美容×健康ライター中村里歩
元美容師で「超」がつく美容・健康マニア。試した美容法・健康法は数知れず…。経験を活かし、美意識の高い女性や、健康に悩む男性に寄り添う記事を執筆するべく活動中。
モットーは「明るく前向きに」「日進月歩」。AIに負けない、読者への愛がたくさん詰まった記事を執筆するため日々勉強中。
インナードライを見分けるには、洗顔後の肌状態をチェックしてみてください。つっぱり感がなく、やや脂っぽさが残る場合は脂性肌かもしれません。一方、乾燥による皮むけと同時に毛穴詰まりやニキビが見られるときは、乾燥肌ではなくインナードライの可能性があります。普段から注意深く肌を観察していると、答えが見えてくるはずです。適切なスキンケアを選び、健やかな肌を目指しましょう。
インナードライとは、肌の表面は皮脂でベタついているのに、内側(角層)は水分不足で乾燥している状態です。テカリやベタつきから、脂性肌と勘違いしてしまう方は少なくありませんが、実際は「隠れ乾燥肌」。水分不足から肌を守ろうと、皮脂が過剰に分泌されているのです。
インナードライは、「皮脂による悩み」と「乾燥による悩み」が混在しているのが特徴です。以下のセルフチェックリストを活用して、隠れ乾燥肌かどうかを確認してみましょう。
チェックが6個以上の方は、インナードライの可能性が高いでしょう。3~5個の方は、インナードライ予備軍の可能性があります。季節の変わり目や生活習慣の乱れでインナードライが進行する可能性があるため、早めに対策しましょう。2個以下の方は、別の肌タイプかもしれません。
「混合肌」と「インナードライ」は、しばしば同じ意味で使われますが、厳密には違いがあります。混合肌とは、部位によって異なる肌質が混在している状態です。一方、インナードライは、肌表面は皮脂で潤っているように見えても、角層内部の水分が不足している状態を指します。つまり、混合肌の部分的なベタつきやカサつきは、インナードライが原因と考えられるのです。
脂性肌とインナードライの見分け方でわかりやすいのは、洗顔後の肌状態チェックです。インナードライの場合、洗顔で表面の皮脂が洗い流されると、つっぱり感やカサつきを感じやすくなります。一方、脂性肌はもともと水分も皮脂も多いため、洗顔後につっぱりを感じにくく、すぐに顔全体がうっすらと脂っぽくなるのが特徴です。
日中の肌触りにも注目してみてください。インナードライはTゾーンのベタつきのほか、頬や口周りにカサつきやゴワつきがあり、肌が硬く感じられます。脂性肌は顔全体がベタつき、部分的なカサつきやゴワつきはあまり見られません。
さらに、時間の経過による変化も注目しましょう。インナードライの肌は夕方になるとくすみやすく、皮脂崩れに加えて皮むけも起こるケースがあります。脂性肌は時間が経ってもくすみが出にくく、皮脂によるテカリが一日中続くのが特徴です。
乾燥肌とインナードライは、肌を直接触ってみると簡単に見分けられます。インナードライは、カサつきやゴワつきを感じる部分がある一方で、Tゾーンなどを触ると指に皮脂がつきます。乾燥肌はどこを触っても皮脂がつかず、サラサラ・カサカサとしているのが特徴です。
両者に見られる「皮むけ」の原因も、見分けるヒントになります。乾燥肌は水分と油分の両方が不足して起こりますが、インナードライでは水分不足による乾燥で肌が硬くなり、ターンオーバーが乱れて皮むけが起きます。過剰な皮脂が影響し、毛穴詰まりやニキビを併発しやすいのです。
健やかな肌は、水分と皮脂がバランスよく保たれた「皮脂膜」に守られています。しかし、バランスが崩れると肌内部の水分が不足し、乾燥状態に。すると肌は自らを守ろうとして皮脂を過剰に分泌し、インナードライを引き起こすのです。
バランスを崩す引き金となる原因は、大きく3つあります。ご自身の生活習慣と照らし合わせながら、原因を探ってみましょう。
ベタつきを気にして、化粧水だけで済ませたり、乳液やクリームを省いたりしていませんか?化粧水で与えた水分は、油分を含む乳液やクリームでフタをしないとすぐに蒸発してしまいます。結果として乾燥が進み、皮脂の過剰分泌を招く悪循環に陥りかねません。
また、皮脂をしっかり落とそうとして、ゴシゴシと強くこすったり、洗浄力の高い製品で頻繁に洗顔したりするのも避けましょう。肌に必要な潤いまで奪ってしまい、バリア機能の低下と乾燥を加速させます。
紫外線は、肌のバリア機能を低下させ、水分を保持する力を奪う外的要因です。紫外線を浴びると肌内部で炎症が起こり、潤いを生み出す力が弱まります。日焼け止めを塗る習慣がなかったり、塗り直しをしなかったりすると、気づかないうちに乾燥が進み、インナードライを招いてしまう可能性があります。
肌は「内側を映す鏡」といわれるほど、生活習慣と密接につながっています。たとえば、睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌量が減少し、バリア機能が低下。水分が逃げやすい状態になり、インナードライを引き起こします。
また、食生活の乱れや精神的なストレスも、ホルモンバランスや自律神経を乱し、肌のターンオーバーに悪影響を与える原因です。
インナードライは、肌内部の水分不足が原因で起こるため、水分をたっぷり与えたうえで、油分でしっかりフタをするスキンケアが欠かせません。基本的なスキンケアに加えて、基礎化粧品の成分や日中の保湿ケアにも気を配ってみましょう。
クレンジングは洗浄力の高いタイプを避け、保湿成分が豊富なクリームタイプやミルクタイプを選びましょう。クレンジング剤をクッションにして、やさしくメイクとなじませてください。
洗顔料はたっぷりと泡立て、泡で肌をなでるように洗いましょう。皮脂の多いTゾーンから洗い始め、乾燥しやすい頬や目元は、泡を軽く乗せる程度で十分です。洗顔時間は30秒以内を目安に、ぬるま湯で丁寧にすすぎます。熱いお湯は乾燥を助長するため、ぬるいと感じる温度で洗顔してください。
洗顔後の肌は水分が蒸発しやすい状態のため、すぐに保湿ケアへ移りましょう。
まずは化粧水で、角層のすみずみまで水分を届けましょう。手のひらに500円玉大を取り、顔全体を包み込むようにやさしくハンドプレスします。一度で済ませず、2~3回に分けて重ねづけするのがおすすめです。
肌が、自ら水分を抱え込む力(水分保持能)を高めるケアを取り入れましょう。「セラミド」や「ヒアルロン酸」といった高保湿成分が配合された美容液を、化粧水の後にプラスしましょう。
最後に、乳液やクリームの油分で水分の蒸発を防ぎます。テカリが気になるTゾーンは薄めに、乾燥するUゾーンは重ねづけするなど、部位によって量を調整しましょう。
水分を抱え込んで逃がさない力、「水分保持能」を高める成分を配合した基礎化粧品を選ぶのも一つの方法です。水分保持能は、角層の細胞間を埋める「セラミド」によって支えられているため、セラミド配合のアイテムを選ぶとよいでしょう。
また、ビタミンE誘導体の一種「トコフェロール酢酸エステル」もおすすめ。肌のターンオーバーを正常化し、間接的に水分保持能の向上に役立ちます。
朝晩のケアだけでなく、日中の乾燥対策もインナードライ改善には不可欠です。メイクの上からでも使えるミスト状化粧水を常備し、つっぱりやカサつきを感じる前にこまめに潤いを補給しましょう。スプレー後は清潔な手のひらで軽く押さえてなじませると、より効果的です。
インナードライの肌に潤いを与えるには、スキンケアと並行して、内側から肌を整える食生活が欠かせません。肌を作る主成分である「タンパク質」は、肉や魚、卵、大豆製品からバランスよく摂りましょう。また、肌のターンオーバーを正常に保つ「ビタミン類」は、緑黄色野菜や果物から摂取するよう意識してみてください。
バリア機能を支える「良質な油」も大切です。青魚やアマニ油などに含まれる「オメガ3脂肪酸」は、肌の潤いを保つセラミドの生成に関わるため、日々の食事に積極的に取り入れましょう。
食事だけで十分に補えないときは、サプリメントを活用するのも手です。自分の食生活に合わせて、無理なくインナーケアを続けましょう。
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