監修医師星 佳佑
静岡県出身、宮城県育ち。
東北大学眼科学教室所属。日本眼科医会会員。日本硝子体学会会員。
プロフィール:東北大学医学部眼科教室・プロフィールページ
かすみ目や頭痛をまねく疲れ目のケアには、ツボ押しやマッサージが効果的です。
ツボは顔や目、耳や足裏などいたるところに存在し、軽く押すだけで刺激できます。とはいえ、効果があるのか半信半疑の方も多いのではないでしょうか?
本記事では、ツボ押し・マッサージが疲れ目によい理由をまとめています。お灸やマッサージ機がなくてもできる、刺激のやり方を知りたい方は見逃せません。
多くの人をおそう疲れ目は、主に「目の使いすぎ・目の乾き・ストレス」からおこるといわれています。 疲れ目かどうか判断がつかない方は、なりやすい原因がひそんでいないか、目に以下の不調があらわれていないかチェックしてみてください。
疲れ目を放置していると、症状が目だけでなく、頭痛や肩こりとして全身に及ぶ場合もあります。
頭痛をともなう眼精疲労となると、医薬品の使用や受診が推奨されます。
しかし、一時的な疲労である疲れ目なら、ツボ押しやマッサージに考えをシフトしてみる価値ありです。
ツボ押し・マッサージが疲れ目にいいとされる、3つの理由をみてみましょう。
一つ目に、マッサージは筋肉の緊張をときほぐすのに有効です。ピントを調節するときにはたらく毛様体筋のほかにも、目のはたらきにはたくさんの筋肉がかかわっています。 目を酷使するときは首寄りの後頭部にある4つの筋肉に、まばたき一つするにも目のまわりにある眼輪筋に負荷がかかるのです。 目を使うのに欠かせない筋肉をゆるめ、リラックス状態に導いてあげるためにも、疲れ目にマッサージは効果的といえるでしょう。
ツボ押しは、全身をとおして目の不調にアプローチできるのがポイントです。東洋医学の考えでは、私たちの体には「生きるために必要なエネルギーと血液の通り道」があるとされています。そしてツボとは、いわゆる通り道の出入口です。 各通り道は各内臓に対応しており、ツボを刺激すると、内臓に刺激が伝わって不調をやわらげられると考えられているのです。目は内臓のなかでも肝臓と深くつながっているといわれており、試してみる価値ありでしょう。
目への効果だけでなく、心身の不調やストレスによいはたらきをもたらすオキシトシンといわれるホルモンが分泌されるのもメリットです。 「心地よい」と感じると分泌されるホルモンで、ツボ押しやマッサージでも効果があるといわれています。疲れ目がストレスから来ている方や、幸せな気持ちにつつまれてセルフケアしたい方に好適です。
疲れ目に対するツボ押しやマッサージの基本となるポイントは、以下の3点です。
とくに目のまわりは皮膚が薄く、眼球があるため強くアプローチしすぎてはいけません。いずれのツボも、
指先を使いじんわりと圧をかけてみてください。力加減が不安なら、お灸をのせてみるところからはじめてもかまいません。
疲れ目によいとされるツボの位置をはじめ、刺激やマッサージのやり方をご紹介します。
疲れ目をケアしたいならまず注目したいのが、首寄りの後頭部にある「風池(ふうち)」です。首の後ろ側にある、2本の大きな筋の外側に位置しています。風池の「池」は邪気が溜まるところを意味し、
目の疲労をはじめとする身体の不調に効果的です。
風池のツボを押すときは、親指をあてがい、ほかの4指で頭を抱えるようにしてみてください。そのまま上を向くと、親指が風池にはまって程よい刺激を与えられるでしょう。
目や耳のまわりには、疲れ目によいとされるツボがはりめぐらされています。まず、晴れやかで明るい視界に導いてくれるといわれるのが「睛明(せいめい)」です。
目頭の内側にあたるくぼんだところにあるため、親指と人差し指でつまんで刺激してください。
以降は、以下を順に押していくと効率的にツボ押しできるでしょう。
首や目、耳のまわりに加え、足裏にも疲れ目に効果を発揮するツボが複数あります。目の疲労と関係がある肝臓や肩のツボをセットにして、はたらきかけてみましょう。
足裏を刺激するときは、お風呂に入ったりアルコール消毒したり、足裏を清潔にしたうえで取り組んでみてください。また、あぐらをかくように座るとツボを刺激しやすいでしょう。
ツボ押しやマッサージ以外にも、疲れ目に効果を発揮するといわれるケア方法は複数あります。
まず、パソコンやスマホの画面を遠ざけて、目をとことん休ませましょう。目に合ったメガネやコンタクトの着用も欠かせません。
かすみ目には蒸しタオルで目をあたため、目の充血には保冷剤で冷やしてみてください。目の疲労をやわらげるには、規則正しい食生活をおくるのも大切です。顔や首、耳・足裏にあるツボを刺激しながら、各方面から疲れ目ゼロを目指しましょう。
各ブランドの商品一覧をご確認いただけます。