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使用済み紙おむつは資源になる!?リサイクルの実態と捨て方やマナー・ニオイ対策について解説!

2023/05/10

近年、「紙おむつ」は子どもだけでなくお年寄りの需要も増えています。毎日山のようにおむつのゴミが出されており、地球の環境問題が課題となっているのです。
東京都八王子市など一部の自治体では、使用済みおむつのリサイクル活動がスタートしており、成果を挙げています。
今回は、リサイクル活動の実態をご紹介します。ガイドラインを参考にした紙おむつの基本的な捨て方や、マナー・ニオイ対策についても触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

紙おむつの基本的な捨て方

一般社団法人 日本衛生材料工業連合会が定めている「紙おむつの表示ガイドライン」を参考に、紙おむつの捨て方についてご紹介します。

汚れた面を内側にして、丸めてから捨てる

汚れた面を内側にして丸めると、ニオイや雑菌が空気中に広がるのを防いでくれます。一方で、適当に捨てると、雑菌が空気中に広がって悪臭を放ち、感染対策の観点からもよくありません。
汚れた面を内側にして、手前からクルクルと丸めてから、テープでしっかりと留めてから捨てましょう。

小さくまとめて捨てる

紙おむつは、毎日何枚も使うのでゴミがかさばります。おむつ交換の回数がとくに多い新生児の場合では、一日に約10~13枚もたまるのです。さらに、使用済みの紙おむつは、水分を含んでいるため、大きさも重さも増えます。
ゴミの量が増えるとゴミ捨ては大変になり、有料ゴミ袋を消耗するとコストもかかって大変です。毎度のおむつ交換で小さくまとめれば、ゴミの量を圧縮してゴミ袋の節約になります。
小さく丸めるには、汚れた面を内側にして、手前からきつめにクルクルと巻いて、おむつのテープ部分でピッチリと留めるのがコツです。

うんちはトイレに流してから捨てる

新生児のうちはうんちが液体状なので、おむつに吸収されます。成長にともないある程度うんちが固まってきたら、うんちはトイレに流しましょう。ゴミとニオイを軽減できます。

紙おむつはトイレに流さない

紙おむつは、水で溶けないのでトイレに流してはいけません。トイレが詰まる原因になるので、必ずゴミ箱に捨てましょう。

 

おむつの匂い対策

あっという間に山になるおむつのゴミは、放置しておくと、どんどん雑菌が繁殖してニオイは強くなっていきます。毎日を快適に暮らすには、ニオイ対策が必須です。さっそく、ニオイ対策について見ていきましょう。

紙おむつ処理用のゴミ箱を使う

紙おむつ処理用のゴミ箱は、ニオイをゴミ箱の外に漏らさない工夫が施されています。タイプは数種類あり、「専用カートリッジを使用するタイプ」や「市販のゴミ袋を使用するタイプ」があります。
消臭効果が高いのは「カートリッジタイプ」です。ランニングコストを安く抑えたい場合は「市販のゴミ袋を使用するタイプ」がよいでしょう。

ビニール袋や新聞紙に包んでから捨てる

使用済みの紙おむつは、ビニール袋に入れたり、新聞紙に包んだりしてから捨てましょう。ニオイが広がるのを軽減できます。

ゴミ箱に脱臭剤を付けておく

ニオイが部屋中に広がらないように、ゴミ箱は蓋付きが効果的です。さらに、蓋に脱臭剤を付ければニオイを軽減できます。最近は、ゴミ箱用の脱臭剤もあるので使ってみるとよいでしょう。

コーヒーかすを振りかける

コーヒーかすには、脱臭効果があります。コーヒーを飲むご家庭におすすめの方法です。ただし、脱臭効果の恩恵を受けるためにはインスタントコーヒーではなく、コーヒー豆を挽いたタイプを使用しましょう。
また、コーヒーかすが湿っていると、、カビの原因になるので、しっかりと乾燥させてから使用します。
脱臭の方法は、紙おむつを捨てたゴミ箱の中に乾燥したコーヒーかすを振りかけるだけ。特別な費用がかからず、本来ゴミになるはずのコーヒーかすを再利用でき、消臭もできるので一石三鳥なのです。

おむつを捨てるゴミ箱の置き場所を工夫する

おむつのゴミ箱から漏れるニオイは、気になるものです。トイレやベランダといった場所に設置して、ニオイを遠ざけましょう。

 

おむつを捨てる時のルールとマナー

使用済みおむつは、本来トイレに流すはずの排泄物が付着しているので、気軽に捨てられるゴミではありません。使用済みのおむつを捨てる際のマナーについて押さえておきましょう。

外出時は、使用済みおむつは持ち帰る

大半のデパートや施設内の授乳室やベビールームには、使用済みおむつのゴミ箱が設置されています。
一方で、使用済みおむつのゴミ箱が設置されていない場所では、ビニール袋に入れるなどして持ち帰るのがマナーです。ニオイ漏れが心配な場合は、防臭機能のついたビニール袋やポーチを持参するとよいでしょう。
また、知人や友人のお家でもおむつを捨てるのはマナー違反です。ビニール袋に包んで持ち帰るようにしましょう。

自治体のゴミ捨てルールに従って捨てる

多くの自治体において使用済みの紙おむつは、燃えるゴミや生ゴミといった「一般ゴミ」に分類されています。
しかし2023年現在、東京都八王子市など一部の自治体では「おむつ専用袋」が交付されており、分別するルールとなっているのです。
このように、おむつの捨て方は自治体により違うので、お住いの自治体のホームページなどで確認しましょう。

 

紙おむつ、リサイクルできるって本当!?

近年、子どもだけでなく大人用のおむつの需要が増えるなか、そのゴミ処理が問題となっています。現在、取り組まれている紙おむつの有効的なリサイクルについてご紹介します。

使用済み紙おむつは、処理コストが高く、地球環境への負担も大きい

現状日本では、使用済み紙おむつのほとんどがゴミとして焼却施設で燃やされています。ゴミを燃やすと発生するのが、地球温暖化の原因となる二酸化炭素です。
尿を吸収した紙おむつは使用前に比べて燃えにくいため、多くの燃料を要し、たくさんの二酸化炭素を発生させます。
さらに、使用済みおむつは使用前に比べて約4倍の重さになるのです。そのため、一般的な廃棄物よりも運搬や処理の手間が大きく、お金もかかります。
紙おむつの原料は、森林資材です。子どもだけでなく大人用の紙おむつの需要が増えるなか、多くの森林が伐採(ばっさい)されています。
こういった背景から、地球環境に配慮した「使用済みおむつのリサイクル」の必要性が高まっているのです。

使用済みおむつは資源になる!

現在、一部の自治体では使用済み紙おむつの分別回収が実施されています。分別された使用済み紙おむつは、資源に生まれ変わりリサイクルされているのです。その結果、一般ごみを20%削減できたとの報告もあります。
では、分別回収された使用済みおむつは、一体何に生まれ変わるのでしょうか。

再び紙おむつへと生まれ変わる「循環型リサイクル」

回収された使用済みの紙おむつは、キレイに洗浄されて、新しい紙おむつに生まれ変わります。リサイクルされるまでの工程は以下のとおりです。

リサイクルの工程

まずは、使用済みの紙おむつを細かく砕いて洗浄し、素材別に分類します。パルプ素材にはオゾン処理を、吸収材には酸を使った処理を施して、再生するのです。キレイで安全な状態に生まれ変わった素材を使って、新しい紙おむつがつくられます。
今後、使用済み紙おむつのリサイクル活動が多くの自治体や企業に広がれば、地球への負担が減り、持続可能な未来へとつながっていくでしょう。

 
地球の未来のために、マナーを守って「紙おむつ育児」をしよう

便利な紙おむつは、子どもだけでなく、お年寄りからも需要が増えています。
使用済みおむつのゴミは毎日山のように出ており、処理するために莫大な手間とコストがかかっているのです。また、便利さと引き換えに地球環境にダメージを与えています。
一部の自治体では、分別回収によるリサイクルが実施されており、使用済みおむつが資源へと生まれ変わっています。持続可能な社会を実現するには、今後さらに使用済みおむつのリサイクル活動を拡大していく必要があるでしょう。
また、紙おむつでの育児をしていくには、基本的な捨て方やマナー・ニオイ対策についての知識が必要です。ぜひ、今回の内容を参考に、今後の育児にお役立てください。

  • 高村 恵美

    管理栄養士ライター高村恵美

    12年間管理栄養士として病院などに勤務。家族にいつでも"おかえり"が言えるようライターへ転身後は、忙しいひと・働くひとに寄り添うレシピの提供や、健康コラムを数多く執筆。
    自分も同じ立場だからこそ「仕事と家庭の両立に悩む女性を応援したい」気持ちが高まり、悩めるママに向けたコラム執筆も行っている。