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【医師監修】ランチ後の眠気は血糖値スパイクかも!原因は?起こりやすい人は?食事や運動で対策しよう

2024/02/21

食後にすぐ眠くなる人や、食後すぐ寝ると気持ちいいと感じる人は「血糖値スパイク」の状態になっているかもしれません。血糖値スパイクは血糖値が乱高下している状態をいいます。血糖をコントロールするインスリンが深く関わっており、健康診断では見つかりにくいのが特徴です。食後の眠気を抑えるためには、食事の仕方や運動がポイント。発生する原因や起こりやすい人、血糖値の急激な変動を抑える対策について解説していきます。

 

血糖値スパイクとは

血糖値スパイクと言われても、ピンとこない人もいるのではないでしょうか。血糖値とは何を意味するか、血糖値スパイクが起きる原因、体へのダメージについてみていきましょう。

血糖値とは

血糖値とは、血液に含まれるブドウ糖の濃度です。食事をすると炭水化物などが消化され、ブドウ糖として血液中に取り込まれます。血糖値が上昇すると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌され、血糖値を下げるように働きます。インスリンには糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ役割があるのです。

血糖値スパイクはなぜ起きる?

「血糖値スパイク」とは、食前と食後の血糖値が乱高下する状態をいい、インスリンの分泌量が減ったり、正常なタイミングで分泌されなくなったりすることにより引き起こされます。そして血糖値が急上昇すると次は血糖値を下げるために大量のインスリンが分泌されて急降下を引き起こすのです。血糖値の急上昇と急下降の状態が「とげ=スパイク」のように見えるため、血糖値スパイクと呼ばれるようになりました。
健康な人の血糖値は、70~100mg/dlの範囲でコントロールされています。食前と食後では変化しますが、変動の幅は一定です。しかし、上述したような原因で食後に血糖値が急上昇し、その反応としてインスリンの大量分泌によって血糖値が急激に下がると、眠気やだるさなどが起きるようになるのです。

血糖値スパイクで起こる体の変化やダメージ

血糖値スパイクは食後すぐに起きやすく、短時間のうちに血糖値が急上昇、急下降します。次の変化があるときは、血糖値スパイクかもしれません。

  • ・ 食後すぐ眠くなる
  • ・ 食後だるくて仕方がない
  • ・ 食後すぐ寝るのが気持ちいい
  • ・ 集中力が低下する

ただし、眠気については血糖値の変化だけがあてはまるわけではありません。食後は食べ物を消化するために胃や腸に血液が集中します。血圧が低下しやすくなるため、眠気を感じる場合もあるのです。

繰り返し血糖値スパイクが起きると、さらにすい臓の機能は低下し、インスリンの分泌量や分泌するタイミングに影響をもたらします。また、急激な血糖値の変化は血管にダメージを与え、血管の壁を厚く硬くする原因となります。健康リスクは高まるため、早めに対策をとるべきでしょう。

 

血糖値スパイクはなぜ健康診断で見つからないの?

健康診断では通常空腹の状態で採血をします。血糖値スパイクは食後の血糖値の急上昇により発生するため、一般の健康診断では見つかりません。空腹時の血糖値には問題がない、正常値の人でも起こりうるのです。
空腹時の血糖値の基準を表にしましたので、参考にしてください。

空腹時の血糖値の基準
 

血糖値スパイクが起きやすい人

血糖値スパイクは誰でも起きる可能性があります。とくに起きやすい人の特徴をそれぞれみていきましょう。

ダイエット中で食事制限をしている人

食事制限をすると、体の中のブドウ糖は不足し、血糖値が低い状態が続きます。低い状態が続いたまま食事をすると、血糖値は急上昇しインスリンの分泌が促され、血糖値が急激に低下するのです。特に朝食を抜いてしまうと昼食後に血糖値スパイクが起こりやすくなり、日中の眠気やダルさを引き起こすため注意が必要です。

ドカ食いや早食いをする人

一気に食べ物が入るため、ブドウ糖が増え血糖値は急激に上昇します。結果、インスリンが大量に分泌され、血糖値は急激に低下するのです。

肥満の人

肥満の人はインスリンの働きが悪くなりやすいため、血糖値スパイクのリスクが高くなります。インスリンが分泌されていても、脂肪がインスリンの働きを邪魔するため、血糖値の急上昇をまねいてしまうのです。

睡眠不足

睡眠不足は、インスリンの働きを低下させ、食欲の増進をもたらすとの研究報告があり、睡眠の質もインスリンの働きに影響を及ぼす要因と考えられています。血糖値スパイクを防ぐためには、良質な睡眠も重要なのです。

血縁者に糖尿病の人がいる

糖尿病の発症原因はさまざまありますが、遺伝も発症に大きく関係していることがわかっています。血縁者に糖尿病の人がいる場合は、インスリンの働きが悪くなったりインスリンの分泌が減少したりするリスクが高いため、血糖値スパイクを起こす可能性が高くなります。

 

血糖値スパイクを起こさないための対策

ランチ後の眠気は血糖値スパイクかも!

血糖値スパイクを防ぐには、食事のとり方や運動習慣の見直しが欠かせません。良質な睡眠の確保も重要です。それぞれのポイントを紹介していきます。食後の眠気で悩んでいる人はぜひ参考にしてみてくださいね。

食事のとり方

食事をとる際には、いくつかのポイントを心がけましょう。血糖値の変化をゆるやかにする効果があります。

野菜から摂取する

食事は野菜から摂取し、ご飯やパンなどの炭水化物はあとにします。水溶性食物繊維は糖質の消化吸収を遅らせ、食後の血糖値上昇を抑える働きがあるのです。野菜を食べたあとは、おかずと主食を交互に食べても効果は期待できます。外食でも意識するようにしましょう。

消化が穏やかな食材を選ぶ

消化が穏やかな食材を選ぶようにしましょう。とり入れやすいのは「お酢」です。お酢は、食後の血糖値上昇をゆるやかにする働きがあると報告されています。酢の物やサラダ、ドリンクなどお好みの方法で毎日利用してみてください。
糖質の吸収を緩やかにする水溶性食物繊維である海藻やこんにゃくなどの食品もも意識して食べましょう。主食は玄米やライ麦パンを選ぶといいですね。糖質の消化吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇を抑えられます。

1日3食きちんと食べる

1日3食とり、間隔を一定にしましょう。空腹状態が長くなると、ドカ食いや早食い、食べ過ぎの可能性があるためです。空腹感を予防するために、食事と食事の間隔は規則正しくしましょう。

間食も適度にとり入れる

次の食事まで時間があく場合は、間食もとり入れましょう。空腹状態が続くと血糖値が下がりやすくなるため適度に糖分を補給すると、食後の血糖値の急上昇を抑えられます。おすすめの間食は、糖質の少ないナッツ類や高カカオチョコレートです。ナッツ類は噛みごたえがあるので、少量でも満腹感が得られやすいでしょう。糖質は少ないですが、カロリーは高めなので、食べ過ぎには注意してください。

遅い時間に食べない

夜遅い時間の食事は控えるようにしましょう。遅い時間に食事をすると、翌朝まで血糖値が高めになってしまうためです。
とはいえ、シフト勤務の人は夕食が遅くなる場合も多いのでは。21時以降に夕食をとる人は、2回に分けて食べるよう工夫しましょう。血糖値の急激な変動を抑えられます。
たとえば18時におにぎりやサンドイッチを食べ、帰宅後におかずを食べるなど、分けて食べるようにしてみてください。

運動習慣

運動も血糖値スパイクの対策に効果的です。有酸素運動と筋トレを積極的に行いましょう。

有酸素運動を行う

ランチ後にウトウトしてしまう人は、食後30分~1時間以内に軽く運動しましょう。運動により大きい筋肉を使うと、取り込まれたブドウ糖がエネルギー源として使われ、血糖値の急上昇を抑えられます。15分程度のウォーキングがおすすめです。デスクワークの人は職場内の階段や廊下を活用してみましょう。
眠気がないときでも、毎日の有酸素運動は大切です。はじめは短時間から行い、習慣化していきましょう。

筋トレを行う

腹筋やダンベル体操、スクワットといった筋肉に負荷をかける運動も行いましょう。筋肉を増やすと、糖を消費しやすくなります。休憩時間やすきま時間に、スクワットや腕立て伏せもおすすめです。

良質な睡眠

良質な睡眠も血糖値スパイクの対策に欠かせません。前述でお伝えした定期的な運動は睡眠への効果も期待できます。毎朝日光を浴びる、起床時間や就寝時間は一定にする、寝る直前までスマホやパソコンを見ない、なども習慣にしましょう。

 
食事や運動による対策を身につけ、食後の眠気とお別れしましょう

まじめに仕事をしているのに、午後になるとおそってくる眠気は血糖値の変動のせいかもしれません。血糖値スパイクは食事や運動習慣の見直しで抑えられます。悩んでいる人はぜひ今日から対策して、仕事中や家事の合間のウトウトとサヨナラしましょう。
食後に眠気を感じやすい人は、食後血糖の上昇をゆるやかにする機能のある、サプリメントをとりいれるのも方法の一つです。

 
監修医師からのアドバイス

血糖値スパイラルは通常の健康診断などでは発見されにくいのが特徴です。
しかし、血糖値の乱高下が続くとインスリンの分泌や働きがさらに悪化して糖尿病になるリスクがあります。つまり、血糖値スパイクが起こりやすい人は糖尿病予備軍の状態にあるといえるのです。

食後に眠気やだるさがある人は、まず生活習慣を見直してみましょう。今回ご紹介したように食事や運動習慣に注意して対策してみてください。
十分な対策をしても症状が眠気やだるさが続く場合は、病院で詳しい検査を受けることをおすすめします。病院では空腹時の血糖値だけではなく、糖分を補給した後の血糖値の変化を測る詳しい検査などを行います。

糖尿病は自覚症状がないものの、放置すると動脈硬化を引き起こして心筋梗塞や脳卒中など命に関わる病気の引き金になることがあります。
血糖値スパイクも軽く考えず、思い当たる症状がある方は要注意です。

  • 成田

    監修医師成田 亜希子

    2011年医師免許取得。初期臨床研修を経て総合診療医として幅広い分野の治療に携わる。
    臨床医として勤務しながら、行政機関での勤務経験もあり地域の健康課題にアプローチした健康寿命延伸、感染症対策などの医療行政にも携わってきた。 国立保健医療科学院、結核研究所での研鑽も積む。 現在、医療法人ウェルパートナー主任医師。