけ健康に気を使っていても、酵素は年齢とともに減少していきます。酵素が不足すると、血液の流れが滞ったり、代謝が落ちて太りやすくなるなどさまざまな影響が出るのです。
では、酵素を不足させずに「健康な身体」を維持するためにはどうしたらよいのでしょうか。酵素を増やすためのポイントを3つ紹介します。
生野菜や生の果物を摂取する
生野菜やフレッシュな果物には、酵素が豊富に含まれています。旬のものはより酵素がふんだんに含まれているため、季節の野菜や果物を積極的に摂取するとよいでしょう。
なお、酵素は70度を超えると失活してしまう、また、水中の方が酵素は多く破壊されてしまう傾向にあります。加熱するときは、蒸す・焼くなどの調理で、最小限の加熱に留めましょう。
野菜の皮は抗酸化作用のあるβカロテンやビタミンが豊富なので、なるべく皮ごと食べるのがおすすめです。
発酵食品を積極的に食べる
「味噌」「納豆」「ぬか漬け」「キムチ」「ヨーグルト」「チーズ」をはじめとする発酵食品を積極的に食べるのもよいでしょう。
そもそも発酵とは、微生物の力を借りて食べ物を分解し変化させる製法です。微生物は発酵の過程で多くの酵素を作り出します。そのため、発酵食品には酵素が豊富に含まれているのです。
また、発酵中の微生物がデンプンやタンパク質を分解してくれるのも特徴です。体内で分解する必要がないため、消化酵素の無駄づかいを減らせます。発酵食品は栄養バランスにも優れており、身体の調子を整える効果も期待できます。
酵素の消耗をしない生活習慣を心がける
酵素を増やすためには、体内の酵素の無駄づかいを減らすのも重要です。例えば、以下の点に気をつけましょう。
- ● 適度な運動をおこなう
- ● 身体をあたためる
- ● 水分を摂取する
- ● ストレスをためないようにする
運動する際は「運動のしすぎ」に注意しましょう。激しい運動は酵素を消耗してしまうからです。
また、水分はなるべく「水」を摂取しましょう。ジュースやカフェインのある飲料だと、余計なものを分解しなければならず、酵素の消耗につながってしまいます。
酵素が働きやすい身体に整えよう
体内で働く「消化酵素」「代謝酵素」「SOD酵素」は、身体のあらゆる化学反応に関与しています。健康的な生活をおくるため、酵素の力はなくてはならないものです。しかし、酵素は年齢とともに減少してしまいます。
酵素を増やすためには「食物酵素」で積極的に酵素を身体に取り入れたり、酵素の無駄づかいを減らしたりする行動や注意が大切です。酵素の働きを理解して、酵素がより活性化できる身体に整えていきましょう。
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