医療用マスクとは
「医療用マスク」とは、医療や介護現場で使用されるマスクのことです。
「サージカルマスク」とも呼ばれ、“外科手術の”を意味する“サージカル(surgical)”が名前の由来となっています。その名のとおり外科手術の際などに使用されます。
「医療用マスク」と呼ばれてはいますが、そのほとんどは “医療機器”ではありません。「医療用マスク」は、あくまで“医療施設などで使われるマスク”という意味合いを持つ呼び名なのです。
医療用マスクの種類
日本で流通している医療現場で活躍するおもな「医療用マスク」は、以下の種類があります。
サージカルマスク(手術用)
本来、医療療従事者や患者さん向けですが、花粉対策として一般化され、一般用としても使われているマスクです。
ウイルスなどの侵入や放出を防ぎ、体液や血液などの飛散から身を守るために使用されます。素材は不織布製です。
N95マスク
近年は、医療機関で感染防止に用いられることが多く、作業者を空気中の微粒子から守る目的があります。
認定機関は米国国立労働安全衛生研究所(NIOSH)であり、認定された製品には認証番号が表示されています。
N95とは「0.3umの試験粒子を95%以上カットできる規格」です。なお、密閉性が高いので、長時間の使用には向いていません。
一般用マスクと医療用マスクの違い
「一般用」と「医療用」のマスクの違いについては、2021年6月に制定された「マスクの日本産業規格(JIS)」にて区分されています。
それぞれ定められた試験を行い、それぞれの性能要件を満たす必要があるのです。なお、形状や材質については決まりがありません。
この規定により「一般用および医療用のマスク(JIS T9001)」と「感染対策に従事する医療従事者用のマスク(JIS T9002)」が規定されています。
一般用および医療用マスク(JIS T9001)
(1)一般用マスク
一般消費者向けのマスクです。ウイルスやバクテリアを含む飛沫・花粉・PM2.5などの微粒子状物質などのうち、対象とする物質について体内への侵入と空気中への飛散を防止する目的で使用されます。規定項目は以下のとおりです。
- ● 捕集機能(ウイルス飛沫・花粉・バクテリア飛沫・微小粒子)
- ● 通気性
- ● 安全・衛生
(2)医療用マスク
一般医療や介護従事者向けのマスクです。ウイルスやバクテリアを含む飛沫や花粉・PM2.5などの微粒子状物質、体液のうち、対象とする物質について体内への侵入と空気中への飛散を防止する目的で使用されます。規定項目は以下のとおりです。
- ● 医療用マスクに必要な捕集機能(微小粒子・バクテリア飛沫・ウイルス飛沫)
- ● 人工血液のバリア性(3つのクラスに分類)
- ● 通気性
- ● 安全・衛生
- ● 可燃性
感染対策医療用マスク(JIS T9002)
感染対策医療用マスクは、「感染対策」に従事する医療従事者が使用するマスクです。以下の項目について規定されています。
- ● 人工血液のバリア性などの付加性能の有無(2つのクラスに分類)
- ● 安全・衛生
一般家庭では医療用マスクを使う必要がある?どんな時に使う?
前述したように、「一般用マスク」は血液や体液の飛散をブロックする効果は期待できないため、注意が必要です。
例えば、自宅で感染者の看病をする場合に排尿処理や出血の処理がある場合などは、「医療用マスク」を使用したほうがよいでしょう。
よって、血液や体液の飛散による心配がある場合は「医療用マスク」を、その心配がない場合は、用途に合わせて、「一般用マスク」を使用するのがおすすめです。
医療用マスクも一般用マスクもそれぞれの良さがあり!用途別に上手に使おう
医療用マスク(サージカルマスク)は、花粉対策としても一般家庭で活躍するアイテムです。
一般家庭であっても、感染者の看病などで出血や排泄処理など体液や血液が飛散する可能性がある場合は、「医療用」を着用することをおすすめします。
一方で、用途によっては一般用マスクのほうが使いやすい場合もあるのです。例えば、可愛さなどオシャレなデザイン性を求める場合や、呼吸がラクなマスクを求める場合は一般用マスクのほうが品揃えがよいでしょう。
そのほか花粉対策やPM2.5対策・ウイルス飛沫対策などを目的とする場合においても、十分な捕集力を備えている一般用マスクもたくさんあります。用途に合わせて賢くマスクを選びましょう。
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