ウエスト周囲径(腹囲)とは
ウエスト周囲径は、へその高さで測る寸法を指します。単に腹囲が大きいだけではメタボリックシンドロームにはあてはまりませんが、内臓脂肪の蓄積度合いを推定し、メタボの可能性を診断する指標のひとつとされています。
腹囲とウエストの違い
腹囲とウエストは、どちらもお腹まわりを測ります。大きく違うのは、腹囲がおへその高さで測定するのに対して、ウエストは腰の一番くびれている部分を測定する点です。特定検診などでは腹囲を測ります。一方、欧米ではウエストを腹囲として測定しているので、日本の腹囲とは数値が変わります。
ウエスト周囲径の基準値と内臓脂肪の関係
内臓脂肪の蓄積具合は、ウエスト周囲径で判断します。基準値は「男性85cm以上、女性90cm以上」で、内臓脂肪の断面積100㎡に相当します。さらに、血圧・血糖・血清脂質のメタボリックシンドロームを判断する基準値のうち2つ以上を満たした場合には、メタボリックシンドロームと診断されるのです。
【メタボリックシンドロームを判断する基準値】
※高血圧・糖尿病・高トリグリセライド血症・低HDLコレステロール血症の薬物治療を受けている場合も、各項目に含めます。
※メタボリックシンドロームの診断基準は、特定保健指導の基準とは異なり、海外の基準とも異なるため注意しましょう。
出典:メタボリックシンドロームの診断基準/厚生労働省
ウエスト周囲径の正しい測り方
メタボリックシンドロームにつながる恐れがあるかを判定するには、ウエスト周囲径を正確に測る必要があります。次のステップに従って測定しましょう。
ウエスト周囲径の正確な測り方
- 1.両足を揃え、両腕を自然に垂らして立ちます。
- 2.測定の精度を上げるために、肌着や衣服をたくし上げて腰周りを露出させ、肌に直接メジャーをあてます。
- 3.メジャーは背部から腹部にかけて回し、へその高さで水平になるようにしましょう。メジャーの巻き方によって測定値は変わるので、きつ過ぎずゆる過ぎないように注意してください。
- 4.リラックスした状態で軽く息を吐き出し、測定します。
計測の誤差を防ぐには
ウエスト周囲径の測定での誤差を防ぐために、次の点に注意しましょう。
- ・測定直前の飲食を控え、なるべく空腹時に測定する
- ・お腹に力をいれない
- ・自然に呼吸を繰り返し、息を吐き終わったタイミングで0.5cmまでの単位でメモリを読み取る
複数回測定して平均値をとると、より正確な数値を得られます。
女性のウエスト周囲径の基準値が男性より高くてもいい理由
ウエスト周囲径の基準値は、日本内科学会・肥満学会・動脈硬化学会・糖尿病学会など8つの医学系学会により測定された、日本人の内臓脂肪面積のデータを基に設定されています。しかし、なぜ女性の方が男性よりも数値が高いのでしょう?
女性と男性では脂肪のつきかたが異なります。女性は男性よりも身体の外側につく皮下脂肪がたまりやすく、若いうちはホルモンのエストロゲンの働きにより、男性よりも内臓脂肪は蓄積しにくい特徴があります。
しかし、閉経するとエストロゲンの分泌が減少するため、内臓脂肪も蓄積しやすくなるのです。たとえば、男女ともに同じ量の内臓脂肪を蓄えている場合、女性は皮下脂肪が多い分、ウエスト周囲径が大きくなります。
ただし、メタボリックシンドロームに影響するのは内臓脂肪の蓄積で、皮下脂肪は診断基準に含まれていません。そのため、女性のウエスト周囲径の基準は男性より5cm高く設定されているのです。
ウエスト周囲径の数値が高い場合の生活習慣の見直し
ウエスト周囲径の数値が高く、肥満の状態にあると健康リスクが高まります。日頃の食事や運動といった生活習慣を見直して、健康的な身体を目指しましょう。
1日の摂取カロリーを1割減らす
おなかに内臓脂肪が過度に蓄積される原因は、必要以上のエネルギーを摂取しているからです。無理な食事制限はリバウンドを招いてしまうので、まずは1日の摂取カロリーを1割だけ減らしてみましょう。カロリー計算が大変な場合には、ご飯や麺類といった炭水化物を中心に、食事の量を1割減らすように心がけましょう。
和食の「一汁三菜」を参考に栄養バランスに気をつける
食事は1日3食を基本として、バランスよく摂りましょう。食事が偏らないように、炭水化物(ご飯)・たんぱく質(肉・魚・卵・豆腐)・野菜・海藻・きのこ類など、異なる種類の食品を食べるのが大切です。
また、和食の基本と言われる「一汁三菜」を中心に、ご飯と汁物、3つのおかずを組み合わせて献立を考えると、栄養バランスのよい食事が採れます。
食習慣を改善する
日頃の食習慣の中で、改善できる部分を探してみましょう。たとえば、間食が多い場合には量を減らし、食べる際はカロリーの高いスナック菓子を避けましょう。夜食も内臓脂肪がたまる原因になるので、寝る2時間前までには食事を済ませてください。
また、よく噛んで食べるように意識すると、満腹中枢が刺激されて少量でも満足感を得られ、内臓脂肪の分解が促進されやすくなります。
1日10分いつもより多く歩く
最初は無理せずに、1日10分だけいつもより多く歩いてみましょう。さらに動けると感じたら、少しずつ時間を長くしてみてください。
毎日同じ時間に体重を測る
朝食前など時間を決めて、毎日同じ条件で体重を測りましょう。体重が増減した場合に、原因が食事によるのか時間によるのかなど、判断しやすくなります。
肥満かも?と気になる「おなかの脂肪」は機能性表示食品で上手にサポート
忙しい毎日で食事の管理や運動が難しい場合には、機能性表示食品を活用しましょう。たとえば、中鎖脂肪酸を摂取すると、BMIが高めの方の体脂肪や内臓脂肪、皮下脂肪が減少すると報告されています。普段使用している植物油を、中鎖脂肪酸を主成分としたMCTオイルに切り変えれば、日常活動時の脂肪の消費が増えるでしょう。
機能性表示食品を毎日の食事にうまく取り入れて、無理なく健康な体を維持しましょう。
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