管理栄養士ライター高村恵美
12年間管理栄養士として病院などに勤務。家族にいつでも"おかえり"が言えるようライターへ転身後は、忙しいひと・働くひとに寄り添うレシピの提供や、健康コラムを数多く執筆。
自分も同じ立場だからこそ「仕事と家庭の両立に悩む女性を応援したい」気持ちが高まり、悩めるママに向けたコラム執筆も行っている。
妊娠糖尿病の1週間分の食事メニューを考えるには、主食を抜かずに主菜(タンパク質食品)・副菜(野菜)をそろえ、1日の総エネルギー量を3回に分けた3食を、しっかりと摂るよう配慮が必要です。また、カルシウムや鉄・葉酸・食物繊維を積極的にとり入れるのもポイントです。血糖コントロールのために医師から5~6回の分割食を提案されるケースもあります。具体的には、どのような点を重視した食事内容になるのでしょうか。
妊娠中に食事管理をする目的は、胎児の健全な発育と母体の健康維持です。また、母体の血糖コントロール・適正な体重増加に加え、空腹によるケトン体産生を予防する目的もあります。
摂取エネルギー量が不足すると、母体でケトン体が産生されるのですが、ケトン体は母体と胎児の両方に悪影響をおよぼしてしまう恐れがあるのです。
そのため妊娠中の食事は、過食だけでなく少食にも注意する必要があります。
妊娠中は、母体の健康と胎児の健やかな発育を維持するためにバランスのとれた食事を摂る必要があります。
メニューを考える際に最低限押さえておきたい2つのポイントを確認しましょう。
血糖や体重のコントロールのためには、自分に合ったエネルギーの食事を、規則正しく食べる習慣を継続したいところです。
そのためにもまずは、適正エネルギーの求め方を確認しましょう。
妊娠中は、母体の健康維持に加えて胎児が健全に成長するための栄養素を補給し、未成熟な胎児の身体に悪影響を与える栄養素は控えたいところです。
積極的にとりたい栄養素と控えたい栄養素についての情報を、知っておきましょう。
分割食は、血糖値コントロールのために1日の食事を5~6回に分けて食べる食事法です。
1日の食事を朝夕の2食、あるいは朝昼夕の3食に分けて規則正しく適正に食べても、血糖値が安定しないとき、医師から提案される場合があります。
分割食にする際は、必ず1回分の食事量を減らしましょう。
朝昼夕の3食を基本として、合間に2~3回の間食(1食100~200kcal程度)を組み入れますが、いつも食べている量に上乗せしてはカロリーオーバーになってしまうのです。
6回食を生活にとり入れる場合、カロリーの配分は、朝昼夕が各25%程度・間食が5~10%程度が目安です。
間食といっても、チョコレートやクッキーといったお菓子では血糖値が急上昇してしまいます。補食をおやつ感覚で健康的に楽しむには、加工度の高い嗜好品ではなく、なるべく素材そのものが楽しめる食品を選ぶようにしましょう。
妊娠中に血糖値が高くなると、「糖質やエネルギーを制限しなければ」と考える方が多いかもしれません。しかし、自分の判断だけで食事制限を行うと、カロリー不足を見落としたり、栄養素に偏りがあっても気づけないケースも考えられるでしょう。
しっかりと定期検診を受け、母体と胎児の体重増加が適切かどうかを確認しながら、医師や管理栄養士と相談の上で、食事内容も調整していくのが重要です。
妊娠中は、母体の健康維持と胎児の成長のために栄養補給をする必要があるので、適切にバランス良くしっかりと食べてくださいね。
妊娠糖尿病の食事の基本は、健常者にとっても理想的な健康食なので、「食事を見直すチャンス」と捉え、ぜひ前向きに取り組んでみてください。
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