GWは送料無料! ケロちゃんコロちゃんプレゼント

【医師監修】風邪のときお風呂に入っていいの?症状別の入り方は?注意点と入浴を避けた方がよい状態を解説

風邪薬・解熱鎮痛剤COLD MEDICINE
MORE
2023/12/08

風邪のときにお風呂に入ってよいか迷う方は多いのではないでしょうか。昔は避けるべきと言われていましたが、現在では症状によっては入浴しても問題ないと考えられています。
昔と現在における考え方の変化の理由や、入浴を避けた方がよい体の状態、入る際や家族がいる場合の注意点などについて解説します。

 

風邪とお風呂の関係

風邪のときは、お風呂に入った方がよいのでしょうか?昔は避けるべきと言われていたので、本当に入ってよいか疑問に思う方はいるかもしれません。
現在は、高熱など症状が重い場合を除いて、入浴しても問題ないと考えられています。入浴には、風邪の症状改善に役立つ効果が期待できる場合もあります。昔と現在での入浴環境の変化や、風邪のときに入浴するメリットなどについて解説していきます。

風邪には免疫機能の維持が重要

風邪とは、鼻やのどの炎症の総称で、正式には「かぜ症候群」と言います。主にウイルス感染を原因とする炎症により、せき・たん・のどの痛み・発熱・くしゃみ・鼻水・鼻づまりといった症状を引き起こします。
免疫が機能すれば風邪の重症化を予防することができるため、免疫機能を維持するように注意する必要があります。

昔、風邪でお風呂を避けていた理由と環境の変化

昔の家は気密性が低いため、お風呂場が寒く、銭湯へ行くと往復する間に体が冷えてしまいました。冷えると、免疫を担う細胞の働きが低下するため風邪が悪化しやすくなります。つまり、昔は入浴の前後で体が冷えて体調を悪化させやすい環境にあったことが風邪のとくに入浴を避けていた理由の一つです。。
しかし、現在では、気密性の高い家が多く、冬でも比較的あたたかい環境で入浴できるようになりました。昔と比べると、入浴の際に冷えて風邪を悪化させる危険性は大きく下がったと言えるでしょう。

風邪のときこそお風呂を利用する

入浴には、「温浴と水圧により血流をよくする」「清浄」「リラックス」など、さまざまな健康効果があり、風邪にもプラスに働きます。
あたたかいお風呂に浸かり、体温の上昇とともに血流がよくなると、免疫細胞が活性化します。また、リラックス効果により副交感神経の働きが高まると、免疫細胞の一種であるリンパ球が増えることが分かっています。リンパ球はウイルスなどの病原体を攻撃する働きがあるため、風邪の回復につながるのです。
以上のように、入浴には風邪に効果的な側面が多いため、風邪のひきはじめや治りかけなど症状が軽いときには、むしろ入浴した方がよいとの意見もあります。お風呂は風邪の予防にもつながる健康習慣なので、できるだけ毎日入りましょう。

湯気でのどや鼻を潤す

風邪をひくとのどや鼻の粘膜に炎症が生じ、乾燥した状態となります。鼻やのどの粘膜には侵入したウイルスなどの病原体をキャッチして身体の外に追い出す線毛と呼ばれる細かい毛が密生しています。線毛は乾燥した状態になると働きが鈍くなるため、風邪の影響で乾燥するとまた別の病原体が侵入してしまうケースも少なくありません。
入浴したときは湯気でのどや鼻を潤してあげましょう。湯気にあたると鼻水が柔らかくなってつらい鼻づまり対策にも効果が期待できます。

シャワーで済ませず湯船に浸かろう

基本的に、風邪のときはシャワーで済ませず、免疫機能を維持するために湯船に浸かって体をしっかりあたためましょう。お風呂から上がった後に体が冷えてしまうのを防げるからです。
ただし、高熱が出ているなど風邪の症状が重い場合には、体力の消耗を避けるために湯船に浸かるのを避けてください。脱水のリスクも高まります。ホットタオルで体を拭く程度にとどめた方がよいでしょう。

風邪はお風呂を介して家族にうつる?

家族で住んでいる方は、お風呂で風邪をうつしてしまわないか気になるかもしれません。ウイルスは高温多湿の環境では生存しにくいため、一般的にはお風呂で風邪がうつる可能性は低いとされています。
しかし、お風呂のお湯を介して家族に感染する可能性もゼロではありません。さらに、風邪をひいている人の唾が付着したタオルや桶に触れた手で自分の口や目に触れてしまうと、感染するリスクがあります。
風邪のときに入浴する場合はできるだけ最後に入り、直接体に触れるタオルや桶の使いまわしに注意しましょう。

 

風邪で入浴を避けるべき場合とは

風邪の症状緩和や免疫細胞の活性化のため、入浴は効果的なケースがあるのは間違いありません。とはいえ、風邪の症状によっては、入浴を避けるべき場合があります。お風呂に入ると体に一定の負担がかかるため、無理をすると意識がもうろうとしたり、体力を消耗しすぎて何かしらの悪影響を生じるリスクがあるからです。

高熱や症状がひどい場合は入浴を避ける

一般的に、体温37.5℃以上の状態が発熱とされています。風邪による発熱は、体内に入りこんだウイルスなどの病原体の増殖に対する防御反応で、発熱時に入浴すると体の脱水が進んだり、ふらつきやめまいを感じやすかったりします。
とくに38℃を超える高熱の際には、脱水のリスクが高まりますので入浴は避けましょう。また、高熱はなくとも症状がひどい、起き上がるのがきつい、食べ物がまったくのどを通らないといった状態でも入浴を避けるのが無難です。体力の消耗を避け、なるべく安静にして過ごしましょう。

嘔吐や下痢の症状がある際は家族への感染に気をつける

万が一、浴室で嘔吐や下痢をしてしまうと、家族へ感染するリスクが高まります。症状がある際は、入浴を避けましょう。

判断に迷うときは病院へ

高熱は客観的に判断できても、症状が重いかどうかまでは自分で判断しにくい場合があるでしょう。今まで感じた経験のない症状が見られる場合は、単なる風邪でない可能性があります。判断に迷うときは無理に入浴せず、病院を受診したときに医師に相談しましょう。

 

風邪のときに入浴する際の注意点やコツ

風邪のときはお風呂に入っていいの?

風邪で体調に違和感があるときの入浴では、体調悪化のリスクを下げるために、以下の点に注意しましょう。

体に負担をかけないよう工夫しよう

脱水を避けるために、入浴の前後に水分補給をしましょう。お湯は高温を避け、40℃以下の体に負担をかけずに心地よくあたたまる温度が最適です。入浴時間は15分程度にとどめてください。くれぐれも長湯は禁物です。体をケアしつつ、入浴するように心がけましょう。

体の冷えや激しい温度差に注意しよう

体調悪化のリスクを下げるには、入浴後の冷え対策が重要です。汗や肌の水分が蒸発するときに体が冷えないように水分はしっかり拭きとり、髪はドライヤーで乾かしましょう。汗をかくので、タオルで体をこまめに拭くのも大切です。冬場はとくに体が冷えやすいので、入浴前に脱衣所や浴室をあたためておき、暖房が効いているあたたかい部屋との温度差が広がるのを防ぎましょう。

 
風邪の症状が軽い場合は入浴できる

高熱などの症状が重い場合を除けば、風邪のときでも入浴することは可能です。風邪による体調不良の改善につながるケースも少なくありません。鼻水・鼻づまり・のどの違和感くらいの軽い症状であれば、入浴により症状が緩和したり、免疫細胞を活性化させて重症化を予防したりできる可能性があります。ただし、体に余計な負担がかからないように、冷えや温度対策をして入浴しましょう。

監修医師からのアドバイス

風邪をひいたときでも入浴することは可能です。今回ご紹介したように、入浴によって身体が温まると免疫細胞が活性化されて重症化を予防できる効果が期待できます。また、湯気が鼻づまりやのどの痛みを和らげてくれる可能性もあるでしょう。
しかし、次のようなときは注意が必要です。

・38℃以上の熱が出ている
・水分や食事が十分に摂れない
・強い症状がある

無理に入浴すると脱水のリスクがありますし、ふらつきやめまいなどが生じる可能性もあります。
汗や汚れが気になるときはシャワーだけでサッと済ましましょう。また、風邪をひいているときは肌への刺激や香りが強い入浴剤は控えてください。風邪をひいているときは思わぬ刺激で体調が悪化することがありますので注意が必要です。

  • 成田

    監修医師成田 亜希子

    2011年医師免許取得。初期臨床研修を経て総合診療医として幅広い分野の治療に携わる。
    臨床医として勤務しながら、行政機関での勤務経験もあり地域の健康課題にアプローチした健康寿命延伸、感染症対策などの医療行政にも携わってきた。 国立保健医療科学院、結核研究所での研鑽も積む。 現在、医療法人ウェルパートナー主任医師。