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むくみの原因やメカニズムとは?女性が男性よりもむくみやすい理由と、命に関わる病気の兆候に要注意

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2024/04/26

顔や体のむくみの原因を知っていますか?「朝起きたときに顔がむくんで腫れぼったい」「夕方になると足がパンパンになって靴がきつい…」そんな経験ありますよね。むくみは日常的に生じやすく、健康な人でも起きる症状です。しかし、むくみがなかなか消えない場合や、徐々に悪化しているのであれば要注意。
むくみが引き起こされるメカニズムや原因、男性よりも女性の方がむくみやすい理由について、まずは知識を深めましょう。

 

むくみとは一体なに?

むくみは、医学用語で「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれ、体内に余分な水分がたまっている状態を指します。人間の体を構成する成分のうち、体重の約60%が水分です。水分の約2/3が細胞内(細胞内液)に、残りの1/3が血液や細胞の周囲を満たす細胞外(細胞外液)に存在します。細胞内外にある水分が、老廃物の除去や細胞に栄養を送る働きをして、体内の水分バランスを保っているのです。ところが、水分バランスが乱れ、細胞と細胞の間にある水分が血管内にうまく吸収されず異常にたまってしまうと、いわゆる「むくみ」の状態が生じるのです。

 

むくみの種類と原因

むくみの原因やメカニズムとは?

むくみには、「一過性のむくみ」と「慢性的なむくみ」があります。一晩寝ると翌朝にはスッキリと解消されるような、一過性のむくみであればあまり心配はいりませんが、病気が原因となる慢性的なむくみには注意が必要です。

一過性のむくみの原因

仕事・生活環境・運動不足・不規則な食生活・栄養の偏り・睡眠不足は、むくみの大きな原因となります。

長時間の立ち仕事・デスクワーク

血液は、体に必要な酸素や栄養を全身に運び、細胞でつくられた二酸化炭素や老廃物を回収して心臓へと戻しています。血流は筋肉の動きによって促進されるため、筋肉が動かないと心臓への血液の戻りが悪くなり、むくみにつながります。
とくに、心臓から最も遠くにあるふくらはぎは、「第二の心臓」とも呼ばれ、血液を心臓に押し戻すポンプのような役割をしている大事な部分です。しかし、立ち仕事やデスクワークでふくらはぎの筋肉を長時間動かさない状態が続くと、血流が低下します。さらに、重力の影響で下半身に余分な水分がたまって、脚がむくみやすくなってしまうのです。

運動不足

慢性的な運動不足が続き、ふくらはぎの筋肉が衰えると、血液を心臓に押し戻すポンプ機能がうまく働かなくなります。すると、血流が低下し、むくみが生じやすくなります。年齢とともに筋力は衰えていくため、とくに高齢者はむくみやすい状態に。定期的な運動やストレッチを行い、筋力を維持しましょう。

塩分の過剰摂取

塩分の多い食べ物を過剰に摂取すると、血液中のナトリウム濃度が上昇し、体が濃度を薄めようとして水分を多く取り込みます。

水分の過剰摂取・水分不足

水分は、過剰に摂取しても不足しても、むくみにつながります。
過剰に摂取した場合は、体全体の水分量が増加するため、細胞間の水分が増えむくみが生じます。逆に水分が不足すると、体は自然に水をためこもうと働くため、むくみがひどくなる場合があるのです。水分のとり過ぎはむくみの原因になる、とよく耳にしますが、水分は適度に摂取しましょう。

アルコールの過剰摂取

アルコールには、血管内を脱水させる作用があり、飲み過ぎによって体の水分が奪われ、血液中のアルコール濃度が高まると、体は濃度を下げるために血管内に水分を取り込んで薄めようとします。取り込まれた水分が細胞と細胞の間の隙間に漏れ出し、溜まってしまうと、むくみが引き起こされます。
お酒を飲んだ翌朝、顔がパンパンにはれてしまいますよね。睡眠中は横になって休むため、重力の影響で起きているときよりも顔に水分がたまりやすいのが原因です。とくに皮膚が薄いまぶたは、むくみの影響が出やすくなります。

過度なダイエットによる筋肉・栄養不足

過度な食事制限を行うと、ミネラル(カリウム・カルシウム・マグネシウムなど)やタンパク質・ビタミンB1の不足、足の筋力低下を招きます。ふくらはぎの筋肉のポンプ機能が十分に働かなくなるため、効率よく血液を心臓に戻せなくなり、むくみを生じてしまうのです。バランスのよい食事を心がけましょう。

冷え

体が冷えると血流が低下し、水分や老廃物がうまく排出されなくなります。健康な体では、水分は血管やリンパ管を通って全身に巡っていますが、体が冷えて血流が悪くなると、水分の巡りも低下。すると、体の水分が血液やリンパ管からしみ出し、たまってしまうため、むくみが生じるのです。
とくに足はむくみやすい部位なので、足首からふくらはぎにかけては、冷やさないように意識しましょう。

自律神経の乱れ

ストレス・睡眠不足・不規則な生活・ホルモンバランスの変化が原因で自律神経が乱れると、体温調節機能や血流が低下します。すると、水分の代謝が悪くなり、むくみを引き起こしやすくなるのです。

慢性的なむくみは病気のサインかも

むくみが数日間続く場合、心臓・腎臓・肝臓といった臓器に病気が隠れている可能性があります。一過性のむくみの原因にあてはまらない場合や、以下の症状が見られたら、早めに医療機関を受診しましょう。

  • ・一日中むくんでいる
  • ・むくみが何日もおさまらない
  • ・日に日にむくみがひどくなる
  • ・体重が急に増えた
  • ・足が痛む
  • ・足の血管が浮き出ている
  • ・体重が急に増えた
  • ・顔やまぶたのむくみがとれない
  • ・尿が出にくい
  • ・坂道や階段で息切れする・疲れやすい
 

男性よりも女性がむくみやすい原因

女性が男性よりもむくみやすいのは、体の構造の違いが関係しています。一般的に、女性は男性よりも筋肉量が少なく、心臓へ血液を送るためのふくらはぎのポンプ機能が弱い傾向にあるためです。また、冷えにつながる足を露出する服装や、血流を悪くする締め付けの強い下着の着用、高いヒールの靴をはく機会が多い点もむくみに影響しています。

女性特有の体の変化による影響

生理前には、体内の水分量を保つために働く黄体ホルモン(プロゲステロン)が増加するため、むくみやすくなります。
妊娠時にむくみやすいのは、ホルモンバランスの乱れや、子宮による大静脈圧迫、出産に向けた血液量の増加などが原因です。
更年期には、エストロゲンの急激な減少により、女性ホルモンのバランスが崩れ、自律神経が乱れやすくなります。血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経の機能が低下すると、血行が悪くなり、むくみが生じてしまうのです。

 

高齢者がむくみやすい原因

加齢によってむくみやすくなる原因は、大きく分けて3つあります。

  • ・服用している薬の影響
  • ・病気
  • ・筋肉量・活動量の低下

高齢者の場合は、服用している薬の影響で、むくみが出る場合があります。心臓・肝臓・腎臓などに関わる病気が原因となって、むくみを生じる場合も。足以外のむくみや息切れ、むくみの悪化が見られたら、早めにかかりつけ医に相談しましょう。病気によっては、片足のみにむくみがあらわれる場合があるので、自分の足の状態をチェックするのが大切です。
また、加齢にともなう筋力の低下や、椅子や車椅子に座っている時間が長くなると、ふくらはぎのポンプ機能がうまく働かなくなります。すると、血流が滞るため下肢に血液がたまってしまい、余分な水分が血管から漏れ出して、むくみにつながってしまうのです。

 
むくみが出る体の部位に要注意

むくみは、手・足・顔・背中・胸といった全身にあらわれます。中でも、とくに症状があらわれやすいのが足です。健康な方でも、長時間の立ち仕事や、座りっぱなしで過ごしていると、一時的にむくみがあらわれます。体内に水分がたまっているだけのむくみであれば、しばらくすると治りますが、体の片側(右側のみ・左側のみ)だけにむくみが見られる場合は、病気の兆候かもしれません。進行すると命に関わるむくみの可能性もあるので、速やかに病院を受診しましょう。

  • 神谷三理砂

    一級建築士・ライフスタイルライター神谷三理砂

    住宅やインテリアの意匠設計に従事した経験を活かし、家の間取りやデザイン、インテリアなど住まいに関するコラムを多数手掛ける。ジュエリーデザイナーとしての経歴も長く、ファッション系コラムも執筆。最近は、より生活に役立つ記事を書きたいという思いから健康コラムに力を注ぐ日々。
    刺繍や洋裁、家庭菜園といった手仕事を楽しむ暮らしを大切にしている。