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妊娠糖尿病と診断される数値はどのくらい?検査をおこなうタイミングを理解し生活習慣を日々整える

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2025/12/12

妊娠糖尿病は、血糖検査の数値によって診断されます。検査時期は妊娠初期と妊娠中期にスクリーニング検査をおこない、陽性の場合は75g経口ブドウ糖負荷試験にすすみます。検査の結果、基準を満たせば妊娠糖尿病と判断されるのです。
規則正しい食事や適度な運動、ストレスをためないといった生活習慣を。検査前日と当日は、医療機関から説明を受けた注意事項を守るようにしましょう。

 

妊婦健診で血糖検査はなぜするの?

妊婦健診では血液検査や尿検査などがおこなわれます。妊娠中に血糖が高い場合のリスクをみていきましょう。

妊婦健診での血糖検査の目的

妊娠時には、妊娠初期と中期に妊娠糖尿病のスクリーニング検査をおこないます。妊娠すると、血糖が上がりやすくなり、妊娠糖尿病になる可能性があるためです。
一般的に妊娠すると胎盤から出るホルモンの働きによって、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きが抑えられます。そのため、妊娠していないときより血糖が高くなりやすいのです。
とくに妊娠中期以降は、インスリンの抵抗性(効きにくさ)が増すため、妊娠糖尿病になるリスクが高くなります。スクリーニング検査で高血糖の人を見つけ出し、早期から治療するのが重要です。

血糖値の異常で考えられるリスク

妊娠中に高血糖が続くと、ママ・赤ちゃんの健康リスクが高まります。ママにとって高まるリスクは、早産や流産、妊娠高血圧症候群、羊水過多などです。
また、赤ちゃんにとって高まるリスクは巨大児で産まれたり、高ビリルビン血症(新生児黄疸)などがあります。
早期発見・早期治療によって、ママ・赤ちゃんの健康リスクを低減する必要があるのです。

 

妊婦健診の時期と頻度は?

妊婦健診では健康状態の把握や検査計測、保健指導に加え、血液検査や超音波検査などが実施されます。厚生労働省で示している望ましい健診回数は、以下のとおりです。


参考:厚生労働省告示第226号,妊婦に対する健康診査についての望ましい基準(平成27年3月31日)/厚生労働省
 

妊娠糖尿病の検査はどんな方法でいつするの?

妊娠糖尿病の診断はおもに血液検査でおこなわれます。
妊娠初期と妊娠中期のスクリーニング検査で陽性の場合、75g経口ブドウ糖負荷試験にすすみます。
スクリーニング検査の流れは下記の表で確認してみましょう。

  • <妊娠糖尿病の検査の流れ>
  • <妊娠糖尿病の検査の流れ>

妊娠初期

妊娠初期では、随時血糖検査をおこないます。検査対象は、食事を通常通り食べた状態での血糖値です。妊娠前から糖尿病があったかどうかの判断材料となります。

妊娠中期

妊娠中期では、随時血糖検査かまたは50gグルコースチャレンジテスト(50g経口ブドウ糖負荷試験)をおこないます。妊娠24~28週でおこなわれる傾向です。
50gグルコースチャレンジテストでは、食事時間に関係なく50gのブドウ糖入りジュースを飲み、1時間後に血糖値を測定します。随時血糖が100mg/dL以上の場合と、50gグルコースチャレンジテストで140mg/dL以上の場合はスクリーニング陽性です。その場合は、日をあらためて75g経口ブドウ糖負荷試験がおこなわれます。
75g経口ブドウ糖負荷試験は、空腹の状態でおこなわれる検査で、前日からの準備が必要です。前日の夕食以降から当日検査が終了するまでは、食事がとれません。水かお茶のみ摂取可能です。75gのブドウ糖入りジュースを飲む前と、飲んでから1時間後と2時間後に採血をおこない、血糖値を調べます。

 

妊娠糖尿病の診断基準と妊娠中の血糖管理目標は?

妊娠糖尿病は75g経口ブドウ糖負荷試験の結果で診断されます。基準となる数値と、妊娠中の血糖管理目標をみていきましょう。

診断基準

75g経口ブドウ糖負荷試験の結果により、妊娠糖尿病と診断された場合は、それぞれの状態に合わせた治療が始まります。

  • 1. 空腹時血糖:92mg/dL以上
  • 2. 1時間値:180mg/dL以上
  • 3. 2時間値:153mg/dL以上

妊娠中の血糖管理目標

妊娠中は、健常の妊婦さんに近い状態を目指しましょう。以下が望ましい状態とされています。ただし、人によって状況が異なるため、医師に確認するようにしてください。

  • ・ 空腹時血糖:95mg/dL未満
  • ・ 食後血糖値:1時間値140mg/dL未満、または2時間値120mg/dL未満
 

血糖検査を受ける前に。生活習慣を見直すポイント

血糖値をコントロールするためには、普段から生活習慣が大事です。血糖検査の前日と当日は、注意事項を守るようにしましょう。検査前の注意事項や生活習慣のポイントを解説します。

血液検査前は食事時間に注意

75g経口ブドウ糖負荷試験をおこなう前日の食事は、注意事項を必ず守るようにしてください。随時血糖検査の際は、検査の2時間以上前には食事を済ませましょう。甘い食べ物や飲み物は控えるのが望ましいです。

普段の食事はバランスよく

普段の食事ではさまざまな食品をバランスよくとるのが大事です。食べる時間はできるだけ一定にしましょう。食べる順番を工夫してみるのもおすすめです。野菜から食べ始めると、食物繊維の働きで満腹感が得やすく、血糖値の上昇をゆるやかにできます。野菜やきのこ類、海藻類は積極的にとるとよいでしょう。

運動習慣を身につける

適度な運動は、血糖コントロールに効果的です。ウォーキングや体操などが向いています。ただし、妊娠の状況によっては運動ができない場合もあるため、必ず医師に確認してからおこないましょう。

ストレスをためない

ストレスを感じると、血糖値を上昇させるホルモンが働くようになり、血糖値が下がりにくくなるとされています。また、ストレスによって過食につながり、血糖値が上昇する可能性もあるのです。生活の中で、自分に合ったストレス解消法を持ちましょう。

 

妊娠糖尿病の血糖検査のQ&A

妊娠糖尿病でよくある質問をまとめました。

妊娠糖尿病で入院するレベルの数値はどれくらい?

妊娠糖尿病の治療は、基本的に外来で行われることが一般的です。まずは食事療法や運動療法によって血糖値の管理を試み、これで十分でない場合には インスリン注射による治療が導入されます。
しかし、妊娠後期で胎児のサイズが大きい、あるいは血糖値が高めで食事・運動療法や外来での管理だけでは十分にコントロールできないと判断されたときなどは、入院による管理(いわゆる教育入院)が検討される場合も。入院期間は、通常数日から数日~1週間程度というケースが多くあります。注射の使い方や食事・栄養指導、血糖値の詳細なチェックなどを経て、退院後は外来での管理への移行が一般的です。治療の経過・妊娠週数によっては、1週間以上となるケースもあります。

妊娠中に経口ブドウ糖負荷試験をしていないけど大丈夫?

定められた手順に則って行われ、すべての妊婦さんが必ず75g経口ブドウ糖負荷試験の対象となるわけではありません。随時血糖検査または50gグルコースチャレンジテストのどちらをおこなうかは、医療機関により異なります。妊娠中の経口ブドウ糖負荷試験がない人もいるでしょう。そのため、妊娠中に75g経口ブドウ糖負荷試験が実施されなかったとしても、それだけで「必ず問題」があるとは言えません。
ただし、妊娠糖尿病のリスクが高い人は、グルコースチャレンジテストや随時血糖で正常値だったとしても、あらためて75g経口ブドウ糖負荷試験を推奨されるケースがあります。
おもに以下に当てはまる人です。

  • ・ 妊娠糖尿病の既往がある
  • ・ 家族に糖尿病の人がいる
  • ・ 以前に大きな赤ちゃんを産んだ経験がある
  • ・ 35歳以上である
  • ・ 羊水が多いといわれた
  • ・ 妊娠高血圧症候群といわれた、もしくは既往がある
 

妊婦健診の費用について

妊娠中の定期的な健康チェックである妊婦健診は、原則として全額自己負担です。
しかし、自治体から支給される「妊婦健康診査補助券」を使うことで、一部の費用が助成されます。

助成を受けるには

補助券を使うためには、まず妊娠が確定したらお住まいの市区町村に「妊娠届」を提出する必要があります。その後、補助券を受け取り、原則として発行された都道府県内の契約医療機関で妊婦健診を受ければ、補助が適用されるのです。

助成を受ける際の注意点

出産のために実家に帰る里帰り出産を考えている人は注意が必要です。補助券を発行した都道府県外の医療機関で受診する場合には、補助券が使えないことがあります。また、補助券でどの程度の費用が助成されるかは、検査項目や自治体によって異なっているのです。
ご自身が受診を予定している自治体への、事前確認が安心です。

妊婦健診でおこなわれる75g経口ブドウ糖負荷試験の費用はどれくらい?

妊婦健診でおこなわれる75g経口ブドウ糖負荷試験の費用(実費負担の場合)は、おおむね4,000~前後です。
医療機関によって違いがあるので、あらかじめ会計の窓口で確認しておくとよいでしょう。

  • 北村由美

    看護師ライター北村由美

    看護師として総合病院、地域病院、訪問看護ステーション等で約30年勤務。超低出生体重児から103歳の高齢者まで看護を経験。
    自らが家族の介護を行う中「自分の知識、経験が困っている人の役に立てるのではないか」と考えるようになり、ライターを開始。「読者が共感できる記事」をモットーに医療・健康分野の記事、看護師向け記事を執筆している。