医療ライター・薬剤師藤野紗衣
ドラッグストアや精神病院、一般病院に薬剤師として勤務。2022年よりフリーライターとして活動。専門知識を一般の方に分かりやすく伝える、薬剤師をはじめ働く人を支えることを念頭に、医療関連のコラムや解説記事、取材記事の制作に携わっている。
介護支援専門員、福祉住環境コーディネーター1級。マクロビオティック料理とウォーキングを欠かさない生活を心がけている。
食生活の乱れを改善するには、まず現在の食習慣を見直しましょう。食生活を改善するのは、ダイエットやお肌のためにもなります。基本は主食・主菜・副菜の3つですが、積極的に発酵食品を摂るようにしましょう。食べたい食材は、「まごわやさしいよ」を使うと覚えやすくなります。また、食事の時間や食べ方への配慮も大切です。健康の基本は食生活の改善ですが、食生活の乱れに関連するお腹の不調への対処法には市販薬の使用もあります。
食生活を改善する第一歩は、現在の食習慣を見直す作業です。避けるべき習慣を知り、ご自身の現状を把握しましょう。
乱れた食生活は胃腸に負担をかけ、健康上のリスクを高める一因になります。ストレスがたまると暴飲暴食に走るなど、食事で発散しようとする方もいるかもしれません。しかし、胃腸への負担を考えると、ストレスは食事以外の方法で解消する意識が大切です。
食事は体を動かすエネルギー源であり、代謝の促進や、免疫機能のサポートといった重要な役割を担います。栄養が不足すれば、体の不調を引き起こす場合もあるため注意が必要です。
たとえば、カロリーや塩分の摂りすぎが肥満や高血圧に繋がるように、乱れた食生活の習慣化は、生活習慣病のリスクを高めます。反対に、バランスの取れた食事は、体を健康に保つために必要な栄養を過不足なく供給するため、将来の生活習慣病予防に繋がるでしょう。具体的にどんなリスクがあるか知っておくと、食事に対する意識が高まります。
食生活の乱れを改善すると、ダイエットや肌質の変化に繋がります。約2週間で腸内環境は変化しますが、よい状態を維持するには、食事のコントロールの継続が不可欠です。
バランスの取れた食事は、健康的なダイエットの基本。血糖値の安定や代謝をサポートします。食べ応えがあり満腹感の高い食事であれば、間食も自然と減少するでしょう。食事制限だけでダイエットすると、たんぱく質不足で筋肉量が落ちるといった不健康な減量になる場合も。運動が苦手な人は、まずは食生活を整える習慣から始めてみましょう。
「肌は腸の鏡」と言われるほど、腸内環境と肌の状態は密接しています。栄養バランスが整うと腸での栄養吸収がスムーズになり、血液を通して肌に必要な栄養が届きやすくなるのです。栄養が行き渡ると栄養を基に新しい肌細胞が作られるため、肌のターンオーバーが正常化するだけでなく、乾燥やニキビといった肌トラブルの予防もサポートします。
食事の工夫を始めると、腸内環境は2週間程度で変化すると言われます。しかし、一度よくなったからといって再び元の食生活に戻してしまうと、よい状態から悪い状態へはすぐに傾いてしまうでしょう。腸内環境を保つには、継続的な食事のコントロールが欠かせません。
とくに昼食から夕食までは時間が長いため、午後のエネルギー補給として昼食ではバランスのよい献立選びが重要です。ただし食べ過ぎは、夕食の時間になっても消化しきれず胃に負担をかける原因になるかも。たんぱく質を主菜に選びつつ、腹八分目を意識して調整しましょう。
主食・主菜・副菜の3つを揃えると栄養バランスは整いやすくなります。積極的に野菜や発酵食品を摂りましょう。また、食事はなるべく決まった時間に、ゆっくりよく噛んで食べてください。
バランスのよい食事とは、適切なエネルギー量で、必要な栄養が過不足なく含まれた食事です。基本は「主食・主菜・副菜」の3つを揃える献立を心がけましょう。たとえば、主食は食物繊維を含む玄米、主菜は良質なたんぱく質が摂れる魚や豆腐、副菜にはビタミンやミネラルを補う野菜や海藻の小鉢を組み合わせるのがおすすめです。
3つを意識して取り入れるだけで、自然と栄養バランスが整いやすくなります。
ビタミンや食物繊維を含む野菜が不足する食生活は、腸内環境が乱れる一因です。緑黄色野菜などを使ったサラダやスープを一緒に食べてビタミンや食物繊維を補いましょう。また、善玉菌を直接摂れる納豆や味噌といった発酵食品も、腸内環境を整えるサポートになります。
食事はできるだけ決まった時間に摂り、夕食は就寝2~3時間前が理想です。体のリズムが整い、消化器官に負担がかかりにくくなります。また満腹は避け、よく噛んでゆっくり食べましょう。よく噛むと満足感が得やすくなり、胃腸への負担も軽くなります。体が消化に集中でき、胃腸への負担を和らげるよう食後に休憩するのも大切です。
参照:食生活指針について/厚生労働省一日の活動エネルギーの源となるため、朝食ではお米やパンといった炭水化物が必須です。昼食はバランスのよい献立選びが重要なので、たんぱく質を主菜に選び、夕食の予定に合わせて軽めの食事で調整しましょう。
夕食では、朝食や昼食で不足しがちな栄養を補うのがポイントです。
朝食で摂る炭水化物は、体温を上げて体を目覚めさせ、脳の重要なエネルギー源として集中力を高めるために、炭水化物は欠かせません。卵や魚などのたんぱく質と組み合わせると、消化吸収が緩やかになり血糖値上昇を抑え、腹持ちがよくなります。腹持ちがよくなると脳へのエネルギーが安定的に供給され、集中力が続きやすくなるでしょう。
昼食で気を付けたいのが、食後の眠気や集中力の低下です。白米やパンといった精製された炭水化物は、血糖値の急上昇と急降下を招き、眠気の原因になります。
主食を白米より食物繊維の多い玄米に変えたり、野菜やきのこがたっぷり入った温かい具だくさんスープを加えたりするのがおすすめです。ゆっくりと消化吸収されるため、午後のエネルギーが持続しやすくなります。
夕食は、朝食や昼食で不足しがちな栄養を補う意識を持ちましょう。帰宅が遅くなる日は、夜のドカ食い防止や疲労感の軽減のために、夕方におにぎりなどの補食を摂るのがおすすめです。メニューは睡眠時に胃腸へ負担をかけないため、大根・白菜・キャベツといった消化のよい野菜中心の献立を。鍋物や具だくさんのスープがよいでしょう。どうしても遅くなった場合は、お茶漬けや湯豆腐といった胃腸にやさしい食事を心掛けてください。
健康の基本は、あくまで日々の食生活の改善です。しかし、気にかけていたとしても、食事が乱れてしまったり、お腹の不調を感じる場合もあるでしょう。そんな時は、市販薬で対処するのも選択肢の一つです。善玉菌であるビフィズス菌・納豆菌・乳酸菌を配合したアイテムもあります。ご自身の症状に合った製品は、薬局やドラッグストアで相談して選びましょう。
バランスのよい食事に役立つ合言葉が「まごわやさしいよ」。
豆類や魚の良質なたんぱく質、野菜やきのこの食物繊維、海藻やヨーグルトといった、腸が喜ぶ食材の頭文字です。「ま」は納豆などの豆類、「ご」はごま、「わ」はわかめなどの海藻類、「や」は緑黄色野菜や根菜といった野菜を指します。「さ」はアジやサバなどの魚、「し」はしいたけなどのきのこ類、「い」はじゃがいもなどのいも類、そして「よ」はヨーグルトなどの発酵食品です。
わかめなどの海藻は、腸内細菌を活性化させ、青魚に含まれる良質な油は腸内細菌の多様性を高めると言われています。
毎日の献立に、少しずつ取り入れてみましょう。
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