健康診断前の食事で絶食が必要な理由とは
健康診断の数値は、空腹時を基準に設定されています。そのため、食事で血糖値や中性脂肪の数値に影響が出ると、正常な診断ができなくなる可能性があります。
なお、糖尿病の方や妊婦の方が血液検査を行う場合、絶食を必要としないケースも多いです。今回の記事で説明するのは、一般的な健康診断を前提としていますのでご注意ください。
食後は血糖値や中性脂肪が上昇する
食事をとると、糖質が体内で消化吸収されてブドウ糖となり血液に取り込まれます。さらに、脂質や余ったブドウ糖は血中の中性脂肪を増やします。
糖質を多く含む炭水化物や脂質の多い食事をとると血糖値や中性脂肪が上昇し、空腹時の数値がわからなくなってしまうのです。血糖値や中性脂肪の数値が高くなると、糖尿病や脂質異常症の疑いによる再検査となる可能性があります。
血糖値は、食後2時間程度で空腹時の数値に戻りますが、中性脂肪が空腹時の数値に戻るには10時間以上かかるとされています。そのため、診断前に絶食が必要な場合は、最低でも10時間以上は時間をあけてください。
健康診断で絶食する前にとる食事の注意点
絶食前の食事についても脂っこい食べ物や甘い食べ物・飲み物は避けて、消化の良いものを選んでください。
消化の良くない食事をとってしまうと、健康診断まで10時間以上あけても血糖値や中性脂肪が空腹時の数値に戻らない可能性があります。
前日の食事でアルコールを摂取すると、肝機能の数値に影響が出てしまいます。アルコールの摂取は少量とするか、完全に避けてください。
午前中に健康診断を受診する場合の食事の時間ととり方
前日の21時までには食事を終えてください。もちろん、食事はうどんや豆腐など消化に良い食べ物を選び、量も控えめにしましょう。
水分は、診断の2時間前までは水や白湯であれば飲んでも問題ありません。ジュースや牛乳など糖分や脂質を含む飲み物は、食事と同様に前日の21時以降は避けてください。お茶やコーヒーについても、カフェインが血圧の数値に影響を与える可能性があるため避けるのが無難です。
口さみしいときでも、ガムやアメも禁止です。持病の服薬については、担当医に相談してみてください。糖尿病で服薬している方は、血糖値に影響を与えるため検査前には服用を中止するのが一般的です。
午後に健康診断を受診する場合の食事の時間ととり方
朝食から検査の時間まで10時間以上あくのなら、軽食をとっても問題ありません。量は、パン1枚、ごはん1膳ほどで、ジャムやバターは使用せず牛乳やクリームなども避けてください。当然ですが、昼食は抜いてください。
当日の水分は、検査の2時間前まで水か白湯であれば摂取しても大丈夫です。水分を完全に絶つと、脱水症状を起こしたり、検尿ができなくなったりする可能性もあるので必ず摂取してください。
ガムやアメ、服薬の注意点は、午前中に健康診断を受診する場合と同様です。服薬については、自分で判断せずに必ず医師に相談してください。
うっかり健康診断直前に食事や間食をしてしまったら
健康診断をひかえていても、いつもの習慣で食事や間食をしてしまう可能性もあるでしょう。食事や間食をしてしまったら、病院に連絡して指示にしたがってください。
食事をとった事実を隠したり、量を少なく申告したりすると正常な検査が行えず、結局のところ再検査が必要となってしまいます。特に、血液検査では、血糖値や中性脂肪の数値で再検査の判定を受ける可能性が高いでしょう。
正確な診断を受けるには検査日程を延期すべきですが、食事の内容や量によっては、医師が食事の内容や量も加味して判断が可能なケースもあります。
健康診断前に控えたい生活習慣
健康診断前には、食事以外でも控えたい生活習慣があります。普段の生活で当てはまる生活習慣がある場合には、健康診断の前だけでも注意してください。
● タバコ、アルコール
● 激しい運動
● プロテイン、サプリメント
● 睡眠不足
タバコ、アルコール
喫煙は血圧や心拍数に影響を与えます。タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、血圧や心拍数を上げる原因となります。健康診断の直前に喫煙すると、血圧や心拍数を正常に計測できなくなるため、少なくとも検査の当日はタバコを吸うのを止めましょう。
アルコールを摂取すると肝臓がアルコールを分解するために働くので、肝機能の数値が高くなります。肝機能の数値が高い状況が続くと、慢性肝炎や肝硬変など重篤な病気を引き起こす原因となるため、多量の飲酒が習慣となっている方は注意が必要です。
少なくとも健康診断の前日は休肝日にして、普段から肝機能の数値が高い方は数日間はアルコールを抜くのをおすすめします。
激しい運動
健康診断前の数日間は、激しい運動を避けましょう。激しい運動は、体内のたんぱく質を消費します。その結果、尿からたんぱく質が排出されたり、肝機能の数値に影響を与えたりする可能性があります。
普段からランニングや筋トレの習慣がある方も、正しい数値を計測するために数日間はウォーキング程度の運動で我慢してください。
プロテイン、サプリメント
プロテインやサプリメントは、過剰摂取すると尿から排出されたり、肝臓や腎臓などに負担を与えたりする可能性があります。
プロテインを摂取する場合は、食事から摂取するたんぱく質の量に注意が必要です。少なくとも検査の前日には、摂取しないのが無難でしょう。
サプリメントについても、検査の2~3日前からは服用しないのがおすすめです。サプリメントを長期間服用している場合には、検査結果に悪影響がないかを医師に相談してみるとよいでしょう。
睡眠不足
睡眠不足が続くと、ホルモン分泌や自律神経の乱れにより身体のさまざまな機能に悪影響を与えます。
検査の前日には、アルコールや夜更かしを避けて、最低でも6時間以上は睡眠時間を確保してください。
注意事項を守って正しい診断結果を
長く健康に過ごすには定期的な健康診断は欠かせません。健康診断を受けていても、正しい診断結果を得るには注意事項を守る必要があります。
健康診断前には10時間以上の絶食が必要で、アルコールやタバコも控えなくてはなりません。深夜の食事やアルコール、タバコの習慣は、健康診断がなくとも避けるべき習慣です。
健康診断をきっかけに、普段の生活習慣も見直して、健康で生き生きとした毎日を過ごしましょう。
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