監修医師成田 亜希子
2011年医師免許取得。初期臨床研修を経て総合診療医として幅広い分野の治療に携わる。
臨床医として勤務しながら、行政機関での勤務経験もあり地域の健康課題にアプローチした健康寿命延伸、感染症対策などの医療行政にも携わってきた。
国立保健医療科学院、結核研究所での研鑽も積む。
現在、医療法人ウェルパートナー主任医師。
夏風邪が長引く理由は、食欲低下による栄養不足、睡眠不足による体力低下などがあげられます。子どもの場合は、大人と比べて免疫機能が不十分であるのも理由のひとつです。夏の暑さは、私たちの体に影響をもたらし、夏風邪の回復を遅らせてしまいます。
水分補給や栄養補給をおこなうのはもちろん、運動や入浴を怠らず、睡眠を十分にとるといった生活習慣を整えるのも大切です。長引かせないために、普段から免疫機能の維持を心がけましょう。
風邪は一年を通して、誰もがかかる可能性のある病気です。風邪の原因の多くはウイルスですが季節によって原因となるウイルスが異なり、夏風邪は冬風邪より長引くケースもあります。理由は、栄養不足や睡眠不足、室内外の温度差によって免疫機能が低下しやすいため。さらに、夏の風邪を引き起こしやすいウイルスの多くが長く感染者から排出される性質なのも、原因のひとつです。
夏の暑さは食欲の低下をもたらします。喉ごしのよい食べ物や冷たい飲み物に頼りがちになり、免疫機能の維持に必要な栄養が不足するのです。さらに、冷たい食べ物や飲み物のとりすぎで、胃腸の血流低下を引き起こして消化機能を低下させます。結果、消化不良や食欲不振を招きやすくなり、体調の回復に時間がかかるのです。
暑さは、睡眠にも影響を及ぼします。寝苦しくてよく眠れない状態が続くと、免疫機能が低下し、回復が遅れてしまうのです。夏風邪を長引かせないためには、室温・湿度に気を配り、睡眠をしっかりとるのが大切です。
夏は冷房を使用する頻度が高く、屋内外の温度差によって自律神経バランスが乱れやすくなります。その結果、ウイルスとたたかう免疫機能が低下し、夏風邪が長引いてしまうのです。
夏風邪を引き起こす代表的なウイルスに、エンテロウイルスがあります。エンテロウイルスは腸で増えるウイルスの総称で、多彩な症状を示すのが特徴です。感染すると体外に排出されなくなるまで時間がかかり、周囲に感染を広げてしまうことも。具体的にはエンテロウイルスに感染すると症状が回復した後でも8週間程度便とともに排出されて周囲に感染を広げる可能性が指摘されています。
夏風邪のほとんどはウイルスが原因で発症しますが、夏風邪に多いウイルスに効く特別な薬はありません。症状を和らげる治療が基本となります。風邪の症状に合った薬を使用し、適切に水分や栄養をとって休息するのが治療の主体です。
夏風邪の多くは高温多湿の環境で活発になるウイルスによる感染症です。代表的なものでは、ヘルパンギーナ、手足口病、咽頭結膜炎(プール熱)などが挙げられ、子どもを中心に流行するケースが多いのが特徴とされています。
夏風邪の代表的なウイルスは、エンテロウイルス・コクサッキーウイルス・アデノウイルスです。子どもの、ヘルパンギーナ・手足口病・咽頭結膜熱(プール熱)を引き起こします。
夏風邪は、「発熱」「喉の痛み」「せき」といった風邪症状に加え、ウイルスによって「下痢」「発疹」「目やに」などがみられる場合もあります。ウイルス別の症状と特徴をまとめました。
<ウイルス別の症状・特徴的な症状>
子どもの夏風邪が長引く理由は、成長発達段階による影響もあげられます。免疫機能が十分にできておらず、ウイルスへの抵抗力が弱いためです。
子どもの風邪が長引く理由は、ウイルスに対する免疫が十分にできていないためです。保育園や幼稚園は集団生活のため、ウイルスが感染しやすい環境といえます。風邪のウイルスは200種類以上あり、治ってもまた別のウイルスに感染すれば風邪をひいてしまうのです。
小さい子どもは、状況を判断するのが難しく、自分で適切に対処できません。熱があっても安静にできず走り回ったり、自身で必要に応じて水分や栄養をとれないため、長引いてしまう場合があります。周りにいる大人が、しっかり気を配りましょう。
夏風邪のおもな症状として、発熱・せき・喉の痛みがあります。症状がつらいときは、市販の解熱鎮痛剤または風邪薬を使用してもよいでしょう。薬の使用以外にもできる対処方法もあります。症状別にみていきますので、参考にしてみてください。
熱が上がるのは、体がウイルスとたたかっているためです。高熱が続くと体力を消耗するため体温のコントロールにつとめましょう。氷枕や保冷剤を使用し、わきの下や太ももの付け根の、太い血管を冷やしてみてください。
ただし、寒気があるときは気を付けましょう。熱が上がり、寒気がおさまってから冷やすようにします。
脱水を防ぐために、水分はこまめに補給しましょう。
エアコンの冷気が刺激になるとせきが出やすくなるため、直接風に当たらないように注意してください。
こまめな水分摂取は、喉にうるおいを与えてくれるため、せきに対しても効果的です。
喉の痛みは、ウイルスを排除するための免疫反応です。喉の痛みが強く現れる夏風邪のウイルスもあります。
喉ごしがよい適温の食べ物を、ゆっくり食べましょう。アルコールや辛い食べ物といった刺激物は控えてください。プリン・ゼリー・アイスクリーム・冷ましたお粥がよいでしょう。トローチや喉飴、ハチミツもおすすめです。
風邪は、のどの痛み・発熱・せき・鼻水・関節痛など、さまざまな症状をともなうことがあります。体調を早く整えたいときには、市販薬や漢方薬を活用するのも一つの手段です。ただし、薬の選び方や使い方には注意が必要でしょう。
ここでは、「コルゲンコーワ 風邪・解熱・鎮痛シリーズ」の紹介を中心に、大人と子どもの違い、症状別のポイント、代表的な漢方薬について解説します。ご自身の体調に合わせた適切な対応を見つける参考にしてみてください。
市販薬には、大人用と子ども用に分かれている風邪薬が多くあります。
コルゲンコーワシリーズには、15歳未満は服用できないタイプや、5歳から大人まで服用できるタイプといったかぜ薬が用意されており、年齢に応じた用量・用法が設定されています。
購入時は、パッケージに書かれている年齢区分や用量の確認を忘れずに。お子さんが使う際は、とくに、年齢に合った製品を選ぶようにしましょう。
「コルゲンコーワの風邪・解熱・鎮痛シリーズ」には、のどの痛みや発熱といった症状に配慮した製品があります。症状ごとに選び分けることで、体調の回復をサポートしやすくなるでしょう。
なお、複数の症状が出ているときは、総合的にケアできる総合かぜ薬を選ぶのも選択肢です。
<かぜの初期症状例>
風邪のひきはじめなどに使われやすい漢方薬もあります。代表的なのは「葛根湯(かっこんとう)」「麻黄湯」などです。
現在、コルゲンコーワシリーズでは、漢方処方である「麻黄湯」を配合したかぜ薬『コルゲンコーワ液体かぜ薬 (30mL×3本) 【第2類医薬品】』『コルゲンコーワ顆粒かぜ薬(6包) 【第2類医薬品】』を発売しています。
漢方薬は、体質や症状に合わせて選ぶのが大切です。自己判断ではなく、必ず薬剤師や医師に相談してから使うのがおすすめです。
常備薬を選びたい場合は、風邪の複数の症状に対応できる市販薬がおすすめです。発熱やのどの痛み、鼻水、せきに効果のある成分を複合し「総合かぜ薬」と呼ばれます。
日中は忙しくて服用する時間がとれない場合や、飲み忘れが心配な方は、1日の服用回数で選ぶのもいいでしょう。風邪薬には1日3回の製品と、1日2回の製品があり、1日2回の製品は昼に飲む必要がありません。確実に服用できる方を選ぶといいでしょう。
| 品名 | 画像 | タイプ | ここに注目 | 分類 | ポイント | 主な特徴 | 効能・効果 | 用法・用量 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| コルゲンコーワIB錠TXα(27錠) | ![]() |
しっかり治したい | 【イブプロフェン配合】 【小粒錠】 【総合かぜ薬】 |
指定第2類医薬品 | 7つの有効成分が、ツラいかぜの諸症状をやわらげます。 | ★イブプロフェン(1日あたり)最大量*600mg配合*当社コルゲン内イブプロフェン最大量配合 ★去痰成分アンブロキソール塩酸塩配合 ★解熱鎮痛成分「イブプロフェン」、抗炎症成分「トラネキサム酸」、「無水カフェイン」を同時配合しました |
かぜの諸症状(のどの痛み,発熱,悪寒,頭痛,せき,たん,鼻水,鼻づまり,くしゃみ,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和 | 次の量を食後なるべく30分以内に水又は温湯で服用してください。 成人(15歳以上):1回3錠、1日3回 15歳未満:服用しないこと |
| コルゲンコーワIB透明カプセルαプラス(18カプセル) | ![]() |
今すぐ治したい | 【透明カプセル】 【イブプロフェン配合】 【急な発熱時の備えに】 |
指定第2類医薬品 | 液状の有効成分が体の中でいち早く溶け出し、発熱・のどの痛みを抑えます。 | ★イブプロフェン(1日あたり)最大量*600mg配合*当社コルゲン内イブプロフェン最大量配合 ★中身が“液状”の透明カプセルですので有効成分が体の中でいち早く溶け出し、発熱・のどの痛みを抑えます。 ★アンブロキソール塩酸塩を配合し、かぜのひきはじめはもちろん、かぜの後期の症状(しつこく残るせき、たん)にも対応します。 |
かぜの諸症状(発熱,のどの痛み,せき,たん,悪寒,頭痛,鼻水,鼻づまり,くしゃみ,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和 | 次の量を食後なるべく30分以内に水又は温湯で服用してください。 成人(15歳以上):1回2カプセル、1日3回 15歳未満:服用しないこと |
| コルゲンコーワIB2(8カプセル) | ![]() |
長く効いてほしい | 【透明カプセル】 【2種の顆粒を配合】 【携帯に便利】 |
指定第2類医薬品 | 『早く溶ける顆粒』と『ゆっくり溶ける顆粒』を配合し、1日2回で効く! | ★早く溶ける顆粒とゆっくり溶ける顆粒を配合し、1日2回の服用で効果が持続します。 ★イブプロフェン1回200mg、鼻汁抑制作用を持つヨウ化イソプロパミド配合で、のどの痛み・鼻水によく効きます! |
かぜの諸症状(のどの痛み,発熱,鼻水,鼻づまり,くしゃみ,せき,たん,悪寒,頭痛,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和 | 次の量を朝夕食後なるべく30分以内に水又は温湯で服用してください。 成人(15歳以上):1回2カプセル、1日2回 15歳未満:服用しないこと |
| コルゲンコーワ液体かぜ薬(30mL×3本) | ![]() |
かぜのひきはじめに・眠くなりにくい | 【液体タイプ】 【眠気に配慮】 【ひきはじめ】 |
指定第2類医薬品 | かぜのひきはじめによく効く「麻黄湯」を配合した液体タイプと顆粒タイプのかぜ薬です。 | ★漢方処方である「麻黄湯」を配合したかぜ薬です。 ★「麻黄湯」は古くからかぜのひきはじめの「寒け」、「発熱」、「ふしぶしの痛み」に用いられており、これらの症状にすぐれた効果を発揮することが知られています。 ★眠くなる成分を含んでいません。 |
体力充実して,かぜのひきはじめで,さむけがして発熱,頭痛があり,せきが出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの次の諸症:感冒,鼻かぜ,気管支炎,鼻づまり | 次の量を食前又は食間によく振ってから服用してください。 成人(15歳以上):1回1本、1日3回 15歳未満:服用しないこと |
| コルゲンコーワ顆粒かぜ薬(6包) | ![]() |
かぜのひきはじめに・眠くなりにくい | 【顆粒タイプ】 【スティック包装】 【ひきはじめ】 |
指定第2類医薬品 | かぜのひきはじめによく効く「麻黄湯」を配合した液体タイプと顆粒タイプのかぜ薬です。 | ★漢方処方である「麻黄湯」を配合したかぜ薬です。 ★「麻黄湯」は古くからかぜのひきはじめの「寒け」、「発熱」、「ふしぶしの痛み」に用いられており、これらの症状にすぐれた効果を発揮することが知られています。 ★眠くなる成分を含んでいません。 |
体力充実して,かぜのひきはじめで,さむけがして発熱,頭痛があり,せきが出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの次の諸症:感冒,鼻かぜ,気管支炎,鼻づまり | 次の量を,食前又は食間にそのまま水かお湯にて服用してください。またはお湯に溶かしてよくかき混ぜた後,温服してください。 成人(15歳以上):1回1包、1日2回朝夕 7歳以上15歳未満:1日2/3包、1日2回朝夕 4歳以上7歳未満:1回1/2包、1日2回朝夕 2歳以上4歳未満:1回1/3包:、1日2回朝夕 2歳未満:服用しないこと |
| コルゲンコーワ総合かぜ薬(110錠) | ![]() |
5歳から大人まで | 【総合かぜ薬】 【家族で使える】 【110錠の大容量】 |
指定第2類医薬品 | 5歳から大人まで服用できるかぜ薬 家族みんなのかぜに良く効く! | ★アセトアミノフェン最大量※900mg配合(9錠あたり) ※一般用医薬品のかぜ薬製造販売承認基準の最大量配合 承認基準とは厚生労働省が承認事務の効率化を図るために定めた医薬品の範囲のこと ★のどのハレ・痛みを鎮める抗炎症成分トラネキサム酸配合 ★5歳から大人まで服用できるファミリータイプのかぜ薬 |
かぜの諸症状(のどの痛み,鼻水,鼻づまり,くしゃみ,せき,たん,発熱,悪寒(発熱によるさむけ),頭痛,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和 | 次の量を食後なるべく30分以内に,水又はお湯で,かまずに服用してください。 成人(15歳以上):1回3錠、1日3回 11歳以上15歳未満:1回2錠、1日3回 5歳以上11歳未満:1回1錠、1日3回 5歳未満の幼児:服用しないこと |
使用上の注意:
「第②類医薬品: これらの医薬品は、「使用上の注意」をよく読んでお使いください。アレルギー体質の方は、必ず薬剤師、登録販売者にご相談ください。 」に修正してください。
夏風邪を長引かせないために、日頃から生活習慣を意識し、免疫機能の維持につとめておきましょう。水分をこまめにとり、栄養バランスのよい食事をし、入浴で体を温めるといった行動を、意識的に取り組むのが大切です。
感染の予防には、こまめな水分補給が重要です。喉や鼻の奥の粘膜には、「繊毛(せんもう)」があります。繊毛はウイルスを体外に排出させる役割があり、乾燥すると繊毛の動きが鈍くなり、ウイルスが侵入しやすくなるのです。
「喉が渇いた」と感じる前に、定期的に補給しましょう。1日1.5L程度を、こまめに分けて飲んでください。
栄養バランスのよい食事を心がけましょう。1食の中で、主食・主菜・副菜をそろえてみてください。
免疫機能を維持するためには、腸内環境を整えるのも大事。以下の食品は腸内環境を整えるのに役立ちます。
運動不足は体力の低下を招き、ウイルスに感染しやすくなる場合があります。定期的な運動は、免疫機能を高めるのに効果的です。ウォーキングやランニングといった運動に、時間が取れない方も多いのではないでしょうか。まずは、会社内の移動は階段を利用する、家事はキビキビおこなうといった工夫から始めてみましょう。
体温が下がると、免疫機能の低下につながります。夏はエアコンの使用によって冷えやすいため、注意が必要です。暑いとシャワーで済ませがちですが、湯船につかり、しっかり体を温めましょう。
夏は暑さによって、睡眠不足になりがちです。厚生労働省の「睡眠指針12箇条」では、睡眠に適した環境について、「寝室・寝床内では、静かで、暗く、温度や湿度が季節に応じて適切に保たれることが大切」としています。夏は室温26~28℃、湿度は50%程度を目安にしましょう。
引用・参考:健康づくりのための睡眠指針2014エアコンが効きすぎると、体の冷えや喉の乾燥を招き、ウイルスに感染しやすくなります。夏の室温は26~28℃がよいとされていますが、人によって体感温度は異なるため、寒いと感じない程度にするのが大事です。子どもは体温調整機能が未熟で冷えやすいので、気にかけてあげましょう。
夏のエアコン使用のポイントは以下のとおりです。
夏風邪を長引かせないためには、正しい生活習慣で免疫力を高めておくのが大切です。風邪をひいてしまっても、早めに回復できるでしょう。つらい症状には、市販の風邪薬を使うのも手です。予防のためにうがい・手洗い・換気をこまめにおこないましょう。
また、夏風邪は下痢を伴う場合もあります。ウイルスを体外に排出させるための反応であり、下痢止めを使用しない方がよいときもあるため、注意が必要です。
「食事や水分がとれない」「ぐったりしている」「呼吸が速く顔色が悪い」といった症状があるときは、早めに医療機関を受診しましょう。
夏も手洗いや消毒など基本的な感染対策を行い、免疫機能を維持するためのケアを心がけましょう。
夏は酷暑などでストレスを感じやすい季節でもあります。ストレスは免疫機能の低下を引き起こすことが報告されており、自律神経バランスの乱れを引き起こしてさまざまな不調の原因になることも少なくありません。
暑い季節でも快適に過ごせるような環境作りも大切です。空調、寝具、服装、日中の暑さ対策グッズなどを見直してみましょう。
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