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妊娠糖尿病は食事の調整で血糖値を改善できる!発症する理由を理解して生活週間の中で正しいケアを

おむつ・おしりふきDIAPER
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2025/12/19

妊娠糖尿病の大半は、食事や生活の調整のみでコントロールできますが、病気の状態によっては入院して血糖管理する場合もあります。
生活習慣も関与する生活習慣病の2型糖尿病と混同されがちですが、それは誤解です。妊娠中は、胎盤や膵臓から出されるホルモンの影響で、血糖値が正常より少し高くなるといった特有の要因により発症し、妊婦の約10%が罹患するとされています。
適切なカロリーや食事の摂り方・つわりの対処法を知り、安心・安全な出産を目指しましょう。

 

妊娠糖尿病は、なぜ食事調整が必要なの?

妊娠糖尿病では、正常範囲内より血糖値が高いと、母体と赤ちゃんにあらゆる健康リスクが生じるからです。
軽症の妊娠糖尿病であれば、食事調整のみで経過をみるケースが多いでしょう。怖がりすぎずに正しい知識を得て、健康的な食事摂取に取り組んでいきましょう。

適切な血糖コントロールのため

繰り返しになりますが、妊娠糖尿病はいわゆる糖尿病ではありません。
妊娠では、一般的に血糖値は妊娠していないときよりも低くなることが多く、妊娠していなかったときは正常とされた血糖値でも、妊娠中はやや高いと判断される場合があるのです。そのため、正常血糖値を目指すより、厳格な血糖コントロールが必要となります。

高血糖状態が長く続くと、母体は、羊水過多・妊娠高血圧症候群といった合併症のリスクが高まります。また、母体の高血糖が胎盤を通じて赤ちゃんに送られるので、過剰な栄養を受け取り巨大児になる原因にもなるのです。巨大児になると、分娩の際に母子ともに傷を負う危険性があります。また、赤ちゃんは低血糖や高ビリルビン血症をきたしたりする可能性が高くなります。安全な分娩のためにも、過度な高血糖にならないよう、適切に食事を管理する必要があるのです。
ただし、カロリー制限をしたり、過度に糖質制限をしてはいけません。赤ちゃんの成長に必要な栄養が足りず、成長が滞るため問題になってしまうケースも。『十分に食事を摂る』のも大切なのです。

適切な体重管理のため

妊娠中は運動量が減る場合が多く、さらに不適切な食事をすると、ママの肥満の原因になります。また前述のとおり、巨大児になると分娩時の難産リスクも高くなるので、食事管理が重要になるのです。
ただし、体重は妊娠週数に応じて適切に増加する必要もあります。体重増加を気にするあまり、カロリー不足や栄養素不足に注意しなければなりません。

妊娠中の高ケトン体血症の予防

ケトン体は、食事が十分に摂れなかったり、極端な糖質制限をしたりすると発生します。妊娠中では、つわりで食事がとれないときに発生しやすくなります。赤ちゃんとママの身体にとって重要な糖質が少なくなるため、身体が脂肪を分解して糖質を作り出そうとする際に、ケトン体も生成するのです。
ケトン体の濃度が高くなりすぎると、妊娠悪阻の原因となり点滴加療や入院加療が必要になる場合があります。
妊娠糖尿病といわれても、極端な糖質制限はしないようにしましょう。また、つわりで食事が摂れなくても、糖質の入った飲料でしっかり水分と栄養を補給するのが重要です。また、食欲不振が続く際は、必ず診療所や病院に相談しましょう。

授乳のための栄養補給

産後母乳育児をする際は、ママは赤ちゃんの成長に必要な栄養も余分に摂る必要があります。ママ自身の健康維持と赤ちゃんの健全な成長のために、バランスのとれた食事が大切です。

 

妊娠糖尿病に注意したい。妊娠前から見直したい食習慣とは?

下記に紹介する食事は、妊娠糖尿病と診断されている方だけでなく、妊娠を考えるすべての方にとって、健康管理のために見直していきたい項目です。ひとつでも当てはまる人は、改善しましょう。

早食い

早食いは、満腹感を得る前にどんどん食べ進めてしまうため、食べすぎの原因になります。一気に血糖値が上がりやすくなります。

夜遅くの食事

就寝中はエネルギー消費量が少ないので、血糖値が下がりにくくなります。夜遅くに食事を摂ると高血糖の時間が長くなりやすいので、注意が必要です。

偏った食事

食事が忙しいと、つい「おにぎりだけ」「麺類だけ」といった炭水化物中心の食事になりがちになります。食後の血糖値が上がりやすく、一方で脂質の多い食事ばかりだと、中性脂肪が急激に増える可能性も。お母さんだけでなく、赤ちゃんにとっても“過栄養状態”につながるおそれがあります。
できるだけ、野菜やおかずを一緒に食べるよう心がけましょう。野菜や豆、魚・鶏肉・卵などのたんぱく質、ナッツやオリーブ油など良質な脂質を含む食材を取り入れることで、血糖の急激な上昇や脂質の偏りを抑えやすくなります。
ご飯の代わりにお菓子を食べる習慣や、食事を軽く済ませてお菓子で補うような生活は、血糖管理や母体・胎児の健康の観点から改善を検討したほうがよいでしょう。 毎食バランスよく整えるのは大変なので、無理をせず、ストレスになりすぎないようにしてください。宅配食やバランスの取れた総菜などを、賢く利用するのも一つの手段です。

野菜が少ない食事

野菜は、食物繊維の補給源として重要です。食物繊維は、食事による血糖値の急上昇を防いで、血糖値の上昇を穏やかにする働きがあります。野菜が少ない食事は、血糖値が一気に上がりやすいので注意が必要です。

高脂肪な食事

から揚げやフライ・ジューシーなステーキといった高脂肪な食事は、血糖値の急上昇はみられませんが、長時間にわたり上がった血糖値をキープしやすい特徴があります。また、血中脂質が高くなると母乳を通して高脂肪が赤ちゃんに届き、過剰な体重増加につながります。ママの肥満の原因にもなるので、摂りすぎには注意しましょう。

 

健全な出産のために。妊娠中に心がけたい食事のポイントは?

妊娠中の食事は、ママの健康維持と赤ちゃんの健全な発育に必要な栄養素をバランスよく摂りながら、食後に高血糖にならないよう工夫する必要があります。食品選びや量だけでなく、摂り方にも気を付けましょう。

適正エネルギーを守る

母体の肥満や赤ちゃんの巨大化を防ぐために、適正エネルギーの摂取を心がけましょう。妊娠が後期になるに連れて赤ちゃんの成長に必要なエネルギー量が増えるため、付加量を多くしていくのが一般的です。しかし、肥満(BMI25以上)の多くの場合は、付加量を設けずに「標準体重×30kcal」とします。

  • <妊娠中の食事エネルギー量の目安>
  • ・妊娠初期(~16週):標準体重×30kcal+50kcal
  • ・妊娠中期(16~27週):標準体重×30kcal+250kcal
  • ・妊娠後期(28週~):標準体重×30kcal+450kcal
  • ・授乳期:標準体重×30kcal+350kcal

  • ※標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

参照:「糖尿病・妊娠糖尿病」/公益財団法人日本産婦人科医会

ゆっくり食べる

食事をゆっくり食べるのも、血糖値を急上昇させないために有効な方法です。一口分を少量にして、よく噛んで食べましょう。

3食規則正しく食べる

血糖値を安定させるために、3食規則正しく食事を摂りましょう。欠食するとつぎの食後に血糖値が急上昇しやすくなります。なるべく決まった時間に食べましょう。

野菜や海藻をはじめに食べる

野菜や海藻には食物繊維が含まれています。食物繊維をはじめに食べると食後血糖値の上昇を穏やかにする働きが報告されているため、まずは野菜や海藻を使った副菜や汁物から食べ始めるとよいでしょう。
また、肉や魚といったタンパク質食品を炭水化物よりも先に食べるのも血糖値の急上昇を防ぐのに有効です。

低GI食品を選ぶ

GI(Glycemic Index)とは、食後血糖値の上昇を示す指標です。グルコースのGIを100として、55以下の食品を低GI食品といいます。意識的にGI値の低い食品を選べば、食後の血糖値の急上昇を軽減できます。

  • <おもな低GI食品>
  • ・スパゲッティ
  • ・大麦
  • ・オレンジ
  • ・りんご
  • ・大豆・豆乳
  • ・牛乳 など

参照:「GI とカーボカウント」/日本糖尿病学会誌第56巻

高脂質な食事を控える

脂質は、カロリーが高いため肥満の原因になります。また、脂質を摂りすぎるとインスリンの働きが弱まるため、控えましょう。

 

妊娠糖尿病と診断されたらどのような食事管理が必要?

妊娠糖尿病と一言にいっても、身体の状態には個人差があります。望ましい食事の管理方法も一人ひとり異なるため、担当医師のアドバイスを守りましょう。
血糖値の上がり方によっては、分割食を薦められる場合があります。食後の血糖値上昇は、炭水化物が大きく影響するため、1度に摂取する糖質量を少量にして、食後の血糖値上昇を抑える目的で行います。摂取カロリーは通常と変えず、朝昼夕の食事に間食を3回設け、食事を6回に分けて摂る方法です。
しかし、頻回な食事摂取により高血糖が持続してしまい、逆効果になる場合もあるので安易に取り組むのは危険です。必ず医師のアドバイスのもと、食事管理をしましょう。

 

妊娠糖尿病の方向け・食べづわりの2つの対処法とは?

「血糖や体重コントロールのために食事管理をしなければならない…でも、空腹になると気持ち悪くなる」といった"食べづわり"がある場合は、本当に辛いですよね。
そんなときの対処法をふたつお伝えします。

無糖の炭酸水を飲む

無糖の炭酸水は、つわりによる口の中の不快感をスッキリしたいときに重宝します。糖分が入った炭酸飲料は、血糖値を上げてしまうので、無糖の炭酸水を選びましょう。

カロリーゼロのこんにゃくゼリーを食べる

こんにゃくゼリーは、よく噛むため食べ応えがあります。血糖値に影響を与えないようカロリーゼロのタイプがおすすめです。

 

妊娠糖尿病の場合、陣痛中に食事をしてもよいの?

陣痛中の食事については自己判断せずに医師に相談のうえ、指示に従ってください。陣痛がきたら、すぐに医療機関に連絡をして指示を受けましょう。
多くの場合は、入院管理になるため点滴などにより栄養管理をしていきます。脱水にならないように水分はしっかり摂りましょう。

 

妊娠糖尿病は産後の食事も注意すべき?

妊娠糖尿病は、出産を終えると正常な糖代謝に戻る場合がほとんどです。しかし、その後19~87%の方が境界型糖尿病や糖尿病を発症したとの報告もあるため、産後1~3カ月後に75g経口ブドウ糖負荷試験をして確認する必要があります。
妊娠糖尿病になった方は、糖尿病の既往がない女性に比べて糖尿病を発症するリスクが6~9倍も高いとの研究結果もあるのです。産後も継続した健康的な食事が糖尿病予防につながります。

 
「妊娠糖尿病は食事を見つめなおすチャンス!」適切な食事管理で乗り切ろう

妊娠糖尿病と診断されて、「健康管理が悪かったのでは?」と辛い想いをしている妊婦さんも多くいるでしょう。しかし、妊娠中は血糖コントロールが難しくなる時期なので、必要以上に自分を責める必要はありません。
体調やメンタルが不安定になりやすい妊娠期間中に食事管理を行うのは大変ですが、なるべくストレスを溜めない生活が、赤ちゃんのためにも大切なのです。
とはいえ、不必要に菓子類やファストフードを食べるのは、母子の健康を考えるとおすすめできません。健康的な食事を毎日続けるのは大変なので、便利な宅配食を有効活用するのもよい手段です。自分に合った方法を模索して、量やバランスに気を付けて食事を楽しんでいきましょう。

  • 高村 恵美

    管理栄養士ライター高村恵美

    12年間管理栄養士として病院などに勤務。家族にいつでも"おかえり"が言えるようライターへ転身後は、忙しいひと・働くひとに寄り添うレシピの提供や、健康コラムを数多く執筆。
    自分も同じ立場だからこそ「仕事と家庭の両立に悩む女性を応援したい」気持ちが高まり、悩めるママに向けたコラム執筆も行っている。