薬機法ライター皐月萌可
会社員時代の体調不良をきっかけに健康への関心を深め、Webライターとして美容・健康コラムを多数執筆。薬機法管理者、コスメ薬機法管理者、YMAA個人認証マークの資格を持つ。
前職はシステムエンジニアで、IT系をはじめ難解な内容を初心者向けに分かりやすく解説するのが得意。幅広い知識と経験を基に、読者の日常に役立つ情報を親しみやすい文章で発信している。
疲れたと感じるときは、精神と身体の両方に負担がかかっている状態です。休息時間が足りず、ストレスが溜まると、集中力の低下やだるさといった症状を引き起こします。疲れが取れない、眠れないといった状況が続くときは、生活習慣や食べ物・飲み物を見直しましょう。バランスのよい食事や質の高い睡眠を意識すれば、疲労の改善が期待できます。栄養ドリンクやサプリメントも活用し、自分に合う方法で健康的な生活を送りましょう。
「疲れやすい体質かも」と感じている人でも、原因を見直し、適切に対策をすれば、日常生活の中で疲れを軽減できます。主な疲れの原因は、体の酷使による「身体的な疲れ」・ストレスからくる「精神的な疲れ」・慢性的な疲れを引き起こす「病気による疲れ」の3つです。まずは自分の疲れがどのタイプかを見極めましょう。
体を酷使すると、疲労物質が蓄積し、身体的疲労として現れます。残業や立ち仕事などの過重労働や、長時間のスポーツ・トレーニングが多い人は、疲れが溜まりやすいでしょう。
また、体を動かしすぎると、筋肉に蓄えられたエネルギーが消費され、血流も悪化。筋肉の働きの低下により、ちょっとした動作で疲れを感じるケースもあります。
精神的な疲れは、強いストレスが脳に影響を与え、脳細胞に負荷がかかって引き起こされます。「やる気が出ない」「何もしたくない」といった感覚は、脳や体が休息を求めているサインと言えるでしょう。
精神的な疲れを引き起こす主な要因としては、職場でのプレッシャーや人間関係のトラブルが挙げられます。とくに真面目な性格や努力家タイプの方は、「弱音を吐いてはいけない」と自分を追い込み、限界を超えて無理を続けてしまうケースが少なくありません。精神的疲労が蓄積されると、やがてメンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性も高まるため、早めの対処が大切です。
十分に休んでも疲れが取れないときは、何らかの病気が隠れている可能性があります。たとえば、貧血や糖尿病、甲状腺機能障害は、全身のだるさや倦怠感を引き起こす病気です。病気による疲れは休養しても改善されにくく、慢性的に続く傾向があります。また、不眠や意欲低下といった症状が続く場合、うつ病や適応障害、統合失調症といった精神疾患の可能性も。
疲れと同時に発熱や体重の減少、顔色の悪さなどが見られる際は、早めに医療機関を受診しましょう。検査を受けて疲労の原因を突き止められれば、適切な治療や対策ができます。自己判断で対処せず、気になる症状があれば医師に相談しましょう。
疲れを感じたときは、適切な方法で心と体をしっかり休ませましょう。睡眠や休息を十分に取るだけでなく、栄養バランスのよい食事や軽い運動、全身を温める入浴を取り入れると、疲労回復がスムーズになります。また、趣味や人との交流で気分転換をするのも重要です。
疲れを取る方法を日常生活にうまく取り入れれば、身体的・精神的な疲労を効率よく回復できます。自分の生活スタイルに合った方法を見つけ、継続的に実践してみましょう。
疲れを取るには、規則正しい生活リズムと十分な休息時間の確保が重要です。とくに、毎日なるべく決まった時間に寝起きする習慣をつけると、体内時計が安定し、睡眠の質が向上します。
また、スケジュールを決める際は、余裕を持って計画するように心がけましょう。予定を詰め込みすぎると休息する時間を確保できず、疲労が蓄積する原因に。疲労を感じているときに無理に作業を続けると、効率が著しく低下し、さらに疲れが蓄積する悪循環に陥ります。次の活動への活力を生み出すためにも、適度な休息が不可欠です。
疲労回復には適切な栄養摂取が欠かせないため、1日3食を基本にしましょう。エネルギー源となる糖質や脂質、筋肉の修復に必要なタンパク質、体の調子を整えるビタミンやミネラルを、バランスよく摂取してください。
栄養バランスの偏った食生活が続くと、体がだるく感じたり、集中力が続かなくなったりする原因になります。疲れが気になるときは、菓子パンやインスタント食品などに偏らず、主食・主菜・副菜がそろった食事を意識しましょう。外食やコンビニ食でも、栄養バランスが整うように、野菜やタンパク質を意識して選んでみてください。
疲れているときこそ、ストレッチやウォーキングといった軽い運動が効果的です。適度な運動は血流を促進し、体内に溜まった疲労物質を効率よく分解・排出する助けとなります。
とくに、デスクワークなどで同じ姿勢が続くと、血行が滞って疲れやすい状態に。こまめに立ち上がって軽く体を動かすだけでも、筋肉のこわばりがほぐれ、気分もすっきりしやすくなります。疲れにくい体を作るためにも、日々の中に運動の時間を取り入れましょう。
疲れを感じたときは、シャワーだけで済ませず、湯船にしっかり浸かって体を温めましょう。全身が温まると血流が促進され、体内に溜まった疲労物質が分解・代謝されやすくなり、疲れが取れやすくなります。39~40度のお湯に10~15分程度浸かるのが理想的です。
また、入浴後に体温が徐々に下がっていくと、自然と眠気が訪れます。寝つきをよくし、深い睡眠を得やすくするには、就寝の1~2時間前を目安に入浴するのがおすすめです。疲労回復のために、リラックスできる入浴習慣を取り入れてみましょう。
精神的な疲れを抱えたままでは心が休まらず、ストレスも蓄積しやすくなります。仕事や家庭の悩みが頭から離れないときは、意識的に気分転換しましょう。
たとえば、親しい友人と食事を楽しんだり、電話やメッセージで話したりするだけでも、気持ちが軽くなる場合があります。会話を通じて笑顔になれば、自然と気持ちが明るくなるでしょう。
また、芸術や自然に触れる経験は、感性を刺激し、リラックス効果をもたらします。美術館やコンサート、自然豊かな場所へ行くのがおすすめです。普段と異なる環境で心穏やかに過ごすと、気分がリフレッシュするでしょう。
疲労を回復させるには、日々の食事内容に気を配る必要があります。調理の手間が少なく、栄養を効率よく摂取できるレシピを活用すれば、無理なく栄養補給が可能です。疲れを感じやすいときは、疲れを取る食べ物・飲み物で内側から整えていきましょう。
エネルギー代謝や体の組織形成を助ける栄養素は、疲労回復に欠かせません。下記の表に、各栄養素の働きと代表的な食べ物をまとめたので、ぜひ参考にしてください。
疲労回復を目指すには、必要な栄養素を無理なく摂取できるメニューを取り入れるのが効果的です。栄養価が高く、忙しい日でも取り入れやすい「キムチ鍋」「かつおと焼き野菜のサラダ」「ミルクセーキ」のレシピをご紹介します。どれも簡単に作れるので、献立に迷ったときの参考にして、食事から元気を取り戻しましょう。
キムチ鍋は、疲労回復に必要な栄養素を補える、おすすめの一品です。豚肉にはビタミンB1、にら・ねぎにはビタミンB1の利用効率を高めるアリシンが含まれています。
鍋料理の大きな利点は、多くの食材を一度に摂取できる点です。火を通すと野菜のかさが減るため、無理なくたくさん食べられます。食事の最後には、野菜から溶け出したビタミンたっぷりの煮汁に、米やうどんを入れて締めるのがおすすめ。エネルギー源となる糖質も補給でき、満足感のある食事になります。
かつおと焼き野菜のサラダは、疲労回復に必要な栄養素をバランスよく摂取できるメニューです。かつおには筋肉の材料となるタンパク質や、エネルギー代謝を助けるビタミンB6が多く含まれています。さらに鉄分も摂取できるため、貧血気味の方やだるさを感じやすい方にもぴったり。野菜は加熱により甘みが引き立ち、さっぱりとしたかつおと相性抜群です。疲れを感じた日には、彩り豊かなサラダで内側から元気を補いましょう。
ミルクセーキは、疲れを感じたときに手軽に栄養補給できる飲み物です。卵には、疲労回復に必要なビタミンB2が含まれています。カルシウムを含む牛乳と組み合わせると、栄養バランスに優れた一品に。調理する際には新鮮な卵を使用し、衛生面に配慮して飲む直前に作りましょう。またフルーツを加えると、自然な甘みとともにビタミン類も補えます。
睡眠は心身の健康を維持し、毎日のパフォーマンスを支える大切な時間です。ただ長く眠るだけではなく、リラックスして休める環境や生活習慣づくりがポイントになります。
最近「疲れが抜けにくい」「寝つきが悪い」と感じる方は、まず日々の過ごし方や寝室の環境を見直してみましょう。今回は、心地よく眠るための工夫や、生活習慣で意識したいポイントをご紹介します。
睡眠は、疲れた体や心を回復させるために、非常に重要な役割を果たします。十分な睡眠が確保できないと、疲労が蓄積し、心身の健康状態が徐々に悪化していく恐れがあるのです。
適した睡眠時間は6~8時間と言われていますが、個人差があるため、自分に最適な睡眠時間を見つけましょう。十分寝たつもりでも疲れが取れないと感じる場合は、眠りの質が十分でない可能性があります。慢性的に睡眠不足が続くなら、まずは睡眠環境や生活習慣を見直してみましょう。
疲れた体を休めたいときは、睡眠環境や生活習慣を整える工夫が欠かせません。快適な室温や湿度、体に合った寝具を整えるのはもちろん、眠る前の過ごし方や朝の行動も重要です。紹介する方法を少しずつ取り入れてみましょう。
疲れを和らげるには、快適な睡眠環境を整えるのが大切です。とくに、静かで暗い部屋は入眠を促し、深い眠りにつきやすくなります。温度や湿度にも気を配り、冬は20℃前後、夏は26℃前後、湿度は40~70%に保ちましょう。
また、寝具選びも質のよい睡眠には欠かせません。敷布団やマットレスは、体をしっかり支えながらも沈み込みすぎない硬さが理想的。掛布団は体にやさしくフィットする軽い素材がおすすめです。枕は高さや硬さが合っているかを確認し、首や肩に負担がかからないタイプを選ぶようにしましょう。
夜の休息をサポートするために、寝る前の習慣も見直しましょう。夕食は寝る3時間前までに済ませると、胃腸の働きが落ち着きます。カフェインを含む飲み物は覚醒作用があるため、夕方以降は控えるのが理想的です。
また、ぬるめのお湯にゆっくり浸かると体が温まり、リラックスしやすくなります。寝る1~2時間前の入浴が効果的です。さらに、軽いストレッチや深呼吸で心身をほぐすと、副交感神経が優位になり、リラックスしやすくなります。
朝のリズムが整うと、夜も自然と眠りやすくなります。起床後に太陽の光を浴び、体内時計をリセットさせましょう。さらに、日中に十分な光を浴びると、夜間に睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌量が増え、入眠がスムーズになります。
また、目覚めのスイッチを入れるには朝食も大切です。朝食を抜くと体内時計が後退し、夜の寝つきが悪くなる悪循環に陥りやすくなります。たとえ少量でも朝食をとる習慣を身につけ、体内リズムを整えましょう。
疲れを感じたときは、市販アイテムを上手に活用すると、日々のコンディションを整えやすくなります。1日だけ乗り切りたいときは栄養ドリンク、継続的に栄養補給をしたいならサプリメント、心身のバランスを整えたいときは漢方がおすすめです。
アイテムを選ぶ際は、自分の症状やライフスタイルに合った製品を見極めるのが大切。成分を確認し、持病がある方や妊娠中・授乳中の方は専門家に相談しながら選びましょう。
疲労を「今すぐ何とかしたい」ときには、栄養ドリンクがおすすめ。また、ビタミンやミネラルを手軽に補えるサプリメントは、継続的に取り入れやすいのが利点です。
精神的な疲れやストレスを感じやすい方は、心身のバランスに働きかける漢方も選択肢の一つ。自分の疲れのタイプに合った製品を選べば、疲労回復を効率的にサポートできるでしょう。
急な疲労を感じた日や、重要な予定をこなす必要があるときには、栄養ドリンクを活用するとよいでしょう。栄養ドリンクには、疲労回復に必要なビタミンB群をはじめ、エネルギー代謝を促進するタウリン、集中力を高めるカフェイン、疲労軽減効果のある生薬が配合されています。
栄養ドリンクのタイプは、医薬品と医薬部外品の2種類です。医薬品タイプは、予防や治療を目的としており、効能・効果が認められた有効成分が配合されています。体の疲れが強いときは医薬品タイプを選ぶとよいでしょう。ドラッグストアで購入できます。
一方、医薬部外品タイプの栄養ドリンクは、軽い疲れを感じる際や、予防的に摂取するときに選ぶとよいでしょう。コンビニやスーパーで手軽に入手できます。
体に必要な栄養素を効率よく取り入れたいときは、サプリメントを活用しましょう。ビタミンB群やビタミンC、鉄分など、日々の食事だけでは不足しがちな成分を手軽に補えます。
栄養ドリンクに比べて1回のコストを抑えやすく、糖分やカロリーの摂取量も少なく済むのが特徴です。また、毎日の生活に無理なく取り入れられるため、継続しやすいのも魅力。忙しくて食事のバランスが乱れやすい方は、日常的なサポートとして取り入れてみるとよいでしょう。
精神的な疲れが続くと、胃の不快感や不眠、動悸といった体の不調が現れやすくなります。また、気分が沈んだり、イライラしたりといった心の変化に悩むケースも少なくありません。漢方薬は、心身のさまざまな症状にアプローチできるのが大きな特徴です。以下に漢方の種類と効果が期待できる症状をまとめたので、参考にしてみてください。
疲労回復に役立つ市販アイテムを選ぶ際は、まず自分の疲労タイプをしっかり分析しましょう。身体的な疲労なのか、精神的なストレスからくる疲れなのかによって、適した製品は異なります。
また、持病がある方や妊娠中・授乳中の方は、市販アイテムの使用前に必ず医師や薬剤師に相談してください。人によっては、避けるべき成分が含まれているケースがあります。病的な疲労感が続くときも、自己判断で市販アイテムを使用するのではなく、まずは医療機関に相談しましょう。
「疲れた」と感じても、どの程度疲労が溜まっているのか、自分では判断しにくい場合があります。そんなときに役立つのが、厚生労働省が提供している「働く人の疲労蓄積度セルフチェック」です。いくつかの質問に答えるだけで、現在の疲労蓄積度を把握しやすくなります。
職場で働く人用と家庭で働く人用の2種類が用意されているため、どんな立場の方でもセルフチェックが可能です。日々の疲れを客観的に見直したい方にとって有効な判断材料になるので、ぜひ活用してみてください。
※参考:
「働く人の疲労蓄積度セルフチェック2023(働く人用)」/厚生労働省
「働く人の疲労蓄積度セルフチェック2023(家庭支援用)」/厚生労働省
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