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「紙おむつを洗濯してしまった…」吸水ポリマーまみれの衣類と洗濯機をピカピカにする対処手順とは?

おむつ・おしりふきDIAPER
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2025/05/28

紙おむつを洗濯してしまうと、ゼリー状となった吸水ポリマーや繊維が洗濯物にへばりついて、それはもう大変な惨事です。誤って乾燥機にかけてしまうと、洗濯機の故障原因になるため、適切な手順で対処する必要があります。
ドラム式とタテ型では方法が異なるため、次回以降も安全に使用していくために、失敗しない掃除法を確認しましょう。自力で排水口やホースの対処が難しい場合は、清掃業者に依頼するのも一案です。

 

紙おむつを洗濯してしまったら、どんな惨状になる?

紙おむつを洗濯すると、洗濯物から“パンパンに膨らんだ紙おむつ”が発見されます。
紙おむつがパンパンになる理由は、紙おむつ中にある粒状の吸水ポリマーが水を大量に吸い込み、ゼリー状に膨らむからです。洗濯機が回ると紙おむつが破れ、ゼリー状になった吸水ポリマーや紙おむつの繊維が洗濯物と洗濯槽にこびりつきます。
ティッシュペーパーを洗濯した時以上に大惨事となるのです。

 

紙おむつを洗濯してしまった際の洗濯物の対処手順

紙おむつを一緒に洗濯しても、落ち着いて正しい手順を踏めば、洗濯物は元通りキレイにできます。まずは、濡れているうちに吸水ポリマーを振り落とすのがポイント。乾いてからも、振り落としたり、粘着テープで対処可能です。
ただし、乾燥機の使用はご法度。吸水ポリマーが乾燥経路に詰まり、故障の原因になるため避けましょう。焦らずに対処するのが大切です。

手順1:洗濯物を取り出す

洗濯機から洗濯物をすべて取り出します。付着した吸水ポリマーが床に落ちてしまうため、かごなどに取り出すようにしましょう。

手順2:吸水ポリマーを振り落とす

庭・ベランダ・浴室といった汚れてもよい場所で、付着した吸水ポリマーを振り落としましょう。この段階では、だいたい落ちればOKです。無理に取ろうとすると、余計にポリマーが繊維中に入り込んでしまうため、注意しましょう。

手順3:洗濯槽内の拭き取り

洗濯機に残った吸水ポリマーや繊維を、キッチンペーパーやおしりふきでやさしく拭き取ります。ティッシュは繊維が残りやすいため、避けてください。

手順4:すすぎ・脱水

手順2を終えた洗濯物を、手順3を終えた洗濯槽内に戻し入れ、洗剤は入れずに「すすぎモード」で洗い、脱水します。柔軟剤を入れるのも一案です。柔軟剤には、静電気を抑える効果があるため、洗濯物に付着した吸水ポリマーが落ちやすくなるとされています。

手順5:洗濯物を干す

洗濯物を干します。可能であれば、外干しがおすすめです。
※吸水ポリマーが熱で溶けて付着しやすくなるため、乾燥機の使用は避けましょう。

手順6:乾いた洗濯物の吸水ポリマー除去

吸水ポリマーは、乾燥すると粉状になり落としやすくなるため、洗濯物が乾いてから再度除去します。洗濯物を振ったり叩いたり、粘着テープを使用したりして、乾燥した吸水ポリマーを落としましょう。

 

紙おむつを洗濯してしまった際の洗濯機や周辺の掃除方法

紙おむつを洗濯してしまったら、衣類だけでなく洗濯機や周辺をしっかりと掃除しましょう。吸水ポリマーの残留を防ぐために、「洗濯物の対処手順」を一通り終えたあと、下記の手順に沿って、洗濯槽や糸くずフィルター・排水ホース・排水口を丁寧に掃除しましょう。

手順1:再度、洗濯槽の拭き取り

「洗濯物の対処手順」で対処した洗濯物を取り出したら、もう一度洗濯槽を確認して、残った吸水ポリマーを拭き取りましょう。洗濯機のタイプにより、ポリマーが付着しやすい箇所は異なるため、下記をチェックして念入りに拭き取ります。

<ドラム式洗濯機の場合>


  • ・ドラム内
  • ・ドアの内側
  • ・ドアのパッキン部分


<タテ型洗濯機の場合>


  • ・洗濯槽
  • ・洗濯槽の底についている回転翼(パルセーター)
  • ・糸くずフィルターを外した装置部分

手順2:糸くずフィルターの清掃

糸くずフィルターを取り外し、吸水ポリマーやゴミを取り除きます。お使いのメーカー取扱説明書に従い、正しく清掃しましょう。洗濯機のタイプ別に掃除例を紹介します。

<ドラム式洗濯機の糸くずフィルター掃除例>


  • ①排水フィルターに吸水ポリマーやゴミが詰まっていないか確認する
  • ②フィルターを外す前に、必ず“脱水”運転をしてドラム内の水を抜く
  • ③排水フィルターを取り外した際に水がこぼれる可能性があるため、洗面器などの容器を用意しておく
  • ④詰まりがあれば、丁寧に取り除く
  • ⑤乾燥運転をしてしまったら、乾燥フィルターや乾燥経路も確認・清掃する


<タテ型洗濯機の糸くずフィルター掃除例>


  • ①糸くずフィルターに吸水ポリマーやゴミが付着していないか確認する
  • ②詰まりがあれば、丁寧に取り除く
  • ③乾燥運転をしてしまったら、乾燥フィルターも確認・清掃する

手順3:部屋干し後の後片付け

部屋干しなら、床に落ちた吸水ポリマーを片付けましょう。水分が含まれているため、掃除機ではなく、ほうきとちり取りで掃除します。

手順4:排水口やホースの確認

洗濯機の排水口・排水ホースに、吸水ポリマーが詰まっていないか確認します。詰まりがあれば、市販の排水口クリーナーなどを使用して詰まりを解消します。お使いのメーカー取扱説明書を参考にお手入れしてください。

手順5:洗濯槽の掃除

洗濯機に“槽洗浄モード”があれば、3時間ほど運転させて、洗濯槽を洗浄したら完了です。“槽洗浄モード”がなければ、お使いのメーカー取扱説明書を参考に洗濯槽をお手入れしてください。洗濯機のタイプ別に掃除例を紹介します。

<ドラム式洗濯機の洗濯槽の掃除例>


  • ①槽洗浄モードを搭載している機種では、約3時間の運転で槽内の洗浄を完了させる
  • ②槽洗浄モードがなければ、「洗いのみ」「水位高め」「洗い時間最長」に設定し、運転を開始する。水が溜まった段階で一時停止し、ドアを開けて浮遊している紙おむつを取り除く
  • ③その後、1分~2分おきにスタートと一時停止を繰り返し、残った紙おむつの除去を進める。ほぼ取り除けた段階で電源を切り、終了する
  • ④乾燥運転を行った際は、乾燥フィルターや乾燥経路に詰まりがないかを確認し、必要に応じて清掃する


<タテ型洗濯機の洗濯槽の掃除例>


  • ①槽洗浄モードがあれば、約3時間の運転で槽洗浄を行う
  • ②モードがなければ、ドラム式と同様に「洗いのみ」「水位高め」「洗い時間最長」に設定して運転を開始し、水が溜まった時点で一時停止する。紙おむつを手で取り除いた後、スタートと一時停止を繰り返して残りの異物を除去する
  • ③紙おむつが目立たなくなったら、「脱水のみ」「脱水時間最短」に設定し、排水と脱水を行う
  • ④運転終了後、フィルターや排水口の詰まりを確認し、異物があれば取り除く。乾燥運転をした際は、乾燥フィルターや乾燥経路の清掃も忘れずに行う
 

紙おむつを洗濯してしまった時のNGな対処法

インターネット上で検索をすると「紙おむつを洗濯してしまった際の対処法」がたくさんでてきます。しかし、なかには洗濯機のサビれや故障原因になりかねない方法もあるため、注意が必要です。

塩は使わないで!

インターネット上では、紙おむつを洗濯した際の対処法として「塩を入れて洗濯する方法」が多数紹介されています。浸透圧によりポリマーが小さくなるため、取り除きやすくなるのです。しかし、洗濯槽がステンレス製の場合、塩を使うとサビの原因になります。また、溶け残りがあると配管を詰まらせてしまうため、使用は控えましょう。

重曹は使わないで!

塩と同様に、洗濯機で紙おむつを洗った際の解決策として「重曹を入れて洗濯する方法」も多数紹介されていますが、おすすめできません。
重曹は、洗剤に比べて洗浄力が劣るため、洗浄力を上げるために量を多く入れてしまいがちです。重曹を多く入れると、溶け残り排水口やホースが詰まる原因につながります。とくに、水質が“硬水”の地方では、重曹を使うと徐々に固形化しやすいため、要注意です。排水トラブルを避けるためにも、重曹は使わないのがよいでしょう。

柔軟剤だけに頼らないで!

「柔軟剤を入れて洗濯する方法」もよく紹介されています。吸水ポリマーまみれの洗濯物に柔軟剤を入れてすすぎ洗いをする方法です。柔軟剤の静電気を抑える性質により、洗濯物に付着した吸水ポリマーが落ちやすくなります。
しかし、吸水ポリマーが消失するわけではありません。根本的に解決するには、洗濯物や洗濯機についた吸水ポリマーを取り除く必要があります。洗濯槽に残っていると、詰まりの原因になるため、しっかりと取り除きましょう。

乾燥機能は使わないで!

洗濯機内に吸水ポリマーが残っているうちは、乾燥機能を使用してはいけません。高熱で吸水ポリマーが溶けると、洗濯物や洗濯槽内に付着して、取れにくくなります。乾燥機は、完全に吸水ポリマーを取り除いてから使用しましょう。

酸素系漂白剤や台所用漂白剤は使わないで!

酸素系漂白剤や台所用漂白剤を洗濯機で使用すると、大量に泡が発生します。水漏れや故障の原因になるため、使わないようにしましょう。

酢やクエン酸は使わないで!

キッチンの掃除で活躍する酢やクエン酸ですが、洗濯槽向けではありません。酸性が強く、サビ・部品の不具合・運転不良につながるため、使用は控えましょう。
ただしメーカーによっては、自動投入のお手入れなどにクエン酸を推奨しているケースがあります。取扱説明書に記載されている濃度に薄めて使用し、お手入れ後は水洗いが必要です。

 

自分で洗濯機や排水口の対処が難しいなら、どこに連絡したらいい?

自分で排水口を掃除しても、詰まりが解消されなければ、「契約先の水道会社」や「清掃業者」へ相談してください。また、自分で排水口のお手入れ方法がわからない時は、「自宅の管理会社」や「ハウスメーカー」に問い合わせましょう。

 

紙おむつを洗濯しちゃった!よくあるQ&A

「紙おむつをうっかり洗濯機で回してしまった…」なんて時も、慌てなくて大丈夫。おむつを洗濯してしまった際の正しい対処法と注意点を、Q&A形式で端的にまとめてみました。焦らずに対処できるよう、再度確認しておきましょう。

おむつを洗濯機で洗濯してしまったら、どうしたらいい?

まずは慌てず、洗濯物を取り出して吸水ポリマーをできるだけ落としましょう。次に洗濯槽内を丁寧に拭き取り、洗剤を使わずに「すすぎ+脱水」で再洗濯します。衣類が乾いた後は、粘着テープやブラシを使用して残った吸水ポリマーを取り除き、最後に洗濯機のフィルターや排水口清掃も忘れずに行いましょう。

洗濯槽のポリマーを除去するには?

洗濯槽に残った吸水ポリマーや紙おむつの破片を、キッチンペーパーやおしりふきといった、繊維が残らない素材で丁寧に拭き取ります。その後、洗剤を使わずに「すすぎ+脱水」を1~2回行い、吸水ポリマーを洗い流しましょう。
可能であれば“槽洗浄モード”や“空運転”で3時間程度回すと、洗濯槽内部の汚れや残留ポリマーをしっかり落とせます。最後に糸くずフィルターや排水口の確認・清掃も忘れずに行いましょう。

洗濯物についた吸水ポリマーはどのように取り除くの?

まず、洗濯物を外に干してしっかり乾燥させます。乾くと吸水ポリマーが固まり、衣類からはがれやすくなります。乾いたら、衣類をパンパンとはたいたり、粘着テープで丁寧に取り除きましょう。それでも残るのであれば、洗濯機で「すすぎ+脱水」を1回~2回繰り返すと、おおむね落とせます。

ドラム式洗濯機でおむつを洗濯してしまったら、どうしたらいい?

まず洗濯物をすべて取り出し、衣類についた吸水ポリマーを軽くはたいて落とします。次に、ドラム内やドアのガラス、ゴムパッキン部分に付着した吸水ポリマーを、キッチンペーパーやおしりふきで丁寧に拭き取りましょう。
拭き取り後は、洗剤を入れずに「すすぎ+脱水」で1回~2回運転し、残りを洗い流します。仕上げに“槽洗浄モード”でしっかり洗浄し、糸くずフィルターや排水口も清掃してください。

吸水ポリマーが肌に付着したら、悪影響はある?

吸水ポリマーが多少衣服に残っていても、神経質になる必要はありません。一般社団法人 日本衛生材料工業連合会によると、「吸水ポリマーは肌に付着しても害はない」としています。紙おむつは、お肌がデリケートな赤ちゃん向けに作られているため、紙おむつが破れた際の安全性にも配慮して作られているようです。

出典:「紙おむつ 軽失禁について」/一般社団法人 日本衛生材料工業連合会
一般社団法人 日本衛生材料工業連合会 | 紙おむつ・軽失禁
 
紙おむつ混入ゼロへ!今すぐできる対策

紙おむつをうっかり洗濯してしまうトラブルは、誰にでも起こり得えます。とくに、小さなお子さんがいるご家庭では、気づかないうちに洗濯物に紛れてしまう場合もあるでしょう。
予防には、洗濯物を直接洗濯機に入れず、一度かごに入れて仕分けるひと手間が効果的です。また、ポケットの中身をチェックする習慣も忘れずに。ちょっとした工夫で、洗濯の手間やストレスを減らしましょう。

  • 高村 恵美

    管理栄養士ライター高村恵美

    12年間管理栄養士として病院などに勤務。家族にいつでも"おかえり"が言えるようライターへ転身後は、忙しいひと・働くひとに寄り添うレシピの提供や、健康コラムを数多く執筆。
    自分も同じ立場だからこそ「仕事と家庭の両立に悩む女性を応援したい」気持ちが高まり、悩めるママに向けたコラム執筆も行っている。