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疲労の原因とは?疲労の定義・本質から疲労の種類、疲労が心身に及ぼす影響などを解説

2023/03/17

多くの現代人が抱える疲労の原因は、ストレスや緊張状態の継続にあると考えられています。
かつての日本では、栄養不足も疲労の主な原因と捉えられていましたが、現代では、美味しい食事を十分に摂っているのに疲労を抱えている人がたくさんいます。
そのため、栄養不足を原因とする疲労ではなく、ストレスや緊張状態の継続を原因とする疲労が注目されているのです。
疲労とは何かとの根本的な部分から、疲労の種類と原因、疲労が身体に及ぼす影響などを解説し、最後には疲労回復の方法にも触れています。疲労の原因を根本から見ていきましょう。

 

そもそも疲労とは?

「疲労」は日常生活でも普通に使用する用語で、厳密な定義を意識する機会はほとんどありません。
そのため、「疲労」とは何かとの根本的な問題について考えた経験のある方は、多くはないでしょう。
ここでは、疲労の原因を解説する前提として、「疲労」の定義や本質を深掘りして解説します。

「疲労」の定義

「疲労」とは、過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態と定義されます。疲労の定義は、文部科学省が疲労の科学的解明を進めた結果として定義付けられました。
文部科学省による定義をわかりやすく言い換えると、「心身に過度な負担がかかり、身体が休息を求めている状態」となります。

疲労の本質

身体が疲労し休息を求めている状態になると、脳は疲労を感じ取ります。疲労を感じた脳は、全身に身体を休めるための危険信号を送ります。
この信号が疲労感で、疲労感に従って身体を休めるのは、心身の健康を維持するうえで重要な身体の反応です。
脳から送られる危険信号である疲労感は、疲労の本質と言えます。脳が正常に疲労を感じ取れなければ、知らず知らずのうちに心身が限界をこえてしまい、重篤な結果を招く可能性すらあります。

 

疲労の種類と原因

疲労の定義と本質を理解したところで、いよいよ疲労の原因について解説します。実は、疲労には複数の種類があり、疲労の原因も疲労の種類によってやや異なります。
疲労の種類は大きく分けて、肉体的疲労、精神的・神経的疲労、病的な疲労の3つです。人間関係のストレスが多く、インターネットの普及による情報過多な現代では、精神的疲労や神経的疲労を感じる方が多くなっています。

肉体的疲労

肉体的疲労は、運動や重い荷物を運ぶなどの過度の肉体的活動によって起こる疲労です。
体を動かすには、筋肉に蓄えられたエネルギーを使用します。体を動かし続けたり、負担を与え続けたりすると、エネルギーが枯渇し、代わりに老廃物や過労物質が蓄積します。これが、肉体的疲労として、筋肉の張りやだるさを感じさせる原因です。
肉体的疲労とは、筋肉で起こる疲労で「末梢性疲労」とも呼ばれます。

精神的・神経的疲労

精神的・神経的疲労は、ストレスや緊張状態の継続から起こる疲労です。
ストレスや緊張状態が継続すると、脳が活発に活動します。活発に活動する脳が酸素を消費すると、代わりに活性酸素が発生します。
体内に残った活性酸素は、細胞を傷つけるので、それが疲れとして現れるのです。
精神的・神経的疲労は、視神経や脳の緊張状態から生じる疲労で中枢性疲労とも呼ばれます。

病的な疲労

病的な疲労は、その名のとおり、病気を原因とする疲労です。うつ病や睡眠障害、肝炎などの病気は、疲労感や倦怠感を引き起こします。
病的な疲労は、肉体的疲労や精神的・神経的疲労とは根本的に異なる疲労のため、休息を取っても疲労を回復させるのは難しいです。

 

疲労が心身に及ぼす影響

疲労とは、身体が休息を求める状態です。疲労状態にもかかわらず、十分な休息を取れない状況が続くと、心身にさまざまな影響を及ぼします。
疲労が蓄積すると、仕事や勉強に集中できない、朝起きられない、全身のだるさなどが続くようになります。
さらに状態が悪化すると、自律神経の乱れや血管へのダメージにより、自律神経失調症や動脈硬化などの病気になってしまう可能性すらあるのです。

 

疲労が抜けない、とれない原因

現代人は、疲労が抜けない慢性疲労症候群に悩まされている方が多いです。
現代人が抱える慢性疲労の原因は、一時的な筋肉の疲労による末梢性疲労ではなく、中枢性疲労であると考えられています。
中枢性疲労の原因は、体内で処理しきれないほどの活性酸素です。
現代の生活では、人付き合いのストレスや、過剰な情報の処理によって、脳が活性酸素を多く発生させやすい状態に置かれています。
加えて現代人は運動不足の人も多く、運動不足が続くと筋肉量が低下し代謝が悪くなるので、活性酸素を処理できる量も減ってしまうのです。
つまり、現代人が慢性疲労を抱えている原因としては、活性酸素を発生させやすい生活が考えられます。
加えて、活性酸素の処理能力も低下しているため、体内に活性酸素が蓄積して中枢性疲労を引き起こしているためと言えるでしょう。

 

疲労回復のための方法

疲労回復のために重要なのは、次の3つです。

  • ● 十分な休息
  • ● 栄養のある食事
  • ● 適度な運動

十分な休息

疲労は、身体が休息を求めている状態なので、十分な休息は疲労回復にとって不可欠です。
十分な睡眠時間を確保するだけでなく、お風呂に浸かる、テレビやスマホの画面を見ずに目を休めるなど、心身ともに安らげる状態で休息を取りましょう。 エネルギー不足も疲労の一因となりますので、食事から栄養を摂るのも疲労回復にとって重要です。体内の活性酸素を減少させるために、抗酸化作用のある栄養素の摂取を心がけると良いでしょう。

栄養のある食事

食事からの栄養摂取に加えて、疲労回復のために栄養素を摂取するには、サプリメントや栄養ドリンクを活用する方法もあります。
どうしても疲労が抜けない場合には、疲労回復の効能・効果があるサプリメントや栄養ドリンクを試してみるのもおすすめします。

適度な運動

適度な運動も、疲労回復にとって効果的です。運動をすると、疲労を回復させるのではなく、逆に疲れてしまうと考える方も少なくはないでしょう。
しかし、疲労が抜けない原因でも説明したとおり、運動不足が続くと疲労の抜けにくい身体になります。適度な運動を継続して、疲れにくい身体を作りましょう。

 
現代人の疲労の原因はストレスや緊張によって起こる中枢性疲労

現代人の疲労は、筋肉の疲れである末梢性疲労よりも中枢性疲労を原因とする場合が多いです。
中枢性疲労は、激しい運動といった多くの方にとって非日常的な活動ではなく、デスクワークや人とのコミュニケーションといった日常的な活動によって生じます。
その結果、慢性的な疲労に悩まされる現代人は多く、疲労をいかに回復させるかは現代人が抱える永遠のテーマと言っても過言ではないでしょう。
中枢性疲労の回復方法として見落としがちなのが適度な運動です。「疲れているのに運動なんてしたくない」とは考えず、軽い運動から始めてみてはいかがでしょうか。

  • 佐藤孝生

    法律関係ライター佐藤孝生

    元弁護士としての経験を活かし、日常生活にまつわる法律問題や、困りごとに応える記事を中心に執筆活動を行う。
    弁護士時代には、離婚、相続、交通事故など身近な困りごとを取り扱う業務に従事。
    現在では「読者の困りごとに寄り添う記事」をモットーに、法律問題にとどまらず、健康コラムなどさまざまな執筆に取り組んでいる。