LDLコレステロール(悪玉コレステロール)とは?
LDLコレステロールとは、悪玉コレステロールとも呼ばれる脂質のひとつです。
コレステロールとはいわゆる"あぶら"で、水に溶けず、有機溶媒に溶ける性質を持っています。血中で増えすぎると、身体の各所に不調を起こしやすくなってしまうのがネックです。
悪いイメージのつきまとうLDLコレステロールですが、そもそも脂質は三大栄養素のひとつ。臓器や神経といった人間の身体を構成するのにも必要不可欠な成分です。さらに肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ役割を担っており、実は一概に悪者とはいえません。
HDL(善玉)コレステロールとの大きな違いは“働き”
脂質であるコレステロールには、『LDLコレステロール』や『HDLコレステロール』があります。
HDLコレステロールは善玉コレステロールともいわれ、血中の余分なコレステロールを除去するとともに、健康維持に貢献してくれます。
LDLコレステロールとHDLコレステロールの違いは、働きにあります。増えすぎるとコレステロールを血中に蓄積してしまうLDLコレステロールに対し、HDLコレステロールは溜まったコレステロールを取り除いてくれるのです。
正常な範囲とは?コレステロール値の読み解き方
LDLコレステロール値の異常は、健康診断で気付くケースが多いです。とはいえ、基準値より高い状態でなければ「コレステロール値が高い」とは診断されないため、値を自分で読み解けるようになっておくと心強いでしょう。また、LDLコレステロールだけでなく、HDLコレステロールを含む総コレステロール値にも留意してください。
<コレステロール値が低いとみなされる基準値>
● LDLコレステロール…140mg/dl以上
● HDLコレステロール…40mg/dl未満
● 総コレステロール…220mg/dl以上 ※
上記を超えていたからといって、すぐに治療しなければならないわけではありません。不調の度合いも人それぞれですが、健康を保つうえで、ひとつの目安にしましょう。
※参照:「脂質異常症」/厚生労働省
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)値が高くなる原因
LDLコレステロール値が高い原因には、生活習慣が深く関わっているとされています。
体質や遺伝、喫煙や飲酒も原因のひとつといわれていますが、主な原因として考えられているのが「脂質や糖質の多い食事」と「運動不足による肥満」のふたつです。
LDLコレステロール値が高くなる原因を、詳しく確認していきましょう。
脂質や糖質を多く摂る食事
LDLコレステロール値を上げる主な原因が、脂肪分の多い食事です。脂質は身体に必要な三大栄養素とはいえ、過剰に摂取すると不調を招くきっかけとなってしまいます。コレステロールを多く含む食材は適度に組み込み、1日のうちに摂りすぎないよう注意しましょう。
コレステロールを含む食事を控えるとともに、飽和脂肪酸が多い食べ物も摂取しすぎてはいけません。ラードやバター、乳脂肪に含まれるのが飽和脂肪酸で、コレステロール値を上げる働きがあるといわれています。
また、脂肪分といえば、マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸にも要注意です。クッキーやスナック菓子など、市販の洋菓子に入っている傾向にあります。糖分の摂りすぎも血中のコレステロール値を上げるといわれているため、お菓子の食べすぎには十分注意してください。
運動不足や運動量の少なさによる肥満
LDLコレステロールが高い原因として、運動不足もあげられます。
脂質であるコレステロールを溜めないためには、エネルギーの消費が不可欠です。運動によるエネルギー消費が十分にできていなければ、コレステロールが血中に蓄積してしまうと推測できるでしょう。
また、1日計30分以上の運動を少なくとも週に3日実施する運動パターンが推奨されている※ため、1週間の半分以上をじっとして過ごす方は運動不足といえます。特に、運動不足による肥満が気になる方も、LDLコレステロール値の上昇には気を配ってみてください。
※参照:「脂質異常症を改善するための運動」/厚生労働省
40代以降の女性注目!ホルモンバランスによる上昇も
意外なところで、女性ホルモンであるエストロゲンの減少も、LDLコレステロール値が高い原因になり得ます。エストロゲンは女性の美と健康を保つホルモンとして知られており、エストロゲンの分泌が活発な間は、LDLコレステロール値を低い状態に保てるといえます。
血中のコレステロールのバランスを保っているエストロゲンが減少すると、LDLコレステロールが増えてしまうと予測がつくでしょう。
女性にとってエストロゲンが減少し始め、更年期にさしかかる年齢はおおよそ40代以降といわれています。厚生労働省の資料においても、40代からじわじわと増えはじめ、50代には20代ではみられなかった値になる傾向にあると確認できました※。個人差はあるものの、女性は40代手前頃からLDLコレステロールの値に注意しておいた方がよいでしょう。
※「平成29年 国民健康・栄養調査報告」/厚生労働省
高いLDLコレステロール値を下げるための生活習慣改善法
高くなってしまったLDLコレステロール値を下げるためには、いかに上がってしまう原因を未然に防ぐかにかかっています。
間違った食生活と運動不足が上昇を招きやすいため、ふたつを中心に生活習慣を正し、LDLコレステロールの低い状態を目指しましょう。
食生活の改善
食事では、EPA・DHAが豊富な青魚や、食物繊維を多く含む食材をメインで摂ってみてください。ビタミンC・Eやβ-カロテン、ポリフェノールなども、LDLコレステロールの蓄積による酸化から守ってくれます。
また、コレステロールや飽和脂肪酸、トランス脂肪酸を多く含む食事を避けるのも大切です。日頃から多く摂りがちな方は、量を減らすところから始めるのでも構いません。
運動習慣の見直し提案
運動不足の解消は、HDLコレステロール値を上げるのにつながります。LDLコレステロール値を下げられる見込みは少ないですが、運動によってエネルギー消費を高められるでしょう。また、運動をすると筋肉がつきやすくなり、脂肪を溜めにくい身体づくりに役立つのも利点です。
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が低いのも問題!
LDLコレステロール値は、基準値の140mg/dl以上になっていなければ改善の余地ありと考えられます。しかし、実際のところ低すぎるのも問題です。高いときとはまた違った不調を引き起こす可能性があり、下がるだけよいとはいえません。
悪玉コレステロールといえど、値が低下しすぎると総コレステロール値も一緒に引き下げられてしまうのです。脂肪分は総じて身体に必要な成分のため、LDLコレステロール値は高すぎず低すぎずのラインを目指しましょう。
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