風邪の症状や原因とは
なかなか風邪が治らずに苦労した経験はありませんか?成人は、平均で年3回ほど風邪をひくと言われています。まずは、風邪の原因となるウイルスや症状があらわれる期間、免疫の重要性について解説します。
風邪とは
「風邪」は、正式な病名ではありません。一般的に、「のどの痛み・発熱・鼻水・鼻づまり・くしゃみ・咳・痰などの症状が現れるウイルス感染症」を指し、上気道の炎症を想定している場合がほとんどです。
正式な医学用語の「かぜ症候群」は、細菌感染症による症状を含みます。
軽症のウイルス感染症である風邪は、症状を緩和させつつ、人が持つ免疫力を高めて自然治癒を促す対症療法によって対処します。一方、細菌感染症は抗菌薬による治療が一般的で対処方法が異なります。
ウイルスとは
ウイルスは、自分ではエネルギーを作り出して生きていけません。人の細胞に寄生して増殖していく病原体なので、一般的には独立した生物ではないとされています。
独立した細胞である細菌には細菌自体を殺す抗菌薬が有効ですが、人の細胞を傷つけずにウイルスのみを排除する薬は作るのが困難です。
風邪の症状を引き起こすウイルスは200種類以上存在し、飛沫感染や接触感染などによって人から人へうつり続けています。しかし、健康な人であれば重症化しません。免疫の力で自然に治るケースが多いため、ウイルスへの対処や予防については、対症療法とワクチンによる対策が一般的です。例外として、インフルエンザウイルスに対するタミフルといった抗ウイルス薬が開発されている場合もあります。
風邪の症状があらわれる平均期間と免疫の重要性
鼻や口からウイルスが侵入すると、体を防御するために免疫機能が働きます。ウイルスを体から追い出したり増殖を防いだりする防御反応が、咳や発熱などの風邪の症状としてあらわれるのです。ウイルスによって症状や持続期間はさまざまですが、平均で7日から10日間くらいかかるとの報告があります。
しかし、初期段階でしっかり休みをとらなかったり、栄養バランスが悪かったりすると、免疫力が弱まって風邪が長引く原因に。人の体にあらかじめ備わっている免疫力によってウイルスと戦う環境が整えられていない場合には、風邪の早期回復は期待できないのです。
免疫力を高める対応を実践し、風邪を早く治そう
風邪を早く治す方法は、一言でいうと免疫力を高めることです。ウイルスの侵入や増殖を防ぐための免疫システムがよく働くと、風邪の症状は早めにおさまっていきます。免疫力を高めるのに有効な生活の工夫について、いくつかの具体的方法を紹介しますので、ぜひ実践して早期回復に役立ててください。
食事やサプリで有効な栄養素を摂取
食事やサプリで、免疫力が高まる栄養素を摂取すると、症状の改善が期待できるでしょう。風邪に効く栄養素として昔から有名なのが、ビタミンCと亜鉛です。ビタミンCは、白血球やリンパ球に多く含まれ、ウイルスと戦う力を高めるとされています。亜鉛には細胞の分裂や新陳代謝を促す働きがあり、免疫細胞を活性化してくれます。
他にも、ビタミンAは粘膜を活性化し、ビタミンDには免疫機能を調節する効果があるとされており、風邪に有効に働く効果が見込めるでしょう。
また、腸内環境を整えると免疫力が高まるため、乳酸菌などを摂取して腸内環境の改善に努めるのもよいでしょう。
睡眠・休養をしっかりとる
体がウイルスと戦うのに集中できる環境を整えるため、睡眠や休養をしっかりとりましょう。他の運動にエネルギーを使わない方が、免疫が働きやすくなるのです。とくに深い眠りは免疫の働きを高めてくれるので、必要に応じて風邪薬で症状を緩和させたり、後頭部や首を冷やしたりして、ぐっすり眠れるように工夫しましょう。
体をあたためる
体温が高くなると、血行が促進され免疫細胞や白血球の働きが活発になり、免疫力が向上します。部屋を暖房であたためたり、厚着をしたり、ホットドリンクを飲んだりして、体があたたまるようにしましょう。症状が重くない場合は、湯冷めに気をつけつつ湯船に浸かるのも効果的です。
こまめに水分補給する
発熱などの症状があると、発汗や食欲低下などが原因で、普段より体の水分が失われがちです。体の水分が少ないと血流が悪くなって、免疫細胞の働きが低下してしまいます。風邪の際はこまめに水分を補給し、免疫力の低下を防ぎましょう。不足しがちなミネラルを補給するため、経口補水液やスポーツドリンクを利用するのもおすすめです。
のどを保湿する
のどに症状がある場合は、保湿をこころがけて乾燥を防ぎましょう。のどの粘膜が乾燥するとウイルスが繁殖しやすい環境になり、症状が悪化する恐れがあるからです。加湿器を使う、マスクをして寝る、こまめにうがいや水分補給をするといった工夫で、のどが乾燥しないように注意しましょう。
市販の風邪薬の選び方や病院を受診すべき場合
風邪をひいたときに、どの市販の風邪薬を選ぶのがよいか、病院に行くかどうか悩む方も多いのでは?風邪薬での症状緩和や病院の受診で、より楽に過ごせる場合はあるでしょう。市販の風邪薬の選び方と病院を受診すべき場合について解説します。
市販の風邪薬の選び方
症状が辛くてよく眠れない場合などに、市販の風邪薬が役立ちます。ウイルス自体を排除するためではなく、自然治癒を促進させるための薬なので、症状を緩和させてしっかり睡眠や休息をとれるようにしてくれます。
風邪薬の種類は豊富にありますが、選ぶ際は症状に合わせて選ぶのが大切です。パッケージに書かれている、「高熱がある」「のどの痛みがある」「鼻水・鼻づまりがひどい」「痰がひどい」「咳がひどい」といった症状から自分に合う製品を選ぶのがおすすめ。
常備薬として家に一つ風邪薬を置いておきたい場合は、どの症状にも対応するバランスのとれた製品を選ぶとよいでしょう。
高血圧の方や、眠くなると困る方は薬剤師への相談を推奨
風邪薬には血圧に作用する成分を含む種類が多く、高血圧の方は使用に注意が必要です。薬局やドラッグストアで薬剤師に相談し、高血圧の方が飲んでも問題ない製品や漢方薬を選んでもらいましょう。
また、眠くなりにくい風邪薬を選びたい場合も、薬剤師への相談を推奨します。
どうしても起きて作業をしなければならない場合がありますが、睡眠や休息をとりやすくするために眠くなる成分が含まれる風邪薬もあります。必要な際は、日常生活に影響が少ない製品を選んでもらうとよいでしょう。
病院を受診すべき場合とは
軽症の風邪であれば、特に病院を受診しなくて問題ないとされています。ですが、重症が続いたり、普段の風邪との違いを感じたりしたら、適切な薬を処方してもらうためにも病院の受診を検討すべきでしょう。
何科を受診する?
全身に複数の症状がある場合や、判断に迷う場合には、内科を受診すれば問題ありません。
「のどが痛い」「鼻水が止まらない」「耳が痛い」といった特定の症状がある場合には、専門科である耳鼻咽喉科を受診するのもよいでしょう。
呼吸が苦しい場合、症状が悪化していく場合はとくに注意
重症の際は病院を受診すべきですが、とくに以下の2つの症状がみられる場合は、積極的に病院で診てもらうべきとされています。
1つ目は、通常の症状を超えて咳が出たり、呼吸が苦しかったりする場合。肺炎に進行しているリスクなどが考えられるので、病院で検査してもらいましょう。
2つ目は、発症して3日経っても悪化していく場合や、何度も症状がぶり返す場合です。ただの風邪ではなく、他の細菌感染症を発症しているリスクがあるため、病院を受診しましょう。なお、咳やのどの症状がないのに高熱が続く場合や扁桃腺が膿む場合は、細菌感染症が疑われるサインです。
風邪を長引かせないために早めに行動しよう
風邪をひいたときは、とくに初期段階の対応が大切と言われています。すぐに水分補給や栄養に気をつかったり、睡眠を多めにとったりすれば、重症化や長引くリスクは大きく下がるからです。
のどや鼻に違和感があった際は、風邪をひいたかもしれないと早々に判断し、免疫力を高めて風邪の早期回復が期待できる行動をこころがけましょう。
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