管理栄養士ライター高村恵美
12年間管理栄養士として病院などに勤務。家族にいつでも"おかえり"が言えるようライターへ転身後は、忙しいひと・働くひとに寄り添うレシピの提供や、健康コラムを数多く執筆。
自分も同じ立場だからこそ「仕事と家庭の両立に悩む女性を応援したい」気持ちが高まり、悩めるママに向けたコラム執筆も行っている。
GABAが多い食べ物は、野菜・果物を中心に、加工食品や発酵させた漬物類が代表的です。1回量としてはわずかですが、しょうゆ・味噌といった調味料やお茶にも含まれています。調理方法を工夫すれば、摂取効率の向上が可能です。食事管理が難しい場合は、サプリメントを利用するのもおすすめ。日々の快適な生活を目指すために、GABAの含まれる食品を理解し、上手に取り入れていきましょう。
GABA(γ‐アミノ酪酸)は、タンパク質を構成しないアミノ酸の一種です。ヒトの体内では、小脳・脊髄・大脳に多く存在し、神経の興奮を抑制する働きがあります。血圧が高めな方の血圧を下げる機能があると報告されており、精神安定や快眠の分野でも研究が進められている注目成分です。
GABAができる仕組みとしては、アミノ酸の一種であるグルタミン酸が、酵素(GAD)の働きにより脱炭酸反応(二酸化炭素を取り除く反応)を受けてGABAへと変換されます。食べ物から摂取するほか、ヒトの体内でも生成される成分です。
詳しいGABAの働きや目安量は、以下の記事を参考にしてみてください。
GABAは野菜・果物を中心に、加工食品や発酵させた漬物類にも豊富に含まれます。調理法や食品の種類により含有量に大きな差があるのが特長です。まずは、ランキング形式でGABA含有量が多い食品を紹介します。
日常の食事で取り入れやすいGABA含有量が多い食品を11個ピックアップしました。積極的に食卓に取り入れれば効率的にGABAを摂取できます。

野菜や果物にはGABAが含まれており、とくに根菜類やメロンの含有量が多いです。栽培環境や収穫時期によって含有量は変わります。GABAは熱に強いため、生で食べるだけでなく、炒め物やスープ・煮物といった多様な料理に活用できる点が魅力です。
GABAは加熱や加工の過程で増える傾向があり、トマト缶や野菜ジュースといった加工食品は手軽な摂取源になります。とくにトマトは、生で食べるより加熱・濃縮されたトマト缶の方がGABA含有量が豊富です。
野菜ジュースは商品により含有量が大きく異なるため、トマトやにんじんをベースにしたストレートタイプや「GABA含有」と明記された商品を選ぶとよいでしょう。GABAは熱に強いため、煮込み料理にも適しています。
GABAは発酵の過程で生成されるため、漬物類もGABAを多く含む食品のひとつです。含有量は原料や製法・発酵度合いにより差があり、例えばたくあんやキムチでは、100gあたり40~90mg前後と幅があります。
浅漬けよりも、しっかり発酵が進んだ漬物を選ぶのがポイントです。冷蔵で保存しやすく、ごはんのお供や箸休めとして取り入れやすいため、毎日の食事に自然にGABAを加えられます。
GABAは野菜や果物に限らず、米やお茶・調味料といった身近な食品にも含まれています。白米ではほとんど摂取できませんが、発芽玄米に置き換えれば主食から定期的にGABAを補給可能です。
味噌や米酢をはじめとした日本古来の調味料にもGABAが含まれており、使用量は少量ながら毎日の食事で自然に取り入れられます。お茶は1杯あたりに含まれる量はわずかですが、日常的に飲むため、積極的に取り入れるとよいでしょう。さらに、GABA配合チョコレートのように「機能性表示食品」として販売される製品もあるため活用するのもおすすめです。
GABAが豊富なトマトやキムチを使用した簡単レシピです。次章で紹介する下ごしらえをすると、さらにGABA量アップが期待できます。
GABAは野菜や発酵食品といった身近な食べ物に含まれますが、ちょっとした工夫で摂取効率を高められます。食材の下ごしらえや腸内環境に着目するのがポイントです。食事管理が難しい場合は、サプリメントが重宝します。
食材の組み合わせや下ごしらえの方法を意識するだけで、普段の食事から効率よくGABAを取り入れやすくなります。食品に含まれるGABAを増やすには、酵素の力を引き出す工夫がポイントです。 下記に紹介する3つのステップを実践すると、じゃがいもで約7倍、なすでは約12倍ものGABA量増加が報告されています。GABAは熱に強いため、下ごしらえ後は加熱調理が可能です。
先にもお伝えしたとおり、GABAはグルタミン酸から作られます。グルタミン酸は旨み成分の一種です。GABAを含む食材に、昆布やトマトといったグルタミン酸が豊富な食材を組み合わせて使うと、GABAを作る材料が増えて生成を促します。
グルタミン酸に反応する酵素(GAD)は、ストレスがかかると活性化する性質があります。野菜を切ったり、空気が少ない環境下にさらしたりすると、ストレスを受けてGADが活性化するため、GABAが増えやすくなるのです。
グルタミン酸に反応する酵素(GAD)は、50℃ほどで活性しやすいと報告されていますが、25℃程度の室温でも働きます。また、グルタミン酸にGADが反応してからGABAに変換されるまでには時間を要するため、一晩(長くても24時間)放置するのが重要です。
参照:「第66号: 下ごしらえを工夫した野菜は、“リラックス”効果がすごい!?」/日本獣医生命科学大学体内でのGABA産生を助けるには、腸内環境を健やかに保つ工夫が大切です。動物実験において、善玉菌のエサになるフラクトオリゴ糖や、麹菌由来の酵素が加えられたエサをマウスに与えたところ、腸内だけでなく脳内のGABA量も有意に増加したとの報告があります。
フラクトオリゴ糖はキクイモ・ゴボウ・タマネギといった野菜に多く含まれ、麹菌由来酵素は味噌や甘酒といった発酵食品に豊富です。
ヒトにおいても、腸内環境の健康維持に役立つ食品を日常的に取り入れると、体内でのGABA産生を後押しできると考えられています。
食事管理が難しい方におすすめなのがサプリメントです。GABAは、神経の高ぶりをやわらげる働きがある成分として知られ、血圧が気になる方への研究報告をはじめ、リラックスや睡眠に関わる分野でも注目されています。
有用性を享受するには継続的な摂取が大切ですが、毎日の食事で意識的に摂るのは難しい方が多いでしょう。GABAが配合されたサプリメントを利用すれば、手軽に安定量を補給できます。

血圧ケアのためにGABAサプリメントを検討している方は、血圧に関する機能性が明記された商品が適しています。「GABAシームレスカプセル」は、血圧が高めな方の血圧を低下させる機能があると報告されているGABAを配合した機能性表示食品です。
継ぎ目のないシームレスカプセルを採用し、小粒で飲みやすい形状に仕上げています。1日分の目安量が個包装されているため、持ち運びにも便利です。1袋にGABA(γ-アミノ酪酸)を20mg配合しており、水で飲むだけで手軽に摂取できます。
機能性表示食品は、製品ごとに届出された機能が異なるため、自分の目的に合った商品を選びましょう。毎日の習慣にGABAをプラスして、健康管理をしてみてはいかがでしょうか。
本品は機能性表示食品です。
【機能性表示】本品にはGABAが含まれます。GABAには血圧が高めの方の血圧を下げる機能があることが報告されています。
届出番号:I1373
本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。
食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
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