美容×健康ライター中村里歩
元美容師で「超」がつく美容・健康マニア。試した美容法・健康法は数知れず…。経験を活かし、美意識の高い女性や、健康に悩む男性に寄り添う記事を執筆するべく活動中。
モットーは「明るく前向きに」「日進月歩」。AIに負けない、読者への愛がたくさん詰まった記事を執筆するため日々勉強中。
敏感肌は、乳液にこだわるのがおすすめ。乳液は、化粧水や美容液に比べると注目度は低めですが、スキンケアに「フタ」をする重要な役割があります。ゆらぎがちな肌は、保湿力が高く、刺激になりやすい成分を含まないアイテムを選んでみてください。乾燥肌、脂性肌、どちらに寄っているかを考え、より肌に合う製品を選ぶのも大切です。使用するときは、順番や量を守り、やさしく肌にプレスしましょう。肌へ心地よくなじみます。
乳液が持つ「水分と油分でフタをする」役割は、化粧水や美容液では代替できません。乳液は、スキンケアの仕上げとなる重要な存在です。
敏感肌は、肌の最外層にある角質層のバリア機能が弱まっている状態です。バリア機能は、「皮脂膜」「天然保湿因子(NMF)」「細胞間脂質(セラミドなど)」といった保湿因子によって支えられています。
ところが、敏感肌は保湿因子が不足しており、バリア機能が正常に働きません。結果、紫外線や花粉、化粧品成分をはじめとする外的刺激が肌内部に侵入し、乾燥による肌の不調を招きやすくなります。
乳液は、化粧水で補った水分を肌にとどめ、蒸発を防ぐフタの役割を果たします。洗顔後の肌は「皮脂膜」が一時的に洗い流された状態。化粧水だけをつけても、補給した水分はすぐに蒸発してしまいます。
皮脂膜の代わりとなるのが、乳液です。角層の水分が逃げないようにしっかりとフタをしつつ、水分・油分のバランスを整えます。皮脂膜の働きが弱まり、肌の水分が失われやすいときこそ、乳液を正しく使う必要があるのです。
乳液とクリームはどちらも水分の蒸発を防ぐ役割を持ちますが、油分の量に違いがあります。乳液はみずみずしく、なめらかな質感が特徴です。一方、クリームはより多くの油分を含み、濃厚なテクスチャーで肌にしっかりとフタをして水分を閉じ込めます。
どちらか一方を選ぶ必要はなく、併用しても問題ありません。ただし、肌状態や生活シーンに応じて使い分けると、より快適な保湿ケアができます。たとえば、基本の保湿には乳液を使い、目元や口元にはクリームを重ねると、部分的な乾燥対策もしやすいでしょう。朝はメイク前に乳液で肌を整え、夜はクリームで睡眠中の乾燥を防ぐなど、時間帯に合わせた使い方もおすすめです。
デリケートな肌にとって、乳液選びはスキンケアの質を左右します。まずは、保湿成分を配合しつつ、シンプルな成分で構成されているかチェックしましょう。さらに、ご自身の肌が敏感肌のなかでも「乾燥肌寄り」なのか、「脂性肌寄り」なのかを考えてみてください。より肌質に合うアイテムをチョイスし、実際に試してから購入できるとベストです。
敏感肌は肌のバリア機能が弱まっているため、バリア機能を支える保湿成分がしっかりと含まれている乳液を選ぶのがポイントです。保湿成分には、水分を肌内部にとどめる働きや、肌表面にうるおいの膜をつくる働きなど、さまざまな役割があります。
セラミドやスクワラン、ワセリン、ヒアルロン酸といった保湿成分を配合している乳液を選んでみてください。植物や海藻から抽出された天然由来の保湿成分を配合したアイテムを選ぶのもよいでしょう。
バリア機能が低下している敏感肌は、わずかな刺激にも反応してしまう場合があります。そのため、刺激になりうる成分はできるだけ避けたほうがよいでしょう。
化粧品の成分は多岐にわたり、どの成分が刺激になるかは人により異なります。過去に化粧品を使ってピリつきやかゆみを感じた経験がある方は、製品の成分表示を確認し、ご自身がどの成分と相性がよくないのかを把握しておきましょう。
特定の成分が思い当たらない場合は、配合されている成分が少なく、シンプルな処方の製品から試してみるのがおすすめです。万が一刺激が出た場合も、原因を特定しやすくなります。
敏感肌と一括りにせず、よりご自身の肌に合う乳液を選ぶと、スキンケアを続けやすいでしょう。乾燥が気になる「乾燥性敏感肌」さんは、油分が適度に配合された保湿力の高い乳液が適しています。クリームに近い、しっとりとした使用感の乳液が使いやすいでしょう。
ベタつきが気になる「脂性敏感肌(インナードライ肌)」さんは、油分が控えめで、みずみずしいジェルタイプや、さらっとした質感の乳液をチェックしてみてください。
「パッチテスト済み」や「アレルギーテスト済」と表記されていても、すべての方にアレルギーや肌トラブルが起こらないわけではありません。重要なのは、購入前に、ご自身の肌で試すステップです。
サンプルや数日間試せるトライアルセットがあれば、積極的に活用しましょう。まず二の腕の内側などで簡単なパッチテストを行い、問題がなければ顔で試します。数日間継続して使用すると、一時的な反応だけでなく、肌状態がどう変化するかを見極められます。
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せっかく選んだ乳液も、使い方を誤ると保湿力を十分に発揮できず、肌への刺激につながる恐れがあります。使用する順番と量を守り、摩擦を避けてそっと肌へなじませるのがポイントです。
スキンケアは「洗浄」「保湿」「保護」の流れで行うのが基本です。洗顔後は、まず化粧水で角質層に水分をチャージし、美容液で必要な成分を補います。パックをする場合は、化粧水後、美容液の前に行いましょう。最後に乳液で油分を補い、水分の蒸発を防ぎます。
ただし、乳液によっては化粧水の前に使うタイプもあるため、必ず使い方を確認してください。
乳液は、製品が推奨する「適量」を必ず守りましょう。ベタつきを気にして使用量を減らしてしまうと、肌全体に均一に伸ばせず、十分な保湿効果が得られません。また、少ない量で無理に伸ばそうとすると摩擦が生じ、刺激となってしまう可能性があります。
一般的には10円玉大が使用量の目安ですが、必ずパッケージに記載された量を参考にしてください。
敏感肌は「擦らない」のが鉄則です。適量の乳液を清潔な手のひらにとり、軽く温めてから肌へとなじませます。乾燥しやすい頬や口元、目元といったUゾーンから先に置き、顔の外側に向かって、やさしく滑らせるように広げましょう。
全体に広がったら、手のひらで顔を包み込むようにハンドプレスをします。強く押すのではなく、体温を伝えるように密着させると、保湿成分が角質層まで浸透し、肌にうるおいを感じられるようになります。
「高保湿化粧水を使っているから」「美容液でケアしているから」といった理由で、乳液を省略している方もいるかもしれません。しかし、それぞれ役割が異なるため、敏感肌の保湿ケアにおいて乳液は大切なアイテムです。
化粧水の主役はあくまで水分であり、そのままでは肌から蒸発してしまいます。また、美容液は特定の悩みに応えるためのスペシャルケアです。せっかく与えたうるおいや美容成分が逃げないよう、乳液で「フタ」をする必要があります。
「スキンケアの手応えを感じられない」とお悩みの方は、乳液の選び方や使い方を見直してみてはいかがでしょうか。
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