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血糖値が気になる人の栄養ドリンクの飲み方。「糖類ゼロ」の糖質について

2022/7/1

糖尿病の人だけでなく、健康志向の人も「血糖値」を気にする人が増えています。最近では「糖類ゼロ」などの商品もよく見かけるようになりました。今回は、栄養ドリンクと血糖値の関係や、糖尿病の人は栄養ドリンクを飲んでも良いかどうかを解説します。血糖値が気になる人の飲み方や「糖類」をはじめとした炭水化物の分類についても紹介しているので、栄養ドリンク選びの参考にしてみてください。

 

栄養ドリンクと血糖値の関係

栄養ドリンクには血糖値を上げやすい商品もあれば、血糖値にあまり影響を与えない商品もあります。
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。飲食物中の炭水化物が消化吸収され、ブドウ糖となり血液に入ります。つまり、栄養ドリンクに含まれる炭水化物が血糖値に影響を与えるのです。
健康を取り上げるメディアなどでは『血糖値を下げること』を重視するものが多いため、“血糖値が上がるのは悪いこと”というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。しかし、ブドウ糖は脳のエネルギー源であり「集中」や「疲労回復」に欠かせない栄養素なのです。
そのため、栄養ドリンクのなかには、白糖などの糖分(炭水化物)が配合されている場合が多くあります。
一方で、低炭水化物の商品も存在するので、商品パッケージの成分や添加物の欄で確認してみるとよいでしょう。

 

糖尿病の人は栄養ドリンクを飲んでいい?

糖尿病の人は、基本的に糖分の入った栄養ドリンクは安易に利用しないことが望ましいです。
病状は一人一人さまざまであるため、担当のお医者さんに相談しましょう。 カロリー制限がある場合も同様です。食事量にプラスして栄養ドリンクのカロリー数を考慮する必要があり、摂取する時は、医療機関の「担当医師」、「栄養管理相談室」などに相談することをおすすめします。

 

血糖値が気になる人の栄養ドリンクの飲み方

血糖値が気になる人が栄養ドリンクを飲む際に抑えておくべきポイントについて解説します。

糖類ゼロなら飲んでもよい?

「糖類ゼロ」の栄養ドリンクはカロリーが抑えられているので、栄養ドリンクのカロリーが気になる人に向いています。
しかし、注意点もあるので詳しく見ていきましょう。
実は、「糖類ゼロ」と記載があっても、微量の糖類が入っている場合があります。
食品表示法という法律によって、“食品100g(飲料100ml)あたりに含まれる糖類が0.5g未満の場合に「糖類ゼロ」と表示しても良い”という決まりがあるのです。 そもそも「糖類」とは、糖質のなかの単糖類(ブドウ糖など)と二糖類(砂糖など)の総称を指します。そのため、「糖類ゼロ」と記載されていても下記の図にあるような糖類以外の糖質を含んでいる可能性もあるのです。
炭水化物の分類
糖質
(糖類)単糖類:ブドウ糖・果糖・ガラクトースなど
(糖類)二糖類:砂糖(ショ糖)・乳糖・麦芽糖など
少糖類:オリゴ糖
多糖類:デキストリン・でんぷんなど
糖アルコール:ソルビトール・キシリトール
その他:ステビア・アセスルファムK・アスパルテームなど
食物繊維
ペクチン・セルロース・ヘミセルロースなど

糖類の摂取量については、日本では目標量が設定されていません。これは、日本人における糖類摂取と健康への影響についてわかっていないことが多いからです。
世界保健機構(WHO)による2015年のガイドラインでは、“肥満予防”などを目的に、※遊離糖類の摂取量を総エネルギー摂取量の10%未満に抑えることを推奨しています。
さらに、※遊離糖類の摂取量を総エネルギー摂取量の5%未満に抑えることはより健康的であるとしています。これは、成人だと砂糖小さじ6杯ほど(約25g)/日に相当します。
(※遊離糖類とは、食品や飲料の加工調理で加えられる単糖類と二糖類・果汁や濃縮果汁・はちみつ・シロップなどに自然に存在する糖類のこと。なお、生鮮フルーツや野菜・乳のなかに存在する糖は対象外) つまり、普段砂糖をよく使う人や甘い加工食品・甘い飲み物をよく口にする人は、糖類ゼロの栄養ドリンクなど糖類を抑えた商品を選ぶのがよいでしょう。

栄養ドリンクを毎日飲んでもよい?

栄養ドリンクを毎日飲んでも良いかどうかは、その人の体調や体質によってさまざまです。
栄養ドリンクの健康効果を感じている場合は、症状や体調に合わせて栄養ドリンクを飲むことができます。
万が一、栄養ドリンクを飲んだあとに発疹などの症状や体の不調が現れた場合や、しばらく栄養ドリンクを飲んでみたけれど症状が良くならない場合は、飲むのをやめてお医者さんや薬剤師さんなどに相談するとよいでしょう。

自分の体調・病状・食生活を見つめて自分にあった栄養ドリンクを選ぼう

栄養ドリンクと血糖値についてお話してきましたが、 “血糖値が上がること”がすべて体に悪いわけではなく、基本的に糖は私たちが生きるためのエネルギー源として必要不可欠なものです。
そのため、糖分が入った栄養ドリンクを摂取することで「集中力アップ」「疲労回復」といった効果が期待できます。しかし、何事も過度になると体によくありません。
普段から、甘いジュースを飲む人や甘いお菓子を食べる人など糖分が多めの食生活を送っている人や、カロリーが気になる人は、「糖類ゼロ」などの栄養ドリンクを選ぶとよいでしょう。
また、糖尿病の人は安易に栄養ドリンクを利用せずに、お医者さんなどに相談することが必要です。

  • 高村 恵美

    管理栄養士ライター高村恵美

    12年間管理栄養士として病院などに勤務。家族にいつでも"おかえり"が言えるようライターへ転身後は、忙しいひと・働くひとに寄り添うレシピの提供や、健康コラムを数多く執筆。
    自分も同じ立場だからこそ「仕事と家庭の両立に悩む女性を応援したい」気持ちが高まり、悩めるママに向けたコラム執筆も行っている。