肌状態を左右する保湿クリームの選び方

保湿クリームは、化粧水や美容液で補った水分の蒸発を防ぎ、外部から肌を守る「フタ」の役割を担います。食品を保存する「容器」でイメージしてみましょう。サイズや種類が異なるフタでは、隙間ができて乾燥してしまいます。ぴったりのフタを使えば、みずみずしさを保てるでしょう。
スキンケアも同じで、肌に合う「フタ」を選ぶのがポイントです。例えば、皮脂が少ない乾燥肌さんと、皮脂が多い脂性肌さんでは、必要な油分量や水分量が異なります。使用しているクリームに満足できないときは、肌質に合っていないかもしれません。

保湿クリーム選びのポイントは肌質・部位・タイミング

よい化粧水や乳液を使用していても、保湿クリームが合わなければ十分な効果を実感しにくいです。適切な保湿クリーム選びが、健やかな肌を保つポイントです。

乾燥肌さんは水溶性と油溶性の保湿成分をチェック

乾燥肌さんは、肌の水分と油分、両方が不足しています。水分を補給する「水溶性保湿成分」と、水分を閉じ込める「油溶性保湿成分」、両方をバランスよく配合している保湿クリームを選びましょう。
水溶性保湿成分は、ヒアルロン酸・コラーゲン・グリセリンが挙げられます。一方、主な油溶性保湿成分は、セラミド・スクワラン・ワセリンなどです。
また、オイル成分の種類によっても使用感が異なります。しっとり感を重視するなら「炭化水素油」、軽いテクスチャーを好むなら「油脂」、両者の中間を求めている方は「エステル油」をチェックしてみてください。

敏感肌さんはシンプルな成分で構成されたクリーム

敏感肌さんは、万が一接触皮膚炎などのアレルギー反応が生じた際に、原因物質（アレルゲン）を特定しやすいよう、シンプルな処方のクリームを選びましょう。
また、「敏感肌向け」「低刺激処方」といった表示や、「アレルギーテスト」「スティンギングテスト」をクリアしているかも確認するとよいでしょう。
エタノール（アルコール）・パラベン（防腐剤）・合成香料・合成着色料を含まない「フリー処方」の製品は、肌への刺激リスクを低減できます。

脂性肌さんは油分控えめのさっぱりタイプをチョイス

脂性肌さんは皮脂が多いため、さっぱりした使用感のジェルタイプや、油分を含まないオイルフリーの保湿クリームがおすすめです。ベタつきにくく快適な使い心地で、保湿ケアを続けやすいでしょう。 成分を選ぶ際は、過剰な皮脂の分泌を抑える「ビタミンC誘導体」や、ニキビや肌荒れを防ぐ「グリチルリチン酸2K」や「アラントイン」に注目してみてください。ニキビができやすい方は、ニキビの元になりにくい証である「ノンコメドジェニックテスト済み」と記載されている製品を選ぶのもおすすめです。 「クリームはベタつくから苦手」と感じる方もいるかもしれませんが、保湿を怠るとかえって皮脂が過剰に分泌される悪循環に陥るリスクがあります。肌を整えるためにも、保湿クリームを活用してみてください。

肌の状態が不安定なときは無添加の保湿クリームも検討を

季節の変わり目や体調によって肌が敏感に傾き、普段使っている化粧品が合わないと感じるときはありませんか。肌が不安定なときは、特定の添加物を含まない無添加の保湿クリームを試してみてください。
無添加のメリットは、香料・着色料・防腐剤など、刺激となりうる成分を避け、肌負担やアレルギーのリスクを軽減できる点にあります。
ただし、「無添加化粧品」は明確な定義がない点に留意しましょう。「無添加」をうのみにせず成分表示を確認し、自分の肌に合わない成分を避けるのがポイントです。

顔だけでなく全身に使用したいときは「全身用」を選ぶ

顔と体の皮膚は厚さや皮脂腺の数が異なるため、それぞれ専用の製品を使うのが理想です。顔の皮膚は薄くデリケートなので、顔用クリームは刺激の少ない成分で作られる傾向にあります。
一方で、ボディクリームは広範囲に塗りやすいよう設計されていたり、さっぱり感を出すために清涼成分が含まれていたりする場合も。ボディ用を顔に使うと、成分が刺激になるかもしれません。反対に、顔用を体に使うのは問題ありませんが、コストパフォーマンスに課題が残ります。
顔も体も1本で保湿を完了したい方は、「全身用」や「フェイス＆ボディ用」と明記された製品を選びましょう。

朝やメイク前はヨレにくさ、夜はプラスαの成分を

必要なタイミングに合わせて保湿クリームを選ぶと、より使いやすく、効果的に肌のケアができます。
朝やメイク前に使うときは、日中の乾燥や紫外線から肌を守りつつ、メイクの邪魔をしない保湿クリームを選びましょう。油分が控えめなジェルタイプや、肌表面をサラッと整えるシリコーンオイル配合のアイテムは、メイクがヨレにくいです。
また、日中の紫外線による肌への負担を考慮し、酸化しにくい性質の「スクワラン」が配合されているかもチェックしてみてください。UVカット機能や化粧下地を兼ねた製品なら、忙しい朝の時短にもつながります。
一方、夜は肌が休息する時間です。睡眠中にじっくりと肌に働きかける、保湿力の高いクリームが適しています。保湿だけでなく、エイジングケアを意識した成分（肌のハリ感をサポートする成分や明るく見せる設計など）を含むクリームを選べば、夜のスキンケアでの満足感が高まるでしょう。

ドラッグストアで購入可能なおすすめの保湿クリーム

スキンケアはなるべくシンプルにしたい、でもしっかり潤いをチャージしたい。そんな願いを叶えるのが「アノンコーワクリーム医薬部外品」 です。

主な成分は、厳しい自然環境を生き抜く海藻から抽出された保湿成分「アルゲコロイド」。ビタミン・ミネラル・アミノ酸といった肌の健康に必要な成分を、角質層まで補給します。
さらに、血行を促進するビタミンE（トコフェロール酢酸エステル）を配合。肌にうるおいを与え、しっとりした使用感を実感できます。
皮脂に近い組成でスッとなじみ、ベタつかないのも魅力。心地よい使用感で、毎日使いたくなる保湿クリームです。

• ■効能・効果
• 肌あれ、あれ性、肌を整える、皮膚をすこやかに保つ、皮膚にうるおいを与える、皮膚を保護する、皮膚の乾燥を防ぐ、日やけ・雪やけ後のほてり


• ■成分・分量（1g中）
• トコフェロール酢酸エステル　2.0mg
• アルゲコロイド　1.0mg
• 添加物／精製水、濃グリセリン、ステアリン酸、サザンカ油、スクワラン、ステアリン酸グリセリン、水酸化Ｋ、パラベン、カルボキシビニルポリマー、エデト酸塩

保湿クリームの正しい使い方で潤いUP

せっかく自分に合った保湿クリームを選んでも、使い方を誤ると十分な効果を発揮できません。正しい保湿クリームの使い方を学び、効率よく潤いをチャージしましょう。

保湿クリームを塗るタイミングはお風呂上りがベスト

保湿クリームを塗るタイミングは、「お風呂上がり後10分以内」がベストです。入浴後は乾燥しやすく、肌の水分が蒸発します。できるだけ早いタイミングで保湿クリームを使い、肌にフタをして潤いを閉じ込めましょう。
お風呂から上がったら、まず清潔なタオルでやさしく押さえるように水分を拭き取ります。その後、肌が完全に乾ききる前に保湿クリームを塗りましょう。

肌に塗るときは擦らずやさしくなじませる

保湿クリームを肌に塗るときは、摩擦を起こさないよう、やさしくなじませましょう。強い力で擦ると、バリア機能の低下や乾燥、さらにはシミやシワの原因になりかねません。
適量のクリームを手に取ったら、一度手のひらで軽く温めてください。クリームの伸びがよくなり、肌になじみやすくなります。

顔に塗るときは仕上げにやさしくパッティング

顔に塗るときは、おでこ・両頬・鼻・あごの5点にクリームを置き、顔の中心から外側に向かって、指腹でやさしく伸ばしましょう。皮膚が薄くデリケートな目元や口元は薬指を使い、軽いタッチでなじませるのがポイントです。
顔全体にクリームを伸ばし終えたら、両手で顔を包み込むようにして、5秒ほどゆっくりと圧をかけてハンドプレスをしてみてください。手の温もりによってクリームが肌になじみやすくなり、保湿成分の浸透を促します。

塗りすぎるとベタつきや毛穴開きの原因に

「肌のため」と保湿クリームをたっぷり塗ってしまうと、かえってベタつきや毛穴の開きを招く可能性があります。クリームが肌表面に残らないよう、適切な量を使用しましょう。
ベタつきが気になるときは、クリームを塗る前の肌状態を確認してみてください。化粧水や美容液がしっかりなじんでいない状態でクリームを重ねると、うまく浸透せずに表面に残り、不快なベタつきにつながります。一つの工程を大切に、ハンドプレスでやさしく肌に入れ込んでから、次のステップに進みましょう。
どうしてもベタつきが気になる場合は、仕上げにティッシュオフを取り入れてみてください。ティッシュを一枚顔にそっとのせ、手のひらで軽く押さえると、余分な油分だけを取り除けます。