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【医師執筆】家族がインフルエンザに!病院受診のタイミング、外出や仕事は?家庭内感染対策について解説

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2024/02/02

家族がインフルエンザを発症すると、同じ空間で生活している人にも感染する可能性があります。インフルエンザはつらい症状が現れるだけでなく、重症化すると肺炎など重篤な合併症を引き起こすケースも少なくありません。
家族が次々にインフルエンザに感染しないようにするには適切な対策が必要です。具体的な家庭内での感染対策方法、家族が発症したときの外出や医療機関受診での注意点などについて詳しく解説します。

 

家族がインフルエンザを発症!家庭内ですべきこと

インフルエンザを発症すると、同じ空間で生活する家族にも感染する危険があります。家族がインフルエンザと診断された場合は、家庭内で感染が拡がらないよう注意が必要です。具体的に、どのようなことに注意すればよいのでしょうか?

インフルエンザはいつ感染する?

インフルエンザはウイルス感染症の一種であり、発症者から排出されたインフルエンザウイルスを周囲の人が体内に取り込んでしまうことで感染が拡がっていきます。周囲の人に感染させてしまう期間は発症1日前~発症後5日目くらいまでとされており、発症に気付かないうちから周囲に感染を拡げている可能性もあるため注意が必要です。
また、インフルエンザはウイルスに感染してから1~3日程度の潜伏期間を経て症状が現れます。つまり、家族がインフルエンザに感染していることが分かった段階で、症状がなくても既に感染している可能性があるのです。家族がインフルエンザになったら、いつご自身が発症してもおかしくないと考えておきましょう。なお、家族がインフルエンザを発症すると、同居している家族に感染する割合は2割程度との報告があります。

家庭内感染対策の注意点

家族がインフルエンザと診断されたときは、すでに他の家族もインフルエンザにかかっている可能性があります。しかし、それ以上感染を拡げないためにも適切な感染対策が必要です。家庭内では次のことに注意して感染対策をしましょう。

部屋を分ける

インフルエンザの感染経路は飛沫感染と接触感染です。発症者の唾液などと共に排出されたウイルスが周囲の人の鼻や口から入り込んでしまったり、ウイルスが付着したものに触れた手で鼻や口を触ってしまったりすることで感染します。インフルエンザウイルスは感染力が強いため、発症して5日を経過するまでは寝室や食事をする場所などは分けて過ごすのが理想的です。特に乳児や高齢者など免疫機能が低い家族は発症者からできるだけ距離を取るようにして下さい。看病が必要な子どもが感染した場合は、マスク着用や手洗いなどの基本的な感染対策を徹底して近くで接する時間をできるだけ短くしましょう。

手洗い、マスク

インフルエンザを予防するには、ウイルスを体内に取り込まないことが大切です。家族に発症者がいる場合は、ドアノブや電気スイッチなど様々な場所にウイルスが付着している可能性があります。
手に付着したウイルスで鼻や口を触ってしまうと体内に取り込んでしまうため、食事前やトイレの後などはこまめに石けんで手洗いをしましょう。手で鼻や口に触れないよう心がけることも重要です。
また、家庭内での感染対策にはマスクも必要です。ただし、マスクはウイルスの侵入を100%予防できるものではありません。感染を予防する家族だけでなく、発症者ご自身もウイルスが含まれた飛沫を飛び散らさないようにマスクを着用しましょう。

加湿と換気

インフルエンザウイルスは低温で乾燥した環境で生存率が高くなるウイルスです。発症者から排出されたウイルスの生存率が高くなると、家族に感染するリスクが高まるため、室内の温度や湿度の管理にも注意する必要があります。具体的には、20~25℃程度に室温を保ち、湿度は50~60%程度になるよう加湿器や濡れタオルなどを活用してください。
また、インフルエンザウイルスは空気中で2~8時間は生存して周囲の人に感染するとされています。感染のリスクを下げるには、1~2時間に一度は換気して空気を入れ替えましょう。

 

インフルエンザの発症者がいても家族は外出OK?受診の必要性は?

家族がインフルエンザを発症した場合、同じ空間で長い時間過ごす家族は感染するリスクが高くなります。症状はなくてもすでに感染している可能性もあり、家庭の外に感染を拡げないためにも行動に注意しなければなりません。
家族の外出や受診についての注意点を見てみましょう。

家族は外出してもよい?

家族がインフルエンザを発症したとしても、家族が外出を控えなければならないというルールはありません。独自のルールがある場合を除き、登校や出勤も問題なくできます。
ただし、のどの痛み、咳、鼻水、微熱などの症状がある場合は軽度な症状であってもインフルエンザの可能性があります。
医療機関を受診して抗体検査をしても陽性にならないケースもあるため、症状が改善するまで、もしくは症状が現れて5日程度経過するまでは自宅での療養をおすすめします。
勤務の都合上、休むことができない場合はマスク着用などの基本的な感染対策を徹底した上で周囲の人と食事をするなど密な接点はできるだけ避けてください。

症状がなくても医療機関の受診は必要?

家族がインフルエンザを発症しても、基本的に症状がなければ医療機関を受診する必要はありません。むしろ、インフルエンザの流行期は医療機関内で感染する可能性があるため、不必要な受診は控えるべきと考えられます。
一方で、以下の項目に当てはまる人は万が一インフルエンザに感染すると重症化する可能性があります。

  • ・65歳以上の高齢者
  • ・慢性的な呼吸器疾患や心疾患がある人
  • ・糖尿病などの代謝性疾患がある人
  • ・腎機能が悪い人

症状がなくてもタミフルなどの抗インフルエンザ薬の予防内服で、発症を7~8割抑えられます。予防内服は発症者と接触してから48時間以内が望ましいとされています。予防内服を希望する場合は、発症者が受診して診断されたときに医師へ相談しましょう。
もちろん感染者本人も抗インフルエンザ薬はできるだけ早い段階で、少なくとも発症後48時間以内に内服開始する必要があります。
昨今、発熱外来などは予約が取りにくくなっていますができるだけ早く医療機関を受診してください。オンライン診療などを利用することもできるため、市販の迅速検査キットを自宅に用意しておくといいでしょう。

 

インフルエンザの家庭内感染を防ぐために日頃から注意することは?

家族がインフルエンザに!

インフルエンザは例年、12月から4月頃まで全国的に流行します。流行期は誰もが感染する危険があるため、どの家庭にも感染が拡まるリスクがあります。
インフルエンザの家庭内感染を防ぐためにも、日頃から次のようなことに注意しましょう。

基本的な感染対策を徹底する

インフルエンザの感染経路は飛沫感染と接触感染です。流行期には日頃からこまめな手洗い、マスクの着用、加湿などの基本的な感染対策を心がけましょう。人混みを避けるのもインフルエンザの予防につながります。
また、ウイルスが体内に入り込んだからといって必ずしもインフルエンザを発症するわけではありません。ウイルスが侵入しても正常な免疫機能が体を守ってくれると発症するリスクが低くなります。免疫機能を正常にキープするには、睡眠や休息をしっかり確保し、バランスよい食生活を心がけるなど生活習慣を整えることも重要です。

ワクチンを接種する

インフルエンザの発症や重症化を予防する対策としてワクチン接種が有用です。インフルエンザのワクチンは毎年受ける必要があり、13歳以上では1回接種、13歳未満では2回接種が推奨されています。インフルエンザが流行する12月中旬までにはワクチン接種を完了しましょう。

 
家族がインフルエンザになったら家庭内で感染対策を徹底しよう!

インフルエンザは感染力が高く、発症すると同居している家族に感染が拡がる可能性があります。できるだけ感染が拡がるのを防ぐためにもご紹介した対策を徹底しましょう。
特に室内の湿度管理は非常に重要です。私たちの鼻やのどの粘膜には線毛と呼ばれる細かい毛が密生していて、入り込んだウイルスなどの異物をキャッチして身体の外に追い出す役目を持つものがあります。線毛は空気が乾燥すると異物をキャッチする機能が低下するため、インフルエンザに感染しやすくなります。湿度は50~60℃になるよう加湿器などを活用してください。また、マスクの着用や温かい飲み物なども、鼻やのどの粘膜を潤してくれるのでおすすめです。

  • 成田

    監修医師成田 亜希子

    2011年医師免許取得。初期臨床研修を経て総合診療医として幅広い分野の治療に携わる。
    臨床医として勤務しながら、行政機関での勤務経験もあり地域の健康課題にアプローチした健康寿命延伸、感染症対策などの医療行政にも携わってきた。 国立保健医療科学院、結核研究所での研鑽も積む。 現在、医療法人ウェルパートナー主任医師。