「自律神経の乱れは不調につながる」とよく聞くけれど、具体的な症状や原因についてはよく知らないという方は多いでしょう。
自律神経は体の調子を整えるため、大切な役割を担っていますが、ストレスや不規則な生活習慣によってバランスが崩れる場合があります。
心身ともに健やかな毎日を過ごせるように、自律神経が乱れる原因や日常生活で気をつけるポイントについて詳しく解説します。
自律神経は体を活動的にする「交感神経」とリラックスさせる「副交感神経」の2つの神経から成り立ち、お互いにバランスを取りながら働いています。
ところが、なんらかの原因で自律神経のバランスが崩れると、心や体に負担がかかって体調不良を生じてしまうのです。
自律神経が乱れると、次の症状を引き起こしやすくなります。
自律神経は全身にあるため症状が多岐に渡り、人によって現れる症状も異なります。一度に複数の症状が現れる場合もあるので、早めの対策が大切です。
自律神経の乱れを整えるために、まずは主な原因をご紹介します。
ストレスは自律神経の乱れに大きな影響を与えているといわれています。忙しい現代社会では、仕事や子育ての悩み・プレッシャー・将来への不安といったストレスを多く感じるでしょう。
ストレスを感じると交感神経が優位になりやすく、体が活発に働く状態が長く続いてしまいます。すると、自律神経のバランスが崩れて体調不良を生じてしまうのです。
季節の変わり目になると調子が下がるという方は多いでしょう。朝晩の寒暖差や気圧の変化が激しくなり、日照時間が短くなったり長くなったりと、気候が大きく変わる季節は体に負担がかかります。
また、新学期や進級・就職・転職といったライフスタイルイベントは心身に不安やプレッシャーを与えるため、自律神経の乱れを引き起こしやすくなります。
私たちの体の機能は一定の生体リズムで働いていますが、睡眠不足や不規則な食生活、昼夜逆転といった生活を送っていると、体内時計が狂って自律神経のバランスがとれなくなってしまいます。
自律神経を正常に働かせるために、規則正しい生活を心がけましょう。
自律神経の乱れは加齢や病気によって引き起こされる場合があります。とくに、40歳過ぎ頃から症状が現れる更年期障害は、自律神経に影響を与える病気として知られています。
自律神経を整えるために大切なのは、規則正しい生活リズムとリラックスを意識した時間の過ごし方です。日常生活で気をつけるポイントをご紹介しますので、ぜひ実践してみてください。
朝起きたら太陽の光を浴びましょう。体内時計がリセットされて活動モードに切り替わり、体がスッキリと目覚めます。毎日習慣づけて体の調子が整ってくると、夜は自然に眠りにつきやすくなります。
睡眠不足や不規則な生活リズムは、自律神経を乱す大きな原因です。睡眠時間をしっかり確保して、良質な睡眠が得られる環境づくりをしましょう。
就寝前にスマートフォンやタブレットを使用してブルーライトを浴びると、眠りが浅くなる、寝つきが悪くなるといった睡眠障害を引き起こしやすくなるため、できるだけ使用を控えてください。
栄養バランスを考えた食事を1日3回とるのが理想です。中でも朝食は、自律神経を整えるために重要な役割を果たしています。
自律神経のメカニズムに深く関係しているといわれている代表的な栄養素はビタミンB1で、玄米や豚肉、うなぎに含まれています。また、乳酸菌が含まれているヨーグルトや味噌汁を朝食に取り入れると腸の働きを促してくれます。
軽い運動を日常的に続けると、自律神経が安定して体調のバランスを保ちやすくなります。とくに、散歩や水泳といったゆっくりと体を動かす有酸素運動を取り入れると、基礎代謝が上がり、ストレスを軽減するのに役立ちます。
アロマで好きな香りに包まれたり穏やかで心地よい音楽を聴いたりすると、副交感神経が優位に働いてリラックスでき、自律神経のバランスが整いやすくなります。
自律神経の乱れにはストレスが大きく関係しているといわれているため、ストレスがたまらないように自分なりのリラックス方法を見つけましょう。ゆっくり入浴する、趣味の時間を楽しむといった方法も効果的です。
ツボを刺激すると副交感神経の働きが高まり、リラックス状態をつくりやすくなります。体の不調を整えるツボをいくつか覚えて、スキマ時間にセルフケアしてみましょう。
自律神経の乱れは、放っておくと生活に支障をきたしたり悪化したりする場合があります。症状が改善しない場合には次の方法を参考に、早めに対処しましょう。
「体の調子がなかなか上がらない」「気分がずっと落ち込んでいる」といった不調を抱えたまま改善しない、症状が以前より酷くなったという場合には、無理せず早めに医療機関を受診しましょう。
ストレスが原因なら心療内科や心の病気が専門の精神科、更年期障害が現れる年齢なら更年期外来や婦人科・メンズヘルス外来など、症状に合わせて受診先を選びましょう。
何科に行けばいいかわからない場合には、かかりつけ医や近所の病院に相談してみるとよいでしょう。自治体の相談窓口を利用する方法もあります。
精神的な症状は抗うつ剤や抗不安薬で改善できる場合があり、心と体の不調を合わせて改善を目指すには漢方が有効だといわれています。
体の栄養分である「血」の不足から生じる不眠や不安感・倦怠感は血を補う漢方薬で、体のエネルギーとなる「気」の滞りから生じるイライラやのぼせは、気を巡らせる漢方薬を使って改善へ導きます。
自律神経の乱れで現れる症状は一人ひとり異なります。自分の症状や体質に合う漢方薬を選ぶ必要があるので、漢方に詳しい医師や専門家に相談しましょう。
全身に張り巡らされている自律神経は、交感神経と副交感神経が互いに調整し合ってバランスを保っています。
しかし、過度なストレスや不規則な生活習慣、季節の変化や加齢の影響で自律神経のバランスが崩れると、体調不良を生じてしまうのです。
自律神経が整った状態で過ごせるように日頃の生活スタイルを見直してリラックスを心がけ、症状が辛いときには一人で抱え込まずに専門家に相談しましょう。
住宅やインテリアの意匠設計に従事した経験を活かし、家の間取りやデザイン、インテリアなど住まいに関するコラムを多数手掛ける。ジュエリーデザイナーとしての経歴も長く、ファッション系コラムも執筆。最近は、より生活に役立つ記事を書きたいという思いから健康コラムに力を注ぐ日々。
刺繍や洋裁、家庭菜園といった手仕事を楽しむ暮らしを大切にしている。
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