100 2024円

お風呂は最高の疲労回復装置!入浴の意義を知り、毎日効果的に入浴して健康を維持しよう

温熱・冷却HEAT&COOL
MORE
2023/04/12

入浴は、医学的に認められた最高の健康法のひとつです。
疲労を回復させ、自律神経をコントロールし、精神を安定させ、睡眠の質を高めるといったさまざまな効果が、お風呂に入るだけで期待できるのです。
疲労回復に効果的な入浴法をはじめ入浴の意義について解説し、毎日の入浴が楽しくなる入浴剤などの工夫についても紹介します。
きっと、毎日の入浴があなたの健康に役立ち、明るい気持ちで毎日を過ごす手助けとなるはずです。

 

最高の健康法の一つである入浴の意義とは

入浴は、温かい湯に浸かり体を清め温める、幸福度の高い健康法と考えられます。
入浴に期待できる健康的な効果は、疲労回復効果やリラックス効果など、数多く挙げられます。
各地に温泉のある日本では、昔から入浴の習慣に馴染みがあったと言われています。さらに現在ではほとんどの家にお風呂があり、入浴しやすい恵まれた環境となりました。
まずは、代表的な入浴の効果と、入浴の優れた点について解説します。

高い疲労回復効果

入浴により、血液の循環がよくなり、高い疲労回復効果が期待できます。
血液の循環がよくなると疲労回復の効果があるのは、疲労物質の除去が進み、必要な栄養分が体の隅々にまで行き渡るからです。
入浴の温熱作用により体温が上昇し、水圧によって全身が軽く締めつけられた状態になると、血液の流れはよくなります。こうして疲労回復につながるのです。
また、水の浮力により重力から解放されて体重が10分の1ほどに感じられるため、関節や筋肉の緊張は緩み、体から余分な力が抜けるでしょう。
さらに、38℃程度のぬるま湯での入浴では副交感神経が刺激され、リラックス作用があるとされています。
リラックスも相まって体の余分な力が抜けると、さっぱりして疲労感解消に効果があると言えるでしょう。

自律神経をコントロールしやすい

自律神経とは、全身の器官の働きをコントロールしている神経で、機能を促進する際は交感神経が働き、機能を抑制する際は副交感神経が働きます。
分かりやすくいうと、活動的なオンモードが交感神経優位な状態であり、リラックスしているオフモードが副交感神経優位な状態と言えるでしょう。
38℃程度のぬるま湯に入ると、副交感神経が刺激され、オフモードになりやすいとされています。一方、42℃程度の熱めの湯に入ると、交感神経の活動が促され、オンモードになるとされているのです。
リラックスしたい際はぬるめの湯にゆったりと入り、テンションを上げて気分を引き締めたい際は熱めの湯に短時間入る、手軽な入浴法で自律神経をコントロールできるのは、入浴の優れた点と言えるでしょう。
忙しい生活を送っていると、交感神経ばかり刺激されて自律神経のバランスを崩しやすいと言われています。
新しいテクノロジーへの適応に追われる忙しい現代人には、ぬるま湯に浸かってリラックスする機会が有効かもしれません。

精神安定や幸福感が得られやすい

特に気をつけて体を洗わなくても、入浴により自然に身体の汚れは落ちるため、体臭を抑えられる安心感が得られ、すっきりして精神的余裕が生まれるでしょう。
高い温度の入浴でなければ、入浴により副交感神経優位な状態が導かれてリラックスし、精神的に落ち着きやすくなります。
また、毎日ゆっくりお風呂に浸かる時間を持てる、余裕のある生活は、幸福感につながるでしょう。さらに、入浴中の時間は、一日の振り返りや瞑想に適しています。
ゆっくりと深い呼吸を行い、マインドフルネスと呼ばれる、今この瞬間の有るがままを受けいれる瞑想状態を実現できれば、より有意義な精神安定効果が期待できるのです。

睡眠の質を高める効果

入浴は、睡眠の質を高めるのにも役立ちます。研究により、いったん体温を上げて下がるタイミングで就寝すると、深くて質の良い睡眠が得られると分かっているからです。
毎日、就寝の1時間半前くらいに入浴するのがおすすめです。就寝前の入浴では、熱い湯に入ると交感神経が活性化して就寝時にリラックスしにくくなるので、高くても40℃程度の湯に入る点を注意しましょう。
決まった時間に入浴し、決まった時間に就寝する習慣をつけると、夜更かしや無用な深酒の予防にもつながり、非常に健康的です。

 

健康に役立つ入浴法の紹介

さまざまな効果が期待できる入浴ですが、ここからはより入浴の効果を高める入浴法、血圧の急激な変化などのリスクを抑える入浴法といった、健康に役立つ入浴法を紹介していきます。

最適な湯の温度と入浴時間について

40℃の湯に10分入るのが、最も効果的な入浴法とされているそうです。もっとも、湯の温度によって最適な入浴時間が変わるのは間違いないでしょう。
具体的には、38℃であれば20分ほど、42℃であれば5分ほどの入浴が適しているだろうと言われています。個人の好みの温度もありますし、のんびりしたいのかシャキッとしたいのか気分によっても入りたい温度は変わりますが、無理せず入浴するのを心がけましょう。

全身浴・半身浴・足湯(部分浴)を使い分ける

全身浴は温熱作用、水圧作用、浮力作用が高く、入浴による効率的な健康増進の観点からは基本的に一番おすすめの入浴方法と言えるでしょう。
半身浴は、全身浴では水圧が大きすぎて息苦しさを感じる方におすすめです。体への負担が全身浴より少ない点はメリットとなります。
足湯(部分浴)は、服を着たままで手軽に温熱作用による血流促進効果を得られる点がメリットです。

入浴のリスク・注意点を知っておこう

入浴のリスクとして、温度差による血圧の急激な変化によって引き起こされる健康被害と熱中症・脱水症を引き起こす可能性があるため、それらに注意する必要があるでしょう。
温度差への対策としては、「かけ湯を行う」「浴室暖房をつけて冬でも部屋との温度差を小さくする」といった方法があります。熱中症・脱水症に対しては、長時間入りすぎず、水分補給を常に心がける対策を心がけましょう。
高齢者の方や高血圧などの生活習慣病がある方は、入浴事故を防ぐ観点から、全身浴より負担の少ない部分浴や半身浴を取り入れる工夫がおすすめです。

疲労回復効果を高める交互浴

より効果的に血行をよくし、疲労回復効果があるとされているのが交互浴です。交互浴とは、「温かい湯に3分ほど入ったあと、冷たい水に1分ほど入る」動作を3回繰り返す入浴法が基本とされています。
温かい湯に入ると血管が広がり、冷たい水に入ると血管が収縮するため、強制的にポンプのような働きをさせて、血液の流れがよくなるのです。
冷たい水に入る方法は冷水シャワーを浴びる方法でも代用可能で、20℃より低い水温は避けた方が健康によいとされています。普段より疲労を感じているときは、是非交互浴を試してみましょう。

入浴しながらの運動やマッサージは効果的

浮力によって腰や関節の負担が減っている中で、水の抵抗を利用した運動や筋肉トレーニングは、疲労回復にも効果的な運動方法です。
浴槽は滑りやすいので安全に気をつけながら、手足を動かしたり、足を上げて腹筋を動かしたり、鍛えたりしてみましょう。また、体が温まる入浴中は血流とリンパの流れがよくなり、マッサージがより効果的になるとされています。
気になる部分を手で揉んだりほぐしたりしてみると、効果を実感しやすいでしょう。自分で揉むのが大変な方は、凝りを感じる部分や疲れを感じる部分にシャワーをあてると、楽にマッサージ効果が得られるのでおすすめです。

朝風呂の利用

低血圧で朝が苦手な方は、朝風呂に入ってみてはいかがでしょうか。
交感神経を刺激する、42℃程度の熱めの湯に入ると、目が覚めて体にスイッチが入りやすくなります。
寝ている間に硬くなった筋肉や関節の動きをよくする効果が期待できるのです。朝起きていつも体が重たいと感じているならは、朝風呂の時間を作ってみるのもおすすめです。

 

家風呂を楽しくする入浴剤のすすめ

入浴効果を高める入浴法の中でも、おすすめなのが入浴剤の活用です。家のお風呂をバリエーション豊富で楽しくしてくれます。
入浴剤は香りや色を楽しめるだけでなく、水道水をためた一番風呂の欠点を補う効果があります。日本の水道水は、塩素が含まれており、ミネラル分はほぼ入っていない軟水が大部分です。
塩素による皮膚への刺激と、体液との浸透圧の差による皮膚への刺激が、一番風呂の場合とくに大きくなってしまうのです。
ほとんどの入浴剤には塩素を中和してくれる成分「アスコルビン酸」が含まれており、成分が水に溶け込んで体液との浸透圧の差が少なくなるのです。入浴剤の使用により、皮膚への刺激が少なく、お湯の肌ざわりがマイルドになるでしょう。

入浴剤の種類と効果について

今ではたくさんの種類の入浴剤が売られており、何を基準に選べばよいか悩む方も多いでしょう。
入浴剤の大まかな種類と得られる心地よさについて簡単に解説しますので、好みの効果を選びつつ、自分に合う入浴剤を見つけてみてください。
一般的な入浴剤は「医薬部外品」と、スキンケア系の入浴剤の「浴用化粧品」となる場合がほとんどです。
薬機法などの国の規制により、含まれる成分に応じて「医薬部外品」や「浴用化粧品」に分類されますが、成分がはっきりしていてどちらかに分類されていれば、普通に使用できる入浴剤と言えるでしょう。

無機塩類系

無機塩類を主成分とした、昔ながらの入浴剤で、手ごろな価格で入手可能です。温熱効果や清浄効果を高めるとされています。

炭酸ガス系

湯に入れると炭酸ガスが発生して泡が出る入浴剤です。湯に溶け込んだ炭酸ガスが皮膚から吸収されると血管を広げる働きをして、血流がよくなるとされています。

生薬系

漢方薬やハーブに代表される薬用植物を利用した入浴剤です。温熱作用や血流をよくする働きがあると言われています。

酵素系

パパインなどのたんぱく質分解酵素を配合した入浴剤です。皮膚の汚れや古い角質、皮膚清浄に注目している方におすすめです。

清涼系

無機塩類系や炭酸ガス系に清涼成分を加えた、夏用の入浴剤です。清涼成分によって冷たさを感じ、入浴後の肌をサッパリさせます。

スキンケア系

油分などの保湿成分が配合された入浴剤です。保湿成分によって入浴後の肌がしっとりします。

植物を入れると手軽に薬湯に

薬用植物を入れた薬湯(くすりゆ)を自作するのもおすすめです。科学的な効果は完全に証明されている訳ではありませんが、植物からいろいろな物質や成分が水道水に溶け込み、肌ざわりのよい湯が期待できます。
特に、自宅でガーデニングを嗜んでいる方は、手軽に薬湯を楽しめるでしょう。ローズマリー、ミント、ラベンダーといったハーブ類を、きれいに洗ってネットに入れて湯船に浮かべるだけで完成です。
バラやチューリップの花びらを洗ってネットに入れて使うのもよいでしょう。植物を育てていなくても、生姜湯・みかん湯・柚子湯など、余った食用植物や残った皮をネットに入れて自作する薬湯は、簡単に再現できるので試してみてください。

 
毎日の楽しい入浴を習慣づけ
健康な人生を実現しよう

長い人生、なるべく健康でいたい…。
健康は一日にしてならず、健康に役立つ毎日の習慣こそが大切な気がします。 入浴は手軽に実現可能な健康法の一つですし、入浴剤の活用の他に、照明やBGMを工夫して楽しめばリラックス感を楽しむ豊かな時間となり、毎日の家のお風呂の時間がより充実するはずです。
今まで忙しくてシャワーで済ませていた方も、少しだけ時間をとって、毎日湯舟を張ってほんの数分でも入ってみるのはどうでしょうか。毎日の入浴習慣だけで、少しずつ人生が変わるかもしれません。

  • 江上奏

    教養系ライター江上奏

    司法書士として手続代理業を続ける中、難解で細かい書類を依頼者に分かりやすく説明する努力を重ねた経験を活かしつつ、解説記事や健康コラムを執筆。
    世の中の便利な知識や世の中の仕組みについて、ひとつでもイメージしやすい形で読者に届け、知識を役立ててほしい思いでライター業を続けている。