美容×健康ライター中村里歩
元美容師で「超」がつく美容・健康マニア。試した美容法・健康法は数知れず…。経験を活かし、美意識の高い女性や、健康に悩む男性に寄り添う記事を執筆するべく活動中。
モットーは「明るく前向きに」「日進月歩」。AIに負けない、読者への愛がたくさん詰まった記事を執筆するため日々勉強中。
肌荒れとひと口に言っても、原因や症状はさまざまです。カサつき・ブツブツ・かゆみ・ニキビなど、スキンケアで改善しないときは、症状別に適切な対処を行いましょう。カサつきなら、徹底的な保湿と食事を見直してみてください。かゆみやブツブツは、毛穴に溜まった汚れが悪さをしているかもしれません。必要に応じて皮膚科の受診も視野に入れましょう。男性の場合は、ひげ剃りによる刺激の可能性もあるため、肌状態をよく観察して、突破口を見つけてください。
肌荒れの根本的な原因に、皮膚の「バリア機能」の低下があります。バリア機能とは、皮脂膜でコーティングされた角層が天然の保護膜として働き、皮膚内部の潤いを保つ機能です。何らかの要因で正常に機能しなくなると、外部から刺激を受けやすくなり、肌トラブルを引き起こします。
バリア機能を低下させる原因は、大きく二つ。一つは、外的要因です。紫外線や花粉によるダメージ、誤ったスキンケア、乾燥した環境などが挙げられます。
もう一つは、ホルモンバランスの乱れ、不規則な生活やストレスによるターンオーバーの乱れといった内的要因です。
いくつかの要因によってバリア機能が低下すると、皮膚は乾燥しやすくなり、外部からの刺激に敏感になります。その結果、かゆみ・赤み・炎症が現れるのです。
肌荒れは、カサつきやニキビ、かゆみなどさまざまな症状で現れます。それぞれは似ていますが、原因と対策を一括りにはできません。
肌荒れの原因がわからず、スキンケア迷子になっている方は、ご自身の肌をよく観察してみてください。
カサつきや粉吹きは、乾燥が主な原因です。肌水分の減少により角質が剥がれて、粉を吹いた状態になります。適切なケアをせずに放置すると、肌荒れを引き起こしかねません。かゆみが生じると、無意識に肌を掻いてしまい、さらに状態を悪化させるリスクが高まります。
対策として、まず保湿を徹底しましょう。化粧水や乳液、クリームなどを使い、肌に水分と油分を補給します。とくに乾燥が気になる部分には、重ね塗りが効果的です。入浴後、肌が潤っているうちにケアを行いましょう。
また、生活習慣の見直しも大切です。バランスの取れた食事や十分な睡眠はターンオーバーを正常に保ち、健康な肌の育成につながります。
ニキビと吹き出物は、どちらも毛穴の炎症によって生じる皮膚トラブルですが、発生する年齢や場所に違いがあります。思春期にTゾーンにできやすいのが「ニキビ」、20代以降でUゾーンにできやすいのが「吹き出物」です。
思春期のニキビは過剰な皮脂分泌が主な原因であり、大人になってからはホルモンバランスの乱れや不適切なスキンケア、乾燥などが複雑に絡み合って発生します。毛穴に皮脂や汚れが詰まり、アクネ菌が増殖すると炎症が起こるのです。
ニキビや吹き出物に対処するために、肌を清潔に保ちましょう。洗顔料をよく泡立てて優しく洗い、すすぎ残しがないように丁寧に洗い流すのが大切です。化粧水による保湿ケアも欠かせません。また、バランスの取れた食事で体の内側からケアするのも大切です。十分な睡眠を心がけ、ストレスを溜めないようにしましょう。
セルフケアでよくならない場合は別の皮膚疾患かもしれません。粉瘤(ふんりゅう)やマラセチア毛包炎(もうほうえん)、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)などの可能性があります。長引く場合は、自己判断せずに皮膚科を受診して適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
かゆみやブツブツを伴う肌荒れの原因は多岐にわたります。乾燥や接触皮膚炎、あせもが代表的です。ニキビやアトピー性皮膚炎、虫刺されなどが原因になることも。
乾燥によるかゆみやブツブツは、バリア機能の低下により、外部刺激に過敏になるために起こります。乾燥の対処法と同じく、保湿と生活習慣の見直しが大切です。接触皮膚炎は、特定の物質に触れると炎症が起こり、かゆみやブツブツが現れます。原因となる物質を特定し、接触を避けるようにしましょう。
アトピー性皮膚炎は、皮膚の乾燥とかゆみを伴う慢性的な炎症性疾患です。専門医の指導のもと、適切な治療を行う必要があります。
毛穴の開きや黒ずみは、皮脂の過剰な分泌や肌の老化、乾燥が原因で起こります。とくに鼻や眉間、おでこなどのTゾーンは皮脂分泌が活発なため、毛穴が開きやすい部位です。過剰な皮脂が押し広げた毛穴に汚れや角栓が詰まるため、黒ずみが目立ちます。
対策としては、まず洗顔で余分な皮脂や汚れをしっかり落としましょう。ゴシゴシと強く洗うと刺激となるため、泡で包み込むように洗うのがポイントです。洗顔後は、十分に保湿を行い、肌の乾燥を防ぎます。水分が不足していると、皮脂が過剰に分泌されるため注意してください。メイクをした日はクレンジング後に、洗顔・スキンケアを行いましょう。
また、週に1~2回のスペシャルケアとして、酵素洗顔やクレイパックもおすすめです。使用頻度や使用方法を守って取り入れてみてください。
赤みの主な原因は、肌の炎症と、炎症を治そうとする体の反応です。衣類の摩擦や外気、洗剤、カミソリなどの物理的な刺激だけでなく、ストレスやホルモンバランスの乱れも原因となります。
肌の赤みを抑えるためにまず原因を特定し、刺激を避けるようにしましょう。皮膚科を受診して適切な診断を受けるのも大切です。さらに、こまめに掃除をして部屋を清潔に保ち、肌への刺激となるダニやカビを取り除きましょう。
くすみにはいくつかタイプがあり、原因もそれぞれ異なります。例えば、肌が黄色っぽく見える「黄くすみ」の原因の一つが、糖化です。糖化とは、体内のタンパク質や脂肪が余分な糖と結びつく現象で、老化の一因とも言われています。糖分を摂りすぎる方や運動不足の方は注意が必要です。
顔が青黒くくすんで見える「青くすみ」は、血行不良が原因かもしれません。睡眠不足やストレス、栄養不足などが血行を滞らせ、肌の血色を悪くする可能性があります。
ほかにも、古い角質が蓄積して肌がゴワゴワする「グレーくすみ」や、紫外線や摩擦によるメラニン色素の沈着が原因の「茶くすみ」など、くすみの種類はさまざまです。
生活習慣が原因でくすみが起こるケースは多いため、ライフスタイルを見直しましょう。
肌の硬化やごわつきの原因には、主に保湿不足や紫外線ダメージ、ターンオーバーの乱れが挙げられます。乾燥した肌は柔軟性を失い、硬くごわついた状態になりやすいのです。ターンオーバーが乱れると古い角質が排出されず、スムーズに新しい肌に生まれ変われません。
肌のごわつき対策として、クレンジングで古い角質を優しくオフする方法があります。クレンジング後は、基礎化粧品で十分に保湿しましょう。シートマスクでのスペシャルケアやフェイスマッサージもおすすめです。紫外線ダメージを蓄積させないよう、日焼け止めを一年中使用するのも忘れずに。
男性の肌は、女性に比べて皮脂の分泌量が多く、水分量が少ない傾向にあります。そのため、ニキビやテカリに悩まされる方が少なくありません。毎日の髭剃りや紫外線、間違ったスキンケアも肌荒れの原因となります。
とくに注意したいのが、ひげ剃りによる肌へのダメージです。カミソリの刃は肌の角質層も一緒に削り取ってしまうため、バリア機能が低下し、乾燥や炎症を引き起こしやすくなります。
毎日の洗顔・保湿といった基本的なスキンケアに加え、日焼け止めの使用で紫外線対策を徹底しましょう。
乾燥による肌荒れには、皮膚科では保湿剤としてヘパリン類似物質を配合した薬が処方される場合があります。ドラッグストアでは、ヘパリン類似物質配合の保湿剤を選ぶとよいでしょう。かゆみがある場合は、抗炎症成分配合のアイテムがおすすめです。
ニキビに対しては、毛穴の詰まりを防ぐ作用のある薬や、アクネ菌を殺菌する薬などが処方されます。ドラッグストアで購入できる市販薬もありますが、症状がひどい場合は皮膚科医に相談しましょう。
赤みやかゆみがある場合、皮膚科ではステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬が処方されます。ドラッグストアでもステロイド外用薬を購入できますが、非ステロイド系の抗炎症薬や、かゆみを抑える成分配合のクリームを選ぶのもありです。
肌荒れに薬を使用する場合は、説明書をよく読み、用法・用量を守って使用しましょう。症状が改善しない場合は、自己判断せずに皮膚科を受診してください。
肌荒れが起きた際、原因を特定するのは難しい場合もあります。まずは、肌荒れがいつから始まったのかや、具体的な肌の状態を詳しく記録し、スキンケアを見直してみましょう。スキンケアや生活習慣を見直しても改善が見られない場合は、皮膚科の受診を検討してみてください。専門医による診察で原因を特定し、適切な治療を受けられます。
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