監修医師成田 亜希子
2011年医師免許取得。初期臨床研修を経て総合診療医として幅広い分野の治療に携わる。
臨床医として勤務しながら、行政機関での勤務経験もあり地域の健康課題にアプローチした健康寿命延伸、感染症対策などの医療行政にも携わってきた。
国立保健医療科学院、結核研究所での研鑽も積む。
現在、医療法人ウェルパートナー主任医師。
風邪により、なぜ関節痛が起こるのか。さまざまな理由がありますが主に「ウイルスや細菌と戦うための反応」といわれています。関節痛のみで熱はないパターンもありますが、いずれにせよ「痛くて寝られない」「ツライので治し方を知りたい」と思って調べている方も多いでしょう。痛みを和らげる方法として、痛み止めなどの市販薬の使用があります。ただ、連続服用にも注意点があります。選び方や対処法を一緒に確認していきましょう。
風邪を引くと、喉の痛みやくしゃみ、鼻水など、上気道(鼻からのどの奥までの部位)を中心に炎症による症状が現れます。発熱時の関節痛や筋肉痛は、インフルエンザにかかった際に生じるイメージがあるかもしれません。しかし、風邪により引き起こされる症状のひとつでもあります。風邪による、発熱時の関節の痛みのメカニズムをチェックしてみましょう。
まず、風邪の原因となるウイルスや細菌が体内に入り込むと、体を守るために免疫細胞から「サイトカイン」と呼ばれる物質が分泌されます。サイトカインは免疫細胞を活性化する役割を担っています。サイトカインは血液に乗って脳の血管まで流れると「プロスタグランジン」という物質の産生を促進。プロスタグランジンは脳の体温調節中枢に働きかけて体温を上昇させることで体がウイルスや細菌を攻撃するのをサポートするのです。
一方で、プロスタグランジンは「ブラジキニン」という痛みを引き起こす物質の働きを強める作用もあります。その結果、関節痛や筋肉痛などの症状を引き起こすと考えられています。
風邪による関節痛や筋肉痛を生じながら、発熱が生じない場合もあります。プロスタグランジンには体温を上げる機能を備えていますが、痛みの発生とタイミングがズレるケースも珍しくありません。あとから発熱する場合もあるのです。
ただ、もし関節痛が先に出て、しばらく経っても発熱しない場合や関節痛のみがなかなか改善しない場合は、風邪ではないかもしれません。関節痛を伴う病気や症状は複数あるため、不安な場合は速やかに診察を受けましょう。
関節痛や筋肉痛があまりにつらいときは、医療機関を受診するのが一番です。しかし「受診するほどの感覚ではない」「少し様子をみたい」といった場合もあるかもしれません。熱がそこまで高くない、軽い関節痛などの場合は、自宅でできる対処法にも注目してみましょう。
関節痛や筋肉痛がひどく寝られないときは、思い切って痛み止めや風邪の諸症状に効く市販薬を服用するのも手です。風邪を回復させるには十分な睡眠を取って体を休めることが大切です。関節痛で眠れないときは、一時的にでも痛みを緩和し、十分に睡眠がとれる環境をつくってあげてください。そして、朝になっても強い関節痛が続くときは医療機関を受診しましょう。
発熱時のお風呂は、NGなイメージがある方も多いかもしれません。しかし、身体を清潔に保ち、心身ともにくつろぐためには入浴が効果的です。とくに、湯船にゆったりつかって血行をよくすると関節痛や筋肉痛が緩和するケースがあります。
ただし、熱すぎないぬるめのお湯に設定し、長湯と湯冷めはしないよう注意してください。また、高熱のときや関節痛がひどいときなどは、無理に入浴してはいけません。入浴後は脱水を避けるため、しっかりと水分補給するよう努めましょう。
風邪を引いているときは、安静にするのが何よりの薬です。肩や背中が張っていると感じると、マッサージを受けたくなってしまうかもしれません。マッサージは筋肉のコリをほぐしてくれるだけでなく、血行が改善して体が温まるため風邪の回復によい効果もあります。
一方、マッサージの影響で筋膜や筋肉の線維にダメージが生じると炎症が生じてさらに症状が悪化することがあります。特にプロスタグランジンの影響で筋肉痛が生じている風邪のときは、できるだけ筋肉を安静にすることが大切です。筋肉痛を少しでも和らげたいときは、軽めのストレッチに留めましょう。
関節痛や筋肉痛のセルフケアと並行して、頼りたいのが風邪の症状緩和が期待できる市販薬です。かぜ薬とひと口にいっても、含まれる成分や対応する症状もさまざまなため、どれを選べばいいか迷ってしまうでしょう。加えて、症状を悪化させないためには、服用のポイントも心得ておく必要があります。風邪による関節痛・筋肉痛に効く市販薬の選び方と、服用の注意点をみていきましょう。
風邪に効く市販薬を選ぶときは、症状に適したタイプを選ぶのが大切です。いわゆる総合かぜ薬には、喉の痛みやせき、頭痛など、あらゆる症状に応じた成分が含まれています。とくに、発熱時の関節痛や筋肉痛といった痛みにお悩みなら、以下の解熱鎮痛成分が含まれる市販薬を選ぶとよいでしょう。いずれも関節痛や筋肉痛の原因となっているプロスタグランジンの産生や働きを抑える働きがあります。
ただし、風邪の原因が分からない場合や他のお薬を内服中の場合はは安全に内服できるアセトアミノフェンを選ぶのがおすすめです。
風邪の引き始めなら、漢方薬を試してみるのも一案です。漢方処方である葛根湯は、体を温める効果が期待できるため風邪の引き始めによいとされています。また、発熱や悪寒、関節痛などの痛みなどの風邪症状があるときは麻黄湯がおすすめです。漢方薬は粒状が多いため、飲みにくい印象を抱く方も多いでしょう。しかし、なかには液体や錠剤タイプもあるため、好みに合わせて検討してみてください。
風邪による関節痛や筋肉痛が軽減されないからといって、いつまでも市販薬の服用を続けてはいけません。説明書をみると、以下の旨の注意書きがあるはずです。「5~6回服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」
軽度な風邪であれば、通常2~3日程度で改善が見込めます。症状が長引くようなら、自己判断で服薬を続けずに医療機関を受診しましょう。
風邪は、のどの痛み・発熱・せき・鼻水・関節痛など、さまざまな症状をともなうことがあります。体調を早く整えたいときには、市販薬や漢方薬を活用するのも一つの手段です。ただし、薬の選び方や使い方には注意が必要でしょう。
ここでは、「コルゲンコーワ 風邪・解熱・鎮痛シリーズ」の紹介を中心に、大人と子どもの違い、症状別のポイント、代表的な漢方薬について解説します。ご自身の体調に合わせた適切な対応を見つける参考にしてみてください。
市販薬には、大人用と子ども用に分かれている風邪薬が多くあります。
コルゲンコーワシリーズには、15歳未満は服用できないタイプや、5歳から大人まで服用できるタイプといったかぜ薬が用意されており、年齢に応じた用量・用法が設定されています。
購入時は、パッケージに書かれている年齢区分や用量の確認を忘れずに。お子さんが使う際は、とくに、年齢に合った製品を選ぶようにしましょう。
「コルゲンコーワの風邪・解熱・鎮痛シリーズ」には、のどの痛みや発熱といった症状に配慮した製品があります。症状ごとに選び分けることで、体調の回復をサポートしやすくなるでしょう。
なお、複数の症状が出ているときは、総合的にケアできる総合かぜ薬を選ぶのも選択肢です。
<かぜの初期症状例>
風邪のひきはじめなどに使われやすい漢方薬もあります。代表的なのは「葛根湯(かっこんとう)」「麻黄湯」などです。
現在、コルゲンコーワシリーズでは、漢方処方である「麻黄湯」を配合したかぜ薬『コルゲンコーワ液体かぜ薬 (30mL×3本) 【第2類医薬品】』『コルゲンコーワ顆粒かぜ薬(6包) 【第2類医薬品】』を発売しています。
漢方薬は、体質や症状に合わせて選ぶのが大切です。自己判断ではなく、必ず薬剤師や医師に相談してから使うのがおすすめです。
常備薬を選びたい場合は、風邪の複数の症状に対応できる市販薬がおすすめです。発熱やのどの痛み、鼻水、せきに効果のある成分を複合し「総合かぜ薬」と呼ばれます。
日中は忙しくて服用する時間がとれない場合や、飲み忘れが心配な方は、1日の服用回数で選ぶのもいいでしょう。風邪薬には1日3回の製品と、1日2回の製品があり、1日2回の製品は昼に飲む必要がありません。確実に服用できる方を選ぶといいでしょう。
| 品名 | 画像 | タイプ | ここに注目 | 分類 | ポイント | 主な特徴 | 効能・効果 | 用法・用量 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| コルゲンコーワIB錠TXα(27錠) | ![]() |
しっかり治したい | 【イブプロフェン配合】 【小粒錠】 【総合かぜ薬】 |
指定第2類医薬品 | 7つの有効成分が、ツラいかぜの諸症状をやわらげます。 | ★イブプロフェン(1日あたり)最大量*600mg配合*当社コルゲン内イブプロフェン最大量配合 ★去痰成分アンブロキソール塩酸塩配合 ★解熱鎮痛成分「イブプロフェン」、抗炎症成分「トラネキサム酸」、「無水カフェイン」を同時配合しました |
かぜの諸症状(のどの痛み,発熱,悪寒,頭痛,せき,たん,鼻水,鼻づまり,くしゃみ,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和 | 次の量を食後なるべく30分以内に水又は温湯で服用してください。 成人(15歳以上):1回3錠、1日3回 15歳未満:服用しないこと |
| コルゲンコーワIB透明カプセルαプラス(18カプセル) | ![]() |
今すぐ治したい | 【透明カプセル】 【イブプロフェン配合】 【急な発熱時の備えに】 |
指定第2類医薬品 | 液状の有効成分が体の中でいち早く溶け出し、発熱・のどの痛みを抑えます。 | ★イブプロフェン(1日あたり)最大量*600mg配合*当社コルゲン内イブプロフェン最大量配合 ★中身が“液状”の透明カプセルですので有効成分が体の中でいち早く溶け出し、発熱・のどの痛みを抑えます。 ★アンブロキソール塩酸塩を配合し、かぜのひきはじめはもちろん、かぜの後期の症状(しつこく残るせき、たん)にも対応します。 |
かぜの諸症状(発熱,のどの痛み,せき,たん,悪寒,頭痛,鼻水,鼻づまり,くしゃみ,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和 | 次の量を食後なるべく30分以内に水又は温湯で服用してください。 成人(15歳以上):1回2カプセル、1日3回 15歳未満:服用しないこと |
| コルゲンコーワIB2(8カプセル) | ![]() |
長く効いてほしい | 【透明カプセル】 【2種の顆粒を配合】 【携帯に便利】 |
指定第2類医薬品 | 『早く溶ける顆粒』と『ゆっくり溶ける顆粒』を配合し、1日2回で効く! | ★早く溶ける顆粒とゆっくり溶ける顆粒を配合し、1日2回の服用で効果が持続します。 ★イブプロフェン1回200mg、鼻汁抑制作用を持つヨウ化イソプロパミド配合で、のどの痛み・鼻水によく効きます! |
かぜの諸症状(のどの痛み,発熱,鼻水,鼻づまり,くしゃみ,せき,たん,悪寒,頭痛,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和 | 次の量を朝夕食後なるべく30分以内に水又は温湯で服用してください。 成人(15歳以上):1回2カプセル、1日2回 15歳未満:服用しないこと |
| コルゲンコーワ液体かぜ薬(30mL×3本) | ![]() |
かぜのひきはじめに・眠くなりにくい | 【液体タイプ】 【眠気に配慮】 【ひきはじめ】 |
指定第2類医薬品 | かぜのひきはじめによく効く「麻黄湯」を配合した液体タイプと顆粒タイプのかぜ薬です。 | ★漢方処方である「麻黄湯」を配合したかぜ薬です。 ★「麻黄湯」は古くからかぜのひきはじめの「寒け」、「発熱」、「ふしぶしの痛み」に用いられており、これらの症状にすぐれた効果を発揮することが知られています。 ★眠くなる成分を含んでいません。 |
体力充実して,かぜのひきはじめで,さむけがして発熱,頭痛があり,せきが出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの次の諸症:感冒,鼻かぜ,気管支炎,鼻づまり | 次の量を食前又は食間によく振ってから服用してください。 成人(15歳以上):1回1本、1日3回 15歳未満:服用しないこと |
| コルゲンコーワ顆粒かぜ薬(6包) | ![]() |
かぜのひきはじめに・眠くなりにくい | 【顆粒タイプ】 【スティック包装】 【ひきはじめ】 |
指定第2類医薬品 | かぜのひきはじめによく効く「麻黄湯」を配合した液体タイプと顆粒タイプのかぜ薬です。 | ★漢方処方である「麻黄湯」を配合したかぜ薬です。 ★「麻黄湯」は古くからかぜのひきはじめの「寒け」、「発熱」、「ふしぶしの痛み」に用いられており、これらの症状にすぐれた効果を発揮することが知られています。 ★眠くなる成分を含んでいません。 |
体力充実して,かぜのひきはじめで,さむけがして発熱,頭痛があり,せきが出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの次の諸症:感冒,鼻かぜ,気管支炎,鼻づまり | 次の量を,食前又は食間にそのまま水かお湯にて服用してください。またはお湯に溶かしてよくかき混ぜた後,温服してください。 成人(15歳以上):1回1包、1日2回朝夕 7歳以上15歳未満:1日2/3包、1日2回朝夕 4歳以上7歳未満:1回1/2包、1日2回朝夕 2歳以上4歳未満:1回1/3包:、1日2回朝夕 2歳未満:服用しないこと |
| コルゲンコーワ総合かぜ薬(110錠) | ![]() |
5歳から大人まで | 【総合かぜ薬】 【家族で使える】 【110錠の大容量】 |
指定第2類医薬品 | 5歳から大人まで服用できるかぜ薬 家族みんなのかぜに良く効く! | ★アセトアミノフェン最大量※900mg配合(9錠あたり) ※一般用医薬品のかぜ薬製造販売承認基準の最大量配合 承認基準とは厚生労働省が承認事務の効率化を図るために定めた医薬品の範囲のこと ★のどのハレ・痛みを鎮める抗炎症成分トラネキサム酸配合 ★5歳から大人まで服用できるファミリータイプのかぜ薬 |
かぜの諸症状(のどの痛み,鼻水,鼻づまり,くしゃみ,せき,たん,発熱,悪寒(発熱によるさむけ),頭痛,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和 | 次の量を食後なるべく30分以内に,水又はお湯で,かまずに服用してください。 成人(15歳以上):1回3錠、1日3回 11歳以上15歳未満:1回2錠、1日3回 5歳以上11歳未満:1回1錠、1日3回 5歳未満の幼児:服用しないこと |
使用上の注意:
「第②類医薬品: これらの医薬品は、「使用上の注意」をよく読んでお使いください。アレルギー体質の方は、必ず薬剤師、登録販売者にご相談ください。 」に修正してください。
風邪で発熱すると、無理に熱を下げようとしてしまう方も多いのではないでしょうか?しかし、身体が熱を発するのは、ウイルスや細菌と戦うためです。風邪を長引かせないためにも、むやみに熱を下げようとするのは避けましょう。
「とにかく効率的な治し方を実践したい」と思うなら、まず市販薬を併用しつつ生活習慣を整えてみてください。あまりに関節痛がつらいなら、できるだけ早く医療機関を受診したり薬剤師に相談してみるとよいでしょう。
関節痛や筋肉痛は風邪の症状の一つです。身体がウイルスや細菌などと戦うときの反応とされていますが、発症して2~3日目をピークとして7~10日ほどで自然に回復していくケースが多いでしょう。
痛みがつらいときは、市販の鎮痛薬を使用することもできますが3~5日ほど経過しても改善しない場合は軽度な風邪ではない可能性があります。安易にセルフケアを続けていると重症化することもあるため、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
また、関節の痛みを繰り返す場合は別の病気の可能性があります。倦怠感などを伴うと風邪と間違われることもありますが、特に関節の痛みが目立つ場合は一度医療機関を受診することをおすすめします。
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