監修医師成田 亜希子
2011年医師免許取得。初期臨床研修を経て総合診療医として幅広い分野の治療に携わる。
臨床医として勤務しながら、行政機関での勤務経験もあり地域の健康課題にアプローチした健康寿命延伸、感染症対策などの医療行政にも携わってきた。
国立保健医療科学院、結核研究所での研鑽も積む。
現在、医療法人ウェルパートナー主任医師。
春や秋の季節の変わり目の咳は、風邪や花粉によるアレルギー反応、寒暖差による自律神経バランスの乱れがおもな原因と考えられます。咳、痰、鼻水などの症状が出ているときは、原因に合わせたセルフケアを試してみるとよいでしょう。温かい飲み物を飲む、喉を保湿する、市販薬を服用するといったセルフケアがよい場合もあります。普段から十分な睡眠やバランスのよい食事を心がけ、運動習慣を持つのも大事です。息苦しさが強い場合や、症状が2週間以上続くときは医療機関の受診をおすすめします。
春や秋の季節の変わり目は、風邪や花粉によるアレルギー反応、寒暖差によって咳が出るときがあります。原因を一つずつみていきましょう。
季節の変わり目は風邪をひきやすく、症状の一つとして咳が出るようになります。気温や気圧が急激に変化する日が続くと、自律神経のバランスが崩れて免疫機能が低下。ウイルスが侵入しやすくなり、風邪をひいてしまうのです。
花粉によるアレルギー反応として、咳が出るときがあります。「痰の絡まない乾いた咳」が特徴です。風邪と症状が似ているため、花粉の飛散シーズンは迷うときもあるでしょう。飛散時期に症状が続き、くしゃみや鼻水といった鼻の症状が強く出るのが特徴です。また、外出時に症状が強く出やすく、屋内では症状が落ち着くのも花粉症の特徴と言えます。一方風邪は、体の回復に伴い1週間程度で症状が軽減するのが一般的です。
寒暖差により、咳・くしゃみ・鼻水といった症状がみられる場合も。寒暖差によるアレルギー反応、自律神経バランスの乱れによる気管粘膜の過敏性が原因と考えられています。
咳は、体内に入ってきたウイルスなどの病原体、花粉、ホコリといった異物を、気道から取り除こうとする反応です。私たちの体にこれらの異物が侵入すると、喉や気道の粘膜に付着します。すると脳の咳中枢を刺激し、呼吸に関わる筋肉に指示が送られ、咳が起こるのです。また咳には、痰を排出する役割もあります。気道の粘液が絡みついた痰が増えると、外に出すために咳が出るのです。
咳が出てなかなか止まらずに、つらい思いをした経験がある人もいるかもしれません。咳が止まりにくいときは、温かい飲み物を飲む・保湿をする・うがいをするといった方法が有効な場合があります。
温かい飲み物を飲むと喉がうるおい、咳が出にくくなります。痰が絡むときは水分を補給すると、痰を出しやすくなるでしょう。喉によいといわれるハチミツを使った飲み物がおすすめです。
咳が止まらないときは、室内を保湿したり、水分を多めに摂ったりするなど喉の保湿を心がけるとよいでしょう。気管の粘膜が乾燥すると咳の反射が生じやすくなり、咳が止まりにくくなる場合があります。
うがいは、花粉などの異物を除去し、喉の粘膜をうるおします。咳が止まらないときだけでなく、外出から帰った後もこまめにおこないましょう。ブクブクうがいとガラガラうがいを組み合わせるのがポイントです。
季節の変わり目の咳を防ぐには、外出時のマスク着用、室内の加湿、こまめな掃除といった日常生活での対策も欠かせません。一つずつみていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
外出時はマスクを着用しましょう。花粉など咳の原因となる異物の吸入を防げます。喉の保湿にも有効であり、風邪の予防にもつながると考えられています。
空気の乾燥を防ぐために、室内の湿度を適切に保つようにしましょう。喉や気道の粘膜が乾燥すると刺激を受けやすい状態になり、イガイガしたり、咳が出やすくなったりします。適切な湿度は40~60%が目安です。加湿器を使用する、濡れたタオルを室内に干す、水入りのコップを置くなどして対策をとりましょう。
こまめに掃除をして、花粉やほこりを取り除きましょう。花粉の飛散が多い時期は、掃除をするタイミングと順番に注意が必要です。タイミングは朝一番がおすすめ。いきなり掃除機をかけるのではなく、雑巾やウェットシートで拭き掃除をするのがポイントです。花粉やほこりを舞い上げないように気をつけましょう。
睡眠不足によって疲労がたまると、免疫機能の低下を招きます。風邪やインフルエンザといった感染症にかかりやすくなるのです。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人の適正な睡眠時間目安を「6時間以上」としています。ただし適正な睡眠時間は個人差があるため、日中の眠気に応じて調整しましょう。
参照:「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」/厚生労働省食事はさまざまな食品をバランスよくとりましょう。毎食主食・主菜・副菜を揃えるのが望ましいです。免疫機能を高める食材もメニューに加えましょう。免疫機能は腸内環境と密接に関係しているとされているため、きのこ類や納豆・ヨーグルト・味噌といった発酵食品を積極的に活用してみてください。
有酸素運動や筋トレを定期的におこなうようにしましょう。運動は筋肉を鍛え、免疫機能の向上にも役立ちます。通勤の際は一駅分歩く、会社内の移動は階段を使うといった工夫をしてみましょう。また、ストレッチは体の緊張をほぐす効果もあります。
風邪は咳の主な原因の一つです。咳のほか、鼻水・鼻づまりやくしゃみ、熱といった症状もみられるときは、市販薬を活用するのもおすすめ。市販薬に配合される以下の成分は、咳・痰を和らげる効果が期待できます。
風邪は、のどの痛み・発熱・せき・鼻水・関節痛など、さまざまな症状をともなうことがあります。体調を早く整えたいときには、市販薬や漢方薬を活用するのも一つの手段です。ただし、薬の選び方や使い方には注意が必要でしょう。
ここでは、「コルゲンコーワ 風邪・解熱・鎮痛シリーズ」の紹介を中心に、大人と子どもの違い、症状別のポイント、代表的な漢方薬について解説します。ご自身の体調に合わせた適切な対応を見つける参考にしてみてください。
市販薬には、大人用と子ども用に分かれている風邪薬が多くあります。
コルゲンコーワシリーズには、15歳未満は服用できないタイプや、5歳から大人まで服用できるタイプといったかぜ薬が用意されており、年齢に応じた用量・用法が設定されています。
購入時は、パッケージに書かれている年齢区分や用量の確認を忘れずに。お子さんが使う際は、とくに、年齢に合った製品を選ぶようにしましょう。
「コルゲンコーワの風邪・解熱・鎮痛シリーズ」には、のどの痛みや発熱といった症状に配慮した製品があります。症状ごとに選び分けることで、体調の回復をサポートしやすくなるでしょう。
なお、複数の症状が出ているときは、総合的にケアできる総合かぜ薬を選ぶのも選択肢です。
<かぜの初期症状例>
風邪のひきはじめなどに使われやすい漢方薬もあります。代表的なのは「葛根湯(かっこんとう)」「麻黄湯」などです。
現在、コルゲンコーワシリーズでは、漢方処方である「麻黄湯」を配合したかぜ薬『コルゲンコーワ液体かぜ薬 (30mL×3本) 【第2類医薬品】』『コルゲンコーワ顆粒かぜ薬(6包) 【第2類医薬品】』を発売しています。
漢方薬は、体質や症状に合わせて選ぶのが大切です。自己判断ではなく、必ず薬剤師や医師に相談してから使うのがおすすめです。
常備薬を選びたい場合は、風邪の複数の症状に対応できる市販薬がおすすめです。発熱やのどの痛み、鼻水、せきに効果のある成分を複合し「総合かぜ薬」と呼ばれます。
日中は忙しくて服用する時間がとれない場合や、飲み忘れが心配な方は、1日の服用回数で選ぶのもいいでしょう。風邪薬には1日3回の製品と、1日2回の製品があり、1日2回の製品は昼に飲む必要がありません。確実に服用できる方を選ぶといいでしょう。
| 品名 | 画像 | タイプ | ここに注目 | 分類 | ポイント | 主な特徴 | 効能・効果 | 用法・用量 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| コルゲンコーワIB錠TXα(27錠) | ![]() |
しっかり治したい | 【イブプロフェン配合】 【小粒錠】 【総合かぜ薬】 |
指定第2類医薬品 | 7つの有効成分が、ツラいかぜの諸症状をやわらげます。 | ★イブプロフェン(1日あたり)最大量*600mg配合*当社コルゲン内イブプロフェン最大量配合 ★去痰成分アンブロキソール塩酸塩配合 ★解熱鎮痛成分「イブプロフェン」、抗炎症成分「トラネキサム酸」、「無水カフェイン」を同時配合しました |
かぜの諸症状(のどの痛み,発熱,悪寒,頭痛,せき,たん,鼻水,鼻づまり,くしゃみ,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和 | 次の量を食後なるべく30分以内に水又は温湯で服用してください。 成人(15歳以上):1回3錠、1日3回 15歳未満:服用しないこと |
| コルゲンコーワIB透明カプセルαプラス(18カプセル) | ![]() |
今すぐ治したい | 【透明カプセル】 【イブプロフェン配合】 【急な発熱時の備えに】 |
指定第2類医薬品 | 液状の有効成分が体の中でいち早く溶け出し、発熱・のどの痛みを抑えます。 | ★イブプロフェン(1日あたり)最大量*600mg配合*当社コルゲン内イブプロフェン最大量配合 ★中身が“液状”の透明カプセルですので有効成分が体の中でいち早く溶け出し、発熱・のどの痛みを抑えます。 ★アンブロキソール塩酸塩を配合し、かぜのひきはじめはもちろん、かぜの後期の症状(しつこく残るせき、たん)にも対応します。 |
かぜの諸症状(発熱,のどの痛み,せき,たん,悪寒,頭痛,鼻水,鼻づまり,くしゃみ,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和 | 次の量を食後なるべく30分以内に水又は温湯で服用してください。 成人(15歳以上):1回2カプセル、1日3回 15歳未満:服用しないこと |
| コルゲンコーワIB2(8カプセル) | ![]() |
長く効いてほしい | 【透明カプセル】 【2種の顆粒を配合】 【携帯に便利】 |
指定第2類医薬品 | 『早く溶ける顆粒』と『ゆっくり溶ける顆粒』を配合し、1日2回で効く! | ★早く溶ける顆粒とゆっくり溶ける顆粒を配合し、1日2回の服用で効果が持続します。 ★イブプロフェン1回200mg、鼻汁抑制作用を持つヨウ化イソプロパミド配合で、のどの痛み・鼻水によく効きます! |
かぜの諸症状(のどの痛み,発熱,鼻水,鼻づまり,くしゃみ,せき,たん,悪寒,頭痛,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和 | 次の量を朝夕食後なるべく30分以内に水又は温湯で服用してください。 成人(15歳以上):1回2カプセル、1日2回 15歳未満:服用しないこと |
| コルゲンコーワ液体かぜ薬(30mL×3本) | ![]() |
かぜのひきはじめに・眠くなりにくい | 【液体タイプ】 【眠気に配慮】 【ひきはじめ】 |
指定第2類医薬品 | かぜのひきはじめによく効く「麻黄湯」を配合した液体タイプと顆粒タイプのかぜ薬です。 | ★漢方処方である「麻黄湯」を配合したかぜ薬です。 ★「麻黄湯」は古くからかぜのひきはじめの「寒け」、「発熱」、「ふしぶしの痛み」に用いられており、これらの症状にすぐれた効果を発揮することが知られています。 ★眠くなる成分を含んでいません。 |
体力充実して,かぜのひきはじめで,さむけがして発熱,頭痛があり,せきが出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの次の諸症:感冒,鼻かぜ,気管支炎,鼻づまり | 次の量を食前又は食間によく振ってから服用してください。 成人(15歳以上):1回1本、1日3回 15歳未満:服用しないこと |
| コルゲンコーワ顆粒かぜ薬(6包) | ![]() |
かぜのひきはじめに・眠くなりにくい | 【顆粒タイプ】 【スティック包装】 【ひきはじめ】 |
指定第2類医薬品 | かぜのひきはじめによく効く「麻黄湯」を配合した液体タイプと顆粒タイプのかぜ薬です。 | ★漢方処方である「麻黄湯」を配合したかぜ薬です。 ★「麻黄湯」は古くからかぜのひきはじめの「寒け」、「発熱」、「ふしぶしの痛み」に用いられており、これらの症状にすぐれた効果を発揮することが知られています。 ★眠くなる成分を含んでいません。 |
体力充実して,かぜのひきはじめで,さむけがして発熱,頭痛があり,せきが出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの次の諸症:感冒,鼻かぜ,気管支炎,鼻づまり | 次の量を,食前又は食間にそのまま水かお湯にて服用してください。またはお湯に溶かしてよくかき混ぜた後,温服してください。 成人(15歳以上):1回1包、1日2回朝夕 7歳以上15歳未満:1日2/3包、1日2回朝夕 4歳以上7歳未満:1回1/2包、1日2回朝夕 2歳以上4歳未満:1回1/3包:、1日2回朝夕 2歳未満:服用しないこと |
| コルゲンコーワ総合かぜ薬(110錠) | ![]() |
5歳から大人まで | 【総合かぜ薬】 【家族で使える】 【110錠の大容量】 |
指定第2類医薬品 | 5歳から大人まで服用できるかぜ薬 家族みんなのかぜに良く効く! | ★アセトアミノフェン最大量※900mg配合(9錠あたり) ※一般用医薬品のかぜ薬製造販売承認基準の最大量配合 承認基準とは厚生労働省が承認事務の効率化を図るために定めた医薬品の範囲のこと ★のどのハレ・痛みを鎮める抗炎症成分トラネキサム酸配合 ★5歳から大人まで服用できるファミリータイプのかぜ薬 |
かぜの諸症状(のどの痛み,鼻水,鼻づまり,くしゃみ,せき,たん,発熱,悪寒(発熱によるさむけ),頭痛,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和 | 次の量を食後なるべく30分以内に,水又はお湯で,かまずに服用してください。 成人(15歳以上):1回3錠、1日3回 11歳以上15歳未満:1回2錠、1日3回 5歳以上11歳未満:1回1錠、1日3回 5歳未満の幼児:服用しないこと |
使用上の注意:
「第②類医薬品: これらの医薬品は、「使用上の注意」をよく読んでお使いください。アレルギー体質の方は、必ず薬剤師、登録販売者にご相談ください。 」に修正してください。
セルフケアしても咳が長引いたり悪化したりするときは、他の病気が隠れている可能性もあります。以下の症状に当てはまるときは迷わず医療機関を受診するようにしてください。
激しい咳で息苦しさが強い、咳が出なくても息苦しいといったケースでは、喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の可能性があります。とくにCOPDは、喫煙歴のある方が発症しやすいとされているため注意が必要です。
風邪の症状や持続期間は、原因となるウイルスにより異なりますが、一般的には7~10日程度です。2週間以上咳が続いているときは医療機関への受診が必要です。気管支炎や肺炎、アレルギー性の病気などが考えられます。
咳のほか、発熱や倦怠感がみられるときは、風邪を含めた感染症の可能性があります。特に症状が強い場合はインフルエンザや新型コロナウイルス感染症の可能性も。医療機関を受診して診断がつけば、抗ウイルス薬などの治療薬を処方してもらえるケースも。症状が軽い際は、風邪の諸症状を和らげる市販薬を服用し、自宅で様子をみてもよいでしょう。
咳の原因は多岐に渡ります。特に季節の変わり目は自律神経バランスの乱れなどによって免疫機能が低下し、風邪を引きやすくなります。花粉症などアレルギーによる病気を発症する人も多くなる時期です。季節の変わり目は、うがいや手洗い、マスクの着用を徹底しましょう。風邪が疑われるときは、市販薬で対処するのも一つの方法です。
ただし、症状は花粉のアレルギー反応と似ているため注意する必要があります。どちらかわからない場合は、自己判断で市販薬を服用するのは避け、医療機関を受診しましょう。
季節の変わり目に体調を崩しやすくなる方も少なくないでしょう。咳は季節の変わり目に生じやすい症状の一つであり、なかなか改善しないケースもあります。
季節の変わり目の咳の原因は今回ご紹介したように、風邪、花粉症などのアレルギー、寒暖差による気管粘膜の過敏性などが挙げられます。
咳が出やすいときは、どのような原因か考えてそれぞれに合ったセルフケアをするのが大切です。
ただし、自己判断が危険な場合もあります。セルフケアをしても咳が止まりにくい場合は自己判断で放置せず、医療機関を受診して適切な診療・治療を受けるようにしましょう。
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