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新生児期のミルクの適量や間隔は?授乳の疑問を解消し、母乳との混合バランスを取ろう

おむつ・おしりふきDIAPER
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2025/05/23

新生児のミルク量は個人差が大きく、足りているかは体重の増加量により判断します。3時間おきの授乳が基本ですが、赤ちゃんは授乳の練習をしながら徐々にリズムをつけていくため、目安通りに飲まなくても過度に心配する必要はありません。はじめは飲み過ぎて吐き戻すときもある一方、ちょっとした環境の変化で飲まなくなる場合も。母乳は吸われる刺激により作られるため、たくさん出ないからと焦らず、混合などで調整していきましょう。

 

新生児期に与えるミルク量

新生児とは、生後28日未満の赤ちゃんを指します。新生児期は、赤ちゃんがぐんぐん成長する大切な時期なので、基本的に欲しがる分だけ与えましょう。
育児用ミルクでの授乳は、飲んだ量が明確なため、目安量に届いていないと心配になりがちです。しかし、赤ちゃんが元気で、体重が増加していれば問題ありません。1日に体重が25g~30gずつ増えるペースが理想とされています。
授乳量は個人差があるため、調乳した量をすべて飲ませる必要はありません。回数よりも1日に飲む量を優先的に考えましょう。

参照:「乳幼児身体発育評価マニュアル」/平成23年度 厚生労働科学研究費補助金 (成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)
参照:「授乳・離乳の支援ガイド(2019年)」/厚生労働省

生後0日~7日

生後1週間頃までの新生児は、授乳の目安量が毎日増えます。飲む量や回数は個人差が大きいため、あくまで目安量です。入院中は医師や助産師といった医療スタッフの指示に従いましょう。

<生後0日~7日のミルク量目安>


  • ・1日あたりの授乳量の目安:生後0日目に10mlからスタートし、1日ごとに10mlずつ増加
  • (例:生後1日目は20ml、2日目は30ml、3日目は40ml...)
  • ・1日あたりの授乳間隔の目安:約3時間おき
  • ・1日あたりの授乳回数の目安:7~8回

生後8日~14日

育児用ミルクに記載されている規定量を目安にしましょう。個人差があるため、多少の増減は気にする必要はありません。ただし、量が多過ぎると吐き戻すリスクがあるため注意が必要です。

<生後8日~14日のミルク量目安>


  • ・1回あたりの授乳量の目安:80ml
  • ・1日あたりの授乳間隔の目安:約3時間おき
  • ・1日あたりの授乳回数の目安:7~8回

生後15日~28日

赤ちゃんの成長スピードには個人差があります。体重に応じて育児用ミルクに記載されている規定量を参考に、適切な量を与えましょう。

<生後15日~28日のミルク量目安>


  • ・1回あたりの授乳量の目安:80ml~120ml
  • ・1日あたりの授乳間隔の目安:約3時間おき
  • ・1日あたりの授乳回数の目安:7~8回
 

月齢に合わせたミルク量目安

新生児期のミルクの適量や間隔は?

赤ちゃんの成長にともない、少しずつ与える授乳量を増やしていきましょう。生後5カ月頃から離乳食が始まったら、授乳量は増やさず、食事からの栄養割合を徐々に増やしていきます。

<生後1カ月~2カ月のミルク量目安> 


  • ・1回あたりの授乳量の目安:120ml~160ml
  • ・1日あたりの授乳間隔の目安:約3時間おき
  • ・1日あたりの授乳回数の目安:6回


<生後2か月~3カ月のミルク量目安> 


  • ・1回あたりの授乳量の目安 120ml~160ml
  • ・1日あたりの授乳間隔の目安:約4時間おき
  • ・1日あたりの授乳回数の目安:6回


<生後3カ月~5カ月のミルク量目安>


  • ・1回あたりの授乳量の目安:200ml
  • ・1日あたりの授乳間隔の目安:約4~5時間おき
  • ・1日あたりの授乳回数の目安:5回


<生後5カ月~7カ月のミルク量目安> 


  • ・1回あたりの授乳量の目安:200ml
  • ・1日あたりの授乳間隔の目安:約4~5時間おき
  • ・1日あたりの授乳回数の目安:5回 ※1日1回の離乳食がスタート


<生後7カ月~9カ月のミルク量目安> 


  • ・1回あたりの授乳量の目安:200ml
  • ・1日あたりの授乳間隔の目安:約4~5時間おき
  • ・1日あたりの授乳回数の目安:5回 ※離乳食が1日2回になる


<生後9カ月~12カ月のミルク量目安> 


  • ・1回あたりの授乳量の目安:200ml
  • ・1日あたりの授乳間隔の目安:約4~5時間おき
  • ・1日あたりの授乳回数の目安:5回 ※離乳食が1日3回になる
 

新生児に育児用ミルクを与える際の注意点

育児用ミルクは、「思うように母乳が出ない」「赤ちゃんの体重が増えない」といった理由で母乳育児が難しい方に心強いアイテムです。ただし、新生児に与える際には注意点があるため、確認しておきましょう。

調乳する際は、70度以上のお湯を使う

育児用ミルク(調整粉乳)は無菌ではないため、体内機能が未熟な乳幼児に与える際には殺菌が必要です。殺菌が不十分な場合、腸炎や髄膜炎など重大な感染症を引き起こす可能性があります。
感染症による死亡症例は、感染した乳幼児の2割~5割にのぼり、死亡に至らなくても、神経障害をはじめとする合併症が継続するリスクも。感染症は、大人でも感染する可能性がありますが、症状はかなり軽症で済むとされています。一方で、生後28日未満の新生児では、高リスクで感染し重症化してしまうため、十分な殺菌が重要です。
原因菌は70度以上で感染力が失われるため、厚生労働省では、70度以上の熱湯を使うよう推奨しています。

参照:「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインの概要」/厚生労働省

やけどに注意

熱湯で調乳後、熱いまま与えるとやけどをしてしまいます。必ず人肌程度に冷ましてから、赤ちゃんに与えましょう。

ミネラルウォーターは使わない

ミネラルウォーターは、ミネラルが多く含まれているため、赤ちゃんの腎臓には負担が大きいです。また、消化不良を起こす可能性があるため避けましょう。

調乳後2時間が経過した育児用ミルクは捨てる

感染症リスクを少なくするために、調乳後は長時間放置せず、2時間以内に飲み切らなかった育児用ミルクは廃棄しましょう。

 

新生児のミルクについてのよくある質問

出産後すぐに始まる授乳は、思い通りにいかない場面も多く、戸惑いや不安を感じる場面が多々あるかもしれません。ママやパパが抱きやすい疑問を一つずつクリアにして、安心して育児に向き合えるようにしましょう。

新生児にミルクを飲ませる適切なタイミングは?

基本的には赤ちゃんが欲しがったタイミングで飲ませるのが大切です。生まれたばかりの赤ちゃんは、泣いたり顔をしかめたりして「おっぱいが欲しい」とサインを出します。欲しそうなタイミングで授乳すると、赤ちゃんは「伝わった」と安心するのです。
ママの体も、次第にリズムをつかんでいき、だいたい生後6週~8週以降に母乳量を調整できるようになります。赤ちゃんのペースに合わせて、無理なく育児を進めていきましょう。

参照:「母乳・ミルクと離乳食の進め方-解説-」/東京都保健医療局
参照:「授乳・離乳の支援ガイド(2019年)」/厚生労働省

赤ちゃんが毎回ミルクを吐いたり、鼻から出てしまいます。原因と対処法は?

哺乳瓶の乳首は、母乳に比べて簡単にミルクが出てきやすく、赤ちゃんが勢いよく飲み過ぎてしまう可能性があります。ゴクゴクと空気も一緒に飲み込んでしまい、嘔吐や鼻から逆流する場合があるのです。
さらに、新生児は胃や逆流防止機能が未発達なため、少量でも吐きやすい傾向があります。母乳は吐かないのに、ミルクだけ吐くようであれば、胃の容量以上に飲んでいる可能性も。大量の嘔吐を繰り返す際は、念のため医療機関に相談しましょう。

<ミルクを吐いたり、鼻から出る際の対処法>


  • ・1回のミルク量を減らす
  • ・授乳間隔を調整する
  • ・授乳後はしっかりゲップをさせる
  • ・ガス抜きマッサージをする
  • ・すぐに寝かせず、少し縦抱きで頭を高く保つ

3時間おきのミルクだけでは足りないようです。量を増やすべき?

ミルクは母乳よりも消化に時間がかかるため、基本的には新生児期は3時間おきの授乳が目安です。しかし、赤ちゃんの成長にともない、今までの量では足りなくなる傾向があります。
例えば、100mlで3時間もたないなら、まずは120mLに増やして様子をみましょう。それでも足りなければ、20mLずつ徐々に増やして調整していきます。
ただし、一気に量を増やすと、赤ちゃんの胃腸に負担がかかり、吐き戻しや便秘・ぐずりにつながるため要注意です。元気がない、ぐったりしているといった不調がみられる際は、無理に飲ませず医療機関に相談しましょう。

<ミルク量を増やす際のポイント>


  • ・赤ちゃんの機嫌、うんち、体重の増え方をチェックする
  • ・一気に増やさず、少しずつ調整する
  • ・飲んだのにぐずる際は、ミルク以外の方法(抱っこやお散歩など)も試してみる

参照:「母乳とミルク・授乳」/公益財団法人 母子衛生研究会

ミルクを飲まずにぐっすり寝ています。授乳するために起こすべき?

体重が順調に増えているなら、無理に起こして授乳する必要はありません。新生児は一度に飲める量が少なく、頻回に授乳が必要ですが、ミルクは母乳より腹持ちがよいため、長く寝るケースもあります。おなかが空けば自然と目を覚まして泣くので、ぐっすり寝ているなら、そっとしておいて大丈夫です。

ミルクを飲んでくれません。原因と対処法は?

赤ちゃんがミルクを飲まない原因は、一つではありません。新生児はとてもデリケートなため、ちょっとした環境の変化や体調が影響する可能性があります。焦らず、1つずつ原因を確認してみましょう。

ミルクの味や温度が合わない

メーカーごとに味が違うため、別メーカーを試してみたり、適温(人肌程度)かどうか確認しましょう。

赤ちゃんが不快に感じている

暑過ぎる・寒過ぎる・抱っこが不安定といった理由で、赤ちゃんが不快を感じている可能性があります。不快感によりミルクを飲まなくなるケースもあるため、落ち着ける環境を整えてあげましょう。

哺乳瓶の乳首が適していない

哺乳瓶の乳首が吸いにくかったり、口に合わない可能性があります。乳首の形やサイズを変えてみるのもおすすめです。

授乳後にしゃっくりが出ます。原因と対処法は?

赤ちゃんが母乳やミルクを飲んだ後にしゃっくりをする光景は珍しくありません。授乳時に空気を一緒に飲み込んだり、急におなかが満たされた結果、胃が横隔膜を刺激しやすくなるために起こります。また、寒さや濡れたおむつで下半身が冷えるのも、しゃっくりが出やすくなる要因です。
しゃっくりが出たら、まずは赤ちゃんの様子をみて、自然におさまるのを待ちましょう。驚かせる、無理にくしゃみを誘う、水を多く飲ませる、うつぶせで寝かせるといった対応は危険があるため避けてください。赤ちゃんのしゃっくりは成長にともない自然と減るため、やさしく見守る姿勢が大切です。必要に応じて、下記の対処法を試しましょう。

<しゃっくりが出た際の対処法>


  • ・ミルクの後にゲップをさせる
  • ・赤ちゃんの体をあたためる
  • ・濡れたおむつを交換する
  • ・背中をやさしくトントンとさする
 

新生児にミルクを飲ませるべき?見極めサイン

新生児は、ミルクが足りないときや飲み過ぎているときに、サインを出してくれます。様子をしっかり観察し、心配なときは迷わず医療機関・専門医に相談しましょう。

<授乳量が足りているサイン>


  • ・顔色がよい
  • ・肌の張りがよい
  • ・機嫌がよい
  • ・おしっこが1日6回以上出ている
  • ・体重が増えている(1日平均30g増加が目安。それ以上でも心配はいりません。)


<飲み過ぎているサイン>


  • ・便秘や下痢がみられる
  • ・乳汁をよく吐くが、体重は減少していない
  • ・おなかが張り、苦しそうに泣く
  • ・機嫌が悪い
  • ・口からよく乳汁をこぼす
  • ・授乳間隔が4時間~5時間空いてしまうケースが多い


<授乳量が足りていないサイン>


  • ・元気がない
  • ・体重が増えない
  • ・激しい嘔吐があり、体重が減る
  • ・おしっこが1日6回も出ていない
  • ・授乳後、すぐにミルクを欲しがる
 

新生児期が混合栄養にするときのミルク量

混合栄養の場合は、「母乳後に30~40ml程度が目安」です。ミルクを与え過ぎてしまうと、母乳の分泌量が減少するため注意しましょう。また、母乳は赤ちゃんが欲しがる分だけ与えます。ただし、体重が過度に増えていたり、吐き戻してしまう際は、量が多過ぎるかもしれません。

 

母乳とミルクのバランスのとり方

新生児に母乳とミルクを混合で与える場合は、胸の張り具合や生活スタイルに合わせて、母乳と育児用ミルクを使い分けましょう。混合栄養パターンはいくつかあるので、参考にしてみてください。

まずは母乳を、つぎにミルクを

はじめに母乳を飲ませて、飲み足りない分を育児用ミルクで補うようにします。新生児は、ミルクは欲しがる分だけ与えましょう。

交互に母乳とミルクをあげる

「おっぱいが張っているときは母乳を、張っていないときは育児用ミルクを」というように、母乳が出ないタイミングで育児用ミルクを補うとよいでしょう。例えば、3時間おきに授乳をさせる場合、「朝6時に母乳、9時に育児用ミルク、12時に母乳」といった形で、母乳と育児用ミルクを交互にするとやりやすいです。

午後にミルクをプラスする

母乳は朝は出やすく、夜になるにつれて少なくなる傾向があります。午前中は母乳だけにして、午後から母乳に加えて育児用ミルクも併用するとよいでしょう。

日中だけミルクにする

仕事などで授乳が難しければ、日中は保育園などに預けて育児用ミルクを与え、朝・夕は母乳を与えましょう。

 
心強い「育児用ミルク」の助けを借りて、健全な赤ちゃんの成長を

母乳には赤ちゃんの成長に必要な栄養が含まれており、育児用ミルクは母乳の代用品として、牛乳を原料に母乳に似せて作られている食品です。年々品質が向上している育児用ミルクは、母乳に不足しがちな鉄分などが強化されており、パパとのスキンシップにも役立ちます。
授乳量が不足していたり、ママが授乳できない場面では、育児用ミルクを上手に活用しましょう。

  • 高村 恵美

    管理栄養士ライター高村恵美

    12年間管理栄養士として病院などに勤務。家族にいつでも"おかえり"が言えるようライターへ転身後は、忙しいひと・働くひとに寄り添うレシピの提供や、健康コラムを数多く執筆。
    自分も同じ立場だからこそ「仕事と家庭の両立に悩む女性を応援したい」気持ちが高まり、悩めるママに向けたコラム執筆も行っている。