花粉症ってアレルギーの一種なの?
花粉症とは、アレルギー反応の一つです。アレルギーとは、体外から侵入してきた有害物質から体を守る“免疫機能”が過剰に働き、「体に害をおよぼしている状態」をいいます。
スギの花粉症を例に挙げると、本来は体にとって無害なスギ花粉に対して免疫機能が過剰に反応して、体外に追い出すために様々な症状を引き起こすのです。
花粉症の症状
花粉症になると、おもに以下のような症状がみられます。
【アレルギー性鼻炎】
【アレルギー性結膜炎】
【その他】
- ● のどのかゆみ
- ● 顔や首の肌荒れ
- ● 皮膚炎
- ● 頭が重い
- ● 頭痛
- ● だるい
- ● 熱っぽい
- ● 寒気
- ● イライラ
- ● 消化不良
- ● 食欲不振
また、鼻づまりが悪化すると、副鼻腔炎(鼻のなかに膿がたまる状態)になる場合があります。近年、増加しているヒノキの花粉症では、黄砂が多い季節と重なると、せき症状が強くなることも報告されているのです。
花粉症の種類
「花粉症を引き起こす植物は、現在60種類ほどが確認されています。日本でのおもな花粉症の種類と流行時期は以下のとおりです。
- ● スギ (2~4月)
- ● ヒノキ (4月)
- ● ハルガヤ (5~6月)
- ● カモガヤ (5~6月)
- ● ブタクサ (9月)
花粉症の症状が現れるまでの期間には個人差がある
花粉症は、花粉にさらされ続けた頻度や量に影響を受けます。環境省や日本気象協会が発表している花粉飛散情報を参考にして、花粉対策をすることが大切です。マスクやメガネなどで花粉から防御する工夫をしましょう。
花粉症と食べ物の関係
花粉症は、毎日口にする食べ物に影響を受けます。栄養不足は免疫力の低下を招き、アレルギー反応が悪化しやすくなるのです。
アレルギー反応の一つである花粉症を予防するには、「免疫力」を正常に維持することが重要になります。
体内に侵入した外敵(ウイルスや病源体など)を撃退する役割が「免疫細胞」です。体内にある免疫細胞の約70%は“腸”に存在しているため、腸内環境が良ければ、免疫機能は正常に働くのです。
腸内環境が良い状態とは、善玉菌が悪玉菌よりも多い状態をいいます。
つまり、腸内に棲む善玉菌が不足すると、腸内環境は崩れ免疫機能がうまく働かず、花粉症になりやすくなってしまうのです。
腸内に棲む善玉菌には「乳酸菌」や「ビフィズス菌」などがあります。
また、バリア機能を担う粘膜の健康維持に必要な「ビタミンA」や炎症を抑える働きのある「ポリフェノール」など、各種栄養素の不足は、花粉症のリスクを高めることにつながるのです。
さらに、炎症反応を誘発・増大させる食品の摂取も花粉症のリスクを高めます。
花粉症を悪化させるおそれのある食品
食べ物によって、花粉症を悪化させてしまう場合があります。
以下の食べ物には注意が必要です。
トランス脂肪酸を多く含む食品
トランス脂肪酸を食べると、アレルギーを引き起こしやすくなるといわれています。
マーガリン・ショートニング・ファットスプレッドなどにはトランス脂肪酸が含まれている場合がほとんどです。
これらは市販されているパンやクッキー・ケーキといった洋菓子、揚げ物などの原料に使われていることが多いので注意しましょう。
高タンパクな食品
卵や肉など高タンパクな食品を食べ過ぎて、消化・分解が十分でないまま体内に吸収されると、異物と認知して抗体が増え、アレルギー症状を引き起こす場合があります。食べ過ぎには注意しましょう。
刺激の強い食品
刺激物は、粘膜を刺激して花粉症の症状を悪化させます。香辛料やお酒は控えましょう。
花粉症の人におすすめな食品
花粉症の辛さを緩和するためにおすすめの食べ物があります。ただし、薬とは違って、食べたらすぐに効果が出たり、治ったりするものではありません。
あくまで食品なので、補助的な対処法として、毎日継続して食べることは花粉症対策の一つになるでしょう。
免疫力の維持におすすめな食品
- ● 大葉
- ● 青魚
- ● トマト
- ● ヨーグルト など
体を温める食品
- ● ニラ
- ● ねぎ
- ● しょうが
- ● 大葉
- ● ウド
- ● フキ
- ● シナモン など
乾燥予防におすすめな食品
- ● ピーナツ
- ● 干し柿
- ● ゴマ
- ● ユリ根 など
症状の悪化防止におすすめの食品
- ● クズ
- ● ごぼう
- ● ハッカ
- ● 菊の花
- ● ミョウガ
- ● スイカ
- ● 梨
- ● 柿 など
抗酸化成分を含む食品
体の老化を促す活性酸素が活発になると、炎症やアレルギー反応が進むことがわかっています。そのため、以下のような抗酸化成分を含む食品がおすすめです。
- ● 鶏レバー
- ● ウナギ
- ● にんじん
- ● かぼちゃ
- ● ピーマン
- ● ブロッコリー
- ● オレンジ
- ● アーモンドといったナッツ類
- ● 緑茶
- ● 甜茶 など
花粉症対策におすすめの食べ物を毎日食べる工夫
花粉症は、命に関わるような病気ではありませんが、自然に治るケースはほとんどありません。花粉症を改善するための近道は、症状に合わせた適切な治療を受けることです。
医療機関では、症状に合わせて医師が薬を処方できます。症状が気になる場合は、早めに医療機関へ受診しましょう。
そのうえで、毎日の食事で、健康の基盤を作っていくことが大切です。おすすめ食材を毎日食べるための工夫についてご紹介します。
意識して花粉症対策におすすめの食べ物を買う
当たり前ではありますが、まずは食材を手元に用意することが始まりです。食材が自宅にあれば、「腐る前に食べなければ」という意識が向くのではないでしょうか。
ルーティーンを作る
- ● 朝ごはんには、デザートとして「ヨーグルト」「梨」「柿」「スイカ」などをチョイスする
- ● ごはんには、「ゴマ」をかける
- ● 麺類や冷奴には、「大葉」「ねぎ」「しょうが」「みょうが」を添える
- ● 間食には、「ピーナッツ」「干し柿」を食べる
など、自分の生活に合わせて、食べるタイミングをルーティーン化することで、おすすめ食材を無理なく食べる習慣が作れるでしょう。
毎日のバランスの良い食事と
早めの受診で快適な明日へ
花粉症は、アレルギー症状の一種であり、本来は身を守るために働いている「免疫反応」が過剰に起こり、体に悪影響を与えている状態です。
免疫反応を正常に保つには、毎日の食事に気を配る必要があります。なぜなら、体内の免疫機能を担う免疫細胞の約70%は腸に存在しており、腸内環境の良し悪しは、食事に影響を受けるからです。
ただし、食べ物は薬とは違って即効性はありません。そのため毎日、乳酸菌やビフィズス菌を補給するなど、栄養バランスの良い食事を続けることが大切です。
辛い花粉症を治すためには、医療機関を受診して適切な治療を受けることが近道になります。症状が気になる場合は、早めに受診しましょう。
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