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テーピング理論の知識を深めよう。マラソンや野球など、スポーツの備えとして理解しておきたい役割と巻き方

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2025/09/24

テーピング理論とは、関節・筋肉・靭帯の保護やサポートを行うための、解剖学的構造や障害発生のメカニズムに基づく考え方を指します。マラソンや野球、バスケットボールといったスポーツ時に、トラブルから保護するのが主な役割です。手首や指、ふくらはぎといった部位ごとに適切な種類が異なり、無造作に巻けばいいわけではありません。リスクや不安感をやわらげるきっかけにもつながる、適切な巻き方を心得えておきましょう。

 

テーピングとは?理論・歴史・目的

テーピングとは、体の一部に粘着テープを規則正しく貼ったり巻いたりする方法です。解剖学的構造と障害発生のメカニズムに基づき、関節や筋肉、靭帯の保護やサポートを行います。テーピング理論の代表は、非伸縮テープで行う固定型テーピングと、伸縮性テープによるテーピングです。

始まりは1880年代のアメリカ

テーピングの歴史は意外にも古く、1880年代にアメリカ陸軍で用いられたのが最初といわれています。後にアメリカンフットボール界の盛り上がりに伴い、スポーツの世界に取り入れられるようになりました。
一方、日本でスポーツテーピングが知られるようになったのは、1931年(1934年)の日米野球戦に同行したアメリカ人トレーナーがきっかけです。しかし、当時はテーピングに適したテープの入手が困難でした。本格的に広がりを見せたのは、アメリカ製のテーピング用テープの輸入販売、および技術習得の講習会が開始された1975年頃からです。現在ではさまざまなスポーツで広く用いられており、とくにアスレティックトレーナーにとっては必要不可欠な技術のひとつとなっています。

テーピングの主な目的は「保護・固定・処置」

スポーツ時に施されるテーピングの目的は、主に以下の3つに分類されます。

スポーツ別のテーピング活用例

スポーツの種類によって、トラブルの起こりやすい部位が異なり、テーピングが必要な箇所も変わってきます。リスクが予想される部位を保護・補強し、悪化から守るのがテーピングの本質的な役割といえるでしょう。代表的なスポーツ別の活用法は、以下をチェックしてみてください。

 

テーピングテープの正しい巻き方・種類

テーピングを適切に施すためには、基本的な巻き方への理解が欠かせません。基本的な手順を守ってこそ、固定・保護の役割を十分に果たせます。

  • (1)事前準備
  • ・テーピングする部位の汗や水分をよく拭き取る
  • ・ハサミでテープの角を切って落とす(肌への刺激軽減)
  • (2)テープの正しい持ち方
  • ・人差し指・中指・薬指で端全体を持つ
  • ・均一な力で引き出す
  • ・つまむように一カ所を持って引き出すと、シワやたるみの原因になるため要注意
  • (3)貼り方のコツ
  • ・伸縮性テープは、両端を1cmずつ浮かせて貼る→最後に浮いた部分をゆっくり抑える
  • ・貼った後は手でなじませ、軽くこすって温める(剥がれにくくなる)

アンカー


スポーツテーピングの基本・土台となる巻き方です。

スターアップ


足首が内側にズレるのを防ぐ巻き方で、マラソンなど疲労で足首の安定性が落ちやすい競技におすすめです。

ホースシュー


スターアップの補強と、アキレス腱の保護に適した巻き方で、足を使うスポーツ時に適しています。

サーキュラー


スターアップを固定しズレを防ぐ巻き方で、激しい動きのスポーツ時におすすめです。

フィギュアエイト


足首の関節全体を安定させるテーピングで、土踏まずや足裏の安定性向上に役立ちます。(急な方向転換が多いバスケットボールやテニスに好適)

ヒールロック


かかとの左右ブレを固定して軽減する方法で、かかとの安定性が重要なスポーツ時や、長時間の立位・歩行を助けます。

サポート・Xサポート


関節の可動域をサポートする補強テーピングで、手首などに適度な固定と柔軟性をバランスよくもたらす。

アンダーラップ


皮膚が弱い人やかぶれやすい人、長時間向けの下地テーピングです。

 

テーピングのメリット・役割

テーピングによるメリットといえば、スポーツパフォーマンスの維持と精神的な安定です。あらかじめテープを巻いておけば、リスクが懸念される箇所を固定・保護できます。可動域が制限され、物理的にケガをしにくくなると同時に、不安感も薄れるでしょう。

パフォーマンスを維持できる

ガチガチに固めてしまうと動きにくくなりますが、正しい巻き方はパフォーマンスの維持に役立ちます。適切な力加減の巻き方が、効果的なサポートにつながるポイントです。たとえば、マラソンでは足裏や土踏まず、ふくらはぎにテーピングを施すと、長時間の走行でも安定したパフォーマンスを発揮できます。

前向きにスポーツに励める

テーピングには、部位や関節の固定だけでなく、スポーツで懸念されるリスクから保護する役割があります。一度ケガをしてしまうと、悪化や再発の恐怖を抱きやすくなり、プレーの質に支障をきたすケースも少なくありません。テーピングして物理的に固定すると、動くうちに「また違和感が出るんじゃないか」といった心の負担を和らげられます。不安を和らげることで、競技に集中しやすくなるでしょう。

 

テーピング時に守りたい注意点

テーピングは正しく施されてこそ意味があります。強く巻きすぎたり、巻きっぱなしにしたりするとかえってトラブルを招きかねません。炎症や傷がある箇所への使用も避けるべきです。剥がし方を含め、テーピング時の注意点を理解しておきましょう。

無造作に巻くとトラブルにつながる

テーピングをする際は、適切な力加減と巻き方を守るのが大切です。圧迫しすぎると、巻く部分の負担が大きくなり、水ぶくれやかぶれといった皮膚トラブルにつながりやすくなります。手首や指といった繊細な部位へのテーピングでは、より慎重なアプローチが必要です。とくに初心者の方は、自己流で巻くのではなく、適切な指導を受けるのが好ましいでしょう。

巻いたまま長期間放置しない

テーピングには適切な使用時間があります。皮膚に直接テーピングした場合、皮膚への影響もしくはズレが懸念されるため、適切な頻度で巻きなおしてください。かぶれやすい方は、テープの下にワセリンを塗ったカット綿を仕込むとよいでしょう。マラソンなどの長時間を要する競技では、競技時間に合わせてテーピングの時間を調整してみてください。

体毛の流れに沿ってゆっくり剥がす

テープを剥がす際は、体毛の流れに沿って、テープを寝かせながら、やさしく剥がすのがコツです。体毛の流れに逆らったり、テープを上に引っ張ると、皮膚に刺激を与えるおそれがあります。テープに近い位置の皮膚を押さえてゆっくりと剥がしましょう。剥がしにくい場合は、粘着面に水や除去スプレーをかけるとスムーズになります。

 
日常使いにはサポーターもおすすめ!賢く使い分けて快適な日々へ

日常生活に取り入れるなら、サポーターを活用するのも効果的です。サポーターもテーピングと同じく、関節や筋肉の固定・保護・サポートに役立ちます。膝用や手首用、親指用、ふくらはぎ用など多くの種類があり、用途に応じて選択できます。
サポーターなら巻かずに装着するだけで使用できるため、テーピングの技術と手間も不要です。テーピングとサポーターを上手に使い分けられると、より快適な毎日がおくれるでしょう。サポーターの活用シーンは、以下を参考にしてみてください。

  • 【サポーターのおすすめシーン】
  • ・膝や足首に不安を覚える方の立ち上がりや歩行時に
  • ・関節への負担を減らしたい階段昇降時に
  • ・腰に負担がかかりやすい家事や子育て、重い荷物の取り扱い時に
  • ・手首に負担がかかりやすい長時間のデスクワークに

  • 白井未奈子

    セラピストライター白井未奈子

    サービス業を10年経験するなかで、リラクゼーション業務に出会い「人を癒す」ことに目覚める。
    フリーランスに転向して以降は、ボディートリートメントとフェイシャルエステの知識を活かし、美容・健康系の記事執筆を中心に担当。今は手ではなく、文章で読者にくつろぎとすこやかさを届けることを目指している。