看護師ライター北村由美
看護師として総合病院、地域病院、訪問看護ステーション等で約30年勤務。超低出生体重児から103歳の高齢者まで看護を経験。
自らが家族の介護を行う中「自分の知識、経験が困っている人の役に立てるのではないか」と考えるようになり、ライターを開始。「読者が共感できる記事」をモットーに医療・健康分野の記事、看護師向け記事を執筆している。
ダイエットで減量目的の運動の場合は、朝食前と夕方から夜の時間が効果的です。朝の運動は基礎代謝をあげ、カロリーが消費しやすくなります。からだも目覚め、仕事や勉強の集中力をあげてくれるので、メリットも高いでしょう。しかしタイミングを間違ってしまうと効果が得られないだけでなく、栄養の吸収や睡眠に影響を及ぼすため注意が必要です。
適切な頻度や運動時間も知って、自分のペースで運動を取り入れましょう。
ダイエットのために運動する人は多いでしょう。ダイエット効果を高めるための運動は朝食前と夕方から夜にかけての時間がおすすめです。理由を丁寧に解説します。
通常人は運動をすると、糖が最初にエネルギーとして利用されます。朝は前日の夕方以降、食事を摂取していないため、糖が少なくなっている状態です。体内の糖分が少ないときに運動をすると、カロリーが消費されやすくなります。運動後はからだが動きやすくなりカロリーの消費も続くため、ダイエットのサポートにつながります。
また朝は、日中の活動に向けからだのスイッチが切り替わるタイミングです。運動により切り替えがスムーズになるために、活動的に過ごせるようになります。
夕方から夜にかけての運動もダイエットに効果的です。人の運動のパフォーマンスは夕方から夜にかけて高まるとされています。さらに、1日のうちで体温が最も高くなるのは夕方から夜であるため、エネルギーが消費しやすくなるのです。
夕方から夜にかけての運動は、ダイエットの効果が期待できるだけでなく、睡眠の質も高めます。夕方に運動を行うと体温は一気に上昇しますが、就寝前にかけて低下します。体温の低下により快眠が得られやすくなるのです。ただし、激しい運動は逆効果になるので、注意が必要です。
ダイエット目的で運動するなら、できるだけ効果的に運動したいもの。体の調子によっては、避けたほうがよい時間もあります。
朝起きてすぐの時間は、からだが完全に目覚めていません。休息と活動のスイッチの切り替えがまだできていない時間であり、急に運動をするとからだへの負担となってしまいます。起きてから1時間程度たってからの運動をおすすめします。
運動は簡単なストレッチや体操などでからだをほぐしてから始めましょう。睡眠中の発汗によりからだの水分が失われているので、水分を摂取してから行うようにしてください。
極端に空腹を感じるときは、避けた方がいいでしょう。血液中の糖分が少なくなっており、エネルギー不足が考えられるためです。ふらついたり集中力が低下したりして、ケガや事故につながる可能性もあります。
食事直前の時間は避けるか、軽食を摂取するようにしましょう。バナナやゼリー飲料などは手軽に摂取できます。
食直後の運動は食べ物の消化吸収を妨げてしまうため、運動の時間には向きません。食後の運動は1時間程度経過してから行うようにしましょう。
寝る前に運動をすると、からだが休息するためのスイッチに切り替わりづらくなります。寝付きにくくなり、睡眠の質の低下につながってしまいます。激しい運動は寝る3時間前には終了させるようにしてください。
なお、ストレッチやヨガであれば、心身の緊張をほぐし、リラックス気分をもたらしてくれます。呼吸を意識してゆっくり行うといいでしょう。
運動には「有酸素運動」と「無酸素運動」があります。2種類の運動の組み合わせで、ダイエットの効果がさらに期待できます。それぞれの運動のポイントをみていきましょう。
有酸素運動は、酸素を使い糖や脂質をエネルギーとする運動で、ウォーキングやジョギング、水泳などです。ダイエット効果をあげるためには頻度、1日あたりの時間がポイントです。
有酸素運動は毎日行っても問題はありません。運動自体の強度がそれほど高くなく、継続によって効果が高まると期待できるためです。ただし、運動を始めたばかりの人や慣れない人は週2~3回でもかまいません。継続が大切であるため、無理せずできる頻度で行いましょう。
有酸素運動では主に脂質をエネルギーとして利用します。運動を開始して20分頃から脂質が消費されるため、ダイエットを目的にする場合、1日20~30分が効果的です。
以前は1回あたり20分以上行わないと効果がないと考えられていましたが、最近の研究では1回あたり30分でも、10分を3回に分けて行っても効果に差がないと報告されています。自分が続けやすい方法で行いましょう。
無酸素運動は、短い時間に大きな力を発揮する強度の強い運動で、短距離走や筋トレなどです。からだを鍛え、消費カロリーのアップがのぞめるため、ダイエットをサポートしてくれます
筋トレなどの無酸素運動は毎日ではなく、週2~3回行うようにしましょう。筋トレはからだを休ませる時間も重要であるためです。ただし、部位を変えれば毎日行ってもかまいません。「今日は脚、明日は背中」など部位を変えて行うのもいいでしょう。
スクワットや腕立て伏せなど、1回10~15回を3セット、数種類組み合わせるのがおすすめです。
ダイエットのための運動で大切なのは継続です。とはいえ、わかっていても忙しいときもあるでしょう。自分が継続できる頻度や回数で行ってみてください。おすすめの有酸素運動と無酸素運動を紹介します。
有酸素運動はダイエットをサポートしてくれるほか、健康な生活の維持にもつながります。ウォーキングと踏み台昇降は手軽に取り組みやすい運動です。
ウォーキングはからだへの負荷が少ないため、運動に慣れていない方にもおすすめです。少しきついと感じる程度の速さを目標にしましょう。慣れてきたらランニングに移行してみてください。景色を眺めながらのウォーキングはストレス解消にもつながりますよ。以下がウォーキングのポイントです。
天気が悪いときは、自宅での踏み台昇降がおすすめです。専用のステップ台も市販されていますが、雑誌を重ねた台や階段などで代用が可能です。TVを見ながらでもできます。
有酸素運動の効果を高めるために、筋トレなどの無酸素運動も行うようにしてみてください。筋トレは正しく行わないと効果が得られないため、正しい方法を身につけるようにしましょう。初心者の人は慣れるまで回数を調整するようにしてくださいね。
スクワットは下肢の筋トレで、特別な道具が不要で手軽にできます。正しい方法で行えばダイエットの効果を高められるでしょう。以下がスクワットのポイントです。
プランクは腹部の筋トレで、スクワットと同様手軽にできる筋トレの一つです。以下がプランクのポイントです。
ダイエットの効果をあげるためには、運動以外でも意識したいポイントがあります。3つのポイントをそれぞれ解説します。
運動をすると発汗により水分が失われます。脱水症状を防ぐために運動前後、運動中に水分をとりましょう。のどの渇きを感じる前に飲むようにしてください。ただし、スポーツドリンクは糖分が多い商品もあるため、注意が必要です。
ダイエットは食事制限と合わせて行う人もいるかもしれません。制限し過ぎず、栄養バランスのよい食事が大切です。また、食事は野菜から食べ始めましょう。野菜に含まれる食物繊維によって満腹感を得やすく、食べ過ぎ防止につながるためです。よくかんでゆっくり食べるようにしましょう。
運動によるダイエット効果は、日常生活の動きでも得られます。たとえば、通勤の移動は速度をあげて歩行する、エレベーターは使わずに階段を使用する、掃除はテキパキと行うなど意識して行うといいでしょう。
ダイエット目的の運動は、時間帯と頻度を意識して行うと効果的です。時間帯は朝食前と、夕方から夜がおすすめです。頻度は有酸素運動が週2~3回から毎日、無酸素運動は週3日程度行うようにしましょう。運動の効果を得るには継続は大切ですが、無理のしすぎは挫折につながる可能性もあります。
急激なダイエットはからだへの負担も考えられるため、無理のない程度から始めてみてください。成功したら着たい洋服を買う、おしゃれをして外出するなど楽しい目標を立てて取り組んでみましょう。
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